about him

俳優・勝地涼くんのこと。

『未来講師めぐる』(2)-8(注・ネタバレしてます)

2009-07-11 00:40:03 | 未来講師めぐる
・おじいちゃんが描いたユーキの20年後。高層マンションの窓から身を乗り出してバンザイポーズ。
画風はキース・ヘリングぽくて、構図はビル火災で逃げ遅れた人のよう(笑)。たしかに何の参考にもならない絵だ。

・「めぐるは自分の内面とビジュアル面とどっちに比重を置いてつきあってるんすか?」との問いにかぶせるように「内面内面内面!」と即答するめぐる。
内面って言ってほしかったのは明らかですが、こう連呼されると、ビジュアルはよほど問題外にひどいみたいでこれはこれで傷つきますね。
そのあとの「どっちもコンクリート」はユーキのビジュアルについては何の回答にもなってないし。

・「お願いします」と少し顔を上向けて目を閉じるユーキ。本当にこの回の彼はいちいち可愛くて困ります。
そして「何言われても動じねえっす」と言いながら何も言う前から動揺しまくり。コアラのように柱にしがみつく姿も可愛いったらありゃしない。

・めぐるに未来の姿を告げられたユーキは「ぎやああ~!」と絶叫する。このときの悲鳴が何ともすごい。勝地くん名演です。
しかし「ずるむけのぷよぷよ」という表現のすごさ(笑)。もうちょっとショックを受けないような形容があるだろうに。田口さんの立場は・・・。

・動揺して暴れるユーキと彼を押さえようとするめぐるの攻防。「周囲の目を気にせず」というナレーションなわりに周りに人なんていないような。
何度も起き上がってはまた倒れるユーキのお腹がちらちら見えるのは、一種のサービスショットですね♪

・「あんたの言うことなんか、信じねえからな」と言われて「『あんた』!?」とショックを受けるめぐる。少し後のおじいちゃんとの会話を聞いても、「信じない」より「あんた」発言に対する怒りが大きい模様。
ユーキも「あんたとか言ってすみませんっす」とこっちの発言の方をあやまってましたし。そんなもんかなあ。

・股関節を脱臼したユーキがローラースケートのまま、よたよたと歩き?去る。いつにないぎこちない動作が本当に足を怪我してるように見える。
勝地くんのローラーさばきが笑いや緊迫感を生んでいるシーンはここの他にも多々登場する。ユーキははまり役ですね。

・「その日を境に、ユーキくんの生活は荒れました」。ヤクザ風、チャラ男風とコスプレ連発の、勝地ファンには必見の場面。
しかし「ギャンブルに明け暮れ」と言いつつ単なるスロット、薬物に走ったかと思いきや実はヤセ薬+毛生え薬(なのに何であんな恍惚とした顔してるんだ。それに今から飲んでどうする)、高校生(中学生?)にケンカを売り、こめかみや唇の端に血を滲ませつつ(つまりあの大人しそうな少年たちに返り討ちにあったわけですか・・・弱っ!)AVを大量に借りまくる(即日返却って、あれだけ一気に見るつもりか?)・・・。
「飲む打つ借りるの悪行三昧」と言いつつ、悪行といえるのは飲む打つ借りるに入っていない学生イジメだけなんじゃ。めぐると決裂しても女を「買う」でなくAV止まりというあたりにユーキの根の純情さが滲み出ています。
それにしても薬の名称が「カミハエ~ル」とか「ヤセレ~ル」(笑)。まあ本当にありそうですけど。小道具のスタッフさんも楽しんで作ってたんだろうな。

・おじいちゃんの回想。「まだ見えたてのぺーぺーだった頃だ」という表現に笑う。何か元ネタありそうですねこの台詞。地井さんの若作りもすごい。瓶底眼鏡と学生服・・・。
そして一目ぼれからいきなりプロポーズという急展開、20年後の変貌しまくった奥さんの姿。「ノーブラで腹にスイカの皮を乗せて寝る」という妙にリアルな表現も、モデルいたりするんでしょうか。
しかしめぐるが家事一切できない(やらない)のはおばあちゃんの影響なのか。後に登場する母・愛子は普通に料理してたので、12歳にして両親に別れためぐるをおじいちゃんが不憫がって(おばあちゃん同様に)甘やかしたものか。こんなめぐるの20年後も・・・。やたら食べるしねえ。

・おじいちゃんが見た20年後のユーキ。つるんで悪さしてる二人組がそれぞれきちっとしたスーツと白衣姿に。二人とも立派に更正するんですねえ。ユーキは・・・。

・こたつから両足だけ出して「わ~!!なんでだよお~!!」とばたばたさせるめぐる。ううむ可愛い。

・携帯を眺めて溜息つくめぐるをこっそりうかがう塾長たち。・・・棚の後ろから顔だけ並べてる構図が何ともシュールです。何だかさらし首みたいだ。

・「女が食べ物に反応しない理由」についての男性陣の推理が「ヨン様が・・・(あと聞き取れなかった)」てのはなんですか(笑)。
塾長がやたら「キュウリはカッパじゃないか?」と繰り返すのも可笑しい。「鈴虫はリンゴじゃないかなー?」にいたってはもはや本来の話題の面影も留めていないし。しかも今度は廊下の角から三人縦に顔を並べている。塾長なんて首から下はどんな姿勢になってるんだ。
このシーンは「台詞と構図を少しアレンジ加えつつ反復」というパターンを重ねることで面白味を出しています。

・いつのまにかバイトに復帰してるユーキ。あんなサボりまくりで(一応)悪い道に染まっていたというのに、首にもならず副店長を降格にもなっていない。なんつーか大らかな店ですね。

・「めぐるもじいさんのたわ言につき合わされてんじゃねえかって」。
当のじいさんを前に失礼な発言ですが、それだけめぐるを悪く思いたくないってことですよね。ユーキの一途さにじんときます。

・めぐるがアキラとデートしてると聞いたユーキは「別に・・・」とクールに流して見せるものの、内心の動揺のあまり足をばたばたさせたあげく倒れる。ユーキのローラーアクションはほんと体張ってますね。
倒れたまま一転して「どーしよ・・・」と泣きべそ声になるのも上手いなあ。

・アキラに欠点が何もないと言って悩むめぐる。
ユーキに対するすまなさからあえてアキラに幻滅しようとしてみたり、その一方で20年後の姿を見て幻滅したくないと思ったり――このへんの揺れる心情は女性心理として非常にリアルに感じました。宮藤さん男性なのに、この洞察力はすごい。

・メールアドレスだけは未来永劫絶対に変えるなとおじいちゃんはいつになく強くめぐるを叱る。しかしめぐるが変えなくても20年間携帯会社の方がもつだろうか・・・。

・ユーキがえらくマジメな顔をしてると思えば「ダイアナ」社長・アキラの写真を見つめている。
そして大マジな顔のままマジックを取り出して落書き(笑)。なんかこう、やることがちっちゃいなあユーキ。

・一人携帯を開いたり閉じたりするユーキを草陰から見つめる江口たち。
なぜユーキがめぐるの彼氏とわかったんだろ、ユーキとは面識ないはずなのに、と放映時は思ったんですが、第1回の放映時カット部分を足したバージョンをDVDで見て納得。江口がめぐるとユーキの焼肉屋デートの現場をのぞいて悔しがるシーンが入ってました。ここでユーキの顔を知ったわけですね。

・めぐるの彼氏が前に自分の前で「毛が薄い」発言をした男だと気づいた塾長は、前回と全く同パターンの嫌がらせを。このシーンもまた反復の面白さが出てます。

・アキラの告白に「迷惑じゃないから迷惑なんだよ」と泣きじゃくるめぐる。上で書いた「欠点が何もないと悩む」同様の、「惹かれつつ惹かれたくない」複雑な心理がこの一言で見事に言い表されている。
こういう発言がくるのは相当脈がある証拠なのに、めぐるの涙におたおたして飲み物を勧めてしまうアキラ。さらにはめぐるの「泣いてるんだから、ここ座ってよ」という、もう一押しで落ちるの確実な誘い文句にも、従おうとしつつその前に携帯の点滅=メールが届いてることをわざわざ教えてあげる。いい人すぎてツメ甘すぎですアキラくん。
他人からのメールを読むのに側にくっついてたら失礼だとの紳士的配慮から席をはずしたわずかの間に状況は激変し、結局めぐるをユーキにさらわれてしまうわけですから。

・「ありえねえなんて言うなバカのくせに!」「夢のないバカなんておまえ、バカだよ!?」。声裏返らせつつバカバカ連呼する(ユーキ=バカを当然の前提としてるのが失礼っちゃ失礼な)おじいちゃんの力説。
それに対しユーキは「だってありえねえもーん」と言いたげな調子で、指揮でもするように腕を大きく振りながらテーブルの間を滑る。無駄に回転を交えた動きや口笛でも吹くようにとがらせた口に、小馬鹿にした感じがよく出ています。

・ワインをもったアキラが戻ってくると、いつのまにかめぐるは部屋から消えている。しかもアキラの分まで料理を平らげて。満腹状態でユーキに会うためなのはわかるんですが、人の分まで食い尽くして黙って姿を消すとは何たる身勝手な(笑)。
その後もユーキのもとに辿り着くまでに通り姿の人のクレープを奪うわたこ焼きを奪うわ。たまたまめぐるを見かけたはまるが追いかけてきて金をばらまかなかったら泥棒になってたところです。
まあこの極端な行動、何かに必死になるあまり回りが見えなくなるところがめぐるの良さでもあるんですが。

・ユーキ43のメールは、普段の話し言葉以上に丁寧な言い回し、一人称「僕」のせいもあって、ユーキ23よりずっと知的に落ち着いて聞こえる。20年経ってるんだから当たり前ではあるんですが。
「今までも、そしてこれからも僕は君に迷惑をかけると思う」という表現からすると、20年後もユーキとめぐるの付き合いは続いている、おそらくは相変わらず恋仲(夫婦?)なのだと想像されます。
ユーキがめぐるやおじいちゃんの言葉が嘘じゃなかったと悟ったのは、自分の外見変化のせいですかね?

・大松監督のような風貌(サングラスと付け髭?)のはまるがめぐるを追いかけてくる。一緒にいた女性を「鮎原」と呼んでるあたり『アタックNO.1』も混ざってますね。いったいはまる、この時何をやっていたんだ?

・「娘を応援しない父親がどこにいる」とのはまる発言にちょっと感心。それもつかの間、拡声器で周囲の通行人にめぐるへの応援を呼びかけるはまるにヒく。なんつー恥ずかしい。めぐるがよく怒り出さないなあ。

・公園に走りこんでくるめぐるのバックにいつのまにか本当に応援団がついている。この人たちはめぐるが何者で何のために走ってると思ってるんだろう。

・公園の階段を降りてくるアキラ45。現在の面影を多分に残したダンディーな中年に。彼とユーキ43が並ぶと「勝負あった」感がありますね。
二人の表情を見ても、ユーキ43の方はいかにも自信なさそうです。これはユーキ23の表情でもあるわけなので、副店長(実質フリーター)と社長の格の違いがこの自信のなさに繋がってるんでしょうね。顔なら全然負けてないんだけど。
しかし群衆の中から出てきたワイン持ったずるむけぷよぷよのおじさんは何だったんだ?アキラの20年後とミスリードするために出てきたにしてはすぐ後に本物のアキラが出てくるしなあ。

・ユーキとアキラ、二人の中間点に立っためぐるがアキラの方に歩いていく時、ユーキ43は目と口をちょっと開く。
決して大げさな表情じゃないのに彼の受けたショックがすごくよく伝わってくる。田口さんの名演技です。

・めぐるの気持ちを聞いて、きわめて紳士的に身を引いたと見えたアキラが、ユーキに名前を聞いたあと「覚えておくよ、いや、絶っ対に忘れない」と唇をゆがめる。
ずっと超いい人だったアキラが初めて見せた毒の部分。あー、これじゃユーキとうてい出世できませんよ。だから20年勤めててもマネージャーどまりなのかなあ。
アキラの顔見てユーキの方も「うわ~・・・」と自分の先行きを思いやってたじたじな表情をしてます。

・「めぐる、自分で、いいすか?」と訪ねる時のユーキの表情に漂う不安と緊張感。ちょっとした眉の動きでそれを表しています。そしてめぐるに「いいに決まってるじゃん!」といわれた瞬間の泣き笑いのような表情。目が潤んでるのが何とも可愛いです。
さらにめぐるの抱擁を受けて「やったー!!」と繰り返し叫ぶ。大学時代の告白シーンの再現ですね。
この回で「20年後のユーキのことも変わらず好き」との見解に辿り付いためぐるは、以降他の男によろめくことは(氷高さんの件はあくまでユーキ愛の一環とみるなら)ありません。

・歌い手(やなわらばー)が自ら出演するエンディング特別バージョン。めぐるとユーキが並んでホットドッグを食べると、目の前でおもちゃのギターを弾き歌っていた小さな女の子二人が20代の女性二人に転じる、という演出。
このエンディングを見ていたら、今回すごくいい話だっただけに、そして第1回以来の「ずるむけのぷよぷよになってしまう彼氏を愛せるのか」という問題に決着がついただけに、ほとんどこのまま最終回でもいいような気分になってしまった。まあこの直後の予告を見たらすぐに第5回が楽しみでならなくなったんですけども。
ちなみにやなわらばーの歌を聴いているときのユーキは格好はユーキなんですが、しみじみと曲に聴き入っている表情はむしろ勝地くん本人のもののように思えました。とっても優しい目をしています。

(つづく)

 


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