2011年10月02日
海山両方を見て走ることができる、山あり谷あり平地有りのサイクリングイベント「グランフォンド糸魚川」に、今年も参加してきた。3年連続3回目の参加なのだが、今年は参加者が抽選になったということで、運良く(?)抽選に当たった者がDNSでは外れた方に申し訳ない、と、今回はこの週末には仕事が入らないように「休み」を主張し続け、家でも早くから出走に向けての工作を続けての出走だった。
例のごとく深夜2時半出発、R147~R148を北上して5時頃能生海水浴場の駐車場着で糸魚川入り。思ったほど寒くないし、何となく雲が切れているようにも見えるのだが、天気予報では昼過ぎから雨で気温もあまり上がらない模様で、それだけが不安の種。既にスタッフが来ていて、そのうち受け付けも始まっているような気配になったので、受付を済ませて準備を始める。
準備と食事を済ませ、6時半前にスタート地点に向け出発。弁天岩に朝日が当たり始めた。空は晴れ間も見える。ただ、空気はそこそこ冷たいので、アームカバーとニーウォーマーをしてウインドブレーカーを着込んだ。
スタート地点に着いたらもう既に数十台レベルを超える列ができていた。今年は第3CPの足切り時刻が30分繰り上げられていて、昨年並みの走破時計だと余裕があまりなさそうな為、焦る。私はエイドでの休みが長すぎ、そして、エイドで食べ過ぎ、という傾向があってそれを改善すれば焦らなくてもいいというのはわかっているのだが、何故かその傾向が治る気配がない。だが、今年は制限時間が短くなった。休みすぎない食べ過ぎないを守って走らないと、足切られてしまうかも知れない。
本日天気晴朗なれど、
波はやや高し。
このあとの天候悪化はここではとても予想できなかった。
開会式後、スタート。実行委員長氏の諸注意によれば、今年は道路状況が良くないらしい。それも下りとなる区間が駄目らしい。まあ、いつも通り「ゆっくり下る、下り坂」ということで。自分の番が来るまでの間にウインドブレーカーを脱ぎ、ニーウォーマーを外す。意外に早く列が進み、最初の組から10分もしないうちにスタートとなった。いつも通り、久比岐自転車道の区間は快調。ただ、例のごとくそこそこのハイペースで進むのと、後のことを考えるとあまりタイムロスをしたくないのとで、なかなか「観光サイクリング」モードにはならない。いつか、このコースを全区間観光サイクリングしてかつての北陸線の車窓を想像してみたいところだ。名立から名立川に沿っての緩い登りに変わる。前後を見ると私はそこそこのハイペースで進む集団の中程にいるようだ。集団から離れてペースを落とそうかとも思ったが、どうせ登りでは千切れるから登り口までは曳いて貰おうと思い、そのまま進む。
母袋峠は(自分レベルで)意外と快調に登り切った。峠を越すと海が見えるのだが、今年は去年の青い海とは違ってグレーの海になってしまった。スタート時からそれほど時間が経っているわけでもないのだが、空が一気に変わってきた。
能生川近くまで下りきると第1エイド。バナナの他に去年はなかったいなり寿司があった。去年こえど越えでハンガーノックに陥った身としては非常にありがたい。能生川を渡って次の登りもそこそこいい調子。こえど越えにしてはすぐにピークが来たなあ、と思ったら、こえど越えは次のピークだった。
こえど越えの登りは距離が長いので、「あと○km」の表示を励みに耐えて登る。それほど広い道があるわけではないのだが、登っている途中の山の中の田んぼでもコンバインが動いて稲刈りをしているのを見てびっくり。大型車が入れそうな道とは思えないから、坂道を自走して来るのかな。今年は残り2kmあたりに悪魔おじさんがいた。そこで気合いを入れ直すが、残り1kmくらいが結構きつかった。「You can do it!」「Good job!」のバナーの先にもう一登りあるとはなあ。
この下りは要注意区間の1つだ。確かに土砂崩れの跡(土砂は撤去されていたが)や路面が波打っているところやぼこぼこ突起のように突き出ている所など、一部は悪路満載。下っている途中、何となく水滴のようなものが当たるのを感じる。いやーな予感がする。
のだが、早川沿いまで下れば第2エイドだ。ここまで3つの大きな登りに耐えて来れたのには、このエイドの存在が大きい。
笹寿司とおにぎり。うまい。ミョウガの甘酢漬けが乗っかった笹寿司があったのだが、これがなかなかいける。うちのミョウガがたくさん採れたらやってみたい。温かい味噌汁もありがたい存在だ。元気が出る。
笹団子。これもうまい。これのエネルギーがこの先必要になる
第2エイドからしばらくは等高線に沿うような道。その先、80kmコースの分岐点の先に見える直線的に登る急坂は、毎年それが見えると心が折れかかるところ。その坂で受けるダメージもあるのか、それを登った後のアップダウンが意外にきつい。しかし、その先に待っているのが見えると元気が出て若干ペースアップ。
それは、このカレー。今年もカレーエイドのうまいカレー健在。今年は運良く待たずにカレーを食べることができた。毎度のことながら、特設エイドでカレーをサービスしてくれる方々に感謝だ。
周りの田んぼはほぼ収穫が終わっていた。
カレーを食べていたら、途中から危惧していたことが現実となった。それは「雨」。カレーエイドをスタートして海川の橋まで来たあたりからかなり強くなった。糸魚川CCまで登る間に更に強まり、頚城大野への下りではブレーキの利きがどんどん悪くなってちと怖い。そして頚城大野まで下ったら土砂降りの雨になった。何とか先に進んで第3エイドで雨宿りというところだが、大糸線の踏切で列車が来て足止め。その間に雨は更に強まる。(なので、この先写真を撮ろうという気が起きなくて画像がない)
第3エイドの今井公民館には雨宿りをしている人がたくさんいた。確かにテントの中や屋根の下にはいるとなかなか出ようという気が起きなくなってしまう雨だ。最後の登り林道岡倉谷線に向かって行く人がぼつぼつ見られるが、ショートカットルートを聞いてそっちに進む人も結構多い。雨はあまり弱まらないし、寒いし、かなり迷うが、「登り行きましょう」と誘ってくれた人がいたので最後の登りに挑戦することにする。
虫川沿いに登っているうちに雨が弱まってきた。前に2、3人見えていたのだが離れてしまい、激坂は単走になった。今年も15%の登りはきつかったのだが、その先10%程度の登りが結構続くのが、もっときつかった。時速一桁kmで何とか耐えながら進む。15%区間は5~6km/hくらいだったので、歩いて登っても大して変わらないペースだ。ここまでの登りで脚を使いすぎるほど使っているので、非常に辛い。耐えて登るのみ。ただ、各エイドでの補給のおかげで空腹感がないのは救いだ。「残り1km」の表示から
頂上までが非常に長く感じられた。1kmってこんなに長いものかと思った。
頂上のスタッフの方は寒そうだった。。「今年はここを越える人が少ない」と言っていた。確かに止まると寒い。登っているときは必死だったので気がつかなかったのかも知れないが、頂上で止まったらいきなり膝の痛みを感じた。あわててニーウォーマーをつけるが時既に遅しか、痛い膝を抱えながら下りに入る。さて問題の下り。道が荒れていて乾いていても難航する下りなのだが、今年はその上を水が流れている。おまけに頂上までは弱かった雨が再び強まってきたし、何と言っても寒い。ブレーキが利くうちに何とか下ってしまおうと思うが、急いで谷底に行ってしまうのも避けたいので、本当にゆっくり下る。途中、道が2/3くらいなくなっているところがあった。これも今朝のコメントにあった要注意区間の1つで、ここは前後にスタッフの方がいて「山側を走って」と言っていたのだが、それは本当だった。はじめははるか下の方に水音が聞こえていたのだが、そのうち川が近くに見えるようになってきて勾配が緩くなってきたときには、本当にほっとした。
しばらく走ると前に人が見えたので、追いついて第4エイドを目指す。山よりは寒くはなかったが、それでも雨の中走るのは辛い。第4エイドの温かいコロッケとコーヒーで生き返るような感じだった。雨は相変わらず降っているし、寒いし膝は痛いしで早く温泉にでも入りたいし、ということで、早くゴールを目指そうと、その先は単走になっても残った力で踏み続けた。風がそれほどなかったのには助けられたが、やはり雨は辛い。自転車道に入り、海側から国道の山側に移り、能生の街に入ったときには本当に「あと少しだ」という感覚が湧いてきた。トンネルは普段はあまりいいものではないのだが、トンネルの中は雨が降っていないのでこのときばかりはほっとする空間だった。最後のトンネルを抜けてスタート地点が見えたとき、何ともいえない感動がこみ上げてきた。今回含めて3回のゴールの中で、一番感動したかも知れない。完走証の字の如く、まさに「感走」。今年は後半は悪天候になったが、本当に思い出に残る1日だった。
このままでは風邪ひいてしまう、と思い、適当に休んだ後、柵口温泉を目指す。温泉のお湯に入ったときには、また生き返る感じがした。
来年もできることなら参加したい。今度は前泊して参加してもいいかな、とも思う。毎年スタッフや参加者の方々に支えられての完走という感が強いこのイベント、今年は特にその感が強かった。私も誰かを支えられるような走るができれば、と思う。