楽器の選び方 その6 - ミューズの日記
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今日は具体的なギターの選び方についてお話します。

先ずは予算内のギターを2本ずつ弾き比べをする事です。2本のギターを同じピッチに調弦してから同じフレーズや音を楽器を換えて弾き比べます。3本以上を一度に弾き比べしないことです。何故なら殆どの方は分からなくなります。AとBを弾き比べしてどちらかを選びます。もしAが良ければAを残して次にCと比較します。つまり1対1のトーナメント方式で決めていくのです。しかし、必ず音合わせをしておいてから弾き比べすることです。ピッチが違ったり音が合っていないと比較できません。
そして自分が弾くだけでは判断が付かないときは第3者に弾いてもらって正面で音を聴き比べすることも重要です。自分が弾いて聴く音と第3者が弾いた音を聴くのとでは違って聞こえてきます。

その時に難しい曲やまだ弾けていない曲などを弾かない事です。何故なら演奏する事に気を取られて音を聞き分けする余裕がなくなるからです。たまに楽譜を取り出して練習中の曲を弾く人がいますが、楽譜を見て弾くと言う事は音を判断する神経が半減してしまいます。簡単な曲やフレーズ、和音、アルペジオなどを弾くと良いと思います。そして音に強弱をつけて歌うように音を出すことです。自分が出したい音(音色)や強弱の抑揚がつけ易い楽器を選ぶためです。これは「楽器の選び方 その1」でお話したとおりです。
ここで判断する要素は、鳴り、音色、分離、バランス、弾き易さなどです。弾き易さはネックの形状、太さ、フレットの大きさ、高さ、弦の張り、弦長などが影響してきます。

より細かに弾き比べをする時には、あくまでも1例ですが、次ぎの様な弾き比べもいいでしょう。
1.高音でメロディーを弾く曲(例えば禁じられた遊びやマリア・ルイサの様な)、又は高音の音階を弾く。
2.低音を使う曲(例えばワルカーの小さなロマンスやロボスの前奏曲1番の様な)、又は音階を弾く。
3.中音域の曲(例えば11月のある日など)、又は音階を弾く。
4.和音を弾く(例えばミランのパバーヌ第3番など)
5.アルペジオを弾く(例えばロボスのエチュード1番)

これらを弾く事で高音から低音にかけてのバランス、音の分離などを比較します。指の動く人は早いスケールなどを弾いて楽器がもたつかないか、立上りが速い楽器かどうかも弾き比べるといいでしょう。

そして最後の決勝戦で迷う場合は第3者にも音出ししてもらうことと、自分でも10分~15分はその楽器を弾く事です。素質の良い楽器はどんどん鳴ってきますし、自分が気持ちよく弾けるのはどれかが分かって来る筈です。

さて、次回は皆さんの疑問・質問にお答えすると言う形をとらせていただきますので、コメントで疑問・質問をお寄せ下さい。私で答えられる範囲でお答えしたいと思います。



コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )



« 乾燥注意報 楽器と弦の相性 »
 
コメント
 
 
 
疑問・質問 (モモ)
2007-10-24 22:05:37
私は習い始めた頃、現在使っているギターを購入したのですが(国内手工製)、その時は選ぶ基準がさっぱりわからず、ギターをよく知っている方に選んでいただきました。購入前に弾いていた楽器は量産製の低価格の古いものだったので格段に弾きやすくなったのを覚えています。次のギターを選ぶときはどうしたらいいのかな?と連載されている楽器の選び方を興味深く読ませていただいています。疑問・質問をとのことで、書き込みさせていただきました。
①楽器を弾き比べて選ぶわけですが、楽器に張ってあ る弦はみんな同じものですか?楽器と弦の相性もあ ると聞いたことがありますが。また楽器と弦の相性 ってどのように判断したらいいのでしょうか?
 
 
 
楽器と弦の相性 (山下 高博)
2007-10-25 17:51:01
コメントありがとうございます。
お答えは今日のブログでお話しますので見てください。
 
 
 
弦高を下げるとは? (ユキ)
2007-10-25 19:56:57
いつも、楽しく拝見しています。今回の楽器の選び方の連載は、とても勉強になりました。
少し前に、レッスンを受けている先生に、弦高を下げるともっと弾き易くなるといわれました。自分では、恐くてできなかったので、先生にお願いしたのですが、正直、弾き易くなったという実感があまりありません。
弦高を下げるとは、どういうことなのか、実際どう弾き易くなるのか、詳しく教えていただけますか?
よろしくお願いします。
 
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