日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国当局、元民主化運動リーダー足止め

2009-06-05 | 中国の社会・文化・歴史等
日経新聞ですがhttp://www.nikkei.co.jp/news/main/20090604AT2M0302Y03062009.html

中国当局、元民主化運動リーダー足止め 4日で天安門事件20年

 【北京=尾崎実】中国で学生らの民主化運動を武力弾圧した天安門事件から4日で20年を迎える。関係者によると、中国当局は3日、指名手配中の元学生リーダー、ウアルカイシ氏(41)をマカオで連行した。事件の節目を前に緊張がピークに達するなか、香港や米国などでは民主活動家らが4日に集会などを計画。時間の経過とともに進む事件の風化を食い止めたい考えだ。

 ウアルカイシ氏は3日午後、亡命先の台北から空路マカオに入ったところ、現地の入管当局に拒否され、現地からの報道によると空港に足止めされている。当局は送還を通告したもようだが、同氏はマカオ入りの目的について周辺に「当局に出頭し、公判を通じて自身の潔白を証明するため」と話しているという。

 事件の舞台となった天安門広場では3日早朝から武装警察官や警察官が警戒に当たるなど厳戒態勢が敷かれた中国本土だが、香港では市民団体「香港市民愛国民主運動支援連合会」が4日夜、犠牲者を追悼する恒例のキャンドル集会を計画する。


⇒あれま、先日当ブログでご紹介した(http://blog.goo.ne.jp/muchida3527/e/38a61291f36b7e5f5a12f45091dbcff1ウアルカイシ氏(41)がマカオでつかまったんですね。本気で中国本土での裁判を受けるのであれば、面白い動きではあります。でも、面倒くさいので多分そのまま強制送還しちゃうのではないでしょうか?上記はウアルカイシ氏の現在の写真です、5/31のブログでもアップしたつもりだったのですが、失敗したようなので改めて載せてみます。

 香港ではキャンドル集会に15万人も参加してだいぶ大騒ぎになっているのですね。中国は厳戒態勢という報道もなされているのですが、北京はどういう状況なのでしょうか。どなたかのブログに書かれていないですかね。

 上海は。少なくとも私の周りでは一日中平穏でした。1981生まれの妻は当時8歳ですか、小学校2年生くらいなのですが、天安門事件といっても何のことかわからず、64というと、アーあれね、という反応です。彼女の従兄弟は1985年生まれですが同じような反応でした。

 政治的な話題ですので、中々他の中国人に聞くわけには行かないのですが、もう少し年輩の方だと何か意見をお持ちなのでしょうね。妻の世代になると完全に情報統制されていて、一体天安門で何が起きたのか良く知らず、唯学生が大騒ぎをしたとだけされているようです。

 小学校の1-2年というと私の場合は学生紛争の時代に当たります。もう少し年齢が上で小学校3-4年頃だったと思いますが、知り合いの大学生に連れられて某大学のゲバ棒を置いてある部屋に行った事を覚えています。東大紛争とか浅間山荘事件とかも小学校の高学年の頃でしょうか。

 全学連と天安門事件の学生達を同列に扱うべきか?

 多分中国での当時の学生達の位置づけは同じだろうと思います。その時、軍隊が動き虐殺が起きた、当時の主席の首が飛んだ等が問題はもっと深いのでしょう。日本では、警察との衝突で学生が1名死んだ事件はあっただけでした。でも、戦前の日本で同じ事が起きたら、東大紛争等では陸軍が鎮圧して多分相当数殺していたのではないでしょうか?敗戦から学生紛争の時間差は敗戦を挟んでいますが僅か20-30年でしかありません。

 中国の対応は過剰な国家の情報統制といえるでしょう。でも、是だけ豊かになった現在の北京や上海等の大都市の学生に、当時の学生のような気概は無いのではないでしょうか?

 日本も学生運動世代から10年ほど若い私の学生時代(1978-1983年といおうことは戦後30年強、高度成長開始から20年ほど後)にはそんな雰囲気は無かったです。大半の同期がテニスとスキーの同好会に入ったり、免許とって車を買って彼女とドライブしているのを横目にしながら、せこせこ山ばかり登っていました。

 最近の中国の大学生は、地方都市から大都市に来る子には経済的に恵まれていない子が多いのではないかと推察します。でも上海人を見ていると、経済面でも遊び方でも、丁度私か私の若干上の学生時代とほぼ同じじゃないのかと思います。全てに値段の格差が大きい世界ですので、それなりに楽しむ事はできますし、アルバイトもコンビ二とかファーストフードのおかげで結構恵まれています。一部のトップ校を除けば大学では全然勉強しないでも卒業できますし(落第とかは非常に少ないようですね)。 

 だから、一般的に経済的に恵まれている家庭出身の今の中国の大学生が、天安門当時のイデオロギーで動くかというと疑問が残ります。今の中国だと所得格差に対する地方の問題と結びついた時は怖いかもしれませんね。

 だから、香港の騒ぎの方がもしかしたらおかしいのかもしれません。やっぱり国家は国民の生活を豊かにする事が第一なんじゃないでしょうか。80后や90后といわれる世代から革命や改革という動きが出るか?上海市の周りを見る限り無さそうです。彼ら、情報統制とか自由が無い部分があるといいながら、強力な共産主義によって貧乏な国が此処まで発展してきたと本気で思っています。そして、それはこの国の本質を見つめると、一理あるとも考えるようになってきています。

 勿論中国はまだいびつな構造ですので油断はできませんが。
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中国の可愛そうな子供 2

2009-06-05 | 中国の社会・文化・歴史等
土曜の午後に時計がコチコチなる中、11歳の徐君が不幸そうな顔をしている。午後6時に、徐くんは同い年の10数名の同級生と北京郊外の座っていて、16題の数学の問題に取り組んでいる。1時間で全問回答を求められているけど、明らかに徐くんはできない。次の1時間彼は黙って座りながら、熱心に解答を説明する先生の説明を聞いている。彼はお母さんが何列か後ろから見つめているのを感じている。

 お母さんは他の親や祖父母がするのと同様に、子供と講義を聴きながらノートを取っている。彼女はコミュニケーションの修士号取得者だが、これ等の問題は難しすぎて自分でも解けないと語る。

 徐くんが参加しているのは、「数学オリンピッククラス」で、小学校レベル以上の数学に焦点を当てているものだ。同様に放課後英語や中国文学を学ぶクラスが中国では一般的になっている。
 
 小学校5年の徐くんは36時間の数学のクラスに参加して、毎月2万円強を支払っているが、拷問に近い。徐君は母親がイギリスに留学中ロンドンの小学校に通っていたのですが、「何で日常生活に必要の無い事を学ばなきゃいけないんだ?」と話す。例えば問題は、1,2,3,2,3,4,3,4,5,4,5,6と羅列する数字の最初の500個の合計を計算するというようなもので、彼にとっては毒にしかならないとこぼします。

 しかし、お母さんにとっては意見が異なり「大半の子供が同じような学校に通っており、もし子供が通わないと他の子に比べて遅れるのじゃないかというのが心配なんです。良い中学校に入るのには競争が厳しいですから」

 北京から600kmも離れたシンシャンという町の6年生趙君も、毎週この2時間の数学オリンピックコースに出席しています。趙君は毎週月曜と火曜数学を学ぶほか、木曜と金曜は夜2時間の英語の授業を受けている。彼の父親は、子供が疲れているのは解るけど、良い中学校に行くには勉強するしかないんだと語ります。

 中国の小中学校の合計9年の学校制度では、本来中学校に入るのに入学試験はありません。自分が住んでいる地域によって決まるのが原則なのですけど、現実にはもし子供が、数学、英語、もしくはピアノやスポーツなどの特殊な技能があれば例外として優秀な学校に入れるようになっています。その為、数学オリンピックや英語の上位者やピアノの賞状などが優秀な中学に入るパスポートのようになっている。

 それ以外の方法は、家族のコネクションがあるか、巨額な寄付金が必要だそうです。学校によって寄付金の額は異なるようですね。

 趙さんによれば、テストを受けるのにも50元払ったそうですが、学校によると上位120名は寄付金無しで入学できるとの事。ちなみにこの学校は、一学年50名のクラスが20個あるのですから1000名入学している事になります。88%が寄付金を要求されるという事ですね。金額も18千元(25万円位)と一般の人には高額になっています。
コネが全くないと寄付金を払う機会さえないようです。

 北京工科大学の教授によれば中学校入学への競争激化が、子供たちの精神面、体力面を阻害するようになってきている。本来9年の義務教育は公平な教育の提供を目指したのに、今は放課後の教育を要求されている。数学オリンピックのような教育は、一部のエリートを選抜するにはともかく大半の子供をスポイルする物で、ポルノやばくち、ドラッグよりも悪いと彼は語っています。

 また教育省も、数学オリンピック等で中学校までの生徒を選別する事には反対だと公式にコメントしています。

 中国には1億7百万人の小学生がおり、40%は都市部に住む。田舎の67百万人の子供に関しては、話が全く変わり、経済的な事情から地方の教育システムからドロップアウトしないようにするのが課題になっているとのこと。

 中国の専門家によれば、子供は両親に比べ物質的には恵まれているが、勉強のプレッシャーに押しつぶされそうにり、精神的には弱くなっている。年々子供は不幸になっている。小中学校の生徒は宿題の山と放課後の塾に追われている。北京の小学生の3分の2が一日10時間は寝ていない。また、3分の1の生徒が運動をする時間が無いという。

 こういう状態は、教育システムの問題というよりも社会の問題で高い学歴が就職を確保させるという仕組みが影響している。昨年559万人の学生が大学を卒業したがおよそ百万人が年末までに仕事が無かった。そして、今年さらに611万人が卒業する。

 先述の徐くんは、今は数学のクラスについて愚痴は言わず、「お母さんは僕が何を感じているか関心が無いんだ」と話します。彼は探偵小説を読んだり、武術が好きなんです。一方母親は「息子を学校に行かせ続けるかどうか迷っている。イギリスでは先生は彼には数学の才能があるといわれたけど、ここでは平均的といわれている」。徐くんは、すべての学科に興味を持ち、放課後はサッカーだけだったイギリスの学校を懐かしがっているそうです。お母さんも同意見だそうです。

⇒中国人の教育熱心さは目に付きます。保育園の前で英語の学校のチラシを配っている事も有りましたし、英語や音楽の勉強をさせようとしています。

 まぁ、今でも中国人社員従業員に関しては、頭の回転の速さと記憶力、そして向学心、スピーディな行動といった辺りでは日本人より上かなと私自身が思いますし、中国関連の仕事をしている方は同感ではないでしょうか。

 でも、クリエイティビテイの欠如、EQの驚くほどの低さ、それに伴う計画性の無さ。こういう教育が背景にあるのでしょう。

 子供をどうするか。。中国は始業式が9月とアメリカに合わせているのですが、息子を中国系の幼稚園にいれようとしているのです。でも勉強の要素が多く、隣にあるオイスカという日本の幼稚園の子供のほうが生き生きしていると、中国人の母親ですら語るので、嫁も迷っていますね。

 物質的には日本の子供並みに恵まれ,一方情操教育のかけらもない詰め込み教育の洪水に襲われる中国人の子供たち。日本ではゆとり教育が非難され反動が出ていますが、中国は全くの正反対の方向に動いていますね。どうなるのでしょう。

 でも、教育は一般的にヨーロッパが良いと言われますよね。今の息子の笑顔の無い生活なんて絶対に考えられないですから、中国系の幼稚園にいかせるにしても、直ぐに日系に変えることを考えておこうと思います。
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