それでも僕はテレビを見る

社会‐人間‐テレビ‐間主観的構造

ロジ、めし

2010-03-17 18:37:07 | 日記
航空券やらトランジット先のホテル予約とか、次の学期以降で住む場所探しとか、まあ、色々忙しい。今までそんなにやっていなかった、いわゆる「ロジスティクス」関係に関わると、そればっかりになってしまう。

しかし、研究も着々と進めなくてはならない。

昨日は友人がペーパーの相談をしに夕食時にやってきた。僕は夕食をふるまいながら、彼の話を聞き、コメント。

比較的近い分野なので大いに盛り上がり、彼も大きな発見があったようなので良かった。僕の方でもかなり頭が活性化した。

しかし、自分の研究も進めなくては。進んでないわけではないが、ペースを速めたい。次のペーパーの最後の節の目途がなかなか立たず。一次資料分析がなかなか進まず。



僕は友人らに食事をふるまうのが比較好きだが、なんというか、「(ハイテンションで)どうだ、作ったよ!」ではなく、「(低めのテンションで)おー、いらっしゃい。ちょうど、○○作ったけど、食ってくかい?」

もし、相手が「美味しいね、これ」と言ってくれたら、「(低めのテンションで)はは、良かった。口に合ったみたいで。」

そういう感じでふるまいたい。漫画『深夜食堂』のおやじさん的なイメージで。

その人たちと会えば。幸福な時間。

2010-03-14 07:40:51 | 日記
今日は大事な友人ふたりがイギリスに遊びに来てくれたので、一緒にロンドンで遊ぶことに。

丸一日、思いっきり楽しみました。

見たり聞いたりしたもの。話したこと。

それらが一体どういうことで、それが自分にとって何を意味しているのか、僕にはまだ分からない。

けど、今日は自分にとって素晴らしい時間だった。

話しながら僕は、相手を確かめ、自分を確かめ、

少し自分がはっきりしたような、それでいて、何だかよく分からなくなったような。



幸福な時間と言えば、最近、なぜか小学生の頃の自分にとっての、最良の時間のことを思い出す。

日曜日の17時。

キッチンから良い匂いがして、それで誰かがお風呂に入っている音がする。

僕はその時間がすごく好きで。

家での幸福な時間が僕の何かを形作っているとしたら。

それは何だろう。



この場所に来て、僕は自分の地層を見つめ直しながら、人間を少しずつ好きになり始めている。

ここに来る前、僕は僕を知っている多くの人の記憶から、僕を消して欲しいと確かに思っていた。

今は少し違う。

友人たちとの幸福な時間が、また僕のなかに蓄積して、僕の輪郭を少しはっきりしたものにしているのではないかな、と思う。



僕は写真自体決して嫌いではないのだけど、今この瞬間の自分を確かめるのに忙しすぎて、何かいま一つ興味が持てないのかもしれない。

だから、僕にとって写真の意味は、写真を撮っているその瞬間が今の自分にどう影響しているか、ということに集約される。

僕は記憶を書き変えながら、自分の輪郭を書きなおしたり、塗りなおしたり、あるいは薄くしてみたり。

でも、曖昧なままにしておきたい。

まだ、その時ではないから。

また明日から、明日を始める。そのための今日である。

占拠、スト、聞き役

2010-03-13 01:41:10 | イギリス生活事件簿
最近、僕のいる大学は騒がしい。大学の歳出削減計画に刺激され、学生たちが盛んに「運動」をしている。

ついこの間、どこかの建物の屋上を占拠し、警察が出動するまでに。

どういうわけか、とうとう教員たちも自分たちが直面している問題に対応するため、ストライキを開始することに。

なんだか懐かしいような、それでいて、新しいような。彼らが信じている物語はなんなのだろう?

以前ここに書いたかもしれないけれど、院生研究会をやろうとしたら、ひとり知らない学生がいて、誰だい?と聞くと、「あれ?ここはアナーキスト研究会じゃないんですか?」だって。

あとで、みんな大笑いしました。そんなやつ、いるのか!

僕は昔読んだ、コンラッドの短編集に入っている、アナーキストの小説を思い出してしまった。アナーキストが、いかなる生き物かよく描かれています。

運動あり、占拠あり、アナーキストあり。この大学は、というか、この地方はちょっと面白い。



そんななか、今日も図書館前でデモ的なものがあるとか。そのわきを通り過ぎ、僕は知り合いの日本人とお茶をした。

その人、僕に今度提出するペーパーの要旨を聞いてコメントしてもらいたいという。

コース違いなせいで、門外漢な僕なんかで良ければと言って了承したが、本当に知らない分野。

それで、とりあえず、その人の言っていることを聞き、抽象化したり、分類したり、ロジックをチェックしたりして、おしまい。

それだけで、ずいぶん喜んでもらえたので良かった。

自分としては、これまで先輩に面倒みてもらったことを余所で返すつもりで、色々研究関係の相談を引き受けることにしている。

ただ、あんまり増えると大変である。

アカデミックの世界でずっと生きてきて、自分の思考パターンが他の業界の人とどのように違うのかよく分かるようになった。

大学にいれば、僕の思考パターンは良いでしょうが、他の世界に行けばずい分と違ってきてしまうだろうなあ、と思う。

そのアカデミックな思考を研ぎ澄まし、たたき上げ、刃のようになった人の回りで過ごしてきたから、今いる世界は業種が雑多な感じで少し面白い。

それでも、良質なアカデミックは大事、と僕は確信できるだろうか?

それは今すぐ答えなくてもいい。でも、問い続けなくては。

近況

2010-03-10 06:42:36 | 日記
今日はコース違いのPhDの日本人学生と会った。研究などの話で大いに盛り上がる。勉強になった。長引いたため、他の研究会をパスする。

彼女の研究のプレゼンなどを聞いた後、僕の寮で食事。来客たちに食事を作ってもらい、それがまたおいしくて、大満足。話が大いに盛り上がる。

大学寮の良さは、人をすぐに呼べること。食事をふるまえること。



料理と言えば、この間、軽くパーティをまた行い、そこで寿司を作った。

ノリがなく、生魚もなく、とっさの思いつきで押し寿司に挑戦。

日本代表のプレッシャーのなか、なんとか成功する。

フィッシュ・アンド・チップスに使う魚を「そぼろ」にしたのが自分ではお気に入り。

水っぽい魚で、フライ以外の料理が難しいと知る。

あとは、おなじみのスモークサーモン。他に新しいところではイカ。そいつを野菜と煮て、これも押し寿司の具に。

料理キャラクターを卒業しないと、毎回、高いハードルとプレッシャーのなかで料理することになってしまう。もう、パーティでは料理しません。十分、勉強になりました。



そして、話は戻って今日のこと。

ついに今期のペーパーを出しました。朝から印刷やら、サインもらいに行くやら、記入漏れやら何やらで多忙に。

日本と全く違うシステムに困惑。指導教官も分かっていなかったので不安に。

終わった終わったなどと言っている間に、次のペーパーの締切は5月末。

ここ数日、興味深い本を読んでいる。昔の先行研究は、昔だから価値が無いなどということはない。あまりのレベルの高さに驚く。



帰国の準備もちょいちょい行っている。

トランジット先の韓国のホテルを予約しなくては。

帰国後、会いたいと言ってくれている人が思いのほか多く、驚く。ありがたいことです。

模様替え、しました。

2010-03-04 00:41:15 | 日記
部屋を模様替えした。前回の部屋チェック大会で、奇しくも最下位に甘んじる結果に終わったからであり、そもそも、スペースの作り方がおかしいと常々思っていたからである。

色々なものを動かした。自分の部屋には案外家具があるのだ。

ヒザをぶつけたり、なんなりしながら、納得のいくまで動かし続け、ようやく自分なりの間取りに至った。快適になったと思われる。

日本にいた時も、自分は模様替えをしたことがほとんどない。記憶にあるのはたった一回。10年以上、ずっと同じ部屋で、ずっと同じように勉強・研究しているわけである。

部屋が快適なら、変える必要はない、と思う。



そして今日は今学期最後の面談もあった。この間のプレゼン良かったよ、これからもがんばってね、ペーパー提出だね、という話。

そして、「この間の研究会の質問良かったよ、何を気にしているの、質問したこと自体もよかったし、内容もよかったわ」的な・・・。

良くないから、でも。と僕は思った。少なくとも、あのときそう思ったから。

英語が明らかに、ごちゃごちゃだったから。

報告者、「わかんねぇ、こいつの英語」みたいな顔してましたから。

でも、自分が引っ掛かったこと、本当に質問したかったことは、きっと間違ってませんから。

そのこと、いつかはっきりさせますから。



もうすぐ、一時帰国です。

「どうせ君は帰っても研究するだろうから、いつ帰ってきてもいいよ」と指導教官。

でも僕は「お金たくさん払っているので、すぐ帰ってきます」と言いました。

教官が求めているのが、そういう現実的な答えではなかっただろうと想像します。

でも、そういうことですから。

なんとなく順応しないのか、できないのか。それも僕のアイデンティティの主張なのかもしれません。