日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国コピー商品に「経済対話」は無力

2009-06-17 | 中国経済関連
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090612/197433/
日経ビジネスにこんな記事が掲載されています。

・日中ハイレベル経済対話が開催され、議題は多かったが内容は薄い。

・知財保護について両国がワーキングチームを作ること、中国の公害の被害者救済措置について国際協力機構(JICA)が協力することくらいのものだった

・中国政府は毎年、内外のブランドを「馳名商標」として追加認定し、認定を受けたブランドは、これを根拠として模倣商標の登録を排除できるようになる。今年は4月以降に、一挙に7つの日本ブランドが馳名商標に認定された。三洋電機やシャープ(現地名:夏普)、JVC、資生堂、カシオ(卡西欧)などだ。
 従来であれば馳名商標に認定される日本ブランドの数は年に2~3件程度だったから、今回は、まさに大盤振る舞いだった。日中経済対話を意識した中国側の「お土産」だったと解釈できないこともない。中国も、日本のブランドをきちんと尊重し、保護しているというメッセージだ。

・しかし、実態は違う。

・今年の春先、日本政府関係者の間で密かに回覧された文書がある。タイトルは「商標問題に関する中国の『三不』政策」というものだ。「三不」とは、「(海賊版やコピー商品を)摘発しない」「罰金を取らない」「訴訟しない」を意味する。

・文書は、赤いハンコが押された公文書などではなく、民間企業による現地リポートという体裁だったが、政府関係者が一切、作成に加担していなかったとは考えにくい。関係者の間では、中国の保護主義を示唆するものとして話題になった。

・世界不況で業績が急激に悪化した沿岸部の輸出加工業者の中には、模倣商品の製造に手を染めている者が多い。地元政府にとって、これらの業者は雇用を確保し、増値税(日本の消費税に相当)を払ってくれる大事な“お客さん”だ。模倣商標問題をネタに摘発して、その結果、会社がつぶれてしまえば、地元政府にとってもマイナスである。前述の「三不政策」にしても、指示したのは模倣業者の多い浙江省ではないか、という噂もある。

・知財問題を「外圧」と受け止める事務官僚。「日本政府が指摘する知財問題は、事務方に外圧と受け止められている。内政干渉だと言う事務官僚もいる」とも言う。

・行政への働きかけであれば、部門のトップよりも事務方にしっかりとしたコネを作ることが大切だ。専門のコンサルタントを雇用して関係官庁に根回しをしたり、時には模倣業者と直接交渉したりすることも有効である。こういった地道な努力を惜しんではならない。

⇒というような内容です。

 中国の偽者に関しては今更なんですが、直らないでしょうね。そして直らないだけに、中国が今後アメリカと対抗する国になると言うさまざまな報道は、かっての「Japan as No1」と同様、唯のアメリカ側の中国持ち上げ提灯記事なんだろうと思ってしまいます。こういう知財の概念の無い国では、技術開発へのインセンティブは働かないですから。

 淘宝のNo.1の店舗「檸檬緑茶」という店は社員260名を抱えるそこそこの規模になっているのですが、」其処で販売している化粧品などに関して、店舗は全て本物といっているにも関わらず、2-3割は偽者という評価が出ています。

 何故か?

 これだけの規模になると、偽者を作る業者が店舗の仕入れ担当者に賄賂を渡して偽者を買ってもらう事例を防げないからだそうです。

 そして、これは単なる淘宝の店だけでは有りません。

 日系企業を含むすべての中国に所在する企業に同じ事態が生じる事になります。

 怖いですよね、これって。

 元々中国で製造する企業の悩みには、鉄など大半の素材の質が悪い=まだ基礎技術が先進国並みになっていない、ことがあげられます。

 それに加えて、自社の社員が承知の上で、偽造の部品や商品を購入して、それを知らずに販売してしまう可能性があります。

 中国で製造している日本企業は、品質管理には相当苦労していますが、今後当地で小売をする企業にも同じ問題が発生するという事になりますね。
コメント
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