足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1082 ~ セスジツユムシ の 眠り ~

2012年09月18日 | 昆虫

玄倉の夏

ツユムシの眠りが 簡単には見つからない

ススキのみどりに 見事に溶け込んで

この眠りの姿勢

午後3時 そろそろ目覚めの時間

観 察 月 日  2012.9.9.晴 32℃

観 察 場 所  山北町 玄倉

 「ツユムシが昼寝をしていますよ」とつい言うと、

 「この虫は、夜行性だから昼寝ではないのでは」とWさん。

 確かに、ツユムシの仲間は活動の時間を夜に選んだ虫なので、

昼寝とは言わないのだろう。5本程の茎から成るススキの株に、

2匹のセスジツユムシが眠っていた。

 人のものさしではあるが、眠りとは“体の動きが止まり、外的刺激

に対する反応が低下し意識も失われているが、簡単に目覚める

状態”と言われる。

 セスジツユムシに当てはめてみた。先ずは触角を前へ低くのば

している。

活動時間の夜は暗い。その中では目は役立たない。物を、相手を

知るのは目ではなく触角だ。アンテナの役目をしているので感度を

上げるには“ピン“と立てたり動かして周囲の様子をキャッチし、情

報処理をしているのだろう。だが、今目の前にいるセスジツユムシ

は、触角を下げススキの葉に添って伸ばしている。アンテナの働き

を休止しているのだ

 セスジツユムシは、体の色や体形を工夫して緑の中に化け込み、

静かな眠りについているのだ。