about him

俳優・勝地涼くんのこと。

『未来講師めぐる』(2)-14(注・ネタバレしてます)

2009-07-30 00:51:13 | 未来講師めぐる
・吉田家の前を掃除するユーキ。薄いピンク色(下の服の色が透けてそう見えてるぽい)の割烹着も三角巾も、ガタイのいい家政婦さんだね!と思う程度の違和感のなさ。これもプチ女装、なのかな?

・「しっかりやれや~」とユーキをアゴで使うめぐる。名前さえ呼び捨ての完全使用人扱い。彼氏をAV好きと知ってショック受けるのはわかりますが、別に彼女に裏切り行為を働いたわけじゃないのに罰ゲームやらされるのもなあ。
でも本人「これで許してもらえるなら・・・」って結構嬉々としてるし(今後はAV集めてても咎めだてしないってこと?)、そのあとの「クッフフフ」という笑い方はなんか変態ぽいし(笑)。実はMっ気強いんでしょうか。
ともあれ本人が苦になってないなら別にいいか。

・ジュンの家を訪ねた江口はバスタオル一枚の姿で出てきたあんなに口ぽかんと開けて絶句。あんなの姿が見えた瞬間、「アーン♪」ってBGM?が入るのが細かいというかなんと言うか。
戸惑い気味に訪問理由を述べる江口の手を取って「入って」と誘うあんな。確かにもはや塾講師と教え子の母の距離感ではないですね。

・あんなの姿にくらくらする江口に部屋中のぬいぐるみやらポスターやらが全部江口の髪型+Vネック姿になって語りかけてくる。
この声全部星野さんが当ててるんですよね?個人的にポスターの外人モデルの右手のOKサインと「据エ膳食ワヌハ男ノ恥ヨ江口サン」といういかにも外人訛りの口調に爆笑した。ほんとしょーもないところに手間のかかったドラマです(誉めてます)。
江口も「反対意見はないの?」とツッコんでいるように、普通天使の声と悪魔の声の両方が出てくるものですが、全員「やっちゃえよ」。江口の頭の中って。

・さすがにタオル一枚から服は着たものの、ほとんど下着姿のあんなの胸元や網タイツの足に「ぐんっ!」と反応する江口。
あんな役の野波さんは表情や仕草の一つ一つがセクシーで、放映当時本物のAV女優さんが演じてると思ってた視聴者も多かったらしい。江口に密着しまくりだし。実際よく引き受けてくれたものだと思います。『鈍獣』で鍛えられたということでしょうか(笑)。
(注・野波さんは以前にやはり宮藤さん脚本の舞台『鈍獣』に出演されてますが、戯曲本収録のアンケートの中で「(この舞台を体験したことで)これからの仕事のうえで、どんな大胆なキャラクターでも怖くなくなった」と述べてらっしゃいます)。

・デビュー以来あんなのファンだったと彼女の出演作の名前を次々あげる江口。「レズビあんな」「さわんな」などダジャレ仕立てのタイトルが笑える。
個人的には、塾の前で江口が落としたビデオの山をあんなが拾ってくれた時に一番上に乗っていた「あんなにあんなこと」が一番ウケた。

・あんなは江口のベルトを外しにかかり、手を取って胸に触らせ・・・。夜11時台とはいえよくこれ放送したなあ。深夜枠バンザイ。
めぐるが江口を疑ってるとかの話はもはやどっかにとんじゃってますね。

・憧れのあんなの誘惑に対し、すぐに飛びつかず一応は塾の講師という立場をわきまえた対応をしようとしている江口をちょっと見直したら、「おかあさん、リクエストしていいですかー?」となんとセーラー服プレイを指定。
そもそもなぜかばんにセーラー服入れてるのさ!そしてどこから調達したのさ!もう完全にその気でしたね。
しかも相手が元AV女優だからってのっけから制服プレイなど要求するか?「~という体(てい)で」といちいち詳しい状況設定まで語りだすし。予想以上の変態っぷりです江口さん。

・笑顔で制服プレイを承知したあんなが隣室に消えたあと、浮かれてベッドにダイビングした江口はそのへんの邪魔なぬいぐるみなどを下に払い落とす。おいおい人ん家のものを。
そしてなんとそこにジュンが帰宅。もし制服プレイを要求せずまっすぐベッド行きだったら・・・言い訳のしようのないことになってたわけで・・・。娘の帰ってくるような時間にリビングでって、お母さん無頓着すぎます。
白目剥いて寝たふりする江口・・・ほかにどうしようもあるまい・・・。

・江口の打ち明け話に「なにやってんだよ江口ー!!」と本気で腹を立ててるユーキ。
なぜユーキが怒るのさ。やはりあんなファンのユーキ的には江口があんなとデキる展開は望ましくないんじゃ、と思いきやなぜか応援してるっぽい。
憧れのAV女優とプライベートに付き合おうとしている江口はある意味、AVマニア全ての夢を体現した存在としてユーキにとっても希望の星になってたりするのかな。

・往年のあんなのビデオを見て「十代の勢いが蘇るねー!」とウハウハのおじいちゃんと「さすがギリじい、若いっすーー!!」とこれまた上機嫌なユーキ。二人とも手付きがエロいよ(笑)。
今回くりかえし登場するめぐる-女性たちを置いてきぼりで盛り上がる男性陣という構図は基本めぐる中心のこのドラマの中では結構異質。
自身もAV大好きらしい宮藤さんの思い入れがたっぷり詰まった(それにスタッフも思い切り加担した)暴走気味のストーリーは、ただ笑えるだけでなく男たちの一種悲しい性を描いてどこかほろりとさせてくれます。

・しっかりセーラー服を着込んだ姿で江口をお見送りするあんな。さすがに女子高生としてはちょい老けてますが似合ってるなあ。あの制服あんなのところに置いてきたままなんだろか。

・「行くんすか江口は。そりゃ行くわな~」と我が事のように楽しげなユーキは江口の肩をがっしり掴み耳元で囁くように話す。この二人の密着度の高さに彼らの親密さが出ています。
これも演じ手である勝地くんと星野さんの仲の良さが反映された部分じゃないかと思いますが。

・「あんたみたいなドブネズミ・・・じゃなかった、エロビデオを誘うなんて」。
さすがに「ドブネズミ」呼ばわりにユーキがちょっと引いたのを感じてか、言い直すめぐるですが、エロビデオも充分ひどいよな。

・江口の恋人役をつとめることになったみちるが初の制服(ブレザー)姿で塾に現れる。しかも鼻の横のほくろが消えている。美容整形で取ったのだそうな。
ここであのほくろの意味(黒川さん自身はほくろないのになぜわざわざ付けボクロして演じていたのか)が一応明らかに。みちるがブレザーなのは、彼女が制服プレイ未遂を知ってるのかはともかく、あんなの制服姿と比較しての「若さの勝利」を印象づけるためなんでしょうね。

・江口と腕を組んで出て行こうとするみちるを見つめる高尾山はやばいほどに汗かきまくり。うつろな笑顔ははっきり言って不気味です。
みちるは振り向いて高尾山の顔を見た瞬間「げっ」と叫んでますが、その反応もその時の表情も到底高尾山を好きなようには思えない。心変わり伏線なんですかね。

・あんなのマンションから出てきた男があんなの出演ビデオに映っていた男と気づくめぐるとユーキ。
「あんなー」のユーキはともかく、おじいちゃんがビデオを見るのを反対してためぐるがよく相手役の男の顔(AV中では高校生の設定。相当無理めです)まで覚えていたもの。何とかいいつつ実は見てたんじゃん?
ちなみに、なんとこのAV(「はじめましてあんなです」)の内容をDVDの特典映像で見ることができます!最初から特典用に撮ったんでしょうか。さすがにそんなにきわどいシーンはありませんが、『めぐる』スタッフはやることが違う。

・ジュンから相手役の男=五十嵐があんなに復帰を促してると聞いたユーキは、「マジで!?」と大驚愕。単純な驚きではなく嬉しい興奮ですね。隣りのめぐるがむっと睨みつけてます。

・AVに復帰すべくあんなを説得する五十嵐はあんなの手を握りしめたまま、テーブルの上に転がる。テンション高すぎて怖いです。

・母親の仕事をだいたいわかってるというジュン(「テレビに出ない女優さん」という表現は秀逸だ)に、ユーキは「君のお母さんすごいんだぞー」と優しい笑顔で話しかける。
ジュンが母の仕事を恥じることがないように、きわどい部分は避けつつあんなの素晴らしさを伝えようとしてるんだな、ユーキいいやつだなあ、と思ったら、「からみになると持ち前の美脚を駆使して~♪」と続く。きわどい部分踏み込みすぎです。
そしてこの台詞のときの声のやーらしさときたら!勝地くんこんなとこまで名演技だ。

・あんなは借金を抱えつつ子供を育てるために夜の仕事だけで足りずにコンビニのバイトも始めたという。このあとのシーンで示されるあんなの知名度からすれば、コンビニの客にもさんざ騒がれたりいきなりお礼言われたりしてるんでしょうね。
しかし夜の仕事ってなんだろう。スナックとかかな。とりあえずあのマンションからもうちょっと安いところに移れば、多少経済状況はマシになるような気が。

・ジュンの父親があんなが昔AV女優だったと知って出て行ったと聞いたユーキは、「ありえねえ。(中略)君のお母さんがどれほど偉大か、説明してもいいすかめぐる?」。説明ってまた「美脚を駆使して」とかになるんじゃあ。
ところであんなの引退が9年前、そしてジュンが今小学校三年ということは、ジュンを妊娠したのが引退のきっかけだったと思われます。つまり元旦那とは引退後に付き合い出したのではなく、付き合いながらAVの仕事をしてたということになる。元旦那の怒りも「AV女優だった過去を隠してた」ためではなく「自分と交際の傍ら内緒でAVに出てた」ところにあるわけですよね。
元旦那の態度に怒ったユーキだったら、実はめぐるにAVに出てた過去があった、あるいは実は現在進行形でこっそりAVやってたとしても受け入れられるだろうか?

・めぐるにジュンの20年後が見えてると気づいたユーキは「どんなん?どんなん?」と大興奮。めぐるが言う前から「お母さんそっくり」の可能性に期待してたんでしょうね。

・20年後のジュンは看護婦さんの姿。AV界で名を馳せたお母さんそっくりの美人で、お母さんの周辺にはAV界の人間が出入りしてるはず(結局あんなは復帰したわけだから)の環境にもかかわらず、そちらの世界に引っ張りこまれずに看護婦になる夢を貫いたんですね。

・20年後のジュンはあんな役野波さんの一人二役ですが、静かな自信を秘めた艶めいた笑顔のお母さんと違い、ちょっと俯きかげんで眉はハの字の大人しめの女性に成長しています。
顔はおんなじなのにこれだけ印象を変えられる、野波さんの表現力が光っています。

・成長したジュンの顔をぜひ見たいとダメもとでホットドッグを一気食いしたユーキはジュンの顔を凝視する。ちょっとちょっといくらなんでも顔近すぎ。
さっきからのユーキの奇行をジュンはどう思って見てるのやら。ずっと口にパン頬張ったままだし。

・江口に一目ぼれしたというあんなの好みポイントは前髪、Vネック、出っ歯とみんながダメポイントとしてる部分ばかり。蓼食う虫も好き好きというやつですね。
しかし「今度こそ再婚できるって」喜んでたというところからすると、これまでにも何回か再婚しそうになったことはあったんでしょうか。もしそのたびに前夫と同じくAV女優の過去がネックになったんだとしたら、もともと沢樹あんなのファンだった江口はその意味で最適の旦那候補足りえたはずだったんですが・・・。
目の前でここぞとばかりいちゃつく江口とみちるを見つめるあんなの穏やかな、でも寂しげな笑顔がなんとも辛いです。

・ジュンと手を繋いで歩くあんなに「沢樹あんな?」「お世話になりました!」(ジュンが気にしてないからいいようなものの、子連れなんだからもうちょっと自重したまえ)と口々に声をかける通りすがりの男たち。
どんな意味で「お世話にな」ったのかおおよそ把握しながら、ジュンは母親を恥じるどころか誇りに思ってさえいる。それはあんなが堂々と誇らしげな笑顔を見せているから。
おそらくかつて過去を隠して結婚した夫に前歴を知られて破局した経験から、自分は人の役に立つ仕事を誇りを持ってやっていたのだから、変に隠しだてせず堂々としていようと決心したのでしょう。そしてそういう母親を自慢に思い慕っているジュン。「普通」ではなくても理想的な親子の姿ですね。
ジュンと笑いあい、晴れやかな笑顔で前を向いて歩くあんなは実に格好良くて、なんだか憧れてしまいます。母の生き方に学び「自分のことは自分でやらなくちゃ」と明るい笑顔を見せるジュンの芯の強さにも。

・自分のために再婚するなら反対だが、お母さんが本当に好きになった人と再婚するなら自分は頑張ってその人を好きになる、と微笑むジュン。なんてしっかりした&いい子なんだろうか。
しかしそのあとに続けて「でも江口は無理。ありえない」。お母さんが江口を本当に好きになったのをジュンはよくわかってるはずなんですが・・・頑張りたくても頑張れないこともあるってことですね。
しかしジュンにまで論外扱いにされる江口はさすがにかわいそうかも。

・「ふられましたー!」と安堵と一抹の哀しさをこめて、搾り出すように告白する江口は、横で笑うみちるに「笑うなよおー」と弱々しい笑顔で突っ込む。
今から思えばこの時点ですでに微妙にいい雰囲気でしたねこの二人。

・「だからあんたはいいから」とくりかえしめぐるに突っ込まれながら、まるきり無視で江口と複雑な心境を分け合っているユーキ。
「客観的に見れない」一方「二倍盛り上がっちゃうんだなこれが」。まあ何となくわかる気はしますが。
ところでめぐるは第4回で逆上したユーキにあんた呼ばわりされたのをあれだけ根にもっていたのに、自分はいいんかい。

・再び「猥談中失礼します」と現れる藪中店長。前半のあれはこのシーンのための伏線だったのか。「だから猥談は!」と再び怒鳴りかけたユーキが「・・・してたよ」とニヤリと笑うと、店長が親指をピンと立てて答える。
おお初めて二人の気持ちが通いあった!第1回から彼らのいがみ合いを見てきただけに一種感慨深いものが。

・みちるがやってくるとなぜかかばんにあんなのDVDを隠す江口。
みちるは江口がAVマニアなのはよくよく知っているわけで今さらなんですが、それでもあえて隠そうとするのはみちるとの関係が変化したからに他ならない。(付き合いはじめの)彼女の前で堂々とAV持ってるとこ見せられないのもまた男の心理。
AV-猥談を通しての男たちの連帯を描いた回の最後に「でもやっぱり女優先」というオチを付けるあたりがまた見事です。

・江口とみちるの交際宣言に「ええー!!」とめぐる&ユーキのみならず店中が絶叫する。なぜ君たちまで驚く(笑)。

・今回全編を通してちらちらと姿を見せていた謎の少年・真悟がついにめぐるの前に現れる。
満腹状態なのになぜか20年後が見えない真悟の正体やいかに!?という場面ですが、個人的には隣りの塾長の変わらなさっぷりの方が脅威です。髪の毛はヅラだからわかるけど顔も老けなすぎじゃないかい?
次の回冒頭でめぐるは見た目はほとんど変わらなくても「加齢臭がする」とひどい判断を下してますが。未来が見えるだけでなく臭いまでわかるのね。

・次回予告最後のめぐるの「フィックション」が、「今回は、ちょっとエッチでしたね」とのテロップを受けて「どうもすいやっせんしたー」。
ここであのシーンを使い回しますか(笑)。ぜんぜんすまなそうじゃないもんなあ。

(つづく)

 

 


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『未来講師めぐる』(2)-13(注・ネタバレしてます)

2009-07-27 01:32:24 | 未来講師めぐる
〈第7回〉

・自分の未来の姿(手錠+上着を頭からかぶせられた連行スタイル)を鏡で見て悲鳴をあげためぐるは、「ママー!」と叫んで表へ走り出す。
以前なら真っ先におじいちゃんを呼ぶところだろうにおじいちゃんの前は素通り。めぐるの中で一番に頼る人が母親に代わっているのがわかるシーン。

・「ぼくは江口。江口ひでお」との江口のモノローグ。オープニングはまためぐるモノローグスタイルに戻ったと思ってただけに意表をつかれた。
そして満面の笑顔でスキップ、というより踊るように街を歩く?姿をスローモーションでじっくり見せてるのに大笑い。さっきまでの緊迫感と世界が違いすぎます。
彼が手にもってるDVDぽいものがAVであることは間もなく明かされるわけですが・・・人気がないからってAVを堂々と、パッケージ眺めながら持ち歩くのってどうよ。
ちなみにこの回のタイトルは「恋するエロビデオ」。知識なく新聞の番組欄見た人はどんな番組かと思ったでしょうね。

・喜色満面の江口は、動揺して突っ走ってきためぐるに思いきり突き飛ばされ(しかし「エロビデオ邪魔!」ってめぐるひどい・・・)、はずみでDVDが宙を舞う。
めぐるが「ママー!」と叫びながら走るのは第1回の「おじいちゃんおじいちゃん!」のセルフパロディですが、今回はそれに江口の「あんなー!」という叫びが交互にはさまって、何ともシュールな味わい。
DVDを受け止めるべく宙をとんで懸命に手を伸ばす江口の姿がまた。結局DVDが自転車に踏まれてしまうオチといい・・・開始5分で早くも絶好調すぎです。

・結局自分の家に戻ってきてるめぐる。そして結局いつものように祖父に相談。この時点では愛子は相変わらず別居で、飛び出したはいいものの住んでる場所がわからず戻ってきたってところでしょうか。

・回想シーンで、めぐるをつけるおじいちゃんの目には、手錠+上着かぶりのめぐるの姿が映っている。
しかし20年後のめぐるはそんな何日間も連行途中みたいなスタイルで過ごしてるんですか?

・自分の兄弟のうち未来が見えるのは自分だけ、という話の中で再び吉田家の系図が一部クローズアップの形で出され、愛子の弟永作とその一家の名前が登場。先に向けての伏線がしっかり張られています。

・志望校に不合格でがっくりしている生徒たちを、なぜかいきなり歌いながら励ます江口。なぜこの時の江口はこんなにテンション高めなのか。あんなさんのDVDが破損した後なのに。
すでにユーキからあんな作品を借りる算段がついていた、というのが正解のような気がする。

・「がっかりして」「めそめそして」「どうしたんだよ」。生徒たちに声をかけつつそのまま光GENJIの『勇気100%』を歌い出す江口と途中から加わる塾長。あなたたち何生徒放りっぱなしで歌いまくってるんですか。
この時塾長がテーブル飾りの金のモールを首に巻くのが笑えます。さらにローラーブレードで滑りこんできたユーキがサビの部分を歌う。「そうさ~100%勇気~♪」。
そうか、ユーキがいつもローラー履いてるのは光GENJIが元ネタだったのか!今ごろ気づきました。

・歌いながらローラーブレードで部屋に滑りこんでくるユーキ。階段上がってから講師室までほとんど距離ないはずですが、わざわざローラー履いてきたんだ(笑)。
しかしロッカーにぶつかるぎりぎりのラインでさっと方向転換し、歌に合わせて踊ってさえいる。すでにローラーが自分の体の一部のようです。すげー。

・ユーキの音程のはずれっぷりに呆れる江口たちに「自分、絶対ダメ音感の持ち主なんで」。
勝地くんはたびたび「自分は歌が苦手」と言ってますが、これはさすがに外しすぎのような気も。2009年公開の映画(これまた宮藤さん脚本)『少年メリケンサック』のマサルは、仮にも歌手志望だけあって音程もう少しはマシだったのに。
(もっともムック本『少年メリケンサックアンソロジー』での宮藤さんコメントによると、映画中で歌うシーンは奇跡的にまともに歌えたテイクを使ってるらしい(笑)。声質自体はとても綺麗なので実に残念というか、それもなんか勝地くんらしくてかえって味わい深いというか)
ちなみに光GENJI世代のくせに『勇気100%』を知らなかったので(ネットで人様の感想を読んで曲名を知った)、CDをレンタルして聴いてみました。江口と塾長は音程正確(というか上手い)なんですが、ユーキが歌うサビの部分――まるで別の歌ではないですか。さすがは絶対ダメ音感。

・「ところで100%めぐるは?」「100%まだです」。この会話のテンポいいなあ。ユーキの肩をすくめる感じも。
しかし塾の関係者ではないユーキが普通に入ってきてることにもはや誰も疑問を抱かないらしい。音楽祭やら千鶴捜しやら貢献度は講師なみですからねえ。

・めぐるが生まれた頃にはすでに未来が見えるようになっていたという愛子の回想。
産婦人科のベビーベッドで眠る赤ん坊のめぐるが愛子の目には成人した姿に見えている。予告でベッドに横たわり赤ちゃんみたいに泣いてるめぐるに「何だこれ?」と思ってたんですが、こういうオチでしたか。その後のベビーカーも。
つくづく深田さんファンにはいろんな意味で見どころ満載ですね。

・再び愛子回想。目の前でそば屋の店主が刺されるのを予知するシーン。
包丁握りしめた奥さんが「そんなに若い女がいいのかー!」とか言ってますが、このタイミングでいきなり刺しにかかるってことは、愛子がとっくに閉店なのに居座って食事してるせいで勘ぐられたってわけですか?

・「娘が将来臭い飯食ってもいいのか?」というおじいちゃんの言葉をきいて「臭い飯なんてやだ。パンがいい!」と答えるめぐる。
将来投獄の可能性があるというのに、めぐる的問題点は「刑務所のご飯が美味しいかどうか」なんだ・・・。どこまで食い意地はっているのか。

・めぐるを励ましつつ、着物の袂にしまっていたお菓子を二包み握らせる愛子。いいシーンなんですが、このお菓子吉田家のお茶の間から拝借したものなんですよね・・・。
しかしこんなしみじみした話を振っておきながら、本題は江口のたぶんにエロエロな恋バナで、回タイトルが「恋するエロビデオ」ってのがまた(笑)。

・千鶴の合格祝いにと「ユーキスペシャル」なる巨大ホットドッグを後手に取り出すユーキ。でも千鶴もめぐるもかなり引き気味。しかしここまで一緒に走ってきた千鶴にホットドッグの存在を気づかせないとはユーキやるな。

・塾の新しい看板には「324アカデミー」ならぬ「光代アカデミー」の文字、そして看板の左端には浅香光代さんの似顔絵?が。いいのかこれ。いろんな意味でやばくないか。

・またまたジュージューパラダイス。すっかりユーキ43にも慣れきって「大好き」の域に達しためぐる。
20年後バージョンの藪中店長がなぜかめぐるがユーキにアーンした焼肉を横から食べてしまうのが(笑)。持ってきたコムタンスープは溢れまくってるし、「猥談中すみません」だし。
この人よく店長やってられるなあ。そして毎回のようにケンカしながらなおもこの店に通い続けるユーキもなんなのか。

・にこにこ笑顔で溢れ気味のコムタンスープに手を伸ばすめぐる。いいんだあれで?
そしてめぐるが引っくり返したコムタンスープを「全面的に私がかぶりましたので」な藪中店長を「聞いてねーんだよ!」と責めるユーキ。いや一応被害者なんだからその言い方はかわいそうでは。仮にも自分の彼女が火傷させたんだからここは謝るべきところだろうに。
とことん相性の悪い二人ですが・・・ある意味仲良しなのか?「コニタンは欽ちゃんバンドです」とか言いながら力比べ状態になってるシーン、DVD収録の未公開映像(時間の都合で?カットされた部分)ではそのまま二人で踊ってましたし。

・なぜか自動ドアに挟まれてじたばたしてる江口を「待てよ!」と追いかけてゆくユーキ。
江口が何したでもないのに(確かにこれまでの時点ではあまり仲良さそうには見えなかったが)なぜ追いかけていくのか、なぜ一回席に戻って袋?を持っていったのか。
この時はスルーしてましたが、あんなオチだとはなあ(笑)。どこから友情が生まれるかわからないものです。

・江口に疑いの眼をそそぐめぐる。しかし「狡猾な小動物を連想させる顔立ち」ほか心の声の内容がひどすぎる。「ネズミかよ!エロ出っ歯Vネック野郎め」とか毒吐きまくり。
そのめぐるのナレーションに答えるかのようにほんとにネズミっぽい表情&行動の江口。星野さん名演技だなあ。
ところで以前から思ってたんですが、Vネックってそこまでアヤしげなアイテムですかね?

・「ぼくは教育者失格です!」と悲痛な声で叫ぶ江口に、塾長が近づき優しく慰めの言葉をかける。のだがその台詞ときたら「そんなことはもうみんなわかってるよ」。
後ろでみんながあっさり(めぐるなど先とはうってかわって慈愛さえ感じさせる笑顔で)頷くのも含めナイスお約束な展開。
しかし「君なんかただのチンピラだよ」ってのは(笑)。そこまで言うか。つーかなぜそんなチンピラを雇ってるんだよ塾長。

・教え子・手塚ジュンの母親からの手紙。その娘思いの切々たる内容に講師陣が皆涙する中、「お母さんが僕を誘惑してるとしか思えなくて」「行間から滲み出てるでしょ、人妻の、シングルマザーの抑え切れない欲望が」。
こりゃキモい。全員ドン引きするのも無理はない。しかしこの恐ろしく自分に都合よい江口の読みが見事に当たっていたことが追って証明されるわけで・・・。恐るべし江口。
まあようやく回タイトル「恋するエロビデオ」通りの展開になってきましたね。

・江口の言動に「キモい!」「キモい!」と顔をしかめて逃げ腰のめぐるとみちるを何気に後手にかばうようにする塾長。彼の意外な紳士の一面を見たような。

・江口のキモい皮算用を聞いて、「そんなね、君の大好きなアダルトビデオみたいな展開は現実にはありえないんだから」とツレなく突っ込む高尾山。
まあこの直後現実にありえちゃったわけですが、そもそも教え子に手を出して?淫行でクビになったあげくその当の教え子と今同じ職場で働いてる高尾山が言えた立場か、という気はひしひしとする。

・ジュンの母親・絵里子=沢樹あんな(野波麻帆さん)を目の前に固まっている江口が、思いっきりネズミ顔なのに笑った。そんな顔してたら(普通なら)引かれてしまいそう。
このお母さん、手紙の文面から質素で地味な女性を想像してたので、存外華やかで色っぽい人なのに驚いた。これなら江口が妄想を逞しくするのもわかるような。
というか冒頭の「あんなー!!」がまさかこんな展開に繋がっていたとは。憧れの元AV女優が教え子の母親だった、なんて本当にAVのストーリーに使えちゃいそうです。

・夜中に満を持して見ようとしたあんなのビデオをダメにしてしまった江口は、同じビデオを求めて都内を捜しまわったという。
とりあえずは他の出演作品見といて、あとから落ち着いて探しに行けばよさそうなものですが、動揺のままに部屋を飛び出し夜通し探し歩いてたというのがすごい。情熱の使いどころがなあ。
AV女優なのに「20世紀最後の清純派」ってフレーズもすごい。

・あんなのDVDをダメにしたことを江口に責められためぐるは平然とプリンを食べながら「すいやっせんしたー」。
なんか回を追うごとにめぐるのキャラが次第にやさぐれていってるような(笑)。所詮はAV、所詮はAVマニアのキモい男と思って軽ーく見てるからこその態度なんでしょうねえ。

・「それは違うなみちるちゃん」。いきなり現れたユーキのいきなりな発言。もはや完全に塾関係者のごとく当たり前にそこにいますね。
しかしこの回、あのユーキがベタ惚れの恋人めぐるよりも男の友情を優先させているわけで、実に貴重といえば貴重です。

・実はユーキも「あんなー」だったという衝撃の事実が発覚。二枚目でも彼女がいてもAVは別腹ってやつですね。
ユーキから江口へはDVDを貸しているのに対し、江口がユーキに貸したのはみなビデオテープ。この二人、年はそこまで離れてないと思いますが(5歳くらい?)、かたやビデオ時代からの(リアルタイムでの)ファン、かたや近年DVDの復刻版が出てからのファンなのが、コレクションの媒体の違いに現れています。
しかしこの二人どんな経緯でお互いの趣味を知ったのやら。前回でユーキがブログブログ言ってたのを思い起こすと、「ユーキがブログで好きなAVの話を書き、それを読んだ江口がメールなりレスなりで連絡を取ってお互いの正体が発覚した」という流れなのかも。

・「ようするに、君は沢樹あんなの大ファンであり、(中略)性欲のモンスターであることを知られたくないんだろ?」との塾長発言に、ユーキが軽く眉にしわ寄せて振り返っている。この話の流れだとユーキも「性欲のモンスター」扱いされてるのも同然ですからね。
しかしその世界ではそこそこ有名らしい沢樹あんなの名前を全く知らなかった塾長、自分では大してAVに関心なさげなのに、江口やユーキに同調してAVにまつわる男心を語ってくれる。男同士の絆――ネタがアホらしいだけにかえってなにやら感動的。

・ユーキが彼女とAVの関係について力説するとき、力強く前に進み出る塾長が、指鳴らしてリズムとってる(笑)。どこのミュージシャンだ。

・女性陣にAVマニアの心理を語るユーキは「それが男子だ!」と力強く宣言する。「男」ではなく「男子」なんですよね。少し前で塾長も「男子としては、合格かもしれない」と言ってますし。
『池袋ウエストゲートパーク』でも『木更津キャッツアイ』でも宮藤さんの描く青年群像劇の男たちは、そこそこスケベで俗っぽいのに妙に奥手というか性的に潔癖で女より男の友情優先みたいなところがあり、結局据え膳を食い損なったりしている。
「永遠の中学生」と自らを評する宮藤さんの感性がそうした思春期の少年ぽさ=「男子」性として表れているんでしょうね。

・めぐるにはたかれ「カミングアウト、失敗」と言いつつも「しょーがねえなー♪」と笑顔でめぐるを追って出て行くユーキ。こんな会話のあとだというのに、何とも罪のないさわやかそのものの笑顔。
なんかユーキならAVマニアでも全然許せるな。陰湿な感じが全くしないし。

・ユーキのあとを「ユーキ忘れてるぜあんなのビデオ」とビデオの山を抱えて追いかけてくる江口。ユーキはめぐるを追って出たんだから、めぐるに追いついたときにAV持ってたらまずいんでは。
しかしいつのまにか呼び捨てするほどに親しくなってたのね。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-12(注・ネタバレしてます)

2009-07-24 00:52:00 | 未来講師めぐる
・一ヶ月のうちに死ぬ運命の千鶴を救うため、彼女のあとをつけるめぐる。
しかし両手にパンと紙パックの牛乳(?)を持って食べながら後を追っているのが何とも緊迫感を削いでいる。千鶴の(未来の)状況を確認するため仕方ないんだけどさ。
千鶴をつけるめぐるをさらにつけているおじいちゃんも同じ格好してるのが可笑しさを倍増させる。

・ユーキに「ブログとかやめて。・・・こわい」というめぐる。これたぶん宮藤さん自身が(一般人による)ブログというものに対して批判的なんでしょうね。公共性・客観性が乏しくなりがちで、ゆえに無防備に個人情報流しまくったりするからですかね?
しかしめぐるのことは書かないとなると何書いてるんだろう。AVのマニアックな話とか?

・千鶴に「カッコいいよね」と言われて嬉しそうに「一応京王稲田堤のリバー・フェニックスと呼ばれてます」と語るユーキ43。
言い方や表情がほんと得意げ(笑)。外見と「リバー・フェニックス」にギャップがあるだけによけい可笑しい。テーブルまで滑ってくる動きがユーキ23に比べてどうもぎこちないしなあ。

・「黙ってるならいてもいいよ」と言われて「お口にファスナーっす」とジェスチャーをするユーキ43。ファスナーを閉める効果音がちゃんと入るのがツボ。

・赤坂くんの両親にメールを見られて付き合いがバレたという千鶴の表情を見て、めぐるに「どうやらメールだけじゃなさそうっす」と告げるユーキ。
知り会ったばかりなのにもかかわらずめぐるより早く正確に千鶴の内心を察したユーキは、存外観察眼が鋭い。さすが「バカだけどバカじゃない」男だけある。
でもそのままシリアスに決まらないのがユーキのいいところ(?)。

・千鶴の「あたしたち中三だよ?」の台詞を受けて、「ペッティング!ペッティングまで行ってるっす!」と大騒ぎするユーキ。
ペッティングって表現ずいぶん久しぶりに聞いたなあ(笑)。宮藤さん脚本だとほんとアレな台詞たくさん言わされますねえ。しかし「俺のブログ炎上~!」ってこんなことブログに書く気なのか。

・めぐるに叱られたユーキは「お口にホチキスっす」。
二人一役で同じような台詞同じような動きをしてるのが余計可笑しい。後ろのカップルが訝しげに振り返ってるぞ。

・めぐるから千鶴の状況を聞いた江口は「嘆かわしいですね。優等生同士が受験直前にペッティング・・・」などと発言。
それはあくまで憶測、とめぐるは怒りますが、ユーキのこんなエロ発言まで報告したわけか。そりゃーめぐるが悪いんじゃあ。

・めぐるの話を聞いて、まるで金八先生(のエピソード)だという塾長。
ここからしばらく『金八先生』談義が続きますが、この場面で『めぐる』の登場人物の名前の多くが『金八先生』に由来していることに初めて気づきました。ちゃんとネタばらししてくれてるわけですね。

・赤坂くんを「もう一度小学生から入り直すか?」など言葉責めしまくりのみちるのスパルタ授業。ひどい講師だなあ(苦笑)。

・千鶴を命の危険から守るため、めぐるとユーキがわざわざ中学校までお迎えに。それはまあいいとしても、ユーキの黒服サングラススタイルは・・・。ボディガードだからって形から入りすぎです。
予告でこの姿を見たとき何やってるんだろうと思いましたが、まさかこんな展開とは。外見も行動も怪しすぎて、千鶴も他の生徒の手前恥ずかしいだろうに。「段差危ない」「工事危ない」と超過保護だし。
工事の人に「ジャマする気か!」とか(無駄にいい声で)言ってますが、どう考えてもジャマなのはあんただ。

・受験を目の前にした生徒たちを塾歌で激励する講師陣。塾名の部分どうするんだろう、と思ってたら「マサルくんのおいしいアカデミー」でちゃんと歌っててホッ。しかし塾長サックスはどうした?

・たくさん余ってしまった「マサルくん人形」をいじってた塾長は、髪の毛がスポッと取れたのに慌てて、みんなが気づかないうちにこっそり隠しにゆく。
この人形、作中では誰が作ったことになってるんでしょうかね。やっぱり外に発注したんだろうか。別に塾長に当てこすってヅラ仕様にしたわけじゃないんだろうけど。

・「生徒の辛さを思えば徹夜で金八見るくらいなんてことない」。
たしかになんてことないだろうけど、すでに生徒たちを送り出したというのに今さら金八を見たところで何の意味もないような。ようは見たいだけですね。

・あれだけ頑張ったのに一ヶ月中には死ぬ運命の千鶴に何て声をかけたらいいのかと沈むめぐるに、ユーキは「おめでシュー」なる言葉を提案。「おめでとう」と「ご愁傷さま」を掛けたという・・・。
めぐると一緒に千鶴のガードやってたわりには、千鶴の死にドライなユーキ。あくまで「めぐるの教え子」という間接的な関係だからか、まずはめぐるの気持ちを楽にしてやりたくてわざとバカなこと言ってみたのか。
ともかくも自分とは直接関係のない千鶴のために時間と労力を割ける(その間バイトはどうしてるんだ?仮にもサブマネージャーなのに)ユーキはいいヤツだ。それだけめぐるにベタ惚れなんですよねえ。

・ユーキの不謹慎な発言にめぐるは「あははウケるー」と無表情に答える。単に言葉と表情が裏腹というのでなく、わざわざ音声別録りで口パクにかぶせる芸の細かさにウケる。
それを受けてユーキが「音声だけウケても嬉しくないっす」。こういう小ネタ的な演出がつくづくナイスです。

・満腹になる量の20分の1を食べれば1年後が、さらに12分の1を食べれば1か月後が見えるんじゃないかとのユーキの提案。
その理屈だと食べてる最中に少しずつ目の前の相手の外見が変化していくことにならないか。これまでの設定が崩れちゃいそうな新説ですが、愛子の能力がまさにそういう原理なのが後に明かされるのでその伏線みたいなもんですね。
ユーキも「訓練したらコントロールできるようになるかも」と言ってるわけだから、現在は見えないことと矛盾しないし。ついでにホットドッグを20分の1にきれいに切ってのけるユーキはさすがは本職?ですね。

・徹夜組の講師陣3人が『金八先生』について毒舌トークを。とくにみちるは「鼻声」連発するし。黒川さん『金八先生』の生徒役で出てたことあるそうなんですが・・・ある意味裏アテ書きとでも言いましょうか。
さらにみちるは寝こけている塾長の「カツラはいじゃおうか」と。今回みちるが悪女だなあ。

・行方不明になった千鶴を手分けして捜す講師陣+ユーキ。肝心の塾長は相変わらず眠りっぱなし。塾の人間じゃないユーキが全面協力してるというのに。

・赤坂くんと千鶴は将来別れると断言するめぐるに、(彼女の能力がバレてしまうと)あせったユーキは「わーわーわー」と叫びつつ手を広げて江口たちを遠ざけようとする。
この時「なんでジャマする」とユーキの頭をはたく江口が思わずという感じで笑っている。ユーキも2回目の「わーわーわー」のときはほとんど江口にだけ体をかぶせている。
星野さんと勝地くんの仲の良さがつい出た場面じゃないかと思うんですが。

・塾長からの千鶴発見のメールに「なんでマサルが!?」と驚く一同。なぜか呼び捨て。そしてなぜ2回同じ台詞をくり返す?
はては江口が塾長を殴り気絶した塾長をマネキンのように高尾山が抱えて運ぶ。どんどんないがしろにされてゆきます塾長。

・千鶴に「他人の目なんて気にしてたらあっという間に・・・」と言いかけて言葉につまるめぐる。おそらく「あっと言う間に年を取ってしまう」と言おうとして、彼女の寿命があと一ヶ月ないことを思い出したからでしょう。
そのかわりに「人生は短いんだから、がつがつしないでどうするのよ!」と言葉を続ける。もし一ヶ月の命でも、いやむしろ一ヶ月の命だからこそ、せいいっぱい生きろというめぐるの思いが伝わってきます。

・塾の下で待機してたユーキが二階窓のめぐるにホットドッグを投げる。前回の逆をいったわけですが、ユーキどこからホットドッグ取り出したんだ?
そして千鶴を背負ってローラーブレードですべり出すユーキ。すごいよあんた。絶対タクシーで行ったほうが早いとは思うけど。

・流星高校の前で婦警姿の千鶴35に出会っためぐるは「あなた千鶴ちゃんなの?はじめまして!」と彼女の未来が変わったことに喜ぶ。
そういえばめぐるは何のために満腹状態になって走ってきたんだろう。千鶴は一ヶ月以内に死ぬと思ってるなら、今さら彼女の未来を再確認してもしょうがないわけだし。
つまりここで受験に間に合うかどうかで未来が変わって、彼女が生き伸びる可能性を捨ててなかったってことなんでしょうね。死ぬのが確定だと諦めてたらああまでして受験させようとはしなかったろうし。

・二次募集を受けるという千鶴に「人生長いんだから、がっついてたって仕方ないよ」とめぐるは言う。
千鶴も突っ込んでる通り「さっきと逆のこと言って」ますが、千鶴の未来が変わって最低でも20年は生きられることが確定したからですね。
しかしそうすると赤坂くんと金髪女性の未来はどうなってしまうんだろ?

・二人がそろって合格してたら乗るはずだった観覧車が墜落する事故が。
この事故で千鶴だけが死ぬはずだったということは、つまり赤坂くんは目の前で恋人の死を経験するはずだったんですね・・・。どちらのためにも無事助かってよかった。

・赤坂くんの手をつかんで引き止めたり、帰ってゆく彼のお腹のあたりをぽんぽんと軽く叩くユーキ。なんか弟分として可愛がってるって感じでほのぼのします。

・二人が観覧車で初キスの予定だったと知って、「えっ!ペッティングどころかキスもまだすか!?」と大声出して驚くユーキ。
ちょうどやってきた藪中店長が照れて「いいね・・・ペッティング」とか言ってます。なんか笑顔がやらしいです。さらに「タン塩二人前、ほら食え」とか言ってますよ?
この人の言葉づかいはつくづく客商売として問題アリアリだ。

(つづく)

 

 


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『未来講師めぐる』(2)-11(注・ネタバレしてます)

2009-07-21 01:06:11 | 未来講師めぐる
〈第6回〉

・前回のユーキに続き今回はおじいちゃんのナレーションではじまる。しかし保険のCMって・・・つくづくここまでやるか的パロディ満載ですねこのドラマ(もう少しあとではついに「ちい散歩」のオープニング映像?が)。
保険紹介のフリップを通りすがりの影(役割的には黒子さん)が風のように持ち去るのも可笑しい。

・いまやユーキ43とも普通に接しているめぐるについて、おじいちゃんは「恋人の20年後が見えても動じないほど図太い女になってしまった」。そんな言い方って(笑)。「愛の力」とかプラス評価じゃないんだ?
それにしてもめぐるはデートの時もあのダサいファッション継続中なんですね。

・座って考え事してるおじいちゃんに警官が異常ににこにこ顔&甘ったるい声で話しかけてくる。
「おじいちゃん?だいじょうぶ?」という台詞から、ボケ老人と疑って子供に対するように接してるのかと思ったら、引きの画面で見るとランドセルを背負っている。ああそうか、おじいちゃん今満腹状態だったんですね。しかし子供としてさえこのおまわりさんハイテンションすぎです。

・12年前に出て行ったきりの母・愛子の消息が知れた、という話をしてる時に、後ろのすだれを上げるとそこには何と母の姿が!
感動&まさかの再会シーンのはずなんですが、めぐるの表情も「マ~マ!」という口調も、「帰りが遅いから心配したでしょ!」程度のあまりに日常的な反応なのが笑える。
さすかに愛子の方は驚きまくってますが、泡食って逃げ出す様子が何ともユーモラス。全然感動の再会にならないんだもんなあ。

・店から飛び出す愛子、追いかけるめぐる、さらにそれを追うユーキがいちいち店の前を通る時、静止状態になってめぐるの人物紹介ナレーションがかぶさる。
静止状態といっても止め絵でなく役者さんが「止まった状態」を無理矢理演じてるのがポイント。
めぐるが静止した時「私はめぐる。吉田めぐる。進学塾の講師です」という毎回の定番ナレーションが流れるのもシュール。このタイミングでそんな普通のことを言うか。12年振りに思いがけず再会した母親を追いかけているという緊迫した状況に全然即してないんだもん。
「めぐる~!」と叫ぶ途中で静止状態になったユーキが再び動き出したとき、「る~!」と叫んでるのもナイス。

・ローラーブレードを手にめぐるを追って走るユーキ。店で食事中だったんだから当たり前なんですが、ユーキが滑るのでなく普通に走ってるのが何だか新鮮です。

・母に逃げられためぐるは「ビビンバ食い逃げだ~!」となんかピントの外れたところで怒っている。
ショックのあまりあえて核心を外したことを口にしているとも取れる状況ですが、まあめぐるなんで「相変わらず食い意地張った発言だな~」と取るのが正解のようでもある。

・めぐるを慰めようとするあまり、「自分、めぐるが食べたいっす!」などと発言してめぐるにどん引きされるユーキ。このドン引きの表現が、ユーキを正面に捉えた画面が急速に引いていくという・・・。まあ彼氏に言われたとは言え、この表現には引きますねえ。
ここでユーキが「ブログに書いちゃうから」とか言ってますが、ブログなんてやってたのかユーキ。どんな内容なんだか。

・めぐるが家に飛び込み、「ママに会ったの!」「びっくりしないの!?」とおじいちゃんに訴えている背後、台所で割烹着姿で立ち働く愛子の姿がさりげなく映っている(笑)。そりゃびっくりしないはずだわ。
そしてめぐるは何回も台所振り向いてるのに愛子に気づかない。そりゃまさか家にいるとは想像もしてないだろうけど。この回は画面構成のシュールさが実に秀逸です。

・愛子に頭を撫でられてめぐるは泣きじゃくる。もともと子供っぽいところのあるめぐるですが、この場面は(トレーナーの柄のせいもあって)実に幼く見える。
12年ぶりの母を前に、最後に会った12歳当時の気持ちに返ってしまったんでしょうね。

・おじいちゃんが愛子に未来のめぐるの姿を確認してもらうシーンで、それに先だって部屋の前を横切る20年後のみちるのカットが入る。二人の目が未来予知モードに入ってることをこのみちるの画が入ることで一瞬で理解できる。上手い演出。
20年後のめぐるの外見が手錠以外(みちると取り換えた服装までも)なぜか全く変わってないだけに、この画がなかったら20年後が見えてるのがわからなくなりますからね。

・めぐるの手錠を確認してもらいたくて「それでおまえを呼んだんだ」というおじいちゃん。
つまりおじいちゃんは愛子の連絡先がわかっていたということになる。衝撃の第9回に向けてのさりげない伏線。

・防災頭巾をかぶりリュックまでしょってテーブルの下に逃げ込もうとしてる塾長。防災訓練かと思いきや、「石倉ゆり子が来るんだよ!」。
あいかわらずモンスター扱いですね。動揺のあまり「ズレてる!」と言われても何のことが気づいてないし。

・外で高尾山と江口が「がんばってる」そうですが、何をどうするというのか――と思えばなんと看板を下ろしての夜(昼)逃げ。
この発想はなかったなあ。そこまでするか。他の生徒はどうするのさ。

・現時点で中学合格者がゼロという衝撃の事実を受けて、「もはや塾であることさえ隠したほうがいいかもしれんね」。
それじゃあ廃業も同然でしょう(笑)。つくづくこちらの想像の斜め上をいく台詞&展開です。

・「未来の門アカデミー」というおじいちゃんの提案した名前にすっかり感心する講師陣。何でこの流れで「マサルのおいしいアカデミー」になっちゃうんだか。

・愛子回想の高校時代。なんと榊原さんの高校の制服(ブレザー)姿が!さすがに無理があるけど、何気にお宝映像かも?

・「いい子に育つしかないよ。パパもママもいないんだから。いい子に育つしかないじゃん」。めぐるの言葉は決して激しくはなくちょっと拗ねたような可愛らしい声のトーンですが、その幼い調子がかえって彼女の寂しさを強く感じさせます。
シンプルなごく日常的な台詞のなかにウェットになりすぎない哀愁を篭めるのは宮藤さんのお家芸ですね。

・焼肉店で愛子にすまないと大泣きするはまる。これって『冬のソナタ』のヨン様コスプレなんですか?だいぶふくれてるけど(笑)。
しかしこれだけ済まながっておいて、愛子も愛子で元亭主を「金の亡者」と罵っておいて、第9回のあのオチは何ごとなんでしょう。おかげですごいインパクトだったけど。

・はまるの涙で水浸しのテーブルの上で金魚?がはねている。
そんなバカな、なシーンですが、こういうムダなキメ細かさにスタッフのノリのよさが表れていて、結果『めぐる』の世界観を作り上げている。

・「そんなバブル崩壊後の(=年を食った)ママなんて見たくもねーや」ほか、オーバーアクションで妻への思いを語るはまる。
後ろの席のカップルがこちらをちらちら気にしているのが笑えます。そりゃ気になるわな。

・ゆり子の問題が片付いて(片付いたのか?)元通りの服に戻っためぐる。しかしみちるのファッションも都会風のまま定着した様子。
いかにもな田舎の女の子から洗練された女子大生ぽい感じに。きれいになったなあみちるちゃん。

・張り切って講義にのぞむ講師陣。
しかし高尾山は早口すぎて何言ってるかわからんし、江口はものすごい速さで黒板&白板に文字を綴るし、みちるはただ一人の生徒(今市くん)を脅しつけてるし、めぐるの黒板消しは今度はかまぼこだし・・・混迷してるなあ。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-10(注・ネタバレしてます)

2009-07-18 00:35:25 | 未来講師めぐる
・めぐるに対し、(めぐるの着てる服がダサいからといって)「そこどいてくんない?エアコンの風こないから」と横柄な口をきく江口。
「上から目線」の時の顔の角度が鼻の穴が正面に来るほどにのけぞっていて、もはや「目線」もほとんどめぐるに向いてないような。もとは高尾山の買ったトレーナーとわかると、今度は高尾山に同じ顔をしてます。

・「お母さんが、ここのテキストはレベルが低いから持って行かなくていいって」。
だったらこの塾に来るなよ、という話ですが、担任教師の話からするに、あんまりお母さんがうるさすぎてあちこちの塾から出入り禁止(慰謝料払って出て行ってもらう)処分になって受入先がなくなったあげくなんでしょうね。
いや少し後でここ入れて4つの塾に通ってると言ってたから「受入先が少なくなった」程度か。

・辞書と思ったら実は箱入り高級チョコレート。とっさに質問のあった英単語「サプライズ」にかけて生徒に一個ずつプレゼントするあたりの機転はナイス。
しかしタモツに気づかれなかったら、授業中に一人チョコ食べるつもりだったのかい。

・「(学生時代と)変わってないのは髪型だけね」発言に講師陣がみな凍りつくなか、みちるは一人くすくす笑い。塾長から見えてないとはいえ。
こういうみちるの悪気ない残酷さは第7回で大いに花開きます。しかし塾長、当時からヅラだったのか?

・前進ゼミナールを意識しまくって塾の名前を「お前達アカデミナール」に改称。しかも看板の「お」「アカ」の文字をわざと小さくして「前進ゼミナール」と読み間違ってもらおうという姑息な計算。
ドラマ放映当時公式サイトで「塾の名前が次はどう変わるか」というクイズをやってましたが、今回の当てた人皆無だったろうなあ。

・続々と生徒が減ってゆくさまをめぐるがナレーション。
「ゆり子さんのせいばかりじゃない。私の責任でもある」というナレーションにあわせ、めぐるの日替わりトレーナー(すべてダサい)がアップになるため、めぐるのファッションの責任、といいたいのかとちょっと思ってしまった。

・この塾にいるときだけが勉強しなくて済む時間なんだというタモツをかわいそうがるめぐるに、勉強を教えてるのにそんなこと言われてしまうめぐるの方がかわいそうだと言うユーキ。おおユーキが賢い事を言った!

・友達と並んで帰るタモツを途中車で拾うゆり子。それはいいとして、友達を一緒に車に乗せて家まで送っていく代わりに、千円出して「これでタクシー拾いなさい」とはあんまりな。そのうえ「遊ぶなら同じレベルとの子と遊んでね」。
息子の周囲を敵だらけにしてどうするんだ。あまりの非常識っぷりですが、昨今はほんとうにこういう親がいるんでしょうね。だからこそ「モンスター」と呼ばれるわけで。

・ゆり子の暴挙をきいて腹を立てるユーキ――はいつのまにか43歳バージョンに。しかし今までと違いめぐるはユーキ23に対するのと何ら変わらない態度でユーキ43に接している。すっかり慣れて「どっちもユーキくん」な心境になってるんですね。

・「デブじゃねえっていうか、サブじゃねえっていうか・・・」。ユーキ23のバッジの「サブマネージャー」の文字はユーキ43では「マネージャー」に。なぜ20年後もユーキが「ダイアナ」の制服姿なのかの謎がここで解けた。
20年かけてこの程度の出世か、という気はひしひしとしますが。やっぱり社長ににらまれたせいなのか。

・めぐるの携帯にゆり子からの電話が。でも登録名が「モンスター」って(笑)。ゆり子本人に見つかったらまたひと悶着はまぬがれないなー。

・「江口先生彼女いましたっけ?」と聞かれて振り向いた瞬間の江口の表情が怖い。何がどうってことじゃないんですけども。

・江口の回想。レンタルビデオ店前で江口がぶちまけたAVを足蹴に、江口を見下ろすゆり子。そのポーズといい高飛車な態度・表情といい、何だか女王様のよう。
しかも「どういう内容それ?言ってみなさいよ」。ものがAVだけにいじめ通り越して言葉責めのおもむきさえあります。なぜか「はい」と勢いよく答える江口の顔ちょっと笑ってるし。

・素直にAVの(ピー音だらけの)内容を説明したという江口にめぐる&みちるドン引き。
問題はAVを見るかどうかより、内容を女性に、向こうからせまられたとはいえ「嬉々として」説明した部分にあると思うなあ・・・。

・打倒前進ゼミナールのアイデア―一日塾長、コスプレで授業など―を「自分が関われないから」という理由で次々却下する塾長。別に一日くらい有名人に塾長ゆずろうが自分自身がコスプレで授業できなかろうがよさそうなもんなんだけど。

・塾歌を作ることをめぐるが提案し、実は結構みな音楽ができることが発覚する。
深田さんは本当にピアノ上手いらしいですし、バンド「SAKEROCK」のギターやってる星野さん、サックスのソロアルバム出してる武田さんにいたっては音楽活動もプロですからね。この顔触れだからこそ思いついた展開なんでしょうか。
しかし高尾山も言ってますが、塾歌にラップが必要だろうか。

・「授業内容や進学率は勝てないからこそ、面白さで勝つしかないんです!」。進学塾として完全なる敗北宣言なんですが、何だか胸を打つ力のあるめぐるの名言。
ゆり子に塾長が言ったように、「楽しんで勉強をする」というのも一つのスタイルとして決して間違ってないわけですし。

・めぐるの家での練習光景。高尾山にラップを勧めておきながら、ラップ入りかけたところで演奏ストップしてしまう。高尾山も気を取り直して拍手してるけど、扱い悪いなあ(笑)。

・音楽祭当日、講師室にははまるから贈られたピアノが。今日が終わったらあのピアノどうするんだろう?
ついでに「ラップはいらないんじゃ」と言ってた高尾山が何気に一番気合入った格好してるのがツボ。

・集まってくれたみんなにホットドッグを差し入れるユーキ。でも塾長が手を伸ばすとひょいとよけて足を蹴っとばす。前回の報復ですね。ことさら「余った分ここに置いていいすか?」と言ってのけるあたりも。
ところでこれって彼の自腹だったりするのか?そしてバイトは休んできたって解釈でいいんですかね。

・「何で君はここにいるのかな?」という江口の嫌味っぽい問いかけに「カレシだから」とさわやかに即答。
このときのソフトな口調、いかにも当たり前という言い方が、何ともいえず「勝ち組」感を醸し出している。相手がモテない代表みたいな江口なだけに。
この時点で彼らがあんなことで意気投合するとは思わなかったなあ。

・これが終わったら(前進ゼミの)説明会に行くから早くはじめてくれと要求する千鶴たち。
よその塾とあからさまに二股かけたひどい言い方みたいですが、受験生がこの重要なときに音楽祭にわざわざ参加してくれたわけですね。彼女たちはそれなりにこの塾に愛着持っててくれてるんだと思うと何だか嬉しくなってきます。
そういや雪子ちゃんがいないな・・・。

・タモツに呼ばれたと言って集まってきた子供たち。あの母親のせいですっかり周囲から浮き上がってそうに見えたタモツくんですが、実は結構人気者だったんですね。
勉強ばかりの他の塾と違って、ここで初めて友達ができたといってますし。

・塾歌をみなで合唱。楽譜もないのによくみんな歌えるな。リハーサルしたんだねきっと。
およそ塾らしからぬ気の抜けた、でも受験のプレッシャーで狭くなっている視野をふと広げてくれるような心なごむ歌です。こんな塾もあっていいでしょう。

・横から出てきて高尾山のラップを奪うユーキ。高尾山気の毒な。それにしても言葉に合わせてのポーズと顔芸が見事。単なるラップでなくちゃんと演技になってるんですよね。
公式サイトの「パねログ」で勝地くんが「ラップが大変だった」と書いていたのでてっきり第4回の「どうでもいーい」のことかと思ってたら、これだったわけですね。リズムにあってるんだかないんだか微妙ながらも充分上手でしたよ。

・タモツを連れ戻しにきたゆり子が、「いやです」と言われたとき一瞬とても悲しそうな表情をする。そしてその表情のまま固い声で再び帰るよう促す。
この抑えた表情変化の中で感情を伝えてくるのはさすがの演技力です。

・同窓生とは言えゆり子に強く意見し、タモツに「学ぶことの楽しさを徹底的に教えてやる」と宣言する塾長。さらには合格させられなければ「お前達アカデミナールの塾長をやめます」と進退までかける。
これまでで塾長が一番格好良かった場面・・・ですが、「これで落ちたらまた塾名を変えて『お前達アカデナールの』塾長はやめたと言い張るつもりなんだろなー」と思ってたら案の定でしたね。格好良さそうで格好良くなれない(ならない)のが塾長ですね。考えて見れば「学ぶことの楽しさを~」も教えるのは先生たちだし。

・出て行ったタモツとゆり子を追って走るめぐるに、二回の窓からユーキがホットドッグを放る。このシーンを見てアンパンマンに新しい顔を投げるジャムおじさんを連想した人は多いことでしょう。
この先積極的に他人の未来を変えていこうとするめぐるをユーキが(食べものを差し入れて)サポートするのがストーリーの定番になるかと思ったんですがそうでもなかったですね。

・めぐるがホットドッグを頬張るのを見て、ユーキはウインク&ペコちゃん風舌出しスマイルで指を立てて見せる。なんたるキュートな。その後走り去るめぐるを見守る凛々しい笑顔も素敵です。
怒涛の第4回を経て一皮剥けたというか、表情や動きが一層はじけてきて、しかも作為的な不自然さがない。海老沢ユーキという人間が本当にその場にいるかのようです。
ユーキのウインクにやはりウインクで応えるめぐるもキュート。バカップルだけど最高のカップルですよね。

・車から降りてきたタモツ32はいまだ東大浪人生。しかし「合格」ハチマキ+「目指せ東大」のたすき掛けって・・・なんてわかりやすい格好してるんだ(笑)。

・めぐるの行動と発言に動かされて、タモツは車のドアを力強く閉めることで母親に叛旗を翻す。
これまではめぐる満腹時は全てめぐる目線で、つまり20年後のビジュアルが登場したら特定の時間が過ぎるまでは20年後バージョンの姿のままだったのですが、今回はめぐるの目に映る32歳のタモツと、ゆり子の目に映る12歳のタモツが代わる代わる登場する。
12歳の弱々しげな少年が自分の意志で歩き出そうとする、その決意の瞬間を大事に描こうとしているのがわかります。

・みんなに一緒にお餅をつこうと声をかけられたタモツは「うん!」と初めて満面の笑顔を見せる。そんな子供たちの姿を見て自分も幸せそうに微笑むめぐる。
授業中にお菓子食べててもいきなりエスケープしても、心から生徒を思ってるという一点において、やっぱり彼女はいい先生なんだと思います。

・お餅をつくタモツの杵をユーキが支え、さらに反対側から塾長も支える。三人がかりでお餅を搗きながら、ユーキが塾長の方に笑いかける。
タモツを挟んで二人の気持ちが通い合ったらしいのがこのワンシーンに表れています。

・「久しぶりにおかわりした」→久しぶりに満腹になったおじいちゃんが(20年後の)めぐるの手に手錠を見て驚く。
これまでにもおじいちゃんはたびたびめぐるの20年後を見ていると思うのですが、その時は手錠はなかったということですよね。他人の未来を変えたことがめぐる自身の未来も変えてしまったのか。
もし20年後のめぐるが逮捕される――刑務所に入れられていると仮定すると、第4回終盤のユーキ43のメールは彼女が獄中にいても変わらず愛しているというニュアンスになるわけで・・・あのメールの時点ではめぐるの未来はどうなってるはずだったんでしょうね。

・猫舌のけったいな占い師「新宿に母」がなんとめぐるの母!衝撃の事実を投げかけたところで幕。すごい引きです。

(つづく)

 

 


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『未来講師めぐる』(2)-9(注・ネタバレしてます)

2009-07-15 01:15:31 | 未来講師めぐる
〈第5回〉

・「俺の彼女はめぐる。吉田めぐる」。いつもはめぐるのナレーションで始まるのに、今回はなんとユーキのナレーション。ユーキが主人公のような展開にわくわく。
そして「はっきりいって、可愛いっす」とその直後の「めぐるー!」の時のわざとらしいまでにキレのよい動き。この、効果音入れたくなるほどのパキパキした動きがユーキというキャラクターには実に似合っています。

・塾の下から「めぐるー!」と呼ぶとめぐるが2階の窓から「ユーキく~ん!」と笑顔で答える。こういうシーン同じく宮藤さん脚本の『僕の魔法使い』でもありましたね。何たるバカップル。しかも職場にいるのに。
そしてめぐるの返事を受けて「オニ可愛いっす♪♪」とメロメロな笑顔に。そんな君こそ可愛いよ(笑)。

・調子に乗ってゴミ捨て場に突っ込んだ直後、また「イチモツの不安」とかモノローグしつつ股間に手をやるユーキ。こらこらっ。
ユーキはこの言葉をどんな意味だと誤解してるんやら。

・ゴミ袋首に巻いた状態のままローラースケートで走るユーキ。それ外せよ。第3回に続いての後ろ向き滑りはあいかわらず見事です。

・第4回の回想から「やったー!」と叫ぶところで現在(でもこれも回想)に話を繋げる。「すみません、今のは思い出し喜びです」。何このカメラ目線。誰に喋ってるんですか。このへんメタ展開ですねえ。

・オーダーの機械が壊れたため記憶頼みで注文を取る藪中店長。毎度トラブってる気がするのに、それでもこの焼肉店(「ジュージューパラダイス」)に来るんですよね。
めぐるの注文にいちいち口で「ピッ」と答える店長にユーキが「ピッピピッピうるせえよ!」(この時の声の裏返り方にユーキの苛立ちがよく出ていてお見事)とツッコむんですが、めぐるの言うとおりいつものユーキらしくない乱暴な態度。
さしも脳天気なユーキも自分のコンプレックスに障るような特殊能力(ハゲてデブった未来の姿が見えてしまう)を持つ彼女を前に平静じゃいられないわけですね。それでもめぐるとの関係を「おおむね順調」と表現できるのはユーキの一種の度量の広さでしょうか。

・ユーキに怒鳴られて「あ、全部とんじゃった、やばいやばい」と言いながら下がる店長。結局オーダーはどうなってしまうのか?
この一連の場面での店長の言動は、ユーキが(もともとイライラしてたとはいえ)切れるのも納得のウザったさがある。佐藤さんの好演が光ります。

・めぐるに20年後の自分の写真を見せてほしいと言いつのっていたユーキが、「私はどっちのユーキくんも好きなんだから」と言われて思わず頬を緩める。めぐるへのベタぼれっぷりがよく伝わってきます。表情変化が上手いなあ。

・めぐるが一口食べるたびに両手で頭を隠しながら、ハゲる方はまだしも「ブルース・ウィリス的ハゲっていうか、ダイ・ハード系ハゲ」などとチャーム・ポイントとして捉えることもできるがうんぬんと一人語るユーキ。
具体的人名を並べての一方的なトークとバッと頭を隠す仕草の繰り返しが何とも可笑しい。ユーキ苦労するな。

・昨日塾に入ったばかりの「石倉タモツ」くんはどんな子かというめぐるに、塾長がさっと名前入りの写真を出してくる。はじめて有名人以外の写真が来た。
普通の証明写真ぽい正面からのアングルでない、勉強中らしい構図からして、塾での授業中に撮ったもの?しかも何か加工してあるっぽいし。これ塾長の隠し撮りなんじゃあ・・・。

・教頭先生がタモツの母親のことを口にした途端に、隣りの担任教師がはっと恐怖の表情になる。
思えばこの担任、最初に画面に映ったときから、妙に憔悴した顔の中で目がおどおどしつつも狂的な光を宿した、ちょっと不気味な人だった。あとで彼女がノイローゼで学校を休んでいる次第が明らかになりますが、言われる前から精神的に普通じゃないのが顔を見ればわかる。さりげない名演かと。
最後の「今は休ませています」で床に転がってるシーンでは見事に目がうつろです。

・めぐるが想像するモンスターペアレントの姿。ジャガー横田さんというあたりが、あはは分かりやすい。しかし担任教師の口にピーマン突っ込む保護者って・・・イヤすぎます。
めぐるの想像世界から現実に戻っても、先生の口にピーマン突っ込まれてるあたりは、ありえないんだけど(だからこそ)笑ってしまいます。

・再度めぐるの妄想ワールド。教員室に乗り込んでくるジャガーさん、なぜにリングコスチュームよ(笑)。後ろにゴングの音まで入ってるし。めぐるの想像力ってすごいな。つーか塾講師として「モンスターペアレント」の知識くらいなくては。

・完全武装状態で、バイクで教員室に突っ込んでくるジャガーさん。顔も隈取り系メイク済み。もはやどう見ても保護者ではない。この外見で、「11月は法事や葬式が多い」とか世俗的なことを口にするギャップがたまりません。
今度は教頭先生が犠牲に・・・。現実世界の教頭も顔に大痣作って服がよれよれです。恐るべしめぐるの妄想パワー。

・塾を襲うジャガーさん。手しか見えませんが明らかに怪獣化している。モンスターペアレントってこわいですねー。
しかしあのタモツ母(本物)が7つの学習塾から金をむしりとるような真似をしたというのがどうも解せません。うるさがたのお母さんってことで憎まれたために噂が一人歩きしたんじゃないのかなあ。

・襲い来る怪獣に踏み潰された瓦礫の山、そこで懸命に怪獣を防ごうとする自衛隊員。もはや学校でも塾でもない。なんか別のドラマになっています。

・タモツくんの母・ゆり子(高橋由美子さん)にネチネチとダメ出しされるめぐるはなぜか微笑みを浮かべたまま。
そしてぐるぐると揺れてぼやける視界、遠くから聞こえる正体不明の軽やかな笑い声。なんかやばいのでは?と思ったらいきなりお花畑で戯れる幼稚園児姿のめぐる+現在と未来のユーキの姿に。
次回予告の時点でスモック姿で丸く手をつなぐ三人の姿に「ユーキ23と43が同時存在してる?しかもスモック?一体何事!?」と思ってたんですが、テンパっためぐるの妄想オチとは(笑)。パステル調の画面と見るからに造花っぽい花がいかにも嘘臭い幸せ感を醸し出しているのがあまりにもグッド。
どうやったらこんなシーンが思い浮かぶのだ。スタッフのみなさんノリノリですねえ。

・妄想の中で笑いながらパイをぶつけ合う三人。めぐるが幼稚園児コスプレらしく髪を頭の両サイドでちょこんと結んでるのはいい(というか可愛い)として、ユーキ23まで男の子のくせに髪結んでるのはなぜさ。なまじ似合ってるせいで一瞬ユーキとは気づかず、本当の女の子かと思ってしまった(笑)。
実はこの髪型勝地くんの提案なんだとか。勝地くんもノリノリだ。そうそうに顔にパイをぶつけられてしまうため、せっかくの可愛い顔がちょっとの間しか映らないのが惜しい(番組の公式ブログ「パねログ」で幼稚園児コスプレ+Vサインの勝地くんの写真が見られます)。

・実は大学の同級生だったゆり子に「門田大くんでしょ」と呼ばれ、「そう、マサルくん!」と力強く大の字ポーズをする塾長。大学生の頃からあのキャラだったのか・・・。
でも彼女いわく「学生の頃は自分にも他人にも厳しいストイックな男だった」そうだしなあ。

・「東大っつってもあれだよ、東京大学」。「東西大学」とかそんなオチかと思ってたら本当に東大なんだ。「ほかにどんな東大があるんですか」という高尾山のツッコミも冴える。

・ひたすら「学園天国」を最初のところだけ熱唱(それも13回も)してはばったり倒れるめぐる。「明日からは学園地獄がはじまるからね」。
モンスターペアレントに見込まれためぐるの追いつめられた気分をこんな方法で(あくまでコメディテイストのままに)表現するとは!宮藤さんのセンスに脱帽です。
その後も前進ゼミナール進出による塾の存亡の危機、なんて小難しい?話がめぐる抜きで進みかけると、おもむろに歌いだして上手く主人公に視聴者の気持ちを引き戻す。上手いなあ。

・ゆり子に服装にケチをつけられたのを受けて、みちると服を交換しためぐる。これはこれでおよそ教師らしくないフォークロア調。肌の露出度が低くて色気がないぶん問題が少ないってことなのかな。
しかしめぐるの服を着たみちるを誉めるのに「エロいねえ」はないだろうおじいちゃん。子供に「えらいねえ」っていうのと全く同じ調子なのがなんとも(笑)。しかもそこからナンパ、でも遊びに誘う先は巣鴨。若いんだか枯れてるんだか。

・おじいちゃんが家に戻ると、寝転んでテレビを見ながら笑っているユーキが。
「おじゃましてまーす」と寝転んだままおせんべかじってたり、どんだけくつろいでるのか。こないだまでいきなり夕飯御馳走になるのも遠慮がちだったのにねえ。おじいちゃんの話に「別にいいっす。興味ねえし」とかさらっと失礼なこと言うあたりの現代っ子らしさといい・・・。
はじけまくりの第4回を経て、ユーキのキャラクターがますますリアリティをもって息づいてきたように思います。

・感謝してるというならまず礼を言ってからせんべいを食え、と言うおじいちゃんの言葉に、ユーキは起き上がりテレビを消すときっちり正座しておじいちゃんを見据える。
ここぞの時はきちんと礼儀正しく筋を通すのね・・・と思いきや、いきなり満面の笑顔で軽く「そわーっす!」と(悪気はない)。おじいちゃんたちまち「なめとんのか!」と帽子で殴りにかかってます。そりゃそうだわ。

・鍋焼きうどんの匂いに吊られて小さな祠の陰に潜む?「新宿に母」こと愛子(榊原郁恵さん)に出会うユーキ。
このときいちいち祠に手を合わせて拝んでるあたりがなんか可愛いです。一面識もないおばさんにうどんの冷まし方をレクチャーするあたりも、いい子だよなあ。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-8(注・ネタバレしてます)

2009-07-11 00:40:03 | 未来講師めぐる
・おじいちゃんが描いたユーキの20年後。高層マンションの窓から身を乗り出してバンザイポーズ。
画風はキース・ヘリングぽくて、構図はビル火災で逃げ遅れた人のよう(笑)。たしかに何の参考にもならない絵だ。

・「めぐるは自分の内面とビジュアル面とどっちに比重を置いてつきあってるんすか?」との問いにかぶせるように「内面内面内面!」と即答するめぐる。
内面って言ってほしかったのは明らかですが、こう連呼されると、ビジュアルはよほど問題外にひどいみたいでこれはこれで傷つきますね。
そのあとの「どっちもコンクリート」はユーキのビジュアルについては何の回答にもなってないし。

・「お願いします」と少し顔を上向けて目を閉じるユーキ。本当にこの回の彼はいちいち可愛くて困ります。
そして「何言われても動じねえっす」と言いながら何も言う前から動揺しまくり。コアラのように柱にしがみつく姿も可愛いったらありゃしない。

・めぐるに未来の姿を告げられたユーキは「ぎやああ~!」と絶叫する。このときの悲鳴が何ともすごい。勝地くん名演です。
しかし「ずるむけのぷよぷよ」という表現のすごさ(笑)。もうちょっとショックを受けないような形容があるだろうに。田口さんの立場は・・・。

・動揺して暴れるユーキと彼を押さえようとするめぐるの攻防。「周囲の目を気にせず」というナレーションなわりに周りに人なんていないような。
何度も起き上がってはまた倒れるユーキのお腹がちらちら見えるのは、一種のサービスショットですね♪

・「あんたの言うことなんか、信じねえからな」と言われて「『あんた』!?」とショックを受けるめぐる。少し後のおじいちゃんとの会話を聞いても、「信じない」より「あんた」発言に対する怒りが大きい模様。
ユーキも「あんたとか言ってすみませんっす」とこっちの発言の方をあやまってましたし。そんなもんかなあ。

・股関節を脱臼したユーキがローラースケートのまま、よたよたと歩き?去る。いつにないぎこちない動作が本当に足を怪我してるように見える。
勝地くんのローラーさばきが笑いや緊迫感を生んでいるシーンはここの他にも多々登場する。ユーキははまり役ですね。

・「その日を境に、ユーキくんの生活は荒れました」。ヤクザ風、チャラ男風とコスプレ連発の、勝地ファンには必見の場面。
しかし「ギャンブルに明け暮れ」と言いつつ単なるスロット、薬物に走ったかと思いきや実はヤセ薬+毛生え薬(なのに何であんな恍惚とした顔してるんだ。それに今から飲んでどうする)、高校生(中学生?)にケンカを売り、こめかみや唇の端に血を滲ませつつ(つまりあの大人しそうな少年たちに返り討ちにあったわけですか・・・弱っ!)AVを大量に借りまくる(即日返却って、あれだけ一気に見るつもりか?)・・・。
「飲む打つ借りるの悪行三昧」と言いつつ、悪行といえるのは飲む打つ借りるに入っていない学生イジメだけなんじゃ。めぐると決裂しても女を「買う」でなくAV止まりというあたりにユーキの根の純情さが滲み出ています。
それにしても薬の名称が「カミハエ~ル」とか「ヤセレ~ル」(笑)。まあ本当にありそうですけど。小道具のスタッフさんも楽しんで作ってたんだろうな。

・おじいちゃんの回想。「まだ見えたてのぺーぺーだった頃だ」という表現に笑う。何か元ネタありそうですねこの台詞。地井さんの若作りもすごい。瓶底眼鏡と学生服・・・。
そして一目ぼれからいきなりプロポーズという急展開、20年後の変貌しまくった奥さんの姿。「ノーブラで腹にスイカの皮を乗せて寝る」という妙にリアルな表現も、モデルいたりするんでしょうか。
しかしめぐるが家事一切できない(やらない)のはおばあちゃんの影響なのか。後に登場する母・愛子は普通に料理してたので、12歳にして両親に別れためぐるをおじいちゃんが不憫がって(おばあちゃん同様に)甘やかしたものか。こんなめぐるの20年後も・・・。やたら食べるしねえ。

・おじいちゃんが見た20年後のユーキ。つるんで悪さしてる二人組がそれぞれきちっとしたスーツと白衣姿に。二人とも立派に更正するんですねえ。ユーキは・・・。

・こたつから両足だけ出して「わ~!!なんでだよお~!!」とばたばたさせるめぐる。ううむ可愛い。

・携帯を眺めて溜息つくめぐるをこっそりうかがう塾長たち。・・・棚の後ろから顔だけ並べてる構図が何ともシュールです。何だかさらし首みたいだ。

・「女が食べ物に反応しない理由」についての男性陣の推理が「ヨン様が・・・(あと聞き取れなかった)」てのはなんですか(笑)。
塾長がやたら「キュウリはカッパじゃないか?」と繰り返すのも可笑しい。「鈴虫はリンゴじゃないかなー?」にいたってはもはや本来の話題の面影も留めていないし。しかも今度は廊下の角から三人縦に顔を並べている。塾長なんて首から下はどんな姿勢になってるんだ。
このシーンは「台詞と構図を少しアレンジ加えつつ反復」というパターンを重ねることで面白味を出しています。

・いつのまにかバイトに復帰してるユーキ。あんなサボりまくりで(一応)悪い道に染まっていたというのに、首にもならず副店長を降格にもなっていない。なんつーか大らかな店ですね。

・「めぐるもじいさんのたわ言につき合わされてんじゃねえかって」。
当のじいさんを前に失礼な発言ですが、それだけめぐるを悪く思いたくないってことですよね。ユーキの一途さにじんときます。

・めぐるがアキラとデートしてると聞いたユーキは「別に・・・」とクールに流して見せるものの、内心の動揺のあまり足をばたばたさせたあげく倒れる。ユーキのローラーアクションはほんと体張ってますね。
倒れたまま一転して「どーしよ・・・」と泣きべそ声になるのも上手いなあ。

・アキラに欠点が何もないと言って悩むめぐる。
ユーキに対するすまなさからあえてアキラに幻滅しようとしてみたり、その一方で20年後の姿を見て幻滅したくないと思ったり――このへんの揺れる心情は女性心理として非常にリアルに感じました。宮藤さん男性なのに、この洞察力はすごい。

・メールアドレスだけは未来永劫絶対に変えるなとおじいちゃんはいつになく強くめぐるを叱る。しかしめぐるが変えなくても20年間携帯会社の方がもつだろうか・・・。

・ユーキがえらくマジメな顔をしてると思えば「ダイアナ」社長・アキラの写真を見つめている。
そして大マジな顔のままマジックを取り出して落書き(笑)。なんかこう、やることがちっちゃいなあユーキ。

・一人携帯を開いたり閉じたりするユーキを草陰から見つめる江口たち。
なぜユーキがめぐるの彼氏とわかったんだろ、ユーキとは面識ないはずなのに、と放映時は思ったんですが、第1回の放映時カット部分を足したバージョンをDVDで見て納得。江口がめぐるとユーキの焼肉屋デートの現場をのぞいて悔しがるシーンが入ってました。ここでユーキの顔を知ったわけですね。

・めぐるの彼氏が前に自分の前で「毛が薄い」発言をした男だと気づいた塾長は、前回と全く同パターンの嫌がらせを。このシーンもまた反復の面白さが出てます。

・アキラの告白に「迷惑じゃないから迷惑なんだよ」と泣きじゃくるめぐる。上で書いた「欠点が何もないと悩む」同様の、「惹かれつつ惹かれたくない」複雑な心理がこの一言で見事に言い表されている。
こういう発言がくるのは相当脈がある証拠なのに、めぐるの涙におたおたして飲み物を勧めてしまうアキラ。さらにはめぐるの「泣いてるんだから、ここ座ってよ」という、もう一押しで落ちるの確実な誘い文句にも、従おうとしつつその前に携帯の点滅=メールが届いてることをわざわざ教えてあげる。いい人すぎてツメ甘すぎですアキラくん。
他人からのメールを読むのに側にくっついてたら失礼だとの紳士的配慮から席をはずしたわずかの間に状況は激変し、結局めぐるをユーキにさらわれてしまうわけですから。

・「ありえねえなんて言うなバカのくせに!」「夢のないバカなんておまえ、バカだよ!?」。声裏返らせつつバカバカ連呼する(ユーキ=バカを当然の前提としてるのが失礼っちゃ失礼な)おじいちゃんの力説。
それに対しユーキは「だってありえねえもーん」と言いたげな調子で、指揮でもするように腕を大きく振りながらテーブルの間を滑る。無駄に回転を交えた動きや口笛でも吹くようにとがらせた口に、小馬鹿にした感じがよく出ています。

・ワインをもったアキラが戻ってくると、いつのまにかめぐるは部屋から消えている。しかもアキラの分まで料理を平らげて。満腹状態でユーキに会うためなのはわかるんですが、人の分まで食い尽くして黙って姿を消すとは何たる身勝手な(笑)。
その後もユーキのもとに辿り着くまでに通り姿の人のクレープを奪うわたこ焼きを奪うわ。たまたまめぐるを見かけたはまるが追いかけてきて金をばらまかなかったら泥棒になってたところです。
まあこの極端な行動、何かに必死になるあまり回りが見えなくなるところがめぐるの良さでもあるんですが。

・ユーキ43のメールは、普段の話し言葉以上に丁寧な言い回し、一人称「僕」のせいもあって、ユーキ23よりずっと知的に落ち着いて聞こえる。20年経ってるんだから当たり前ではあるんですが。
「今までも、そしてこれからも僕は君に迷惑をかけると思う」という表現からすると、20年後もユーキとめぐるの付き合いは続いている、おそらくは相変わらず恋仲(夫婦?)なのだと想像されます。
ユーキがめぐるやおじいちゃんの言葉が嘘じゃなかったと悟ったのは、自分の外見変化のせいですかね?

・大松監督のような風貌(サングラスと付け髭?)のはまるがめぐるを追いかけてくる。一緒にいた女性を「鮎原」と呼んでるあたり『アタックNO.1』も混ざってますね。いったいはまる、この時何をやっていたんだ?

・「娘を応援しない父親がどこにいる」とのはまる発言にちょっと感心。それもつかの間、拡声器で周囲の通行人にめぐるへの応援を呼びかけるはまるにヒく。なんつー恥ずかしい。めぐるがよく怒り出さないなあ。

・公園に走りこんでくるめぐるのバックにいつのまにか本当に応援団がついている。この人たちはめぐるが何者で何のために走ってると思ってるんだろう。

・公園の階段を降りてくるアキラ45。現在の面影を多分に残したダンディーな中年に。彼とユーキ43が並ぶと「勝負あった」感がありますね。
二人の表情を見ても、ユーキ43の方はいかにも自信なさそうです。これはユーキ23の表情でもあるわけなので、副店長(実質フリーター)と社長の格の違いがこの自信のなさに繋がってるんでしょうね。顔なら全然負けてないんだけど。
しかし群衆の中から出てきたワイン持ったずるむけぷよぷよのおじさんは何だったんだ?アキラの20年後とミスリードするために出てきたにしてはすぐ後に本物のアキラが出てくるしなあ。

・ユーキとアキラ、二人の中間点に立っためぐるがアキラの方に歩いていく時、ユーキ43は目と口をちょっと開く。
決して大げさな表情じゃないのに彼の受けたショックがすごくよく伝わってくる。田口さんの名演技です。

・めぐるの気持ちを聞いて、きわめて紳士的に身を引いたと見えたアキラが、ユーキに名前を聞いたあと「覚えておくよ、いや、絶っ対に忘れない」と唇をゆがめる。
ずっと超いい人だったアキラが初めて見せた毒の部分。あー、これじゃユーキとうてい出世できませんよ。だから20年勤めててもマネージャーどまりなのかなあ。
アキラの顔見てユーキの方も「うわ~・・・」と自分の先行きを思いやってたじたじな表情をしてます。

・「めぐる、自分で、いいすか?」と訪ねる時のユーキの表情に漂う不安と緊張感。ちょっとした眉の動きでそれを表しています。そしてめぐるに「いいに決まってるじゃん!」といわれた瞬間の泣き笑いのような表情。目が潤んでるのが何とも可愛いです。
さらにめぐるの抱擁を受けて「やったー!!」と繰り返し叫ぶ。大学時代の告白シーンの再現ですね。
この回で「20年後のユーキのことも変わらず好き」との見解に辿り付いためぐるは、以降他の男によろめくことは(氷高さんの件はあくまでユーキ愛の一環とみるなら)ありません。

・歌い手(やなわらばー)が自ら出演するエンディング特別バージョン。めぐるとユーキが並んでホットドッグを食べると、目の前でおもちゃのギターを弾き歌っていた小さな女の子二人が20代の女性二人に転じる、という演出。
このエンディングを見ていたら、今回すごくいい話だっただけに、そして第1回以来の「ずるむけのぷよぷよになってしまう彼氏を愛せるのか」という問題に決着がついただけに、ほとんどこのまま最終回でもいいような気分になってしまった。まあこの直後の予告を見たらすぐに第5回が楽しみでならなくなったんですけども。
ちなみにやなわらばーの歌を聴いているときのユーキは格好はユーキなんですが、しみじみと曲に聴き入っている表情はむしろ勝地くん本人のもののように思えました。とっても優しい目をしています。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-7(注・ネタバレしてます)

2009-07-08 01:43:00 | 未来講師めぐる
〈第4回〉

・震える手がテーブルの上のコップに伸ばされる。緊迫したBGMも手伝って、何が起きているのかとはらはらする。
・・・が画面が変わるとそこには動くコタツが。毎度のめぐるのナレーションが入ることから、コタツの中にめぐるが潜ってるのは明白。コタツごと動く姿が、なんかすっごい可愛いんですが。
しかしコタツかぶったまま部屋一つ移動するかね。

・「晩飯何が食いてえ?」ときかれて、「食いたいもんなんて、ねえ!」と答えるめぐる。
前回の「おまえらが頑張れ!」もそうですが、めぐるがなまると何故こうも可愛いのか。台詞を言う一瞬だけこたつから顔を出すのも(それも甲羅から頭を出す亀のごとくに)、そのときのぶんむくれた表情もなんともキュートです。

・「めぐるが立ち直るまで、先週の話を思い出してください」とこたつにもぐったままでナレーション。
明らかにめぐる本人が口動かして喋ってることで、マンガでよくある「作中人物が自分がフィクションの登場人物なのを前提の発言をする(「このマンガはよくできてる」とか)」効果を生んでいる。こういうところも『めぐる』がマンガ的といわれる所以かな。

・めぐるがみちるに彼女の未来を告げたために20年後の高尾山とみちるのビジュアルが変わる。
真ッピンクのペアルックから高尾山は和服に、みちるは後ろで緩く髪を束ねた職業婦人風に。見た目的にはこっちの方が落ち着いてていい感じだなあと思ったり。

・ショックを受けているめぐるを心配するユーキ43。「なんでもない」と素っ気無く答えつつめぐるはつい目を背けてしまう。気持ちはわかるものの、やっぱりユーキがかわいそうだよなあ。
「なんでもない人はなんでもないなんて言わねえっす」と言う調子がゆっくり、というかトロトロしてるのも、めぐるをイラつかせる一因になってそうです。このへんの「めぐるをイラつかせそうな雰囲気」を田口さんは上手に出している。めぐるに「放して!」と言われたときの傷ついた表情も切ない。

・「じゃあ、好きって言って欲しいっす」というユーキに「えっ!?」というときのめぐるの顔が、単純にすごく驚いた風でもいかにもイヤそうな風でもなくその中間の表情―「まさか、ありえないでしょ?」と言った風なのが、かえって本当にイヤそうで笑いを誘う。こういう何気ない部分で深田さんも上手い。

・「それ言っちゃダメだ!」というときのおじいちゃんの両手が前にぶらんと垂れてて幽霊スタイル(笑)。細かいなあ。

・立ち上がるなり「やべえ!超嬉しっすっ!」と壁に向かって吠えるユーキ43。このシーンに限らず、ユーキ43は全体に声が太いだけにその必死さがダイレクトに伝わってくる。
そして振り向くといきなりユーキ23に早代わり。赤いセーターはユーキ43と同じものに見えますが、20年間着てるのか、同じような服を見つけて着てるのか。
ユーキ23に好きと言われる分には、つい甘い笑顔になってしまうめぐる。その正直さが可笑しいと同時に、本当に思わず、という感じの笑顔にめぐるがユーキを好きな気持ちが篭っている。

・「脳が初期化されたっつーか、好きで頭いっぱいっす!」と力強く明るく笑顔で言い切るユーキに「バカでよかった・・・」と呟くおじいちゃん。これだけ単純脳だから自分の(ずるぷよな)未来が見える恋人と付き合っていけるんですね(しみじみ)。
しかしおじいちゃんの発言に「バカ?」とちょっとムッとした感じに問い返すあたり、ユーキはバカの自覚がないんでしょうか。

・めぐるが改めて自分の能力を告げようとするのを「わーわーわーわーわー!」と声を上げてさえぎろうとするおじいちゃん。この時歌うように大きく両手を広げるのに、事情がわかってないはずのユーキが同じように両手を広げて答えているのが微笑ましい。いい子や。

・めぐるの能力を知らされたユーキがしばしの沈黙ののち「それって・・・」と真剣なトーンで語りだすので、さすがのユーキも重く受け止めたか、と思いきや「美輪的な?」と続くのにかくっとくる。あげくに「容量オーバー、パッツ~~ン」とか言いながらくねくね倒れてしまう。ああほんとバカでよかった。
しかしこの「容量オーバー~」の時の喋り方が本当にくにゃくにゃでまさにプッツン言った感じ。表情もネジのとんじゃったロボットのごとくだし。勝地くん名演です。

・かくて一週間コタツにひきこもっているめぐる。みちるの差し入れる食事も断ってますが・・・まさか一週間飲まず食わずとは思えないし?

・めぐるの頬のコタツ焼けを指摘する江口。「バーバリーみたいなの」という表現に笑った。確かにどっちもチェックだけども。

・「吉田先生、パンチラ!」。パンチラとバッテラを言い間違えるのもどうかと思いますが、バッテラと黒板消しを間違うのも無理無理ですよねえ。そもそもなぜそんなところにバッテラがいきなり置いてあるのか。
やるならとことん、という感じにツッコミどころを用意してくれるのがこのドラマの醍醐味。

・高尾山先生は20年後仙台の盆栽コンクールで一位入賞するそう。いい具合に枯れてますね高尾山。「仙台の」ということは故郷に帰ったんですね。

・翌日高尾山にラブホの割引券を持って迫るめぐる。ユーキと使った余りかなあとか生々しい想像しちゃいそうなアイテムです。
しかし独身ボランティアなみちるの20年後それ自体にはさほど動揺しなかっためぐるが、高尾山の20年後は「これじゃいけない!」と思ったというのは、いかにも寂しい独居老人然としてたからでしょうかねえ。

・「こう見えて年上じゃなきゃダメなんです!甘えたいんです。甘え体質なんです。」「40ですが何か!?」 いろんな意味で厳しいなあ高尾山。自ら「こう見えて」っていうくらいあってギャップ激しいです。
しかし今度お見合いすると告げるときのひらひら踊るような動きは浮かれてるのか開き直って周りをバカにしてかかってるのか。驚くみんなの表情がアップになりますが、塾長の顔がなんか凄いです(笑)。

・愛されメイクで塾へ表れたみちるに「アーバン計画が着々と進んでるね。まるで豊洲だ」。駅前でスカウトされたと聞いて「それぜったいエロビデオ」とめぐるは隣りの江口に同意を求め江口は「エロビデオです」と頷く。
このあたりの言葉の選び方、テンポの良さはクドカン脚本の妙味ですね。

・バイト中のユーキの独白。なぜか一人称が「僕」だったり、自らを「イケメン」と呼んでみたり、やたら手振りや表情が大仰だったりするのは、前年の舞台『犬顔家の一族の陰謀』の野見山玉男を彷彿とさせます。というか宮藤さん意識してこの場面書いたのでは。

・お客に注目されてると気づいて、営業スマイルを振り巻きつつ、特に意味なく各テーブルの間を滑って回るユーキ。いかにもな笑顔と動きのせいで、なんかディナーショーとかでお客さんのテーブルを回る芸能人みたいです。

・「もともと太りやすい体質」「(父親も兄も代々)毛が薄い!」。うわー笑えない・・・。こんなところまで当て書きなんですね。いや代々毛が薄いのかどうかはわかりませんけど。

・ユーキの「毛が薄い!」発言に反応して自転車を倒す(通りすがりの)塾長。顔を上げたユーキの前で大の字に手を広げて立つのは、以前にもやっていた自分の名前(「大」と書いて「まさる」)を示すパフォーマンス。
塾長の名前が何だろうとユーキ的にはどうでもいい話なんですが。自転車にわざわざフルネームをローマ字で書いてあるところといい、目立ちぃなんだよなあ塾長。

・さっぱり事情のわからないユーキの足を蹴飛ばして転がしておいて、「潰れちゃえばいいよこんな店」「ばーーか!」と叫んで自転車で走り去る塾長。何たる捨て台詞。ほんと子供っぽい人だなあ。
そして蹴られたときのユーキのうめき声と転がり方が実にリアル。考えようによっては怪我しかねない危険なシーンですが、全部自分で演じてますよね。すごいよ。

・木の陰から見て居るおじいちゃんに気づいたユーキは「ダイアナ」の車でおじいちゃんを追いかける。あんなスロースピードなら足で追いかけた方がよくないか。あと職場放棄してるような気がするんですが、お客さんどうするのさ?

・ユーキの特技?「ベロが鼻の頭にくっつく」と言うのは勝地くん自身の特技なんですかね?できてなかったけど。
ところでおじいちゃんが何かと言うとユーキのほっぺたあたりよく触ってますが、23歳(ちなみに演じてる勝地くんは当時21歳)の成人男子に対するには子供扱いすぎる仕草なのでは。でも触りたくなる気持ちはわかる気がします。肌つるつるだもんなあ。

・サブマネージャー待遇になり時給が50円あがったというユーキ。「ジャンプ一冊買えるっす」。なにかと物の値段をジャンプ何冊分かで換算するの、昔よくやってた記憶があります。ある世代には懐かしいんでは。

・柵を越えて線路に飛び込もうとしてる(ように見えた)千鶴に、「ばかな真似はやめてー!」と叫ぶめぐる。
予告でこの台詞が流れたときの映像はやつれたユーキの姿だったので、やけになって道踏み外しそうなユーキに言った台詞だと思ってた。このへんのミスリードも上手いです。

・赤坂くんと千鶴ちゃんは手をつないで歩きつつ、「レイ・チャールズってグループじゃないんだって」なる第1回から繋がっている会話をしてる。
話の内容は実に他愛もないんですが、二人は楽しそう。何喋ってても一緒にいられれば楽しいんですね。ほのぼの。

・めぐるの回想によるユーキがめぐるに告白する場面。ユーキの「先輩」という呼びかけに、二人がもともとは大学の先輩後輩だったんだよなあと思い出す。服や髪型も微妙に今と違えていて、二人の「若さ」(たかだか2年程度の昔ですが)を出しています。

・いきなりドングリをむさぼり食いつつユーキの告白。この場面、勝地くんは本物のドングリでやると言ったものの、あまりの不味さに台詞が喋れなくなりNG(DVDのNG集にこのシーンも入っています)。やむなく代替品でナッツかなんか食べたそうで。
明らかに不味そうな(そしてお腹こわすといわれている)ドングリに挑戦しようとするあたりが役者魂です。失敗したけど(笑)。

・めぐるの「はい!」という返事を聞いたユーキが両手を大きく空に突き上げて「やったー!」と叫ぶ。「吠える」と表現したいようなその声に、彼の喜びとこの告白にかけた緊張感がうかがえます。なんかほんと微笑ましくてつい応援したくなるカップルですね。

・かくて恋人同士になった二人ははじめて(たぶん)手をつないで歩く・・・だけでなく嬉しさのあまりスキップしている(笑)。めぐるは「うふふ」とか笑ってるし。ああバカップル。ユーキの帽子のポンポンが揺れるのが可愛いです。

・食べ物につられて父・はまるの誕生日会に出席したものの、BGM代わりのピアノ弾きをやらされるめぐる。深田さんは実際ピアノが堪能だそうです(ここでは明らかに弾いていませんが)。
食べられなければはまるの20年後も見られない、とめぐるは不満そう。みちると高尾山の未来を変えたかもしれないショックで未来を見ることに恐怖を感じていためぐるですが、前から気になっていた父親の二十年後を見ることには抵抗がないようです。千鶴が自殺するかと勘違いしたことで、自分の力で他人の未来をいい方に変える手助けができると考え始めたせいもあるでしょう。
この「はまるの20年後がどうなっているか」は最終回でやっと明かされることになります。

・床に膝をつきながらお客に媚びまくる父親を「カッコわるい」と感じた直後に、やはり床にはいつくばって何事かやっている―格好いい姿とはいえない青年(塚本高史くん)を、その顔が見えるなり「カッコいい~♪」とニコニコのめぐる。にわかに曲まで陽気なナンバーに変わってるし。
しかし拾ったコンタクトを洗わずに目に入れるのはまずいでしょう。

・めぐると目があった青年は、「おや?」と言いたげな表情でめぐるに近付いて彼女の顔をじーっと凝視する。視力の悪い人が物をよく見ようとする時の仕草ですが、コンタクト入れたのにまだそんなに見えてないのか?
彼と目が合い、近付いてくるシーンで小さく、「ドキ・ドキ」と(めぐるの)鼓動の音が鳴っている。おっと浮気フラグ。

・彼が幼なじみのアキラだと知っためぐるは「え?あの小太りメガネ?」。ひどい表現だ(笑)。「うわ激変じゃん大逆転じゃん!」と内心つぶやきつつにっこり微笑むのも。大作29のときもそうですが、めぐる明らかに面食いですね。
そして大作29同様、少年時代はデブ→スリムな美男子へのパターン。しかも今度は20年後でなく現在が美青年、そして同年代と「時間の壁」がない状態。ユーキピンチです。

・とはいえその後の夜景を見ながらの会話からすれば、めぐるも顔だけでなくちゃんと中身も見ている(大作だってピュアないい子だったし)。いくら美男子でも金持ちを鼻にかけたり当然のように親の脛かじってるだけだったら、めぐる的には「なし」なんですね。金の亡者な父親を見てきただけなおさら。
しかしめぐるの手を取って会場から連れ出したり、自分のコートを脱いでめぐるに着せ掛けてあげたり、さらっと行動が格好良いアキラくん。しかもユーキの間接的上司(最上級)という・・・ますますユーキピンチです。

・アキラの出店計画を聞いて、「じゃあ、副店長も100人?」とめぐるの脳内で、笑顔のユーキが増殖。この絵面に爆笑。すごい迫力というか一種不気味というか。

・新しい塾の名前で揺れる講師室のドアを外から叩くユーキ。この遠慮がちな表情と叩き方が・・・めちゃくちゃ可愛いんですけど!!
左の眉がちょっと上がるところで無言のうちに「ちょっといいですか?」と問い掛けているのが伝わってくる。さすがの表現力です。

(つづく)

 


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『未来講師めぐる』(2)-6(注・ネタバレしてます)

2009-07-05 01:15:10 | 未来講師めぐる
・みちるを迎えたのを機に塾名が「太陽光アカデミー」に。名前の由来をうっとりと語る塾長の窓際でのパフォーマンスと、そちらに背を向けての江口・高尾山のテンション低い会話がナイスコントラスト。
そして電話についつい「太陽光エネルギー」と出てしまう塾長。塾名迷走しすぎですよ。

・なぜかスーパーで肉の試食のバイトをしているはまるは、勝手に松坂牛を試食に出したことでパートのおばさんに叱られる。
のだが、その直後おじいちゃんの姿を見かけておばさんの陰に隠れるさい、彼女の頭や左腕を後ろから押さえ込む形になってるのに、この失礼行動をおばさんは怒らない。むしろ何か身悶えてる(笑)。
23時台のドラマとはいえ、妙にエロいシーンがちらちら出てくるんですよね。これもクドカンテイスト?

・風邪で寝ているめぐるが手を伸ばして「た・す・け・てー」と叫ぶ。
声のかすれ方が本当に風邪で喉をやられて声が出ないときそっくり。すごいよ深田さん。しかしこの間おじいちゃんは何してるんだ?

・「どこにも行きたくない。私はこの家でおじいちゃんとパパとママとみんなで暮らしたい。それだけなの」。
このめぐるのささやかな願いは最終回でしっかり叶えられましたね。この時点ではまさかめぐるのママが登場するともあんなキャラだとも想像してなかったなあ。

・はまるの二十年後を見ようと思い立っためぐるにはずみで突き飛ばされたはまるが、障子に頭ぶつけてくらくらと倒れる。
ベタだけどもタイミングの取り方が抜群で思わず笑ってしまう。船越さんの名演技ですね。

・風邪による食欲不振(あのめぐるが!)をこらえて、未来を見るため何とか物を食べようとするめぐる。しかし「闇を切り裂け私の食欲。七つの海を渡れ、私の・・・」って何を言ってるんだいったい(笑)。
ところで冷蔵庫まで這って行かずとも、はまるがもってきた大量の食料の中にそのまま食べられるものはなかったのかいな。

・すっかり回復しためぐるが休んで迷惑かけたお詫びにと塾に手作りベーグルをもってくる。あの家事いっさいやらないめぐるがベーグル焼けるのか?と思ったら案の定作ったのはみちるだとか。
自分で作れないなら買ってくればいいものを他人に、しかも自分の代理で授業やってくれた相手に作らせますか。うん、そういう子だよめぐるは。

・めぐるが塾講師の紅一点じゃなくなったからと態度を一変させる江口。めぐるが好きというより単なる女好きだったわけか。めぐるとの、猫と猛獣の戦いみたいな応酬が面白いです。

・ベーグルを高尾山にアーンするみちる。それはともかくしっかりかぶりつく高尾山は何事?結局みちるとより戻す気満々なわけですか?

・めぐるが腕時計を見ようとするとなんと手首にはベーグルが。いくらなんでもこれは無理があるだろ、と思ったらめぐるのモノローグも「ありえない。さすがにこれはありえない!」。視聴者の反応を先取りフォロー。
しかもその後両手首ともベーグル付きなのに気づいて慌てたものの、「ありえない通り越して、かわいい!」。このイージーゴーイングな性格だからこそ物語が回っていくんですねえ。
しかし腕時計→ベーグルなんてよく思いつくなあ。宮藤さんの発想力恐るべしです。

・塾を辞めると行って出て行こうとするみちるを高尾山が引き止める。しかし「頑張らなくていいっていったの、先生だべ」の言葉に、彼女の肩を押さえていた手を思わず離す。
その手をしばらく見つめてから、みちるは「さよなら!」と怒ったような顔をして教室を飛び出す。手を離してから出て行くまでの間と表情とで、みちるが高尾山にもっと強く止めてほしかったと思ってたのがわかります。
そして高尾山が止められなかったのは、結果的に淫行になってしまった彼女との関係に忸怩たるものがある―教師として物を言う資格がないと感じてしまってるからですね。

・みちるが出ていったあと、江口が目をこすって(涙をぬぐってた?)から、「センスないこと言っちゃいますけど、追いかけた方がいいと思います」「変わんなきゃいけないの、あんたも一緒でしょ!」。
こんなに江口の言動がまともに思えたのは初めてです。キザに格好つけてるよりセンスない時の方が断然いい感じです江口。
そして「いつまでもいつまでも・・・いつまでいつまで食ってんだ!」と急にめぐるに矛先が向くオチも。上手くその場の主人公をめぐるに戻して次の展開に繋げている。脚本の妙です。

・みちるを追いかける(満腹状態の)めぐるの後ろで、大人がランドセル背負った大人を抱っこしてるシュールな光景が。めぐるの視界に入ってない人間まで20年後の姿になっているとはこれいかに。
そして20年後のみちるの子供たちのお揃いの服の色と柄もいかがなものか。高尾山&みちるのペアルックといい・・・20年後の高尾山(高山)一家はどんな暮らししてるんだろう。

・みちるが「子供を作る気はない」「ちゃんと避妊しますから」と言うと、まわりの子供たちががっくりうなだれる。かわいそうなんだけど可愛らしいなあ。

・自分が子供を好きなのは精神が子供っぽいからだろうかと考え込むめぐるに、ユーキは「子供っぽい人は子供好きじゃなくね?」とさらっと述べる。
ここまでのストーリーを見ててもめぐるの言動は多分に我が儘で子供っぽく思えたのですが、こう言われてみるとめぐるは精神的には結構安定している。
日本語は多少おかしいし微妙に要領を得ない部分もありますが、鋭く本質を見ているユーキはおじいちゃんの言うとおり「バカだけどバカじゃない」ですね。

・上述の会話の締めくくりに「めぐるは大人~♪っす」と笑顔で親指を立ててみせるユーキ。この「大人~♪」って言い方がユーモラスというか優しいというか、ユーキの人間性をよく表しています。
めぐるが戸惑ったように笑いつつ親指立てて見せるのもキュート。なんだかんだいっても似合いのカップルですよね。

・ユーキの言葉に親離れの決意をして再び授業に挑もうと走り去るみちる。その後姿にユーキが大仰な振りで手をあげてみせる。
「頑張れ!」という気持ちをこめてのお見送りなんでしょうが、なんか特撮ヒーローの変身シーンみたいです(笑)。衣装もアレなだけに。

・そんなユーキに「ユーキくんて何かいいよね」と言うめぐる。前にみちるにユーキの魅力を語ったときと同じ表現で、結局どこがいいんだかよくわからないですが、めぐるの幸せそうな笑顔で本心から彼を好きだと感じている(惚れ直した)のがわかります。「何かって何すか?」と尋ねるユーキの表情は見えませんが、声の調子から思いっきり喜んじゃってるのが伝わってきます。
そして大して距離離れてもないのにめぐるは「ユーキくーん」と大声で呼びかけ、ユーキは「はーい!」と両手をあげて答える。そして「大好きー!!」。周りのお客さんからしたら見事なパカップルでしょうが、何とも微笑ましい二人です。

・めぐるの「大好きー!!」に対し、「おれも」とユーキは一人呟き、「キヒヒ」と笑う。このあまり品のない笑い方がかえって彼の「心底嬉しかった感」を伝えています。こういうところがユーキは可愛いんだよなあ。

・高尾山に呼ばれたみちるの両親×2が塾へやってくる。なぜか四人が並列して廊下を進んでくるものだから思いっきり窮屈そう。第二回の大作の父と姉が階段でつかえていたシーンを彷彿としますが、これは「自分こそがみちるの親!」と主張したい気持ちが我勝ちな歩き方につながってるのかな。
「父です」「母です」「父です」「母です」という名乗りも面白い。「義父」とか「義母」と言わないところに、彼らがみちるを実の子同様に思ってるのが表れている。いいご両親たちじゃないかー。それでもみちるは上手く打ち解けられずに内向してしまった。上手くいかないもんだなあ。
しかしめぐるの「めぐるです」という挨拶はどんなもんでしょう。普通なら「同僚の吉田です」とか言うところでしょう。

・「今やってるから」「全然知らないから」と繰り返すめぐると高尾山。同じ台詞を二回ずつ言うところ、とくに二回目は台詞の流れ的に唐突なのも笑える。
少し前の「父です」「母です」に続いて、繰り返しによるテンポの良さが面白みを生んでいます。両親たちの土産物がまた笑える。

・「頑張れ」コールを繰り返す両親と生徒たちの姿に、めぐるは教室に飛び込み「頑張れ頑張れっておまえらが頑張れ!」と怒鳴る。
以前みちるが語った高尾山の台詞の引き移しですが、めぐるが口にすると表情もなまりも何とも愛らしいですね。

・めぐるは教卓の後ろにしゃがみこんでいたみちるの肩に触れて「みちるちゃんは、自分(ずぶん)らしく」と励ます。
この時のめぐるの表情は実に慈愛に満ちて優しい。ユーキの言う通り、めぐるがとても大人に見えました。

・自分には両親が二人ずついて弟や妹もいる、と複雑な家庭環境をプラスに割りきることができたみちる。その晴れやかな表情に彼女の精神的成長がはっきり見えます。
しかし「質より量って意味では、かなりお得ですよね?」という表現が微妙にヒドくて「おいおい」とツッこみたくなる。完全にいい話で終わらせないでちょっとずらして見せるところにかえって味があります。

・吉田家での団欒。満腹になるなりそのまま寝転んで「おじいちゃん、お茶!」というめぐるに「誰も全部食べろって言ってねえっす」と隣りからツッこむユーキ。
さしものユーキもめぐるの我が儘放題の態度にムカついたか?と思えばユーキはごく爽やかな笑顔で親指を立ててみせてる。単に軽口きいただけで全然気持ちが冷めたりはしてないらしい。ほんとベタ惚れなんですねえ。
おじいちゃんが一応はお客のユーキにお茶を入れるよう頼むのもそれどうなのよ?と思いましたが、ユーキを遠ざけておいて高尾山&みちるの20年後をめぐるによく見せようという意図だったわけですね。

(つづく)

 

 


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『未来講師めぐる』(2)-5(注・ネタバレしてます)

2009-07-02 00:32:52 | 未来講師めぐる
〈第3回〉

・みちるに向かってお菓子をわしづかみにして投げつける塾長。豆まきじゃないんだから。これ放映節分ごろでしたっけ?
そして両手を広げてみちるの前に立ち彼女をかばう江口。たしかに塾長の言動は常軌を逸しているので、(この時点では)部外者のみちるちゃんに迷惑かけちゃいけないという常識と正義感の現れだったのかもしれませんが・・・でも可愛い女の子でなかったらかばわなかったな江口だし。

・みちるの登場に驚愕するあまり窓から逃げようとする高尾山先生。逃げようとしただけですよね、飛び降りじゃないですよね?
高尾山を必死で止めるめぐる、という構図のバックに例の「私はめぐる。(中略)進学塾の講師です」というナレーションが入るのが絵面と合ってない(笑)。

・高尾山がみちるを「チルチル」と呼んだのに驚き、思わず復唱するめぐるたち。江口の「チルチル?」は普通ですが、塾長とめぐるはなぜ発音が「ティルティル」なんだ?

・みちるが高尾山に飛びつき結果的に押し倒す構図に、慌てるめぐるたち。
めぐるがさかんに「高尾山落ち着いて」と呼び捨て状態で呼びかけてますが、まず落ち着かせるべきは一方的に抱きついてるみちるの方だと思うけどなあ。目を剥いて硬直してる高尾山も確かに正気じゃないけど。

・みちるが高尾山の淫行相手では!?と江口が指摘したとき、同時に同じ考えに至ったらしい塾長がすごい顔してる。武田さん、見事な顔芸だ。

・散歩しながら大声で街並みについて語り大きく手を広げたりするおじいちゃん。「ちい散歩」のように番組の中でやってるなら普通なんですが、市井の一般人がカメラもなしにこれやってたらただの変な人。
そうとう目立ちまくりのはずなんですが、道行く人は見事に無関心(一人おばちゃんが親しげに話し掛けてくる。これはこれでヘン)。関わるまいとしてるのかなあ。

・みちるの履歴書を皆が検分しているとき、高尾山は一人後ろのソファで横になっているのだが、なんでぬいぐるみを抱いているのだ。ツッこみどころと思われるので一応ツッコんどきます。

・「ここでバイトしたいんですよね?」という江口の問いかけにみちるは満面の笑顔で「んだー!」と答え、さらにそれに江口は「んだー」と返している。
この時江口の顔は映りませんが、声のトーンがなんか甘ったるい。先の「バイトしたいんですよね?」の時も表情といい仕草といい甘々だった。みちるにデレついてるのがわかります。「んだー」と復唱したあたりは「方言萌え~♪」ということなんでしょうね。

・みちるの採用について口をはさもうとする高尾山を、江口は「高尾山(不必要に口をはさむのが)三回目!」と強引にその場に座らせる。
高尾山が力なく「なんで?」と言ってますが、確かに元担任(元愛人?)で彼女を一番良く知っている高尾山には充分発言の権利はあるんじゃないですかね。

・高尾山とみちるの淫行のレベルをさぐろうとする塾長と江口が、高尾山が「おい!」と江口の発言に抗議したのに対して「しゃべったー」と異様な浮かれっぷり。一瞬何かと思いましたが、少し前の「口をきいたらコンビニに行ってもらう」という一方的な約束を受けてのことだったんですね。
それにしても高尾山の周りを回って踊る二人・・・中学生男子か君たちは。

・高尾山の本名が高山、つまり高尾山は偽名とわかったのに、「名前を変えて再出発するという気持ちはわからんでもないね」と苦笑しつつ、「君も本当はエロビデオじゃないんじゃないか?」と江口に振る塾長。
自分が雇った人間が名前を偽っていたというのにこの大らかな態度。これを塾長の度量の深さと見るか単に何も考えてないだけと見るか。塾長のもろもろの言動を見るに後者っぽいような。

・みちるの口癖「地獄さ落ちろ!」が初登場。しかし雇ってもらおうというのにこの発言はどうなのよ。それを許しちゃうあたりも、この塾の異様なまでの大らかさの表れですねー。

・みちるは高尾山がいかに生徒思いで熱血な教師だったかを嬉しそうに力説するのだが、回想シーンでみちるにソフトボール?のバッティング指導をするさいに「ここだ、ここ!」と言いつつ思い切りお尻さわってます。・・・これセクハラじゃん!?
めぐるたちにはみちるの脳内映像は見えてないわけだし、みちる本人は高尾山を素直に尊敬しちゃってるので、このセクハラニュアンスは皆に伝わらなかったんだろーなー。

・塾に通えない自分のために高尾山が個人教授をしてくれた、誘ったのは自分の方、あくまで清い交際だったとみちるは語りますが・・・場所がラブホテルだし!後ろで回転ベッド回ってるし!
事実上清かろうが何だろうが、こりゃ学校に知れたら言い訳できないわな。そしてなぜ高尾山先生はポロシャツ短パンスタイルなんだ。

・コンビニの袋からさっと取り出したものをめぐるに渡す高尾山。「「まるごとバナナ」じゃない~」と悲痛な顔をするめぐるの手にあるのはバナナ一本。あー確かにこれは丸ごとバナナだな。

・「こんな可愛い子とラブホ行って正気でいられますかねえおじいちゃん」「無理だよねー」、っておじいちゃん!この回からおじいちゃん何気にエロな言動が多くなってきます。

・「肉体関係あった?なかった?どっち!?」と問い詰める江口。そして問い詰めモードの皆の顔がアップに。江口の白目剥き気味の不気味な表情と塾長の両手指差しとなぜかみちるが期待するかのような笑顔で高尾山を見てるのが気になる。
みちるは聞かずとも真相を知ってるじゃないか。高尾山が何て答えるかハラハラでなくワクワク、というのはどんな心境なんだろう。

・そして「ありま・・・」と言いかける高尾山の姿に、バラしちゃうのか高尾山!?と思ったところでCM(正確には番組スポンサーの告知)に。何というタイミングで切るのか。さすがに「ありますん」(by『池袋ウエストゲートパーク』)はやらなかったか。
そしてCMが終わったあとは当たり前のように次の場面に流されてしまう。結局あの場にいた面子は真相を知ったんでしょうか。

・CMの直後、料理をするみちるの後ろ姿を見つめながら「この子がねえ・・・」とつぶやくおじいちゃん。CM前の展開を受けての台詞だとすると、「この(素朴そうな)子が(高尾山と淫行するなんて)ねえ・・・」というニュアンスでしょうか。としたら、高尾山の「ありま・・・」の続きはやはり「ありました」だったのだろうか?

・おじいちゃんとみちるに夕飯の仕度一切をやらせて自分はこたつで平然と寝ているめぐる。高尾山も指摘する通り、「手伝えよ!」と言いたくなる光景です。しかも高尾山-お客さんもいるのに目の前で寝てるってどーよ。
しかしおじいちゃんは「めぐるは24年間、食べるの専門」と全く野放し状態。ほとんどドン引きものですが、なんかめぐるだと許せてしまうんですよね。深田さんのキャラの勝利ですね。

・お米はササニシキと聞いて「やったー!」とピースしながらジャンプして喜ぶめぐる。
高尾山が「白いごはんでジャンプする人初めて見ました」とツッこんでますが、実際ここまで手放しで喜ばれると、材料を用意した側、作った側としては悪い気はしないですね。この無邪気さが、めぐるが他人にあれこれ食べさせてもらえる理由なのかも。

・高尾山とみちるが家に帰る帰らないで真面目に議論しているのに、「お腹すいたんで先に食べてもいいっすかあー?」と空気ぶった切りで不満を鳴らすめぐる。うわー我が儘(笑)。箸振り回してお行儀悪いし。
ナレーションで「誤解しないで。めぐるは食いしんぼうではありません」とフォローしてましたが、しかしあの会話の切り方はないと思うの。

・満腹になっためぐるが見る高尾山とみちるの20年後。子供が五人くっついてるのはともかくとして、二人のペアルックは何なのよ。単にお揃いの服というのでなく色がどピンクでそれぞれ「LO」「VE」と書いてあるって・・・いったいどんなバカップルですか。
ところで20年後のみちるには、現在のみちるのトレードマークというべき鼻横のほくろがないですね。第7回でみちるがほくろを取る話が出てきますが、ちゃんとこの時点から伏線が張られていたわけなんですね!さすがです。

・めぐると携帯で話しながらローラースケートで夜道を滑るユーキ。滑りながら、しかも電話しながら、「車両通行禁止」の標識?の下をくぐり、果ては後ろ向きに軽々滑って見せる。すごいよ。
しかも「恐縮っす」と言いながら後ろ向きにハの字に滑る姿が本当に恐縮してる感じを出している。華麗なる曲乗り?を披露しつつ、それがちゃんと感情表現にもなっているという高等技術につくづく感服しました。

・そして続く「超食いてー!」の満面の笑顔がもう可愛さ全開。なのにその直後吉田家にたどりついた時には田口さんのビジュアルに。もう田口さん出てくるだけで可笑しいです。おじいちゃんの「どちらさま?」と言う口調からすると、食後のおじいちゃんにも43歳バージョンが見えてたんだろうなあ。
第一回のおじいちゃんの態度から二人はすでに面識あるのかと思ってたんですが、このシーンをみるとこれが初対面だったみたいですね。記念すべき恋人の祖父との初体面を果たしたのは20年後の姿のほうだったわけだ。

・部屋で寝そべってユーキの変わりっぷりを嘆くめぐる。めぐるの部屋は確かこれが初公開ですよね。ハート型のクッションなどの小道具の色どりが実に可愛らしくて女の子の部屋という感じです。

・最近めぐるの態度が冷たいとぼやくユーキ。しかし「何かあったのかなあ~」と語尾がふにゃふにゃ揺れる口調はバカキャラにふさわしく、深刻な雰囲気にならない。悲壮感がないから安心して見ていられます。
この時おじいちゃんはやたらと至近距離でユーキの横顔を見つめていますが、ユーキに事実を伝えるわけにいかず困惑してるからだけでなく、可愛い孫娘にふさわしい男か品定めしている感じがあります。

・「こういう時はじじいのふりで誤魔化すにかぎる」といきなり「最近床ずれが激しくてなあー」と話しはじめるおじいちゃん。
話の流れを全然無視してるし、「じじいのふり」も何も実際じじいなんだし、床ずれって寝たきり老人でもないのに何言ってんだ、とか突っ込みどころがありまくり。「ばあさんやー、キンショウバイ(錦松梅?)」に至ってはもはや何のことやらだ。

・「イチモツの不安」「エバラな道」なる覚え間違い発言でいかにもアホ丸出しなユーキくん。
しかも「イチモツの不安」のあとに「今は若くて体力あるけど、いずれは衰えるし」などと続けるものだから、本人は真面目に喋ってるのに下ネタになっちゃってます(笑)。しかし『めぐる』といい『蜉蝣峠』といい、クドカン作品の勝地くんはいろいろアレな台詞言わされますねえ(笑)。
でもめぐるの奇行を(彼女の身内の前だからとはいえ)ヘンにとがめだてするのでなく、自分のせいなんだろうかと考えてしまうあたり、彼の裏表のない純な性格とめぐるへの手放しの愛情が伝わってきます。おバカだけどいい子だなあ♪

・自分の現状を冷静に分析し、めぐるとの将来を真剣に考えてるユーキの様子に「こいつバカだけどバカじゃない」と彼を見込んだおじいちゃんは、「おいユーキ、おまえめぐるのどこが好きだ?」と単刀直入に訪ねる。
彼を気に入ったからなんでしょうが、会ったばかりなのにいきなり呼び捨てでお前呼ばわりなんですよねえ。

・おじいちゃんに、めぐるのどこが好きかと訪ねられたユーキは、しばし考えた末に「カラダ!」と答えてじいちゃんに張っ倒れされ、バシバシ殴られる。そりゃそーだわ(笑)。
この場面、悩んでる真剣な顔→「ひらめいた!」と言いたげな笑顔で「カラダ!」、という表情のコントラストがいっそうおかしさを引き出している。前回放映時の次回予告でこのシーンを見たとき、「身内相手になんと大胆な。純情そうなユーキくんも本能に生きる男だったか」と思ったものですが、そしたらちゃんといい話風なオチがついてました。
ついでに殴られてるときに背中がチラリと見えてるのが萌えどころでした♪

・先の発言は「体が丈夫なところ」という意味だったと必死に弁明するユーキ。そして体が丈夫な女が好きなのは、「うち、母親が病気がちだったもんで」。
病気がち「だった」と過去形なところからすると、ユーキの母親はすでに故人なのでしょう。第4回の家族写真もお父さんやお兄さんだけだったし。

・ユーキがめぐるの好きポイントを目を輝かせて語っている頃、めぐるはユーキが好きだという半開き口をしつつ、みちるの質問を受けてユーキのどこが好きなのかを考慮中。
めぐるの半開き口確かに無防備っぽくて色っぽいかも。しかし孫娘の表情を「エロいよなあ~」とエロい笑いを浮かべて語るおじいちゃんって(笑)。じいちゃんすっかりエロ路線に。
逆におじいちゃんに「エロいとは言ってねえっす」と反論するユーキは非スケベ男子なのねえとこの時は思ってしまった。それは第七回で崩れ去ったわけですが(笑)。

・ユーキの想いを確認したおじいちゃんは、ユーキにはめぐると付き合う資格があるうんぬんと力説する。このとき「めぐるを幸せにする責任がある」と言われて力強く「はい!」と答えるユーキは男前だなあ。
しかし力説するあいまあいまに口癖のように「見た目なんか関係ない」を連発するおじいちゃんに笑います。

・あまりにも見た目見た目連呼するおじいちゃんに、「自分そんなに見た目ダメな方じゃないと思うんですけど。ていうかそこそこ自信あるんですけど」と、さすがにユーキも反論。
しかしこの時の立ち上がってくるっと回ってのポージングは何さ(笑)。ラスト股間に手をやってキメなあたり、先の「イチモツの不安」発言を受けてるんでしょうが、なんかマイケル・ジャクソンぽいです。

・みちるにユーキの魅力を語るめぐる。「優しい」とか「美味しそうに食べる」とか好きポイントが、ユーキのめぐる好きポイントと重なるあたり、この二人お似合いだなと感じます。
めぐるの場合、なぜかいちいち「バカみたいに」優しい、とか「バカみたい」が頭につくんですが(笑)。

・みちるの講師としての適性テスト。ちょっと問題児な生徒を演じて見せる江口が口調から表情から、めちゃくちゃ頭悪そうで笑えます。服装はメタル系なのに。
みちるがかつての高尾山の言葉引き移しで熱弁を振るってるときも、椅子の上で体育座りして、口半開きのとろんとした顔でみちる見上げちゃってるし。

・高尾山回想の学校教師時代。いかにも学校らしく後ろの壁に生徒たちの習字が張り出してあるのだが、「不言実行」と書かれた紙にまじって「中三だもの」なる習字が。
何だよこれ(笑)。本当にこのドラマは小ネタまで見逃せません。

・力強く、そしてラストは満面の笑顔で高尾山とみちるに肉体関係の有無を問い質す江口。ということは、「ありま・・・」の後はぼかしたまま終わりだったってことか。
しかし「交尾?or not交尾?」ってすごい表現だ。『ハムレット』の有名な台詞(「to be or not to be」)が元ネタですが、「交尾」と「to be」でちゃんと韻も踏んでるんですねー。

・「江口大暴落。ていうか死んでほしい」。めぐるのきっつい一言。
この第3回あたりからめぐるの発言内容が過激になっていきますが、これは第3回執筆のあたりで宮藤さんがはじめて深田さん本人に会ったことが影響してるのだそうだ。いったい宮藤さんは深田さんに何を見たのでしょう? 

(つづく)

 


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