日本トイザらスの2~4月期、最終赤字11億円
日本トイザらスが4日発表した2009年2~4月期の単独決算は、最終損益が11億円の赤字(前年同期は21億円の赤字)だった。前年同期に計上した訴訟関連の特別損失がなくなったほか、利益率の高いベビー用品の売上構成比が高まり、赤字幅が縮小した。
2~4月期は例年、売上高が少なく、固定費がかかるため赤字となる。売上高は前年同期比10%減の333億円。景気低迷の影響で玩具の販売が伸び悩み、特に単価の高いゲーム機器の販売が大幅に減った。
営業損益は16億円の赤字(前年同期は17億円の赤字)だった。株主優待制度の廃止により交際費が3億円減少。減収に伴って親会社に支払うロイヤルティーも減るなど、販売費・一般管理費を8%削減した。
http://www.nikkei.co.jp/news/tento/20090606AT2D0401P04062009.html
⇒というような記事が日経に掲載されていましたが、トイザラスは外資系企業にも関わらずジャスダックに株式公開している変わった企業なので、数字も見れます。記事を見ると、ゲームを中心とした玩具が不景気の影響で減少し、あまり景気に左右されないベビー用品の売上構成比率が増えたということで、ベビー関連は比較的好調なように見えます。
ということで、財務諸表を見てみると。
商品別売上高:
スポーツ用品と自転車 対前年同期比6.1%増の32億95百万円
玩具: 対前年同期比6.6%減の53億32百万円
ベビー用品: 対前年同期比4.1%減の133億57百万円
ゲーム機及びそのソフトを含む「エンタテインメント」
対前年同期比29.3%減の62億42百万円
合計 売上高前年同期に比べ9.7%減少し、333億57百万円
利益は、相対的に利益率の高い商品群の売上構成比が上昇したことによる商品ミックス等により、売上総利益率は前年同期に比べ0.6ポイント上昇し、30.5%
当第1四半期末の総資産は925億1百万円(前事業年度末は846億97百万円)となり、前事業年度末に比べ78億4百万円の増加となりました。これは主に商品が65億89百万円増加したことによるものであります。
負債合計は666億28百万円(前事業年度末は576億30百万円)となり、前事業年度末に比べ89億98百万円の増加。これは主に買掛金が116億30百万円減少した一方、短期借入金が209億円増加したことによる。
流動負債 今期 前期
買掛金 23,571,171 35,201,969
短期借入金 22,500,000 1,600,000
売上高 33,357,849
売上原価 23,199,372
⇒不景気の影響でしょうが、売上は商品全てに関して前年比ダウンしていますね。その内ゲーム関連が前年比30%となっています。少子化の影響でこの10年、日本のベビー玩具市場は縮小傾向にあるのですが、玩具メーカーは縮小した需要を補う為に大人向けの玩具の開発=ゲーム関連に注力していたようですが、大人の方が不景気の影響を受けるという事でしょうかね。
⇒利益率の高いベビー用品の構成比率が高まり利益率が改善したという事ですが、総売り上げの1/3強ですね。ベビー関連のミルクやフード等は利益率は低いと思っていたのですが、実際には違うのかな?多分それ以外のオムツとかベビー向け玩具、衣服といった辺りの利益率が高いのでしょうね。
買掛金が120億円へって借入金が200億円も増えたのが大きな変動なのですけど、現金仕入に切り替えて仕入単価を抑えようとしているのじゃないかな?
まぁ第一四半期しかみていないので、なんともいえませんが、厳しい業界事情を示しますね。ベビー関連は、和光堂、赤ちゃん本舗は大手企業に買収されました。西松屋とトイザラス、赤ちゃん本舗が3大ベビー関連小売なんですけど、外資系企業であることを考えると、トイザラスっていずれ縮小撤退に向かうか、売却される可能性があると思うのは私だけでしょうか。
ベビーが前年比マイナス4%で留まっていますけど、中国人需要がどの程度あるのかな?
上海の税関による日本からの荷物検査は益々厳しくなっているようです。昨日は荷物を抑えられた人があまりにも多くいて、僕らの荷物は(3月に抑えられた物と、最近の物がミックスしているのですが)、顔見知りになっていることもあり検査官が中も見ずに以前のミルクと同じ価格の関税を課して引き出せました。僕らとしては、ミルクで大量に抑えられて相当に怒られたのを、色々手を尽くしてなんとか毎回少しづつ税金払って引き出している状況でしたので、今回抑えられた物を簡単に引き出せるか心配していましたから、正直ラッキーでした。
日本からの荷物が上記の状況の為に、競合店舗を含む国内の他の小売から仕入れようとしているのですが、皆日に日に日本商品が減っています。アメリカのものは相変わらず販売しているので、多分日本からの郵便が狙い打ちにされているのではないかと思います。日本は、企業向けの荷物でもまず国も企業も黙って我慢するだけなので、いじめやすいんですよね。
というような事で、在日中国人がベビー関連のネット販売を止めたり、量を減らしたら日本で今まで小売から買っていた需要は減りますよね。そのインパクトがどの程度あるのか興味はあります。ミルクを除けば単価が低い物が多いですし、金額は知れているかとは思いますけど。