日渡奈那コンサート - ミューズの日記
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二日前の土曜日(7/22)は浜松で、昨日(7/23)はミューズサロンで日渡奈那さんのコンサートがあり、私も浜松に行ってきました。

浜松は浜松ギター鑑賞友の会の第26回鑑賞会として開催されました。この会は現在70名弱の会員からなっていて、年会費1万円を出し合って年間に4回の鑑賞会(コンサート)を行うもので、私もこの会の副会長をしています。
当日は非会員の方が11名もご来場いただき盛況なコンサートになりました。会場は今年3月に新装開店したヤマハ浜松店の8回にある「ヤマハかじまちホール」。120名ほどのキャパでとてもいいホールです。ステージの後ろがガラス張りになっていて浜松の駅前の夜景をバックに演奏されました。(写真左)

ここで私はアランフェス協奏曲のピアノの譜めくりをしたのですが、大失態をやらかしてしまいました。チャンチャララン、チャンチャララン、チャ、チャ、チャ、と第1楽章が始まって順調に進んでいきます。2ページ目の最下段になり、おもむろに立ち上がり、譜面に手を差し伸べて1枚目のページめくりをした時です。コピーしてセロテープでジャバラの状態に用意されている譜面がクラビノヴァの譜面台から落ちてしまったのです。ピアニストの両腕の上にジャバラがパラパラ・パラパラと乗ってしまいもう収集がつきません。『ウワァ~!エライことをしてしまった!』と思ってももうどうしようもありません。ピアニストの鈴木さんも思わず演奏を止めてしまいました。
そこで機転を利かせてくれたのが日渡奈那さん。会場に向かって『今のはなかった事にしてください』と言うと会場から笑いの渦です。改めて最初から演奏しなおして今度は無事最後まで行くことが出来ました。私は自分で司会もしていたので、演奏が終わってから聴衆の皆さんにお詫びをし、奈那さんとピアニストの鈴木由美さんにも平謝りです。
でも奈那さんは優しい人で『会場の雰囲気も私も和めて良かったです』と慰めてくれました。もう一度、ごめんなさい!

ミューズサロンでのコンサートはこれまた超満員。イスを51脚用意しても私は座ることが出来ませんでした。この人気には私もびっくり。東京のGGサロンもほぼ満席状態だと直前に現代ギター社からお電話をいただきましたが、この人気ぶりは大したものですね。

プログラムは:
1.フランチェスコ・ダ・ミラーノ     ファンタジア
2.J.S.バッハ              リュート組曲第1番 BWV996
3.J.ロドリーゴ             アランフェス協奏曲 全楽章
4.スタジオジブリ「ゲド戦記」より    時の歌 
5.細川俊夫               セレナーデ           
6.ルチアーノ・ベリオ          セクエンツァXI         
7.武満徹                すべては薄明の中で より I,IV

と言うルネサンスから現代までの大変意欲的なプログラムでした。

演奏はすごく勉強している人だなあ、と言う正に正統派の演奏でしたね。テンポ設定からフレージング、音のコントロールまで、この音楽はこうあるべきだと言う日渡奈那さんの考え方を感じさせられる凛とした演奏でした。

アランフェスも今回の目玉でよかったですよ。意外とアランフェスを生で聴く機会が少ないんですよね。お客様の中に『ジャズギターをやっているんだけど、クラシックギタリストのアランフェスが聴きたくて来ました』と言う人もいましたし、クラシックギターファンのお客様も生で聴けて良かったと喜んでいただきました。
ベリオのセクエンツァは彼女が用意した資料で曲の構成の説明をした後での演奏でしたが、現代曲はその様な説明があると聴きやすくなりますね。
アンコールにはボサ・ノヴァの佐藤正美さんのトゥリステーザとタレガのラグリマ。このラグリマがまた美しかったです。素晴らしい演奏でした。

今回日渡奈那さんは4月に結婚されたそうです。お相手はフランス人とスイス人のハーフのギタリストだそうです。従って日本には帰国しないでスイスで仕事を続けるそうで、8月からベルンの音楽院で講師をすることが決まったそうです。チョッピリ残念ですが、欧州での活躍をお祈りしたいと思います。日本にもチョコチョコ帰ってきますと仰っていましたので再会を楽しみにしています。今回聴かなかった人は次回を是非お楽しみに・・・。



コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
譜めくり (浜ギ鑑HP管理人)
2006-07-24 22:25:29
こちらでは初めまして。

きのうは山下副会長のおかげ?でアランフェスの序章を2度も聴けて幸せでした・・・と会員の皆さまが絶賛していました。(^^;)

(打ち上げで「今日のこと、HPで絶対にばらさないでね!」とか仰っていましたっけ?。)
 
 
 
懺悔 (山下高博)
2006-07-24 22:45:13
そう仰っていただけると救われます。

もう自分で告白しましたので大丈夫ですよ。

 
 
 
奈那さんから (ニャンゴ・ラインハルト)
2006-08-14 01:45:01
突然アランフェスのジャズの音源について尋ねられたので、びっくり。

私は今後アランフェスをどんなアレンジ(表現)で弾いてみたらいいですか?と尋ねられ、またまたビックリ。

そして、ジャズといえば即興演奏ですよね。コツとか練習方法は?ときかれ、ハラハラドキドキでした。

まさか、これから世界で活動しようとするギタリストからこのような質問をされるとは・・・

曲がりなりにも、ジャズ論を展開した私にこれ武勇伝になるのかな?
 
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