日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国企業がラオックス買収

2009-06-27 | M&A

Suning counters Gome with Laox deal

Suning will buy a 27.36 percent stake in Japanese retailer Laox for nearly 60 million yuan. [CFP]

 中国の家電量販業界大手の蘇寧電器集団(江蘇省南京市)は24日、南京で記者会見し、経営再建中の日本の家電量販店ラオックスに27・36%を出資して筆頭株主になると発表した。

 さて、中国側の報道を意訳します。http://www.chinadaily.com.cn/bizchina/2009-06/25/content_8320504.htm

 中国No1の家電チェーン国美(昨年創業者兼社長がインサイダーで逮捕)が増資を発表した2日後に第二位の蘇寧が日本のラオックスの27.36%を8億円で購入し参加に収めた。是により、中国の家電競争は激しくなるだろう。

 この買収は、蘇寧の海外進出の推進に貢献するだろうと、蘇寧の社長は語る。今年始めには、蘇寧は、海外進出をコミットし最初に香港に出ると発表していた。そして、今年末に海外に10店舗を展開するとしていた。

 蘇寧としては、ラオックス買収に伴い、まずはラオックスを再び利益を上げる会社にすること、ラオックス店舗網を通じて中国の家電を販売する事を狙うそうです。アナリストの評価でも、買収価格が安かったことを前向きに捉えて評価しています。財務的に蘇寧二影響が少なく、ラオックスの企業管理手法や商品の展示法、サービスレベルなどを吸収できるという判断のようです。
 蘇寧は、昨年末で全国に850店舗を展開しており、今後も第二級都市への店舗網の拡大と物流施設構築のために400億円ほどの資金調達を発表したところだそうです。一方第一位の国美は、全国に1300店舗を展開し、特に第一級都市では市場シェアの40%を占める。

⇒さて、日本の家電小売数社がラオックスを吸収しようとして止めました。最後に拾ったのが中国企業ということになります。表面的な買収の理由は上記の通りで、中国企業が日本で中国製品を販売する事と、日本のサービスレベルの吸収が狙いという事です。

 本当かな??

 2000年代になって完全に負け犬となったラオックスの店舗運営のノウハウなんて正直知れているのではないでしょうか?サービスレベルは中国企業よりは数段上でしょうが、コスト意識の高い中国向けに日本のサービスをお金をかけて取り入れても価格には簡単に9は反映できないでしょう。中国製品が日本で売れるか?現在世界ではトップを争うサムソンやLGという韓国の家電が日本でどれだけ売れているでしょうか?世界では本田より販売量の多いという現代自動車の日本での販売量は知れて居ますよね。

 依然見たレポートに、中国企業の海外進出の目的は、海外で勝つことよりも海外に進出している事により中国国内で国際企業というブランドイメージを高め、国内市場で勝つことと記載されていました。

 多分、蘇寧のラオックス買収もその線に沿っており、別に日本のラオックスがちゃんと再建しなくても日本企業を子会社に持っているという事で国内の消費者に強みを訴える一種の広告宣伝費なんじゃないかと思います。それなら8億円は捨てても安いですよね。

 今後、蘇寧がラオックスの業績をどう改善していくのか?基本的には日本では拡大というより先ずは採算の向上というほうに目が行くのじゃないでしょうか。中国的なドライな経営法をそのまま導入できるかどうかは大きな疑問ですけど、色々問題が出てくるような気がします。
 
 少なくともラオックスの今後に関して、へんな期待は持たない方が良いのじゃないかと思いますが如何でしょう?

 まぁ、もしかしたら日本の家電やデジタル機器を中国に販売する仕入れ拠点としては使えるのかもしれませんね。日本製の最新危機をを蘇寧の店舗に増やせば国美との差別化には使える可能性は有ります。
コメント
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