飛鳥への旅

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万葉アルバム(関東):群馬、伊香保 伊香保ろの・・・文学の小径 ハンノキ 

2011年09月12日 | 万葉アルバム(関東)

伊香保ろの 岨(そひ)の榛原(はりはら) 吾が衣(きぬ)に
着きよらしもよ ひたへと思へば
    =巻14-3435 作者未詳=


 伊香保の山添いの榛原の、その榛のように私の衣に良く染まるよ、一重だから。という意味だが、同時に、恋しい人を想うひたむきな気持ちと、合性のよさの二つをかけて詠んだ歌。

「岨(そひ)」は急斜面。「榛原(はりはら)」は榛の実や皮は黒色の染料で衣に染まる女性の寓意。「着(つ)きよらしもよ」のヨラシはヨロシイの意、モヨは感嘆の間投助詞で、着キガヨイナア。「一重(ひたへ)」はヒトヘの方言で、ヒタスラ、純粋の意らしい。「思へば」は、思フの已然形+順接確定の接続助詞バで、思ウト。(中西進編「万葉集」講談社文庫、日本古典文学大系「万葉集」岩波書店等を参考)

 ハンノキ
榛の木(ハンノキ: カバノキ科ハンノキ属):日本各地の湿地に多く分布している。
松かさのような実を染色に用いていた。 実には40~47%のタンニン分を含み、黒褐色を染め出すことが出来、昔はお歯黒にも用いられていた。
古名は榛(はり)といい、榛の木から転じてハンノキとなった。
榛名山は榛の木が生えていたことから榛名山といわれるようになったかも。

この万葉歌碑は伊香保温泉のロープウェイ不如帰駅下の「文学の小径」に建っている。

伊香保は万葉集に詠まれ、文人墨客が訪れるなど階段の温泉情緒ある歴史ある温泉地であり、小説や映画の場面によく出てくる。幸田露伴、寺田虎彦、萩原朔太郎、与謝野晶子、島崎藤村、芥川龍之介、林芙美子らが訪れた。竹久夢二は大正9年、永遠の恋人彦乃を亡くし、以後煩雑に榛名・伊香保温泉を訪れた。彼の生き様や作品群は「竹久夢二伊香保記念館」に収められている。明治の文豪徳富蘆花の代表作「不如帰(ほととぎす)」は、伊香保温泉の宿で執筆された作品で、伊香保温泉の一室から物語が始まっており、「徳富蘆花記念文学館」には多数の遺品等が展示されている。

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1 コメント

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Unknown (古代からの古名所ランドマーク)
2024-03-15 18:08:08
筑波

安蘇 美加保(美可母)

久路保嶺(赤城)
伊香保(榛名)
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