足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1035 ~ ひな草 と言うんだよ ~

2012年03月08日 | 植物

ノシラン の 青色の実をのせて

観 察 月 日  2012 3 3 晴 10℃

観 察 場 所  瀬谷区 瀬谷

 何年か前の春、西丹沢玄倉集落にお住まいのKさんが、「この草

、ここでは“ひな草”と呼んでいますよ」と指さしてくれた情景が頭

に浮かんだ。

 “ウメも早咲きのサクラの開花は25日も遅れている。これも、地

球温暖化のためだ” 世間のつぶやきに流されて、自分自身が春

と言う季節を忘れかけていた。

 そんな時、Kさんの顔が頭に浮かぶ。ふと我を取り戻し、枯れ草

の中に目をやると、ヤブカンゾウの新芽が若草色の力を出し、両

手で枯れ草を押しのけ頭を出していた。

 乾しわらびを敷き詰めた様に見える枯れ草は、前の夏には日光

と水と二酸化炭素を化学反応させ、澱粉を作り、花を咲かせ、鈁

錘状の根に生産物を貯蔵した工場の跡なのだ。だが、廃棄物で

はなく、冬の低温や乾燥を防ぐシェルターに再利用しているのだ。

 ヤブカンゾウの萌芽の先に、ノシランの実を一粒乗せてみた。

 今日は三月三日、山麓の草原、土手、あちこちでは、自然が奏

でるひな祭りが見られることだろう。