観察月日 2018.12.9. 曇 4℃
観察場所 山北町 玄倉
「トビが何羽も旋回しているわ!」の声に、一斉に灰色の空
を見上げると、トビの群れがループ階段を上がる様に、上へ
上へと昇って行く。以前青空の中に同じ様な景色を目にした
事があったが、冷たい空気が淀んでいる空間の中にも、上昇
気流が起こるものだろうか。
「トビは44羽かな」双眼鏡で追っていたYさん!「どこへ旅立
つのだろうか」とは誰かが。トビの姿は小さくなって行く。
イタヤカエデの枯葉が積もる坂道を行くと、急におびただし
い程の細い小枝の重なりに変わった。
私が一本手にしていると、「それ、ウワミズザクラの花序を
付けていた小枝ですよね」とRさんの声。毎年4~5月の頃試
験管洗いのブラシな様に、小さな桜の花をぎっしり付けるの
だが、毎月第3週日曜日がガイドウオークの日で、皮肉にも
私達が集まった日には、蕾であったり、花が咲き終わった後
であったりして、此処では綺麗な晴姿を見ていない。
サクランボの時期は過ぎ、その後は実を付けていた果梗
は枝と別れ、落下し林道上を埋めているのだ。
フサザクラの枝には、コボタンズルの羽を付けた実が冬の
花を飾り、春にオタマジャクシが泳いだ水溜りには、イノシ
シの脛毛がスタンプされ、マユミの紅葉を見ながら戻った。
Kさんのケーキを頂きながら、年の瀬の丹沢の山々を見渡した。
灰色の空を トビが廻る、トビが昇る。
小枝が落ちて 積もって。
ウワミズザクラ 花の頃。
コボタンズルが 冬の花を。
水溜りに イノシシの毛 スタンプ。
マユミの紅葉。
Kさん手作りのケーキを頂きながら 仲間はいいね 丹沢はいいね。・・・・・・