(山辺の道(天理編)地図:クリックすると拡大表示します)
山辺の道は、奈良から三輪へと通じる上古の道である。古代の上ツ道のさらに東にあって、三輪山から北へ連なる山裾を縫うように伸びる起伏の多い道が山辺の道である。
なかでも古代の面影をよく残し、万葉歌の息づかいを伝えているのが、天理市から桜井市までの約11km。
今回、天理駅からスタートし桜井駅に至る山辺の道を訪ねてきた。(2010/12/23)
後日、天理市内の山辺の道周辺の歌碑を訪ねた。8~11(2012/5/27)
天理編と桜井編に分けて紹介しよう。
山辺の道の天理地域は大国見山から竜王山の山裾を縫って続いている。
1.川原城町 天理駅前
石上 布留の高橋 高々に
妹が待つらむ 夜ぞ更けにける 巻12-2997 作者不詳
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2.川原城町 天理市役所
我妹子や 我を忘らすな 石上
袖布留川の 絶えむと思へや 巻12-3013 作者不詳
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3.杣之内町 石上神宮外苑公園
石上 布留の神杉 神びにし
我れやさらさら 恋にあひにける 巻10-1927 作者不詳
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4.布留 石上神宮
未通女らが 袖布留山の 瑞垣の
久しき時ゆ 思ひき我れは 巻4-501 柿本人麻呂
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5.萱生町 萱生(かよう)集落北入り口近く
あしひきの 山川の瀬の 鳴るなへに
弓月が岳に 雲立ちわたる 巻7-1088 柿本人麻呂
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6.中山町 長岳寺北 衾道(ふすまじ)
衾ぢを 引手の山に 妹を置きて
山道を行けば 生けりともなし 巻2-212 柿本人麻呂
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7.柳本町 崇神天皇陵近く
玉かぎる 夕さり来れば さつ人の
弓月が岳に 霞たなびく 巻10-1816 柿本人麻呂歌集
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8.杉本町 前栽公民館
石上 布留の早稲田を 秀でずとも
縄だに延へよ 守りつつ居らむ 巻7-1353 作者不詳
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9.長柄町 長柄運動公園
飛ぶ鳥 明日香の里を 置きて去なば
君があたりは 見えずかもあらむ 巻1-78 元明天皇
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10.西井戸堂町 山辺御県坐神社
飛ぶ鳥の 明日香の里を 置きて去なば
君があたりは 見えずかもあらむ 巻1-78 元明天皇
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11.櫟本町 和爾下神社
さし鍋に 湯沸かせ子ども 櫟津の
檜橋より来む 狐に浴むさむ 巻16-3824 長忌寸意吉麻呂
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