飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
古代から近代へと時空を越えた旅をします。
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万葉アルバム(関西):京都府宇治市、朝霧橋東詰

2015年01月28日 | 万葉アルバム(関西)


宇治川は 淀瀬無からし網代人(あじろびと)
舟呼ばふ声 おちこち聞こゆ
   =巻7-1135 作者未詳=


 宇治川には、流れの緩やかな川瀬がないらしい。 網代で魚を捕る人の舟を呼ぶ声があちこちで聞こえてくる、と言う意味である。
 
 川の流れがいかに激しいかを想像している歌である。



万葉歌碑<クリックで拡大> 

この万葉歌碑は、宇治市の橘島にかかる朝霧橋東詰にある。

万葉アルバム(関西):京都府宇治市、宇治公園 橘島

2015年01月21日 | 万葉アルバム(関西)


もののふの 八十宇治川の 網代木に
いさよふ波の ゆくへ知らずも
   =巻3-264 柿本人麻呂=



 宇治川の網代木で一時停滞し、やがて行方知れずとなる波のように、滅びきった、近江の都に仕えていた人達は、いったいどうなったのであろうか、と言う意味。

柿本人麻呂が、近江の国より奈良へ帰る途中に、宇治川付近で作った歌。 
網代は、秋から冬にかけて、魚を取る仕掛けのことで、杭を川の中に上流に向ってV字形に打ち、杭の間に竹等で編んだ簾をはり、氷魚(鮎の稚魚)を取るもので、この網代に用いる杭を網代木という。


宇治川の網代木の想像図


万葉歌碑<クリックで拡大> 

この万葉歌碑は、宇治市の宇治公園 橘島にある。