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足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1483 ~ くずはの家の自然 ~

2017年04月19日 | 野生動物

観 察 月 日   2017.4. 13.晴後曇 17℃

観 察 場 所   秦野市 くずはの家

 「これから、イタチとイヌの足跡の石膏の型を外しに行くところ

・・・」道具を入れた籠を下げていた。

 今日の私は打ち合わせに寄ったのだが、幸運な時に出会っ

た様だ。くずはの家には何度も来ているのに、まだ私が入った

事が無いエリアに行くようなので、案内をお願いしたのである。

 つり橋を渡り、葛葉川の露頭が見える河原までは必ず寄って

いたが、飛び石を渡って対岸に行った事が無かった。一般には

人は入らないと見えて、緑が濃いかと思うと、住宅地が迫り、保

全された理由の重さが解る。

 足跡の石膏を外し、川で土を落とすのを見て先へと進む。「こ

こはヤマビルの多い所ですが・・・」と言われたが、ヒルには友達

付き合いをしているので、構わずシダの茂る竹林に降りる。アカ

ネズミの食べたオニグルミが転がっている。枯れた太い竹が倒

れている。「この竹の割れ目から中を覗いて見て下さい」と言わ

れ中を見ると、オニグルミの核果が詰まっている。「アカネズミよ、

上手く利用しているな」口から言葉が自然にこぼれた。

 今は静寂そのものだが、陽が落ちると、フクロウの目や耳を持

ち合わせれば、アカネズミの足音や、オニグルミをかじる音など

賑やかに聞こえそうだ

深い緑の道を のんびりと。

石膏を割れない様に 慎重に。

「ヤマビルが多い所なんですよ」

アカネズミが食べた オニグルミの実が。

枯れた竹が倒れて・・・・・

割れ目から 中を覗くと・・・・

★ 中には オニグルミの核果がつまって・・・


No. 1482  ~ 玄倉の春4月 ~

2017年04月19日 | 野生動物

観 察 月 日   2017.4. 9.霧雨 15℃

観 察 場 所   山北町 玄倉

  今年は小菅沢沿いに植えられている桜の開花は遅く、ヤ

エベニシダレがやっと花を開いた程度で、丹沢湖を囲む山の

側面を覆う若緑の中を、ヤマザクラやオオヤマザクラが染め

分ける桜色を見る事は出来なかった。

  つい先ほどまで降っていた雨が止み、冬芽をほころばせ

たイロハモミジは水玉を付け、それがレンズになって空間に

広げた枝を、対峙する山を写し出している。先月まち針の様

に蒴をつけていたタマゴケはどうかと林に入って見ると、蒴

に水玉が付き、その中にもう一つの自分の姿が写し込まれ

ていた。

 今にも泣き出しそうな空を気にしながら、秦野峠への道を

行くと、途中ヨゴレネコノメ、マルバコンロンソウ、ツルカノコの

花を見る。毎年の行事の様に、ヒナスミレを探しにガレた斜

面に入るが、最近富に土砂が流れ落ちて、今年も見付ける

事が出来なかった。誰かが「足元を・・」と言われて目を落と

すと、今年初のヤマビルが、体を収縮させながら私の足元

に急いでいた。

 今日の目的の一つは、先月コンクリートの破片の隙間に

潜んでいたタゴガエルのその後の変化を観察する事だ。こ

このところの雨で、山の斜面から染み出る水が流れ出して

いるのを見て先ずは安心する。先月カエルのいたコンクリ

ートの破片を持ち上げると、カエルの姿は無く、そこには

2卵塊が産み落とされていた。卵は初々しく、卵径は3㎜

程と大きく、蔵卵数は100個程と30個程と思われる。動

物極は淡い黒色だがその差があり、卵嚢の量が多いのが

この種の特徴だ。幼生(おたまじゃくし)は卵嚢の消費だけ

で変態するので、来月の変化が楽しみだ。「鳴き声がする」

とRさん、隣の破片の下には雄が控えていた。

 雨が落ちて来たので、軒先を借り、今年も恒例の花見団

子をみんなで楽しんだ。

ヤエベニシダレがやっと咲き出した。

イロハモミジの水玉レンズ仁春の景色が。

タマゴケの蒴にも水玉レンズが、自分の景色を。

今年初のヤマビルが・・・

コンクリートの破片の下を覗いて見たら。

タゴガエルの卵塊が・・・

隣には、雄のカエルが。

帰りに ヒナスミレが見つかった。

雨の日もまた良し 自然は素晴らしい。

雨の日も また楽し。

 ★ 毎月第2日曜日10時 玄倉バス停 (駐車場もあります)


No. 1473 ~ カマアカガエルは大騒ぎ ~ 

2017年02月28日 | 野生動物

観 察 月 日   2017.2. 17.晴風強し 22℃ (関東春一番)

観 察 場 所   横浜市 緑区 (県四季の森公園)

 気温高く突風が吹き荒れ、一気に春がやって来た暖かさだ。

公園ではウメが咲きサンシユも満開だ。斜面の草原には、セ

ツブンソウ・フクジュソウが咲き始めるが雨が少なく、花も少な

く元気もない。

 アシ原では、キセキレイ・シロハラが歩き、その裏側からヤマ

アカガエルの鳴き声が聞こえる。アシ原を回り込むと、ヤマアカ

ガエルの鳴き声が急に大きく空気中へと広がった。鳴き声だけ

でなく、動きが活発で、水を叩く音がしきりにし、水面が波立つ

程だ。

 「昨日までは、カエルの鳴き声は聞こえなかったし、カエルも

集まっていなかった」毎日散歩に来ていると言う人から話を聞

いた。

 普通ヤマアカガエルは立春の声を聞く頃、雨が降ると気温も

上がり、スイッチが入って冬眠から覚め、水辺に集まって産卵

行動が始まる。処が今年は雨らしい雨が無く、ヤマアカガエル

はどうしているのだろか?

 四季の森公園のヤマアカガエルの例年の行動は解らないが

、今日の春の陽気に反応して産卵行動のスイッチが入ったの

だろう。

 殆どのカエルは雄で、雌が来たと感じると雄のカエルは一斉

に飛びかかり団子状になって大騒ぎとなる。この騒ぎも全ての

産卵が終わると、嘘の様に静かになりカエル達も、本当の春が

来るまで、もうひと眠りするのだ。

 ところで我が家の庭に住むヤマアカガエル、今年の冬は雨が

少なく乾燥しきっているので心配していたが、20日の夕方の俄

か雨で冬眠から7匹がさめ、生まれ故郷のメダカ鉢に来て、雌

を呼ぶ鳴き声を始めて安心した。家のカエルの産卵は例年まだ

後なので、賑やかになるのはこれからだ。

ヤマアカガエルの鳴く声が 空気中に広がって行く。

雨が少なく 水量が少ない。 園の誰かが土を掘り上げてある。 カエルにやさしい心使い。

運よくカップルになっても 雄達は追いかける。

油断をすると 雄達に飛び付かれ団子状になってしまう。

雄達は 我も我もと 大さわぎ!

ところで うちの庭のヤマアカガエル。 俄か雨に誘われ 庭の方を向いて 雌ガエルに呼びかける。

夜になっても 別の雄ガエルがコールを送ったが 雌ガエルは現われなかった。

★ 産卵は まだまだこれからだ。


No. 1459 ~ 昼間にイノシシが ~

2016年12月28日 | 野生動物

観 察 月 日   2016.12.18.晴 12℃

観 察 場 所   厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 センターの野外施設の観察路をいつもの様に歩き、奥まった湿地を

一回りするコースに来ると、“立入禁止”の立札があった。近づいて見

ると、「昼間にイノシシが出ています。これより先を、立入禁止とします

」と書かれてあった。

 何年も前の話だが、野外施設内には全く人影は無く、静寂そのもの

であった午前、私の足元近くから“ウリボウ”が突然とび出し、湿地を走

り渡り、対岸の斜面に辿り着いた。すると親が姿を現しウリボウを連れ

て斜面を登り、姿を消した。

 その頃のイノシシは人を恐れ、夜行性の動物と言われていた。その日

は、行動の時間を間違えたのか、アクシデントがあったのか、イノシシか

らはそんな感じを受けた記憶が残っている。それが、イノシシを取り巻く

環境が変わったと言うか、人間が変えたと言うか、野生動物を認識し

、充分な注意を払わなければならない時代となった。

野外施設は、野生動物を認識する上での多くの資料が、野生動物達

から提供されている場所でもある。ミミズ、タニシ・・・等餌を捕るため土

を激しく掘り返した跡がある。イノシシの仕事量とそれから得る報酬との

バランスシートが取れているのか考えてしまう。ぬかるみの場所には、

イノシシ特有の足跡も残されている。草地にはコロリとした糞が落ちてい

る。又、粒状のシカの糞も足跡もある。目立つ場所にはテンの糞もある。

他にもタカに襲われたであろうドバトの散らばった翅、赤茶の綺麗な野

鳥の翅の落し物等、冬枯れした落葉の上には自然からのメッセージが

あった。

 今日のミニ観では、又いつもとは違う問い掛けを、私達に与えてくれた。

昼間にイノシシが出ています。

餌を捕るために 激しく土を掘り起こした跡 (2016.10.16.)

足跡。

まとまって 量も多い。

粒状の シカの糞。

タカに襲われたのか ドパトの羽。

綺麗な羽の落し物 誰のだと思います?

双眼鏡で上を見ている事が多いのだが。 

★ 今日は違った。 野生動物の暮らしをイメージした。

 


No. 1430 ~ 不運 幼いノウサギ ~

2016年08月19日 | 野生動物

観 察 月 日   2016.8.14.曇 26℃

観 察 場 所   山北町 山市場

 今日は旧盆の14日、それも日曜日、西丹沢に来ている。帰りの道路

の込み具合が心配で、急ぎ玄倉を出発した。丹沢湖を離れ、集落を過

ぎ、右河内川、左大野山が張り出し道は狭まる。

 「道路に動物が?」とUさん。「腹部が白く見えるが、リスにしては大き

いかな」と私。会話の内に車は進む。降りて見るとリスではなく、ノウサ

ギであった。

 ノウサギの体長は、40~50cm程と記憶しているが、それより小さい。

今日はメジャーを持てないので、目測で30cm余だろうか。ノウサギの

出産は、春から夏だから、今年の春生まれ育った、幼いノウサギなの

だろう。

 傷口は、左体側の後足大腿部付近が5c㎡程の皮が剝げ、筋肉が見

えているが、茶色の毛並みに汚れは無く、目を閉じている顔は幼く、ま

だ息をしているかの様に見えた。

 その間にも車が何台も通過する。「ここには置けないので、移しましょ

う」Uさんが前足を持って下げると、路上で下になっていた面が見え、

首から腹部に掛けて、穴が開いたり、裂傷等何か所かあり、鮮血もあ

った。

 玄倉では、時折クマタカの飛翔を見掛ける。 “狩りをしたタカが、ノ

ウサギを下げて移動中、何かのトラブルがあり、路上に落とした?”と

言う情景が頭を過ったのだが、ノウサギに何があったのだろうか。

「アッ!道路に動物が!」

 ノウサギだ。 目をつぶった幼い顔が 痛々しい。

その間にも何台の車が通過する。他へ移すために Uさんが前足を持つと、裏面の傷口が見えた。

この辺り クマタカの飛翔を見かける。

まだ幼さの残る顔 

★ 生死は自然の摂理 でも心が痛むのは・・・・・・・