一顆明珠~住職の記録~

尽十方世界一顆明珠。日々これ修行です。いち住職の気ままなブログ。ときどき真面目です。

<日記>京都五山 禅の文化展

2007年08月24日 | 禅・仏教
今日は、毎朝の坐禅のメンバー4人で、「京都五山 禅の文化展」http://www.kyoto-5zan.jp/を見に、上野の東京国立博物館に行ってきました。

金曜日は20時までやっているということで、ゆっくりと観られました。

同じ禅宗として、わが曹洞宗の側から思うのは、いわゆる禅文化と言われる、書画、茶道、華道、庭園などは臨済宗にはとても太刀打ちできないということ。(ほかのことはともかく)

時に枯淡で、時に華やか・・・

禅の示す小宇宙が、見事にそれらの文化の中に溶け込んでいます。

そうした禅文化が花開いたのは、臨済宗が将軍の十分な庇護を受けられたこと、また京都五山の高僧たちが洗練された大陸文化を積極的に取り入れて、うまく日本的に昇華したからでしょう。

また、京都五山の開山(初代住職)クラスの坐像も多く展示されておりました。

いずれの坐像も室町時代の作にもかかわらず圧倒的な迫力で見る者の心に迫ってきます。

同時に祖師たちが到達していたであろう禅の高い境涯をも感じました。

どのお像もいい感じで枯れていらっしゃる・・・つまり透明。

でも、こうした坐像の印象は観る者によって違うようで、メンバーの一人は、権力におもねって出世を図る欲深さを感じた・・・と言っておりました。

でも、それは、きっと道元禅師びいきの色眼鏡ではないかと思います(汗)
曹洞宗侶として気持ちは分かりますが^^

ともあれ、室町幕府に庇護されて花開いた、京都五山の禅文化の奥深さ、幽玄さを味わえた拝観となりました。


あと、余談ですが、こんなマニアックな企画展に知的な雰囲気が漂う、若くて美しい女性がけっこう来ていたのには驚きました・・・(ちょいCHEER系)


※さてクイズです。

京都五山と鎌倉五山を上位順に言ってください。

答え(答え…はやっ)

<京都五山>

南禅寺(別格上位)
天龍寺 - 第一位
相国寺 - 第二位
建仁寺 - 第三位
東福寺 - 第四位
万寿寺 - 第五位

<鎌倉五山>

建長寺 - 第一位
円覚寺 - 第二位
寿福寺 - 第三位
浄智寺 - 第四位
浄妙寺 - 第五位

覚えておけば、あなたも古都仏教通?


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8 コメント

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初めまして~ (松ぼっくり)
2007-09-08 00:07:03
こんばんは。初めてコメント投稿させて頂きます。

私もご住職と同じ頃、この展覧会を見て参りました。私は代々曹洞宗壇信徒のため、臨済宗にはあまり馴染みがありませんでしたが、無関普門・癡兀大慧らの等身大座像や遺偈には圧倒されました。この展覧会を見て、臨済宗は華やかだなぁ~、と思いましたが、曹洞宗の質実剛健な雰囲気が私としては気に入っております

座像については、ご住職のおっしゃるような「枯れている」という感じよりも、政権を味方にして権勢をふるった政治的なしたたかさのようなものを私は感じました。が、どういう人物だったのか興味がわきました

展覧会の観客には、お坊さんらしき方々がけっこう目につきましたが、こういう展覧会は僧侶の方々にもご興味がわくのでしょうか。在家の私共にも大変おもしろい企画でした

乱文失礼いたしました。ブログ楽しく拝見しております。またよろしくお願いいたします。
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コメントありがとうございます! (りょう)
2007-09-12 01:44:16
松ぼっくりさんはじめまして!!!
コメントありがとうございます!
返事送れてすみません・・・。

お家が代々曹洞宗の檀家さんなんですね♪
ご愛顧ありがとうございます^^なんて(笑)

仰るとおり、臨済宗の華やかさにはとても太刀打ちできませんね・・・

坐禅が幹だとすると、華道、茶道、庭園や、書画は樹に咲く花だと思います。
臨済宗は、見事な禅文化の花を咲かせましたね。
その点は評価できると思いました。
ただ花にばかり気をとられていると、幹や根っこの存在を忘れて、樹を枯らしてしまいますよね。

やはり権勢に近づくと仏道の本質を見失いがちになると思います。だから道元禅師は、自ら戒めて権力に近づかなかったんでしょうね。

私は逆にお坊さんらしい姿をまったく見なかったんですよ・・・世の坊さんたちは学ぼうという意欲がないのかと・・・ちょっとガッカリしましたけど。日によって違ったのかもしれませんね。若い女の子が多いのには驚きました・・・。嬉しかったです^^

松ぼっくりさんは仏教に関心がおありのようですね!

拙い文章で最近は更新も滞っておりますが、また、いつでもお越しくださいませ♪
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こんばんは~ (松ぼっくり)
2007-09-15 00:17:57
ご住職さま、こちらこそコメントありがとうございます

ご推測通り、私は仏教に関心を持っていて、毎週お寺で座禅をし(「禅の文化展」の後、臨済禅にも行ってみました)、先日は青山の「高野山カフェ」で真言宗の写経をしてきました。お寺の座禅会・高野山カフェ・・・とどこに行っても若い女性の多いこと  大半が「一見さん」で、それ以降はお寺に来ることもないようですが、それにしても伝統仏教には若者を引きつける何かがあるのではないでしょうか

ちなみに私が座禅を始めたきっかけは、両親を早くに亡くし、追善供養をしようと思ったことと、法事や仏壇等でわからないことが多く、お寺に行って相談したかったからです。ある意味必要に迫られてお寺通いを始めたのですが、今では生活の一部ですね  でもお坊さんの法話や正法眼蔵等の講義を聴いてもよくわからないことが多く、教義についても勉強しなくては、とご住職のブログにたどりついた次第です。

長々とすみません。またよろしくお願いいたします
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松ぼっくりさん (りょう)
2007-09-19 11:04:54
再コメントありがとうございます!

毎週坐禅をされているとのこと!
また写経会!
仏教づいていますね
素晴らしい仏縁だと思います
そこに来ているお嬢さんの誰か、うちに嫁に来ないかな
現代人は、お寺と仏教は別という発想なのかもしれませんね・・・。深遠な仏教と、儀礼中心のお寺が結びつかないというか・・・。いろんな要因がありますが、残念なことです。

ご両親を早くに亡くされたとのこと。
道元禅師もやはり両親を早くに亡くし発心されました。
どこで仏縁に出会うかは分かりませんね。

ご安心ください。。。
正法眼蔵は私も分かりませんから・・・
本当の意味で分かっているお坊さんは本当に少ないと思います。
もっか、正法眼蔵の全巻朗読を目標にほぼ毎朝読み続けています。わかっても分からなくてもとにかく読みきろうと思っています。

初学者の方には、正法眼蔵随聞記がよく勧められますが、私も全部ちゃんと読んだわけではありません。。。

これから、ともに学んで参りましょう

どうぞ、これからも仏縁を大事になさってくださいませ。

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臨済と曹洞 (大閑道人)
2007-11-05 11:39:32
久しぶりに覗きました。

臨済と曹洞の差は、漢文と和文

これ、大学の先輩で浄土真宗の和尚の一言
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大閑道人さん、コメントありがとうございます! (りょう)
2007-11-10 08:11:37
大変、ご無沙汰しております!!!

>臨済と曹洞の差は、漢文と和文

深い感じがします・・・

逆に外側にいる方の方が、冷静な分析ができるのかもしれませんね・・・

和文で頑張ります!!!(笑)

こちらも寒くなってきました・・・

お変わりございませんでしょうか。

老師にはどうぞ法身堅固をお祈り申し上げます。

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>法身堅固 (大閑道人)
2007-11-12 18:58:19
おかげさまで!

ただ、お酒が「諸悪の根源」になりそうな、カロリー過多・運動不足の、高血圧・糖尿病予備軍のメタボです。

おお、「それでも禅僧か!」とおっしゃるな。

病気になれば、ゆっきり休養がとれる、と、心の奥底で望んでいるみたいな自分。
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滅相もないです・・・(汗) (りょう)
2007-11-13 00:13:28
老師は相変わらずお忙しそうですね!!!

いろんな方面でご活躍されていらっしゃる様子が目に浮かびます。

お酒は、私も大好物ですよ~昨日はいただきすぎて、今日は二日酔い・・・お恥ずかしい限りです(汗)

どうぞどうぞご自愛、ご静養くださいませ・・・。
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