about him

俳優・勝地涼くんのこと。

『未来講師めぐる』(2)-6(注・ネタバレしてます)

2009-07-05 01:15:10 | 未来講師めぐる
・みちるを迎えたのを機に塾名が「太陽光アカデミー」に。名前の由来をうっとりと語る塾長の窓際でのパフォーマンスと、そちらに背を向けての江口・高尾山のテンション低い会話がナイスコントラスト。
そして電話についつい「太陽光エネルギー」と出てしまう塾長。塾名迷走しすぎですよ。

・なぜかスーパーで肉の試食のバイトをしているはまるは、勝手に松坂牛を試食に出したことでパートのおばさんに叱られる。
のだが、その直後おじいちゃんの姿を見かけておばさんの陰に隠れるさい、彼女の頭や左腕を後ろから押さえ込む形になってるのに、この失礼行動をおばさんは怒らない。むしろ何か身悶えてる(笑)。
23時台のドラマとはいえ、妙にエロいシーンがちらちら出てくるんですよね。これもクドカンテイスト?

・風邪で寝ているめぐるが手を伸ばして「た・す・け・てー」と叫ぶ。
声のかすれ方が本当に風邪で喉をやられて声が出ないときそっくり。すごいよ深田さん。しかしこの間おじいちゃんは何してるんだ?

・「どこにも行きたくない。私はこの家でおじいちゃんとパパとママとみんなで暮らしたい。それだけなの」。
このめぐるのささやかな願いは最終回でしっかり叶えられましたね。この時点ではまさかめぐるのママが登場するともあんなキャラだとも想像してなかったなあ。

・はまるの二十年後を見ようと思い立っためぐるにはずみで突き飛ばされたはまるが、障子に頭ぶつけてくらくらと倒れる。
ベタだけどもタイミングの取り方が抜群で思わず笑ってしまう。船越さんの名演技ですね。

・風邪による食欲不振(あのめぐるが!)をこらえて、未来を見るため何とか物を食べようとするめぐる。しかし「闇を切り裂け私の食欲。七つの海を渡れ、私の・・・」って何を言ってるんだいったい(笑)。
ところで冷蔵庫まで這って行かずとも、はまるがもってきた大量の食料の中にそのまま食べられるものはなかったのかいな。

・すっかり回復しためぐるが休んで迷惑かけたお詫びにと塾に手作りベーグルをもってくる。あの家事いっさいやらないめぐるがベーグル焼けるのか?と思ったら案の定作ったのはみちるだとか。
自分で作れないなら買ってくればいいものを他人に、しかも自分の代理で授業やってくれた相手に作らせますか。うん、そういう子だよめぐるは。

・めぐるが塾講師の紅一点じゃなくなったからと態度を一変させる江口。めぐるが好きというより単なる女好きだったわけか。めぐるとの、猫と猛獣の戦いみたいな応酬が面白いです。

・ベーグルを高尾山にアーンするみちる。それはともかくしっかりかぶりつく高尾山は何事?結局みちるとより戻す気満々なわけですか?

・めぐるが腕時計を見ようとするとなんと手首にはベーグルが。いくらなんでもこれは無理があるだろ、と思ったらめぐるのモノローグも「ありえない。さすがにこれはありえない!」。視聴者の反応を先取りフォロー。
しかもその後両手首ともベーグル付きなのに気づいて慌てたものの、「ありえない通り越して、かわいい!」。このイージーゴーイングな性格だからこそ物語が回っていくんですねえ。
しかし腕時計→ベーグルなんてよく思いつくなあ。宮藤さんの発想力恐るべしです。

・塾を辞めると行って出て行こうとするみちるを高尾山が引き止める。しかし「頑張らなくていいっていったの、先生だべ」の言葉に、彼女の肩を押さえていた手を思わず離す。
その手をしばらく見つめてから、みちるは「さよなら!」と怒ったような顔をして教室を飛び出す。手を離してから出て行くまでの間と表情とで、みちるが高尾山にもっと強く止めてほしかったと思ってたのがわかります。
そして高尾山が止められなかったのは、結果的に淫行になってしまった彼女との関係に忸怩たるものがある―教師として物を言う資格がないと感じてしまってるからですね。

・みちるが出ていったあと、江口が目をこすって(涙をぬぐってた?)から、「センスないこと言っちゃいますけど、追いかけた方がいいと思います」「変わんなきゃいけないの、あんたも一緒でしょ!」。
こんなに江口の言動がまともに思えたのは初めてです。キザに格好つけてるよりセンスない時の方が断然いい感じです江口。
そして「いつまでもいつまでも・・・いつまでいつまで食ってんだ!」と急にめぐるに矛先が向くオチも。上手くその場の主人公をめぐるに戻して次の展開に繋げている。脚本の妙です。

・みちるを追いかける(満腹状態の)めぐるの後ろで、大人がランドセル背負った大人を抱っこしてるシュールな光景が。めぐるの視界に入ってない人間まで20年後の姿になっているとはこれいかに。
そして20年後のみちるの子供たちのお揃いの服の色と柄もいかがなものか。高尾山&みちるのペアルックといい・・・20年後の高尾山(高山)一家はどんな暮らししてるんだろう。

・みちるが「子供を作る気はない」「ちゃんと避妊しますから」と言うと、まわりの子供たちががっくりうなだれる。かわいそうなんだけど可愛らしいなあ。

・自分が子供を好きなのは精神が子供っぽいからだろうかと考え込むめぐるに、ユーキは「子供っぽい人は子供好きじゃなくね?」とさらっと述べる。
ここまでのストーリーを見ててもめぐるの言動は多分に我が儘で子供っぽく思えたのですが、こう言われてみるとめぐるは精神的には結構安定している。
日本語は多少おかしいし微妙に要領を得ない部分もありますが、鋭く本質を見ているユーキはおじいちゃんの言うとおり「バカだけどバカじゃない」ですね。

・上述の会話の締めくくりに「めぐるは大人~♪っす」と笑顔で親指を立ててみせるユーキ。この「大人~♪」って言い方がユーモラスというか優しいというか、ユーキの人間性をよく表しています。
めぐるが戸惑ったように笑いつつ親指立てて見せるのもキュート。なんだかんだいっても似合いのカップルですよね。

・ユーキの言葉に親離れの決意をして再び授業に挑もうと走り去るみちる。その後姿にユーキが大仰な振りで手をあげてみせる。
「頑張れ!」という気持ちをこめてのお見送りなんでしょうが、なんか特撮ヒーローの変身シーンみたいです(笑)。衣装もアレなだけに。

・そんなユーキに「ユーキくんて何かいいよね」と言うめぐる。前にみちるにユーキの魅力を語ったときと同じ表現で、結局どこがいいんだかよくわからないですが、めぐるの幸せそうな笑顔で本心から彼を好きだと感じている(惚れ直した)のがわかります。「何かって何すか?」と尋ねるユーキの表情は見えませんが、声の調子から思いっきり喜んじゃってるのが伝わってきます。
そして大して距離離れてもないのにめぐるは「ユーキくーん」と大声で呼びかけ、ユーキは「はーい!」と両手をあげて答える。そして「大好きー!!」。周りのお客さんからしたら見事なパカップルでしょうが、何とも微笑ましい二人です。

・めぐるの「大好きー!!」に対し、「おれも」とユーキは一人呟き、「キヒヒ」と笑う。このあまり品のない笑い方がかえって彼の「心底嬉しかった感」を伝えています。こういうところがユーキは可愛いんだよなあ。

・高尾山に呼ばれたみちるの両親×2が塾へやってくる。なぜか四人が並列して廊下を進んでくるものだから思いっきり窮屈そう。第二回の大作の父と姉が階段でつかえていたシーンを彷彿としますが、これは「自分こそがみちるの親!」と主張したい気持ちが我勝ちな歩き方につながってるのかな。
「父です」「母です」「父です」「母です」という名乗りも面白い。「義父」とか「義母」と言わないところに、彼らがみちるを実の子同様に思ってるのが表れている。いいご両親たちじゃないかー。それでもみちるは上手く打ち解けられずに内向してしまった。上手くいかないもんだなあ。
しかしめぐるの「めぐるです」という挨拶はどんなもんでしょう。普通なら「同僚の吉田です」とか言うところでしょう。

・「今やってるから」「全然知らないから」と繰り返すめぐると高尾山。同じ台詞を二回ずつ言うところ、とくに二回目は台詞の流れ的に唐突なのも笑える。
少し前の「父です」「母です」に続いて、繰り返しによるテンポの良さが面白みを生んでいます。両親たちの土産物がまた笑える。

・「頑張れ」コールを繰り返す両親と生徒たちの姿に、めぐるは教室に飛び込み「頑張れ頑張れっておまえらが頑張れ!」と怒鳴る。
以前みちるが語った高尾山の台詞の引き移しですが、めぐるが口にすると表情もなまりも何とも愛らしいですね。

・めぐるは教卓の後ろにしゃがみこんでいたみちるの肩に触れて「みちるちゃんは、自分(ずぶん)らしく」と励ます。
この時のめぐるの表情は実に慈愛に満ちて優しい。ユーキの言う通り、めぐるがとても大人に見えました。

・自分には両親が二人ずついて弟や妹もいる、と複雑な家庭環境をプラスに割りきることができたみちる。その晴れやかな表情に彼女の精神的成長がはっきり見えます。
しかし「質より量って意味では、かなりお得ですよね?」という表現が微妙にヒドくて「おいおい」とツッこみたくなる。完全にいい話で終わらせないでちょっとずらして見せるところにかえって味があります。

・吉田家での団欒。満腹になるなりそのまま寝転んで「おじいちゃん、お茶!」というめぐるに「誰も全部食べろって言ってねえっす」と隣りからツッこむユーキ。
さしものユーキもめぐるの我が儘放題の態度にムカついたか?と思えばユーキはごく爽やかな笑顔で親指を立ててみせてる。単に軽口きいただけで全然気持ちが冷めたりはしてないらしい。ほんとベタ惚れなんですねえ。
おじいちゃんが一応はお客のユーキにお茶を入れるよう頼むのもそれどうなのよ?と思いましたが、ユーキを遠ざけておいて高尾山&みちるの20年後をめぐるによく見せようという意図だったわけですね。

(つづく)

 

 


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