(藤原京地図:クリックすると拡大表示します)
飛鳥時代に都があった藤原京跡地、大和三山に囲まれた一帯に多くの史跡が点在する。
天武天皇のあと,690年,飛鳥浄御原で持統天皇が即位する。694年,かねてより建設中だった藤原京に都を移した。
ここは畝傍山,耳成山,香具山(いわゆる大和三山)に囲まれた平野で,唐(中国の都)にならって,それまで見られない大きな都が造られた。
持統・文武・元明天皇の三代が平城京へ遷都するまで、この都はわずか16年間という短命に終わった。
万葉集では柿本人麻呂が多くの歌を詠んだ最も開花した時期でもあった。
万葉歌碑は周辺の神社や藤原京史跡などに多く建てられている。
藤原宮跡
1.人丸神社(橿原市地黄町)
秋山の 黄葉を茂み 惑ひぬる
妹を求めむ 山道知らずも (巻2-208) 柿本人麻呂 →詳細は万葉アルバムへ
2.大窪寺(橿原市大久保町)
春さらば かざしにせむと 我が思ひし
桜の花は 散りゆけるかも (巻16-3786) 作者未詳 →詳細は万葉アルバムへ
3.橿原神宮前駅(橿原市久米町)
春過ぎて 夏来るらし 白栲の
衣干したり 天の香具山 (巻1-28) 持統天皇 →詳細は万葉アルバムへ
4.春日神社(橿原市大軽町)
天飛ぶや 軽の社の 斎ひ槻
幾代まであらむ 隠り妻ぞも (巻11-2656) 作者未詳 →詳細は万葉アルバムへ
5.剣池北堤(橿原市石川町)
軽の池の 浦み行き廻る 鴨すらに
玉藻の上に ひとり寝なくに (巻3-390) 紀皇女 →詳細は万葉アルバムへ
6.畝傍山口神社鳥居前(橿原市大谷町)
思ひあまり いたもすべなみ 玉たすき
畝傍の山に 我れ標結ひつ (巻7-1335) 作者未詳 →詳細は万葉アルバムへ
7.醍醐池東堤(橿原市醍醐町)
春過ぎて 夏来るらし 白栲の
衣干したり 天の香具山 (巻1-28) 持統天皇 →詳細は万葉アルバムへ
8.鷺栖神社(橿原市四分町)
ひさかたの 天知らしぬる 君故に
日月も知らず 恋ひわたるかも (巻2-200) 柿本人麻呂 →詳細は万葉アルバムへ
9.別所池西南堤(橿原市別所町)
藤原の 古りにし里の 秋萩は
咲きて散りにき 君待ちかねて (巻10-2289) 作者未詳 →詳細は万葉アルバムへ
10.畝傍都多本神社(橿原市木之本町)
哭沢の 神社に御瓶据ゑ 祈れども
我が大君は 高日知らしぬ (巻2-202) 檜隈王女 →詳細は万葉アルバムへ
11.天香具山神社(橿原市南浦町)
ひさかたの 天の香具山 この夕
霞たなびく 春立つらしも (巻10-1812) 柿本人麻呂歌集 →詳細は万葉アルバムへ
春過ぎて 夏来るらし 白栲の
衣干したり 天の香具山 (巻1-28) 持統天皇 →詳細は万葉アルバムへ
12.天香具山西麓(橿原市南浦町)
大和には 群山あれど とりよろふ
天の香具山 登り立ち・・・ (巻1-2) 舒明天皇 →詳細は万葉アルバムへ
13.橿原万葉の森(橿原市南浦町) →詳細は万葉の森万葉歌碑群へ
水伝ふ 礒の浦廻の 岩つつじ
茂く咲く道を またも見むかも (巻2-185)草壁皇子の舎人
高円の 野辺の秋萩 いたづらに
咲きか散るらむ 見る人なしに (巻2-231)笠金村
紅は うつろふものぞ 橡の
なれにし衣に なほしかめやも (巻18-4109)大伴家持
我が園に 梅の花散る ひさかたの
天より雪の 流れ来るかも (巻5-822)大伴旅人
ぬばたまの 夜の更けゆけば 久木生ふる
清き川原に 千鳥しば鳴く (巻6-925)山部赤人
ほととぎす 鳴く声聞くや 卯の花の
咲き散る岡に 葛引く娘子 (巻10-1942)作者未詳
妹が見し 楝の花は 散りぬべし
我が泣く涙 いまだ干なくに (巻5-798)山上憶良
いにしへに ありけむ人も 我がごとか
三輪の桧原に かざし折りけむ (巻7-1118)柿本人麻呂歌集
吾が園の 李の花か 庭に散る
はだれのいまだ 残りたるかも (巻19-4140)大伴家持
14.古池(橿原市南浦町)
草枕 旅の宿りに 誰が夫か
国忘れたる 家待たまくに (巻3-426) 柿本人麻呂 →詳細は万葉アルバムへ
15.本薬師寺(橿原市城殿町)
忘れ草 我が紐に付く 香具山の
古りにし里を 忘れむがため (巻3-334) 大伴旅人 →詳細は万葉アルバムへ
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<未訪問歌碑>
16.磐余神社(橿原市中曽司町)
ま菅よし 宗我の川原に 鳴く千鳥
間なし我が背子 我が恋ふらくは (巻12-3087) 作者未詳
17.河俣神社(橿原市雲梯町)
思はぬを 思ふと言はば 真鳥住む
雲梯の杜の 神し知らさむ (巻12-3100) 作者未詳
18.今井まちなみ交流センター華甍(橿原市今井町)
明日香川 しがらみ渡し 塞かませば
流るる水も のどにかあらまし (巻2-197) 柿本人麻呂
19.沼山古墳(橿原市白橿町)
香具山は 畝傍を愛しと 耳成と
相争ひき 神代より・・・
香具山と 耳成山と 闘ひし時
立ちて見に来し 印南国原 (巻1-13・14) 天智天皇
20.牟佐坐神社石段下左(橿原市見瀬町)
・・・我妹子が やまず出で見し 軽の市に
我が立ち聞けば 玉たすき 畝傍の山に (巻2-207) 柿本人麻呂
21.竹田神社(橿原市東竹田町)
うち渡す 竹田の原に 鳴く鶴の
間なく時なし 我が恋ふらくは (巻4-760) 大伴坂上郎女
22.竹田の原橋欄干(橿原市東竹田町)
うち渡す 竹田の原に 鳴く鶴の
間なく時なし 我が恋ふらくは (巻4-760) 大伴坂上郎女
23.春日神社(橿原市常磐町)
玉桙の 道は遠けど はしきやし
妹を相見に 出でてぞ我が来し (巻9-1619) 大伴家持
24.耳成公園木原池(橿原市木原町)
耳成の 池し恨めし 我妹子が
来つつ潜かば 水は涸れなむ (巻16-3788) 作者未詳
25.御厨子観音(橿原市妙法寺町)
百伝ふ 磐余の池に 鳴く鴨を
今日のみ見てや 雲隠りなむ (巻3-416) 大津皇子