筑波嶺の をてもこのもに 守部(もりへ)据(す)ゑ
母い守(も)れども 魂(たま)ぞ合ひにける
=巻14-3393 作者未詳=
筑波嶺の向う側にもこっち側にも番人を据えて山を守るように、母さんが見張っているけれど、何のその、二人の魂は通じあってしまったよ、という意味。
娘の母に対する抵抗の歌。夢などで魂が通じ合えば共寝が実現すると考えられていた。
「をてもこのも」は、彼面此面(をちおもこのおも)の約。「守部据ゑ」 上三句は序。「母い守る」を起す。「母い」 「い」は、上の体言を指示して強調する助詞。
(新潮日本古典集成より)
この万葉歌碑は茨城県つくば市のつくばテクノパーク大穂にある。
広い工業団地の中に万葉集20基、風土記の歌2基、古今和歌集3基、他に2基の、計27基の歌碑が点在している。
この歌碑はつくばテクノパーク大穂のセンター道路の工業団地脇に建てられている。
(参照:つくばテクノパーク大穂の歌碑群)