飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
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万葉アルバム(関東):群馬県、高崎市 吉井町飯玉神社

2014年11月13日 | 万葉アルバム(関東)


多胡(たご)の嶺(ね)に 寄綱(よせつな)延(は)へて 寄すれども
あにくやしづし その顔よきに
   =巻14-3411 作者未詳=


 (多胡の嶺に寄せ綱をかけて引き寄せるように)あの娘を靡かせようとしてもそ知らぬ顔をしている。その美しい顔で。という意味。

上野国(かみつけのくに)の相聞往来の歌。

「多胡(たご)の嶺(ね)」は群馬県吉井町の南西の山。
「寄綱(よせつな)」引き寄せる綱。
「延(は)へて」は、張ルの意味を持つ下二動詞、延(ハ)フの連用+接続助詞テ。
「寄すれども」は寄スの已然形寄スレ+接続助詞ドモで、引キ寄セタケレドモ。
「あにくやしづし」は不詳も、ソシラヌフリヲシテをとった。
「よきに」は、ヨシの連体形+接続助詞ニ。このニは、文脈により、順接・逆接等さまざまな用法がある。


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 この万葉歌碑は群馬県高崎市吉井町馬庭226 飯玉(いいだま)神社に建っている。
飯玉神社は上信電鉄上信線馬庭駅の西80mにある。