しばらく間が開いたが、台湾の画像を載せる(画像は全て2009年03月19日撮影)。
前回台湾に行ったとき、高雄行きの自強號が苗栗站を出てすぐ、車窓右手に機関車や客車が数両置いてあるのが見え、どう見ても車両基地ではなく展示してあるような置き方だったので、もしかしたら鉄道博物館みたいなのがあるのではないかと思った記憶がある。頭の端にそれがあったものだから、今回苗栗站で降りて、記憶を頼りにそれらしいところを見に行ってみた。
苗栗站を出て、巴士站の前を通って高雄方向に歩いていき、縦貫線をアンダークロスする道を通って線路の反対側に出て、更に高雄側に歩いていくとそれはあった。苗栗站から10分か15分くらいではないかと思われる。とりあえず柵はあるのだが、だらけたように開いていてどう見ても入場無料。諸注意を書いた看板はあるが、注意事項以外何も書いてないので開館日も開館時間も不明。ただ、柵が開いているので開館していると判断できるので入る。前回見たときは露天だったと思うのだが、展示区域に屋根がついていた。看板を見ると「交通部台灣鐵路管理局 苗栗鐵道文物展示館」と書いてあるので、それが正式名称のようだ。
CT152號蒸汽機車。1918年汽車會社製で、日本の鉄道省(→国鉄)8620と同型で、軸配置1C。台湾総督府鉄道E500形E500-E542として納入された内の一両で、納入時はE501號。台灣鐵路管理局となってCT150形CT152號に改番。西部幹線の旅客列車や山線の補機として使用されたということで、1978年引退。
DT561號蒸汽機車。1920年American Locomotive(ALCO)製。軸配置1D。基本設計は日本の9600形と同じらしく、確かにそれらしくも見えるのだが、かなりアメリカナイズされている印象。台湾総督府鉄道E600形(E600-E613)E600號→台灣鐵路管理局DT561號で、貨物列車用として使用され、1979年引退。
R6號柴電機車。1959年日立製作所(水戸)製。軸配置C-C。台灣鐵路管理局初のディーゼル機関車として10両(12両?)導入されたR0形の内の1両で、同型のR1號は、当時の日本国鉄でDF911として1ヶ月間だけ試用された後台湾に渡っている。国鉄時代はナンバープレートすらなくて形式称号はペンキ書きだったらしい。M.A.N.社設計V6V22/30(製造は日立か)1420HPのディーゼルエンジンを搭載した電気式ディーゼル機関車だが、エンジン不調で故障が多く、後に7両がGM製(645E-12)1650HPのエンジンに換装された。R6もエンジンを換装された内の1両で、最後は入換用として使用され、1996年廃車。同時期に導入されたEMD製のR20形の性能が良好だった為、以後台鐵のディーゼル機関車はEMDやGM製が主力になったということだ。
S405號柴電機車。1970年GM製の電気式ディーゼル機関車で、GM製645E-8(1100HP)エンジン搭載。軸配置B-B。S401~S405の5両が導入され、入換用として使用。説明プレートには「七堵駝峰調車場での入換及び区間列車に使用」とある。見たところ太平洋石炭販売輸送のDE601によく似ていると思ったのだが、DE601は日本車輌製だがGMとの技術提携によりGMの技術で作られた電気式ディーゼル機関車ということ。要するに、出自は全く同じ。S405號は、1997年廃車、1999年修復ということだが、同型機が1両(S402)七堵機務段で現役の模様。
LDH101號柴液機車。1970年台鐵花蓮修理廠(現在は台鐵花蓮機廠)製造の762mm軌間用液体式ディーゼル機関車。軸配置はB-B。軌間762mmだった臺東線で、特に製糖時期に機関車が不足した為1両だけ製造された機関車。臺東線改軌(762mm→1067mm)完成とともに引退。その後澎湖島で展示(放置?)された後、台鐵台北機廠で修理してここに展示されているということ。私が行ったときはちょうどお色直し中といったところだった。
柴油客車LTPB1813號+LDR2201號。762mm軌間用気動車で、LDR2201は1957年台鐵花蓮修理廠製、LTPB1813は1960年代台鐵台北機廠製。1982年の臺東線改軌完成まで使用されて引退し、1985年からLDH101とともに澎湖島馬公市文化中心に展示されたが、潮風による浸食で損傷が激しくなった為、1999年に台鐵台北機廠で修理してここに展示。こちらもお色直し中だった。
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