ミューズの日記(2ページ目)
ミューズ音楽館からの発信情報  ミューズのHP  http://www.muse-ongakukan.com/

 



今日は大曽根七夕まつり最終日で、ここオズモール商店街は盛り上がりました。
ミューズサロンでは14:00からケーナとアルパのコンサートがあり、商店街特設ステージでは15:00からミューズ講師・池田浩さん率いるフラメンコ舞踏団によるフラメンコショーが2ステージ、そして同じくミューズ講師・佐々木響士郎さんと友人の元田陽周さんによるギターデュオコンサートと掛け持ちで忙しい一日でした。

アルパ奏者の池山由香さんは私がヤマハ社員としてアルゼンチンに駐在していた頃にまだ小学生でブエノス・アイレスに居た方だとお会いしてから判明し、そのお母様は私の家内がブエノスでマリンバのコンサートをしたときにはいつも聴きに来て頂いていた方だと分かって懐かしい再会となりました。世の中不思議と言うか、世間は狭いというか、音楽つながりの面白さを実感しました。

フラメンコショーは華やかでやはり人気もありますね。人だかりの山でした。最初のステージで池田さんのギターの6弦が切れると言うハプニングもありましたが、6弦なしで見事演奏されました。
佐々木さん達のデュオも風が強くて譜面が飛んでしまうハプニングもあり、過酷な状況での演奏となりましたが、フラメンコとは対照的にギターの優しい音色を聞かせてくれました。
少しでもギターに興味を持っていただいた方がいればうれしい限りです。
山下高博

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今日から三日間大曽根最大のイベント・七夕まつりが始まりました。
名古屋市消防隊の音楽隊パレードから始まり、ガマの油売り、大正琴演奏、フラダンス、アイドル教室コンサート、阿波踊り、クラフト&アート市、パフォーマンス広場、屋台、ものづくりこども屋台、路上お絵かきコーナーなど盛りだくさんのイベントで、普段は静かな大曽根が大変身。
ミューズの近くにはフェラーリが7台も展示され、時折爆音が・・・。

明日の土曜日は更に劇団アルクシアターコンサート、マクドナルドショー、鳴子踊りなども加わります。

そして、31日(日)はミューズ提供のフラメンコショーとギターデュオのステージがオズモール商店街の特設ステージで行われます。
フラメンコショーはミューズ講師の池田浩さん率いるグループ、ギターデュオは同じく講師の佐々木響士朗さんとその友人元田陽周さんです。
是非お越しください。

15:00~15:45 フラメンコショー
15:50~16:35 ギターデュオ
16:40~17:25 フラメンコショー

山下高博

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先日の日曜日(7/10)は松尾俊介さんのサロンコンサートでした。
今回で2回目かと思いきや、松尾さんには4年前と2年前の2回来て頂いていて3回目だったんです。
今回のプログラムは第1部でバッハとタンスマンの組曲を2曲、重めの内容で組み、第2部ではギターの名曲を並べて楽しい内容で構成してくださいました。
バッハのリュート組曲では彼が7~8年前に構想した変則チューニングでの独自のアレンジで殆ど原曲に近い状態で演奏。面白く聞かせて頂きました。その変則チューニングとは1~3弦は半音下げて、4弦はレのまま、5と6弦は1音下げてソとレと言うもので、慣れるのに時間が掛かったとか。全曲演奏は今回が初めてだったそうです。

1.ヨハン・セバスティアン・バッハ/リュート組曲第3番ト短調 BWV995
2.アレクサンドル・タンスマン/カヴァティーナ組曲
3.フェルナンド・ソル/魔笛の主題による変奏曲
4.マヌエル・マリア・ポンセ
   前奏曲ホ長調
   スケルツィーノ・メヒカーノ
   エストレリータ
5.フランシスコ・タレガ/アルハンブラの思い出
6.レオ・ブローウェル/祭りのあるキューバの風景
7.ヨハン・カスパル・メルツ/ハンガリー風幻想曲

松尾さんは最近メルツが大好きになったそうで、メリハリの利いた、しかも大人の歌い口で、プログラム最後を飾るのにふさわしい素晴らしい力演でした。また是非聴きたいと思うギタリストです。
山下高博

      
    

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先日の日曜日(6/12)は益田正洋さんによる講習会とミニコンサートでした。
今年はこの種の講習会とミニコンサートに力を入れているのですが、その中の一つとして今回は中堅ギタリストのトップランナーである益田さんに、スケールとアルペジオの練習曲を題材にどのような練習をすればよいかと言う観点での講習をして頂きました。
予め課題曲として選んであったカルカッシ25のエチュードの第1番と第3番をモデル生徒さんに受講していただきました。モデル生徒さんのレベルが高かったためあまり基礎的なお話にはならなかったのが、残念でしたが、とても為になる講習会でした。

聴講された方のお二人からメモ書きを頂きましたので、一部をピックアップさせていただきます。
◆エチュードNo.1(スケール)について
・弦の上をうまく歩く
・弦を捉える
・音の粒をそろえる
・文章が分かれるようにフレージングに気を付ける。
・主和音(安定)、属和音(緊張)など和音の持っているテンション、表情を感じ取る。
・スケール練習とはスケールの持っている表情を感じ、音楽に生かすことである。
・クレッシェンドの時に速くならないこと。メトロノームを使って練習するのも方法。
・右手を安定させるために親指を弦の上に置いて、imと親指とをセットで腕全体を上下して弦を移動する。出来ないときは解放弦で練習すること。
・余裕のあるテンポで練習すること。脳がついていけない速さで弾くとミスの原因となる。

◆エチュードNo.3(アルペジオ)について
・手の重さを感じながら、手を握るように動かす。(甲を少し押す感じで)指を振りぬくことに注意し、指を置いた後に音を出す。
・和音はimaを閉めるよりやや開いて弾弦する。i-m,m-aの間に細い鉛筆を挟んで練習るるとよい。ima各指に個別に意識をすることで音のバランスを取ることが出来る。iを強くしたり、mを強くしたり、aを強くしたりコントロールも出来るようになる。

以上、一部を掻い摘んでご紹介いたしました。皆さん熱心にメモされていますよね。

そして演奏は下記の通り、ほぼハーフコンサート分を演奏して頂き、皆さん大満足でした。
F.ソル / 魔笛の主題による変奏
I.アルベニス / 入り江のざわめき、グラナダ
E.グラナドス / スペイン舞曲第2番「オリエンタル」
E.グラナドス / 詩的ワルツ

終演後にはCDのサイン会(バッハ、スペイン、そしてエチュード集の楽譜とCDが沢山売れました)。
その後はモデル生徒さんたちと打ち上げに。お酒もまわったところでギター演奏が始まり、数十曲出たでしょうか、部分的に演奏してくださいました。
山下高博

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<あれも聴きたい、これも聴きたい>シリーズ「ギターの名手たち」のラゴスニック

 「昔はえがったなぁ」などというつもりは毛頭ないけれども、今振り返ってみるとあのころ(昭和40年代)はこんなものを出して果たしてちゃんと売れたんだろうかと余計な心配をしてしまうようなレコードが結構あった。今回はそんな貴重なものの中から1枚、ロベール・ヴィダル監修「ギターの名手たち」という名で発売されたシリーズの中の第8集、若かりしころのコンラッド・ラゴスニックの演奏を収めたもの。しかも収録曲がなんとも渋い。A面には20世紀フランスの作曲家ジャック・ボンドンの「ギターとオーケストラのための三月の協奏曲」。B面にはド・ヴィゼー作曲「組曲ニ短調」とソルの「モーツァルトの主題による変奏曲」の2曲のみ。

■このシリーズは、当時世界的に最も権威のあるとされたパリのギターコンクールから育った優れたギタリストを世に紹介する目的に製作されたものだったような気がするのだが(あまり自信はない)、商業ベースには乗りにくい大変良心的な企画だった。
そのシリーズの中には他にマヌエル・ロペス・ラモスがギターを弾いたテデスコのギター五重奏曲などがあり、私たちは当時あまり聴く機会のなかったこの曲をワクワクしながら聴いたものだった。その後アリリオ・ディアスが良い演奏をしたレコードを出し、少しづつ世に知られるようにはなってきたが、当時この曲は私が知る限りセゴヴィア以外録音がなかったので、このマヌエル・ロペス・ラモスのレコードはとても貴重なものであった。

そもそもジャック・ボンドンという作曲家、知っている人がどれほどいるのかわからないが、三省堂出版の音楽辞典を見てもその名前は出ていない。今でもコンサートで取り上げられるギターの協奏曲となるとロドリーゴのアランフェス協奏曲が圧倒的で、次に続く「ある貴神のための幻想曲」でさえぐっと落ちる。そのあとはさらに少なくなってテデスコのギター協奏曲ニ長調かヴィラ=ロボスのギター協奏曲どまりだろう。その他となるとせいぜいジュリアーニのギター協奏曲イ長調作品30かヴィヴァルディのギター(リュート)協奏曲ニ長調くらいで、それ以外の曲を聴けるチャンスはほとんどない。現在でもそんな状態なのに、当時(今からゆうに40年以上は経っている)、こんな渋い曲を入れたレコードが一般に発売されていたわけだから驚く。とにかくその後もこのジャック・ボンドンの作曲した「三月の協奏曲」を録音したレコードは、このラゴスニックの残した演奏以外お目にかかったことがないし、少なくともこの日本において実際にコンサートで演奏されたということを聞いたこともない。この曲には管楽器や打楽器が大変多く使用されておりオーケストラの規模も大きい。アランフェスのようなポピュラー性には乏しいが、イエペスが録音しているオアナやピポなどの作品に比べればずっとオーソドックスで聞きやすい作品だし、ギターとオーケストラの関係もあまり音がかぶらないような配慮がなされているため演奏効果も高く、いつでも演奏可能な作品ではないかと思う。またこのジャック・ボンドンには私のLPコレクションの中にもう1曲ギターのための協奏曲があって、そちらの方はロバート・オウセルがソロをつとめているが、こちらも作風としてはあまりアカデミックに走らず、「三月の協奏曲」同様大変聞きやすい作品だ。実際のコンサートとなると主催者側としては集客のことを考えれば「どうせならアランフェスを・・・」となってしまうのだろうが、そろそろ日本の音楽界もこのような状態から少しは抜け出して、もっといろいろな作品を取り上げてもよいのではないかと常々考えている。

それはともかくこのレコードに見られるラゴスニックの演奏は大変手堅く良心的なもので、まさに「ギター音楽」というよりも「西洋音楽の王道」といった感がある。テクニックも素晴らしく、コンピュータを使った現在のデジタル録音と違って、あまり録音後の修正のききにくいアナログ録音であることを考えると見事な指さばきである。ド・ヴィゼーの組曲は時代様式はともかく大変かっちりと弾かれていて、録音された年代のことを考えれば大変好感がもてるし、ソルの魔笛も序奏が現代の常識的な演奏と比べればかなりのハイスピードで少し違和感を感じることを除けば情緒に流されない正統派という気がする。しかも当時はセゴヴィアをならって序奏は弾かれないことが多かったので、その面でも我々にはとても参考になったし音楽としても新鮮な気分で聴くことができた。またその後に続く主題、変奏、終曲、どれをとってもラゴスニックは見事なテクニックで自然な音楽を展開しており、元々ソルの作品自体、出身地であるスペインを感じさせる要素は少ないため、ソル自身もこのラゴスニックのように弾いていたのかもしれないとさえ思えてくる。おしむらくはこのレコードのどこにも録音に関係するデータ(年月日、場所、使用楽器、録音機材等)が記載されていないばかりか、なんと演奏しているラゴスニックさんについてさえ、写真を載せているだけでその経歴も何も記載していないのはどうしたことだろう。しかし百歩譲って発売された年代のことを考えると、このように良心的な内容のレコードがシリーズで一般に発売されていたことに感謝せねばならない。やっぱし昔はえがったんかもしれんなぁ。
内生蔵幹(うちうぞうみき)


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