足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1020 ~ ヨコズナサシガメ幼虫はなぜ群れる ~

2011年12月31日 | 昆虫

冬の雑木林

クヌギの幹で

ヨコズナサシガメの集団越冬が

こちらは サクラの幹で

日  2011 12 31 曇後晴 8

所  厚木市 七沢

 

 今年も、ヨコズナサシガメ幼虫がサクラやクヌギの幹の

窪みで越冬しているのを見る季節になった。

 昆虫が、成虫や幼虫で越冬しているのを山麓ではよく見

掛けるが、大抵のものは単独で、集団を作り寄り添ってい

るのは少ない。中でも同じ母親から生まれ血縁関係の深い

兄弟ともなれば、より絞り込まれる。

ヨコズナサシガメは、何故群れて越冬するのだろうか。

カメムシが出す臭気は、個体を集める集合フェロモンの

 機能があるといわれ、反面集団の一個体がアリ等に捕食

されると、体内から臭気を発し、集団の分散を促す警告

フェロモンの機能も持つという。

又、黒の地色に赤や白の体色は、鳥に対する味の悪さを

体験学習させるミューラ式擬態が種の維持に役立ってい

るのであろうか。

又又、幹の窪みにいることは、越冬に対してどんな効果

を期待しているのであろうか。

我が国のカメムシについては、まだ解明されていない事

が多いといわれている。ヨコズナサシガメについても、

観察や実験により暮らしの様子が解るかもしれない。