先日9月30日に『後藤千秋の世界』と題して、地元人気ギタリストの高岡誠さんによる後藤千秋さんの作品ばかりの演奏会が行われました。
これはミューズ出版第一弾として後藤さんの数百曲に上る作品の中から叙情的名作3曲をまとめた『ギターソロのための3つの抒情作品』の出版記念コンサートとして開かれたものです。
後藤千秋さんは1945年に岐阜県美濃加茂市に生まれ、1958年頃からギター曲の作曲を始められ、後に斯界の巨匠・中野二郎氏に師事され、多大な影響を受けられました。そして「郷土の昔の民謡と童歌」「中条雅二の詩に基づく歌曲集」など日本人の心に響く作曲家として知られています。
彼の作品は地元ギタリストの高岡誠さんや二村孝文さんら多くの方によって愛奏されてきました。この出版のきっかけになったのも高岡さんがミューズで何気に弾かれた「オルゴール」と言う曲でした。とても美しい曲なんです。初めて耳にした私は『こんな素晴らしい曲を書かれているなら出版されては如何ですか?』と提案しました。
その時はまだミューズで出版する考えなど全くありませんでした。私は東京のある出版会社に紹介するつもりでいました。そんな話をある時藤井敬吾先生にお話しましたら、『地元の作曲家なら地元のミューズで出版されたら如何ですか?』と思いもよらないアドバイスをいただきました。そうして高岡さんと後藤さんと会合を持ち、話はトントン拍子にすすみ、9月30日の発売と記念コンサートになった次第です。
今回の出版に当たっては高岡先生に大変お世話になりました。楽譜作成をミューズのスタッフである渡辺なつ実に担当させたのですが、楽譜の校正に当たって後藤さん共々高岡さんにはお世話になりました。ありがとうございました。
さて、コンサートはサロンが満席状態で大盛況でした。後藤千秋さんのお知り合いのピアニストや歌手の方をはじめ、版画家の吉田正樹さんなど多くの方々にお越しいただきました。後藤さんの楽譜に対する思い入れから、吉田正樹さんの版画を表紙に添付した特別仕様限定版を作成されんです。この限定版は先着70名様ですのでお早めにお買い求めください。コンサート時に半分近くが売れましたので・・・因みに吉田さんは中部地域で人気トップ3に入る木版画家です。楽譜が生き生きしてきます。価値ある楽譜です。
後藤さんの作品は心に響くものばかりなのですが、それを今回は高岡誠さんと奥様の恵子さんの朗読が生み出す独特の世界が後藤千秋の作品に更なる魂を吹き込み、それは素晴らしいコンサートでした。元々後藤さんの作品には描写力があり、聴いているだけで情景が浮かんでくるのですが、朗読が更にその描写力を高めて聴衆をすっかり後藤千秋の世界に引き込んでいきました。
プログラムは:
1.ギター組曲「四季の子供」作品90 より
雪の日
ひなたぼっこ
お祭りの日
花野で
2.「抒情小曲集」第2集 作品51 より
オルゴール
3.3つの円舞曲 作品62 より
No.2 ホ短調
No.3 イ長調
4.即興曲 作品 89
5.2つの変奏曲 作品 80
童唄による変奏曲
ドイツ民謡による変奏曲
6.4つの夜想曲 作品Op.31 より
No.2 ハ長調
No.1 ニ長調
7.「美濃加茂地方の童唄による郷土曲集」作品 33 より
子守唄
夕やけこやけ
ほたる
曲のタイトル見るだけでも後藤さんの世界の匂いがしませんか?
今回出版された楽譜には2曲目のオルゴール、4曲目の即興曲、7曲目のほたるの3曲が収められています。オルゴールは初見が出来る人なら直ぐに弾けるようになる曲ですよ。あなたも是非弾いてみてください。
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