先日の10月30日(金)はスペインのギタリスト、マルコ・ソシアスさんのコンサートでした。世界は広いですね!彼は日本では殆ど知られていないギタリストですが、上手い!の一言でした。マラガ(スペインの最南端)に住んでいると言う事もあるのか、その名前は日本にあまり伝わってきませんでした。しかし、両親共にピアニストの家庭に生まれて、9歳からギターを始めたそうで、ホセ・トーマスやデイヴィッド・ラッセルに師事をし、国立ケルン音楽大学(ドイツ)でその技術の研さんを積み、種々の国際コンクールで入賞を果たしている実力者とは聞いていました。更にカルロ・ドメニコーニから協奏曲を含めて3曲も献呈されているとの事で、きっと上手いギタリストなんだろうとは思っていました。しかし、演奏を聴いて驚きました。世界は広いと思わされました。想像をはるかに超えた素晴らしい演奏に聴衆は魅了されました。少し聴衆が少なかった事が、残念でなりません。もっと多くの方に彼の演奏を聴いて欲しかった。
ホテルのロビーで待っていると、ギターを持って現れた彼は、とても紳士的な印象で、最初は英語で挨拶。スペインの上流家庭の育ちの良さ、良識のある紳士と言うイメージでした。私がスペイン語に切り替えると、より会話が弾み、気さくな、愛嬌の良い人柄が見えてきました。とてもデリカシーのある感じです。
演奏はその人柄が現れており、しっかり構成された中にも端正な演奏です。微に入り細に入り、一つ一つの音に気をたっぷり込めて、表現力がとても豊かなのです。ピアニッシモをとても美しく歌います。これはとてもいい勉強になりました。また、フォルテも力強く、そのダイナミックレンジの幅はとても広いんです。
更に、音色の変化、多様性がすばらしい。和声の変化による音質の色彩感が絶妙です。彼のイマジネーションの世界が目に浮かんでくるんです。
今回聞き逃した方は、次回来日の際には是非聴いてみてください。
プログラムは下記の通りでした。
【第1部】
・コンポステーラ組曲 フェデリコ・モンポウ
Preludio
Coral
Cuna
Recitativo
Cancion
Muneira
・コユンババ カルロ・ドメニコーニ
【第2部】
・ロンデーニャ/ペテネラ/サパテアード
レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ
・3つのスペイン風小品 エミリオ・プジョル
Tonadilla
Tango,
Guajira
・ヘネラリーフェのほとり ホアキン・ロドリーゴ
・ソナタ・ジョコーザ ホアキン・ロドリーゴ
Allegro moderato
Andante moderato
Allegro
山下高博
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