about him

俳優・勝地涼くんのこと。

『里見八犬伝』(3)(注・若干ネタバレ気味)

2007-05-28 02:15:29 | 里見八犬伝
(1)で書いたように最初勝地くんは荘助のイメージだろうと思っていました。
そこでもし勝地くんが荘助を、あるいは別の犬士を演じてたらどんな風になっていただろうかと考えてみました。つまりは妄想です(笑)。

その1 犬川荘助義任
まず亀篠に棒でぶたれるシーン、処刑されそうになるシーンなどの痛々しさが増す。
佐藤くんだと大柄で顔立ちも大人なので(当時25歳だから当たり前)そこまで悲壮感はないんですが。
敬語口調は似合うだろうし、小文吾と旅するのも身長差があるのでデコボコした感じで良さそう。
馬加に懸想されるのは・・・洒落にならない(笑)。ぬい(黒川智花ちゃん)とは見るからに可愛らしいカップルになりそうです。 
結果的に佐藤くんの荘助で正解だったと思いますが。大らかな感じが出ていたのがよかった。 

その2 犬坂毛野胤智
これも結果的には山田優ちゃんの毛野で良かったと思ってるんですが、私を含め「毛野を男性に演じてほしい」と思っていた原作ファンは多かった。
『八犬伝』が映像化されるたび女装の美少年毛野は必ずといってよいほど女優さん(アニメなら女性の声優さん)が演じている。
たしかに絶世の美少女に化けられる俳優がどれだけいるものかと考えたら女優さんが演じた方が無難ではある。無難だからこそ面白味がない。
実際に男性(歌舞伎出身の俳優さん)が演じた例もあるので、ぜひここは冒険してほしいなと思ったのですが、じゃあ誰ならいいのかというと・・・うーむ。
外見も仕草も完全に女に、しかもファニーフェイスの可愛い系ではなく端麗な美少女もしくは美女に見えて、踊りもこなせてアクションもできてなるべくなら演技もできる人――。
『おれがあいつであいつがおれで』を見て以来、勝地くんに女装する役をやってほしいと切望してるんですが(こちら参照)、さすがに毛野はハードルが高すぎる(原作ファンのブーイングも恐ろしい)・・・。
と思ってたんですが、勝地くん演じる大角を見てちょっと考えが変わりました。
大角は女装してるわけでもないのに、長い髪と肌の白さのせいか表情によっては女の子に見えることがある。
そして着物の似合いっぷりと少年体型・・・いけるかもしれない。
着物なら体の線はあまり出ないし、このドラマのヘアスタイルは時代考証無視なので前髪で眉を隠してしまえる。
毛野はもっと華やかな顔立ちというイメージはありますが、目鼻立ちに癖がないから少し濃い目に化粧すればかなり印象が変わるはず。
あとは踊りを頑張ってもらえばOK。運動神経はいいはずだし練習すれば何とかなるだろう
(当人いわく踊るのは苦手だそうですが、2007年4月公開の映画『東京タワー』ではなかなか見事にダンスを踊ってました。8月公開予定の『阿波DANCE』でも阿波踊りを踊ってます)。
「残念ながら妻にはなれませぬ」のシーンも吹き替えなしでできるし、男姿に戻ったときの落差も楽しめる。
さすがに声はどうしようもないですが、「望みを果たすまでは口をきかない誓いを立てております」とか田楽一座のお頭に説明させて、あとは当面無言で通す。
目が口以上に物を言う勝地くんなら台詞なしでも十分感情表現ができるだろうし、喋らなければ喉仏も全然わからない。
そして馬加の前で舞ったときに「望みを果たすまで口をきかないそうだな。欲しいものを言ってみろ。何でもくれてやるぞ」と言われて、「・・・欲しいものは馬加大記、貴様の首だ!」と初台詞とともに馬加をたたっ斬る、とかどうでしょう。
そしてそれでもまだ男と気づかない小文吾にプロボーズされたりとか。実現してたら面白かったろうけど。

その3 犬江親兵衛
2005年12月のトークショーで、勝地くんは「犬士で他にやりたい役は?」との質問に「真田広之さんが演じた親兵衛」と答えていたそうで。
「真田さんが」とわざわざ断る以上原作の親兵衛でも山下翔央くんの演じた親兵衛でもなく、深作映画の親兵衛ですね。
太もも丸出しの衣装で山野を駆け巡り、可愛いお姫様を押し倒してみたり、敵に洗脳されて岩場を跳び回りつつ味方を襲撃したり、英語の曲にのせて長々とベッドシーンを演じたりの美味しくも技術的に難しそうな役柄です。
最後は馬に乗ったままお姫さまと手を繋ぎつつ走り去らねばならないし。なんか想像つかない(笑)。

などと書いてみましたが、結局は勝地くんは大角でよかったと思います。ああいう純和風の気品を出せる若手はなかなかいないように思うので。
DVDのコメンタリーで佐藤くんが、3日の後編の放映終了直後に勝地くんから丁寧なお礼の電話があったこと、どうやら犬士全員に同様の電話をかけたらしい(ハワイにいた押尾さんにはつながったろうか)ことを語っていました。
こういう話を聞くと、「礼」の人勝地くんが「礼」の玉を持つ大角を演じたのはまさに適材適所だったんだなあという気がします。キャスティング担当者の慧眼に拍手したいです。


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『里見八犬伝』(2)(注・ネタバレしてます)

2007-05-24 01:02:18 | 里見八犬伝
作品全体の感想はよそで書いたことがあるので、ここではその時書かなかった勝地くんがらみの気になる場面について。

・信乃と現八に「お引き取りください!」と怒鳴る声の凛とした響きにはっとさせられました。
勝地くんの声はよく通るので舞台向きだなと思ってたんですが、ある意味テレビ向きとも言えるかもしれない。ながら視聴者を画面に引き寄せる力がある。
正直時代劇の台詞まわしはまだぎこちないと思いますが、この台詞や「私は父上のためなら、自分の命など惜しくはないのだ!」のように、声を語尾までぴんと張った「怒鳴る」台詞はとても自然で、若武者らしい颯爽とした品がありました
『この胸いっぱいの愛を』での「ばかやろう!(おれが話をしてるんだ)」にも同様にはっとさせられたんですが、こちらはヤクザの役だけにもっと太く荒っぽい感じだった。同じ「怒鳴る」シーンでもキャラの性格に応じて声の出し方から違っている。というよりその一声だけでキャラの性格をしっかり伝えている。すごい)。
ぜひ一度大河ドラマを経験してほしい。長丁場なだけに所作や喋り方をきっちり教えてくれる印象があるので。
そこでベテラン俳優さんたちに揉まれて、また一つ大きくなってくれたら、なんて勝手な期待をしています。

・大角の切腹未遂シーン。腹を切るため着物の前を開いたことで左胸下の牡丹の痣が見え、彼が犬士であることが発覚する、という流れなのですが、ストーリーとは全然関係ないところでちょっとホッとしてしまいました。
痣を大写しにするためアップになった彼の半裸(正確には3分の1裸くらい)の幼さに。
筋肉もなければ贅肉もない、かといって骨ばってもない、喉から胸下までストーンとした起伏に乏しいラインと白く滑らかな肌はとても19歳の青年のものとは思えない
(・・・もっとも勝地くんより年長の成宮寛貴くんも、以前グラビア写真で見た感じだと勝地くんと似たような体型だった。今どきの若手俳優さんて・・・)。
『イージス』でさんざんアクション訓練やって「ガタイよくなっちゃいました」とか言ってたのはどうした?少女マンガの男の子が三次元に現れたかのようでした
(「脱ぐ」シーンのために微妙にダイエットしたんじゃないかって気もしますが。偽一角・船虫の登場前後(コマーシャルの前後)を比べると明らかに後半の方が顔のラインが細いので)。
彼にまだまだ大人になってほしくないと思うことしきりの私としては、ちょっと、というかずいぶん安堵してしまったのでした。
ついでに「またりえちゃんの前で脱ぐのか」と思ってしまった(継母船虫役は『1980』で共演したともさかりえちゃん)。
大角の痣の位置について原作では尻と胸二種類の表記があるのですが(馬琴の記憶ミス?)、胸の方を採用してくれてほんと良かった(笑)。
現八と一緒に風呂に入って尻の痣を確認してもらう場面は、実写にするのはどうかと思うし。

・「年寄りの肉は不味かったが、骨の髄までしゃぶり尽くしてやったわ!」と言う偽一角。そういやなんで若い大角は食べなかったんだろ?
原作だと礼の玉が大角を守っていたため手が出せなかったのだが、ドラマでは玉は本物の一角の髑髏に入ってたのだから大角に玉の守りはなかったはず。ちょっとミステリー。

・化け猫に切りかかるとき、一瞬唇を舐める。上品な大角らしからぬ仕草に奇妙な凄みを感じました。
単に勝地くん本人の癖がうっかり出てしまっただけかな?(『フレンドパーク』でもよく唇を舐めていた)とも思ったのですが、他の役で唇を舐めてるところを見たことがない気がする。
つまり自身の癖を役に持ち込んではいない。とすればやはりこれは「犬村大角」としての仕草であるはず。
「気品あふれる聡明で礼儀正しい若侍」から「目の前の敵を斬り伏せることが全ての剣客」へとスイッチが切り替わったかのようで、思わずゾクッとしました。

・髑髏を抱いて泣いていた大角が顔をあげた時の、涙ぐんだ目で唇を噛んで嗚咽をこらえている表情。
『さとうきび畑の唄』でもそうでしたが、勝地くんの泣き顔は本当に幼く見えてしまって、思わず「こんな小さな子泣かすなよ!」と思ってしまう。


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『里見八犬伝』(1)

2007-05-21 00:30:49 | 里見八犬伝
もともと原作が好きなので、ドラマ化の話が発表された時からこの企画には関心を寄せていました。
しかし中国ロケやら豪華キャストやらワダエミさんの衣装やらばかりが喧伝されて肝心のストーリーはろくろく言及されないという状況に、
「これは結局オールスターキャストによるお祭り企画であって、真面目にドラマを作る気がないんじゃないか?」
という危惧を次第に抱きはじめ・・・。

そんな時に滝沢くん以外の七犬士のキャストが発表になり、その中に勝地くんと小澤さんが入っていたことに、勝地くんファンとしてよりまず原作ファンとしてホッとしました。
まだ一般的知名度はさほど高くないものの演技派としての定評を得ている彼らが犬士に名を連ねているならば、一応きちんとドラマを作るつもりはあるのだな、と。
脚本がよほどアレでないかぎり(あの『ニコニコ日記』の大森美香さんなので、いくらなんでもそうそう悲惨なものにはなるまい、とは思ってました)、最低限彼らのパートは見られるものになるだろうし。

とまあその点では安堵したんですが、引っ掛かったのは勝地くんが演じるのが犬村大角だということ。
大角は八犬士唯一の妻帯者ということもあって老成したイメージのある役であり、当時19歳の勝地くんではいささか若すぎるんじゃないか
(大角は化け猫退治の時点で数え21歳、満年齢に直せば19~20歳なので、実は役と役者の年齢が一致していた唯一の例なんですけどね)。
外見や雰囲気からいっても勝地くんはむしろ佐藤隆太くんが演じた犬川荘助のイメージに重なる(ちょっと美形すぎるけど)。

それが大角ってどんなもんだろなあ、と思いつつ放映を迎えたわけですが・・・後編(前編では目立たなかったので)の登場シーンから数分とたたずに、
「やっぱりこういう知的で気品のある役に勝地くんは似合うなあ」
などと思うようになっていました(笑)。
写真で見たときは微妙に思えたオールバックのポニーテール(前編はずっと烏帽子だった)も、動画で見ると違和感なく合っている。

そして驚いたのは上でも書いた気品。
「やっぱり~似合うなあ」とその時は感じたんですが、よく考えると勝地くんが知的はともかく、特別気品を必要とされる役を演じてるのを見たことがない。
全然「やっぱり」じゃないのに日頃からそういう役を見慣れているかのように錯覚してしまうほど自然に、純和風の武家の若様らしい「気品」を備えていました。

もう一つ驚いたのは、表情によっては13歳のときに演じた『永遠の仔』のモウルそっくりに見えること。
当時ネットで『里見八犬伝』の感想ブログを探していたとき、『永遠の仔』以来久しぶりに勝地くんを見たという方が、
「彼は今何歳なんですか。なんであんなに変わってないんですか」
と質問しているのを見つけてちょっと笑ってしまいました(それは本人だって答えられまい)。
「19歳です」と返答をもらって「一番変わる時期なのに・・・」とますます驚いてらっしゃいました。 

15歳~16歳くらいの頃に一気にぐっと大人っぽく、男っぽくなった印象を持っていたんですが、近年には珍しく大人しめの、繊細さが前面に出た役を演じると、被虐待児やいじめられっ子を多く演じていた少年期の面差しが甦る。
こうしてみると変わったのは「顔つき」であって「顔立ち」はほとんどそのままなんだなあ、としみじみ思ったものでした。

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『東京フレンドパーク2』(2)-3

2007-05-17 00:30:01 | 東京フレンドパーク2
○ハイパーホッケー

・勝地くんは小澤さんとペア。左ききの小澤さんが右側、勝地くんが左側なのでゴールを守りやすかったのでは。勝地くんも一点入れてました。
「ブンブンボーリング」といい「バナナシューター」といい、野球やバスケをやってた(やってる)だけあって球技ものが得意なんですかね。

○ダーツ

・照英さんのリクエストがマグロ旅行、滝沢くんのリクエストがカニ。先のクイズ問題とリンクしてるのが面白い。

・勝地くんのリクエストは軟球。一気に金額が安くなった。
「草野球チームのために」というのにほろりとします。きっとあとで滝沢くんからプレゼントしてもらったのでしょう。

・翔央くんのリクエストがダウンジャケット8着(笑)。
「これから寒い季節なんで日替わりで着てこうかと思って」というコメントがやっぱりずれていて笑えます。
日替わりなら7着でいいじゃん!全部黒だから毎日違うの着てても分からないじゃん!
まあ8着という数からいって本当は犬士全員にプレゼントするつもりだったんでしょうね。お揃いの服を持っていることで共演の記念にしようと。
勝地くんと翔央くんだけが自分の欲しいものでなく「人にあげるため」のものをリクエストしていた。
優しい子たちだなあ、と何だか嬉しくなってしまいました。

・第一投で思いっきりハズした勝地くん。15、6の頃「ダーツとビリヤードが趣味」とかコメントしてなかったか?
まあハズレた人は的の下に名前が残るらしいのである意味美味しい?

・「忠の玉を持つわたくし小澤征悦が・・・」 変に長い小澤さんの自己紹介は何なのだ(笑)。

・マグロ旅行を三人もが当てる。「マグロツアー」行ったんでしょうか。

・しっかりカニを当てた滝沢くん。満面の笑みでバンザイする姿が本当嬉しそうだ。

・しっかりタワシを当てた勝地くん。
的の真ん中に当たった瞬間、ガッツポーズ入ってるように見えるんですが。
ひょっとして真ん中はタヒチだと思いこんでいたとか?
そう考えると優ちゃんにはたかれてる後ろ姿が「なんで俺怒られてんの?」という風情にも見えます・・・。
ここの場面見返したら勝地くんが投げる前に誰かの声が「タワシじゃなくてタヒチね」と言ってるんですね。
それが聞こえたのかどうか、勝地くん元気よく「オッケー!」と返事してます。全然「オッケー」じゃないって(笑)。
ピン子さんも最後の矢を勝地くんに回したのは「華麗なオチ」を期待したのかも?

 

バラエティーの勝地くんを見たのはこれが初めてでした(細木数子さんの番組は見ましたが一言も喋ってなかったし)。
そもそも役柄以外で動いている勝地くんをこんなに長い時間見たこと自体初めてだった。
番組自体にも勝地くんにもとにかく笑わせて頂きました。
この番組について人様の感想ブログなどをのぞいてみた感じでは、彼をもともと知っていた人の評価はだいたい次の3パターンに大別されるようです。

1 役柄を通してのみ彼を知っていた人
 ・・・もっとクールでとっつきにくい感じの人かと思ってたのに、こんなにヘタレだなんて!可愛いー!!

2 雑誌のインタビュー記事なども読んだことがある人
 ・・・もっと大人っぽい落ち着いた感じの人だと思ってたのに、こんなにヘタレだなんて!可愛いー!!

3 もともとファンの人
 ・・・天然キャラだと知ってはいたけど、ここまでヘタレだなんて!可愛いー!!

というわけでどの層にも大好評。「イメージ違って幻滅」という声が全くなかった(少なくとも引っかからなかった)のに驚きました。人徳というかなんというか。

今回再認識したのは彼の人柄の良さ。
人間テンパってる時はボロが出やすいもので、勝地くんも例外ではなくボロ出しまくりだったわけですが、彼の場合出るボロがことごとく微笑ましい。
日頃の礼儀正しい落ち着いた態度の破れ目から、やんちゃでお調子者で無邪気で限りなくキュートな少年の顔が覗いているかのようだった。
とくに「フールオンザヒル」あたりからはそのヘタレっぷりに呼応して、大きな口を開けて笑ったり、ぽかんと口を開けてたり途方に暮れたり歯をむいてたり、今まで見たことのないいろんな表情を一気に見ました。

そして上述の「ボロ」と関連するのですが、認識を改めた点も一つ。
以前「勝地くんはいわゆる「華」のあるタイプではない」と書いたんですが、この日の彼はまぎれもなく「華」があった。
「バナナシューター」をクリアして大喜びしている時など、全身からキラキラした眩しいオーラを放っていた。
普段はその謙虚さゆえに自分から目立とうとしない彼が、ゲームに熱中するうち謙虚さのリミッターが緩んでいって、結果普段は抑制されているやんちゃ坊主の部分が表に出てきたような感じ。
謙虚さは間違いなく彼の美質だと思いますが、その謙虚さが目減りした時はした時で、また別の魅力を見せてくれる。

『この胸いっぱいの愛を』で勝地くんファンの第二段階に至った私は、さらにこの『フレンドパーク』で第三段階へと進んだような気がします。「病膏肓に入る」とでも申しましょうか(笑)。

 


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『東京フレンドパーク2』(2)-2

2007-05-14 00:42:42 | 東京フレンドパーク2
○フラッシュザウルス

・勝地くんがトップバッターというところに無理がある(笑)。他の人がやるのを見てからならもうちょっと間合いがつかめたんじゃないかと。
力なく笑いつつ床にへたれこむ勝地くん。どんどんヘタレ路線を確立しつつあります。

・ポンプの役を忘れて普通にみんなのそばでくつろいでる佐藤くん。
「くつろいでる場合じゃないです」とかツッコまれてるし。

・副支配人渡辺さんをポンプに指名する滝沢くん。
「ええー!?」と言いつつも受けてたった渡辺さん。ジャケットを脱ぎ捨てる仕草がリングにあがるボクサーのごとくです。

○アーケード7

7つのゲームを1人1個こなす。過半数が成功すればゲームクリア。

 ☆ブロウガンファイター(小澤さん、サポート佐藤くん)

・吹き矢は子供の頃から得意というだけあってスムーズに風船を割っていく。が、最後の列でハズレが続き、結局1秒の差でタイムアウト。
ハグし合おうとした小澤さんと佐藤くんが手を広げた状態のままフリーズする。
「(タイムアウトの表示が)読めますか~?」「僕英語全然読めないんです」がナイスボケ
(小澤さんはボストンに一年留学してたそう。「ボディ&ブレイン」で言ってました)。

 ☆ピザキャッチャー(照英さん)

・なんとノーミス、3秒でクリア。アニキカッコいい!この人はほんと何でもできるなあ。
「残った5秒俺にくれよ」(by小澤さん)。
あまりの上手さに「こんな商売してた?」と聞かれていた。どんな商売だ(笑)。

 ☆ビンゴトルネード(佐藤くん)

・焦ったためかなかなか的にあたらず時間切れ。
佐藤くんは高校で野球やってたそう。現役ピッチャーの勝地くんが投げてたらどうだったろう。

 ☆フライングバーガー(優ちゃん、サポート翔央くん)

・皆のヘディングによるサポートを待つまでもなく余裕を残してクリア。

 ☆フラワーボール(翔央くん、サポート優ちゃん)

・一球一球コースを確認してから投げてたのが災いしたかこれも時間切れ。
これで残り2ゲーム落とせなくなったと聞いた翔央くんが腕を組んだままじたじたしてる。小さな子供のようで何だか可愛かった(笑)。

・「かっちゃん、ここ救ってくれよ」と佐藤くんが勝地くんを斜め後ろから抱きこむ。
腕組んでるのに佐藤くんの腕にすっぽり入ってしまう勝地くん、華奢だなあ。

・ゲームの最初から、勝地くんに注目が集まるたび、優ちゃんは「かっちゃん」って楽しげに呼んでます(他のメンバーにも声援をとばしてるけど)。
なんか勝地くんのこと大好きっぽいですね。
いや男としては対象外だろうと思いますよ(彫りの深い外国人顔がタイプだと言っていたし)。
彼女のツッコミ魂を刺激してやまない存在というか、「この子は(何かボケたことを)やってくれる!」という熱い期待を感じます(笑)。

・「滝沢さんは~」と言いながら手裏剣投げるジェスチャーをする勝地くん。
何が言いたいのか周りのメンバーには通じたのか。

 ☆シュリケンアタック(滝沢くん)

・タイムアウトぎりぎりで最後の的を倒してゲームクリア。
最終的に全ゲームクリアできるかは次のバナナシューターにかかっている。しかも担当は一番の問題児という(笑)ドラマのような展開。
「任しといてください」と親指を立てる勝地くん。顔が引きつってますが。

 ☆バナナシューター(勝地くん、サポート小澤さん)

・「このへんに置いてもらいたいですね」「これでいいと思います」。声裏返ってるし。
渡辺さんの励ましの言葉「落ち着け、あきらめるな」。始める前から「あきらめるな」って。でも言いたくなる気持ちはわかります。

・結局十分時間に余裕を残しつつクリア。全身全霊で喜ぶ勝地くん。もうお調子者のやんちゃ坊主まんまの顔になってます。
目立ちたがりのガキ大将だったと本人が語るところの小学生時代はきっとこんな感じだったんだろうな。
勝地くんにメダル持たせてくれる滝沢くん、いい人だ。

○ボディ&ブレイン

・滝沢くんがプロレスラー志望だったという話は以前どこかで読んだことがありましたが、改めて意外ではある。客席からも「えー」と声が上がってました。

・佐藤くんはスニーカーを150足以上持ってたり、『ROOKIES』(という野球マンガ)を常に持ち歩いてたり、かなりマニアックな人な模様。
惚れ込む対象も惚れこみ方も男前だ。

・翔央くんの「ありがたいですねー」発言に「ほんとに16歳か」とツッコミが入る。
「フールオンザヒル」の時の「しかし!」と言い、語彙が妙に年寄りくさいのが可笑しい(勝地くんの語彙もけっこう死語が多かったりしますが)。
そして全くよどみない解答。滝沢くん大好きなんですね。

・サイモン&ガーファンクルを好きだといいながらタイトル一つしか言えない勝地くん。
きっと曲そのものにしか興味がないんでしょうね。
「サイレントオブサイレント」とか、すでに文法が間違ってるし。

・滝沢くんの「この世で一番好きなもの」が「カニ」って(笑)。カニを食べるためだけに車で富山まで行くというのもすごい。
「バカじゃないの」と言われてましたが、こういう「バカ」をやる人は個人的には好きだなあ。

・後半から応援に来たピン子さんの「プレッシャーに弱いんだから勝地は」に会場から笑いが。
「プレッシャーに弱い」のを実地に証明しつづけてますもんねえ。

・「小学生のころから大好きな方いらっしゃいますね」(正しくは『永遠の仔』で共演した中学生のころからのはず)「渡部篤郎さんです」。
この時えらく誇らしげな顔をしてるんですよね。名前を口にするだけでもそんなに嬉しいんだなあ。
渡部さんのモノマネは息が切れたか途中で玉砕してましたが。
私が知るかぎりでは『王様のブランチ』の時の「はじめまして渡部篤郎です」が一番似てました。

・「渡部さんがレギュラー出演したTBSのドラマを5つあげる」というお題。
「イケメン俳優がそんな顔していいのか?」てな表情をしてますが、不思議と醜い印象にはならない。
むしろやんちゃぽさが可愛い(欲目すぎ?)。歯茎が出ないせいかな。
この日の彼は本当にくるくると表情が変わるので見てて飽きない。
この顔面筋の柔らかさが繊細な表現力の源なのかも。

・『大化の改新』とか『里見八犬伝』とか・・・「レギュラー」って言ってるのにい。
「あぁわかんない、すみませーん!!」(声が完全にひっくりかえってる)、額から冷や汗流してたり、手で顔ぱしってやったり(この仕草はよくやってた)、顔を両手でおおって「あーもうー!」。
・・・正直、可愛すぎます。

・滝沢くん、パソコン部屋に5、6台はすごい。
ソフトの名前あげるのも「イラストレーター」「フォトショップ」「プレミアプロ」「DVゲート」とか映像系ばかり。
普通はまずワード、エクセルだろうに。とことんマニアですな。

(つづく)

 


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『東京フレンドパーク2』(2)-1

2007-05-11 00:23:25 | 東京フレンドパーク2
○入場

ここで「おや」と思ったことが一つ。
勝地くんは照英さんの隣だったんですが、184cmの照英さんと並んでも10cmと違わないように見える。あとで169cmの優ちゃんと並んだ時も5cmくらい高い。
少年体型だから一人で立ってると小柄に見えるし、プロフィールでは身長172cmになっているけど実際はもっとあるんじゃないか?
わざわざ身長を下方修正する男性芸能人もいないと思うので、「高三の身体測定以来計ってなかったので伸びてるのに気づきませんでした」とかそんなオチで。
・・・と思ってたら20歳の誕生日前後に事務所の公式プロフが「174cm」に訂正されてました。まだ伸びたりして。

○ウォールクラッシュ

・これ張り付き力にかなり個人差があるような。高い位置まで跳んだのに滑り落ちた小澤さんは明らかにグローブの粘着力が足りなかったし、一人では下りるどころかろくに身動きもできなかった優ちゃんは粘着力強すぎ。
勝地くんは壁についた手に引きずられて、器用にもひねりを入れつつ派手に転落してました。
まずは片手で、次は両手で10点ゾーンにタッチする手付きがキュート。

・優ちゃんが「適・・・(適当にやります)」と言いかけたのに、すかさず皆のツッコミが入る。いいチームワークだ(?)。

・勝地くんの番が来たとき、優ちゃんが爆笑してる(笑)。「ガソリンスタンドの兄ちゃんみたい」だったから?
何もしないうちから笑われてしまう勝地くん、いったい撮影現場でどれだけ天然かましてたんだ・・・。

・優ちゃんのグローブが髪の毛にくっついてしまうトラブルが。
髪直してくれたメイクさん、何も悪いことしてないのに照れ隠しに優ちゃんにはたかれてました。
だいぶ後の「ハプニング大賞」(だったかな?)でこの場面が紹介された時、本放送では映らなかった、心配そうに優ちゃんの顔を覗きこむ勝地くんの姿を見ることができました。

・佐藤くんがスタート地点に向かおうとする時、2回(優ちゃんのトラブルの前と後)とも勝地くんが背中をポンと叩いてます。仲良しさんだな。

・照英さんがクリアを決めゲームのクリアも確定したとき、勝地くんと佐藤くんがハイタッチしたあと腰まで下ろした手をちょっと前に出すような仕草をしてます。
そこで画面が切りかわっちゃうんですが、あそこでハグしてたのかな?
八犬伝チームは最年少の翔央くんを中心に、よくハグしあっていた。
勝地くんはゲームの成功率が低いためか誰かとハグする場面が出てこないんで、見てみたかったなーと。

○チュウチュウバスターズ

・「今年17歳になります」と紹介されていた翔央くん。
名前のテロップの横には17歳と出ているのに会話の中で16歳と言われてたりするのは、12月20日生まれのため収録当時はまだ16歳だったからですね。

・「若さがからぶっています」などとナレーションされる勝地くん。この表現ちょっとツボでした。

○ブンブンボーリング

・「これはクリアできるゲームなんですか」と佐藤くんがツッコむ。実際唯一クリアできなかったし。
勝地くんは2回に1回は当ててたので活躍したほうでしょうか。

・「どんなポーズで投げるの?」と言われて足を後ろに伸ばしてバレリーナみたいなポーズの翔央くん。義理堅く本当にそのポーズで投げてました。

・戻ってきたボールを受け取ってから投げたのでは間に合わないからと、じかにスパイクしてきっちり的を叩きおとす滝沢くん。カッコいい!

○フールオンザヒル

・滝沢くんが回答する前に、「もう一度覚えなおしてもいいですか」と弱気な照英さん。
覚えなおすか覚えなおさないかで二転三転しつつ、結局覚えなおさず再トライで無事クリア。滝沢くん出演ドラマの主題歌だったのがよかった。

・ほとんど音出てないのにラスト指さしポーズを決めて「さあ答えてくれ」と言わんばかりの滝沢くんと、「わかるわけないじゃないですか」と言い切る小澤さんのコンビが可笑しい。

・「マジンガーZ」って。ガンダムほどメジャーでなく、かといってオタクっぽくもなく、普通に男の子が好きそうでいて、「何でそんな古いの知ってんだよ!」とツッコミたくなるという、ある意味絶妙なところにオトしてくれる(笑)。
「マジンガーZ」の主題歌を知らなかったので、どんなもんかと借りて聴いてみましたが、マイアヒとはからっきし似てませんでした。

・まさかの三連続無音(笑)。でたらめに叩いても一音くらい出そうなもんなのに、ヘタレの神様に見込まれたかのようです。
あえて弁護するなら、彼の曲が一番難しかったと思うんですよ。最近のヒット曲でもないし、同じ音を繰り返すメロディーでもないし。
そして「ワン、ツー、ワン、ツー、×××」で入らなきゃいけないのに、なまじバックにカウントの声が入るだけに「フォー」まで待って叩き始めてしまってるのでどうしても出だしが遅れる。
3回目は早めのタイミングで叩き始めるようにしてたのでもう一回チャンスがあれば最初の音出せたかも。それにしても一音くらい・・・。
相方が佐藤くんでほんとよかった。上手に笑いに転化してくれましたから。
一度目のトライでは謝りたおし、二度目は「やっべえ~」って表情で言葉もなくうなだれ、三度目は「駄目だったもんはしょーがねーや」とばかりにしらっぱくれた顔をしてる勝地くんにつくづく笑わされました。
「ゼロです」とか無駄に渋いいい声なんだもんなあ。

・佐藤くん・翔央くんコンビの「森のくまさん」。
翔央くんが歌ってるところへ満面の笑みで腕を広げつつリズミカルに歩み寄ってくる佐藤くんが笑える。

・照英さんにヒントを送るべく、佐藤くんが「誰か助けてください!」。
翔央くんが目を閉じて見せたり(これすごく可愛かった)。いいコンビネーションだ。

(つづく)


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『東京フレンドパーク2』(1)

2007-05-07 23:32:51 | 東京フレンドパーク2

2006年1月2日放映。同日&翌日9:00~放送の正月ドラマ『里見八犬伝』の番宣。
出演者は滝沢秀明、佐藤隆太、小澤征悦、照英、山田優、勝地涼、山下翔央の七名。

「やばいよ勝地くん、(可愛すぎて)やばいよ!」とテレビの前でぶつぶつ呟きながら鑑賞。
謙虚な性格からいっても芸能界のポジション的にいっても、まあそんなに目立つことはないだろうなと思ってたんですが、どうしてどうして。ある意味めちゃくちゃ目立っていました。

いやほんとに紅一点の山田優ちゃんをさしおいて、十代の男の子二人がやばい勢いで可愛かった(優ちゃんは男前だった)。
翔央くんも勝地くんに負けず劣らず天然くんですね。といっても方向性は多少違っていて、そっち系?の人の用語でいうと、勝地くんドジっ子、翔央くん不思議ちゃんという感じでしょうか
(この二人、撮影中「楽屋同じだっけ?」ってくらいしょっちゅう一緒にいたそうですが、天然キャラ同士、ボケにボケで返して際限なくボケ続ける会話を繰り広げてそうなイメージです)。

他のメンバーも頼もしいアニキあり(照英さん、小澤さん)、楽しい盛り上げ役あり(佐藤くん)、強気なツッコミ役あり(優ちゃん)のバランスの良さ。
それをチームリーダーとしてちょうど年齢的に真ん中(23歳)の滝沢くんがまとめる。
偉ぶるでもなく、損な役回り(ゲームのトリとか)も引き受けて、いいリーダーぷりを発揮していました。
以下勝地くん中心に各ゲームの感想などを。

 


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『六番目の小夜子』(3)(注・ネタバレしてます)

2007-05-04 00:48:50 | 他作品

玲はドラマのオリジナルキャラですが、関根秋も本人の性格と果たす役割こそ原作とさほど違わないものの、バックボーンの部分はかなり異なっています。
すなわち「両親が離婚」「心臓病で一年留年」、この二つの結果として「名字の違う(父親に引き取られた)弟と同学年」の三点。

原作の秋は高校生ですがドラマでは中学生。
高校生としてさえ大人びた秋のパーソナリティの説明として親の離婚、病気、留年といった苦労を背負わせ(物語の最初の方で、秋がユキに学校では「兄ちゃん」と呼ばないよう苛立たしげに言う場面がありますが、同学年に弟がいることで自然と周りの目が「留年」と「親の離婚」に向いてしまうことに強いプレッシャーを感じているのがわかります)、さらに周囲より年上ということで自然に皆が彼を立て話を拝聴するようなスタイルを違和感なく成立させた。

そして弟・由紀夫との関係。
原作では同年の親友であるユキをなぜ弟設定に変えたのかは不明ですが、想像するならユキを弟=目下に持っていくことで、秋のユキに対するさまざまなコンプレックスをより強める効果を期待したのかも。
メインキャストの一人でありながら、作品の根幹である「サヨコ」をめぐる騒ぎにユキは直接にはほとんど関わっていない(クラスも違うし)。
彼の存在意義はもっぱら関根秋のキャラクターに陰影を加えることにあるように思えます。

運動が得意(バスケ部)で明るく単純明快な、心身とも健康そのものの弟。
二人がとっくみ合いをする場面がありますが、本気でやりあったら兄より背も高くアウトドア派のユキの方がおそらくは強い。
基本的に「陽」であるユキの存在が秋の「陰」を強調する役割を果たしている。
秋はユキに対しても、玲に対すると同様の眩しさや羨望を持っていたと思います。

同時に心臓病のゆえに自分の方が母に引き取られたことに対する罪悪感もあったはず。
「父の新生活に張りを与えるため」などという理由で父の側にやられたユキは、父が相変わらずふらふらしてるために一人で食事を取ることが多かったり、しょっちゅう母の花屋を手伝ってたりしている。
そんな家庭での孤独、離れて暮らす母への思慕を想像させる言動に触れるたび、秋は密かに心を痛めていたに違いない。

そしてユキの方も兄が自分に抱いている感情をおよそ察知していたのでしょう。
彼も基本的には「明るく単純明快」ではあっても「陽」一色の平面的なキャラ設定ではない(この作品にそんなキャラは存在しない)。
秋ほど小難しく思いつめるタイプではないものの、理由はどうあれ母が兄の方を「選んだ」ことへのわだかまりや、「選ばれなかった」辛さを知るからこそ自分が父を見捨てて母のもとへは行けないという思いが、秋と違って論理的に整理されることのないままに心の中に積もっていたのでは。

ユキが母方に引き取られるかどうかという問題が持ち上がって以降、自称「野生児」のユキの表情にも複雑な翳りがちらつくようになりますが、ユキの、というより勝地涼の魅力は、ユキ本来の「陽」の部分よりこうした「陽中の陰」の部分に多く表れていたように思います。
勝地くん本人は明るくやんちゃな少年だったようですが、俳優としての資質は当時はむしろ「陰」の方を向いていた(今は「陽」と「陰」のどちらもハマる)。
彼の持ち味はほぼ同時に撮影していた(『六小夜』が若干早い)『永遠の仔』の被虐待児童役の方でより良く発揮されたと言えるでしょう。 

話は変わりますが、お母さんと暮らしているのは秋の方なのに、お母さんが経営する花屋を手伝うのがいつもユキなのは、勝地くん自身のお母さんがお花屋さんなのに由来してるんじゃないでしょうか。
主要キャストは皆若いだけに演技の経験が浅く、とくに勝地くんはこれがほとんど初演技だったそう。
少しでも本人に近い役の方が演じやすいだろう、とスタッフが配慮した可能性はあるのでは。

そういえば、ユキはお母さんと一緒の場面は多い一方で、一緒に暮らしてるはずのお父さん(古尾谷雅人さん)とは一緒のシーンが一ヶ所もない。
ひょっとすると『永遠の仔』でも古尾谷さんと共演していて、そちらでは一種敵対する役柄だったので、勝地くんが混乱しないように、ということだったのかも。


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『六番目の小夜子』(2)(注・ややネタバレ気味)

2007-05-01 01:47:42 | 他作品
中学校が舞台であるためキャストも12歳~16歳くらい、それもデビューから間もない経験の浅い若手俳優・女優がほとんどだったらしいのに、そのわりには皆なかなかの演技を見せていました。
とくにメインのメンバーについてはまさに「栴檀は双葉より芳し」。荒削りながらも現在彼らが演技派の俳優として活躍している、その下地が十分うかがえました。
しかもやけに美形率が高い(笑)。一部で美少年・美少女鑑賞用ドラマと評されていたのもむべなるかな。

 

☆潮田玲-鈴木杏
撮影当時杏ちゃんは小学六年生。おそらくキャストの最年少かと思われます。幼く愛らしい容姿が元気で無邪気な玲のキャラクターにぴったりでした。
一方でそんな玲が内に抱えている、彼女を「サヨコ」伝説に引き寄せたコンプレックスもしっかり表現できていた。
夜の公園で沙世子に「サヨコ」になりたかった理由を語る場面、クラスメートを相手に懸命に沙世子を弁護する場面などの演技もごく自然に玲の感情を伝えていました。

☆津村沙世子-栗山千明
デビュー作『死国』以来ホラーがかった役が多い感のある彼女。見る者をぞくっとさせるような、妖艶な美貌のゆえでしょう。
沙世子はただ立っているだけでも周囲を圧倒するオーラと美貌を要する役柄であり、まさに栗山さんははまり役でした。
沙世子に存在感がなかったら物語自体成立しなくなるので。さすが原作者の指名だけのことはある。
演技の方も文化祭の劇の顛末について皆から責められ「あたしのどこがいけないのかなあ?」と涙声で迫る場面は見事だった。
唇の端を軽く吊り上げて嫣然と微笑むだけで人間離れした空気を醸しだし視聴者に恐怖感を与える一方、玲と「サヨコ」がらみで活動するときは年相応の無邪気な笑顔を見せる。
表情しだいで全く異なる雰囲気を纏える。大した女優さんです。

☆関根秋-山田孝之
二人の美少女ヒロインをさしおいて、その美少年ぶりで一番人気をさらったのは彼だったそう。少女めいた顔立ちと陰のある雰囲気で知的でナイーブな少年をよく表現していました。繊細な表情の動きもよかった。
作中でもっとも複雑な心情と事情を抱えた(沙世子もいろいろと複雑そうですが、彼女の家庭環境が本当はどうなのか謎は解けていない)キャラであり、探偵役を兼ねている部分もあるので、この作品の要と言ってよい存在。
山田くんが演じたことで、秋を通して作品全体にも柔らかな哀愁が加わったように思います。

☆花宮雅子(まあ)-松本まりか
原作ではまあがヒロインだったのですが、ドラマでは玲の存在が加わったことでその友達という設定に。
ドラマやマンガでよくある、いつも主人公の近くにいるけどさほどストーリーとは絡まないキャラ。・・・と思わせておいて、後半はほとんど彼女の「狂気」が作品を動かしていく。
ヒステリックに叫んだり、沙世子や玲を詰問したり、テンションの高い芝居を上手にこなしていました。滑舌もクリアだし、舞台にも向いてそう(声質はアニメ系ですが。実際アニメの声優の仕事もしてるそうで)。
あと泣き叫ぶ場面が多いのに顔を歪めても表情がとても綺麗なのにも感心しました。杏ちゃんや栗山さんとはまた別のタイプの美少女ですね。

☆唐沢由紀夫(ユキ)-勝地涼
秋の弟(離婚した両親にそれぞれに引き取られたため名字が違う)だが、見事なほど似てない兄弟。
小柄で頬のふっくらした、茶がかった髪と大きな目が西洋人形を思わせる秋。ほっそりと背が高く、ストレートの黒髪と涼しい目元の純和風なユキ。
それを兄弟設定(原作では同年の親友)にしたことで、二人の容姿の違い-ベクトルの異なる美少年ぶりを印象づける効果をもたらしていました。
ほぼ同時期撮影(撮影開始は『六小夜』が若干早い)の『永遠の仔』で役の気持ちを考えて演じることを学んだ、と以前インタビューで話してましたが、その学習成果が生かされるか生かされないかの頃に撮ったこのドラマでも、ふとした表情でユキの悩みや迷い、怯えなどをちゃんと出せていたと思います。


『六小夜』は脚本のみならず映像レベルでも、玲と沙世子が傘の雨粒を飛ばしあって遊ぶシーン、渡り廊下でカメラを向け合うシーン、別れ際線路沿いでの抱擁など美しい場面がたくさんあるのですが、彼らが美少年美少女だからこそ、その美しさ、瑞々しさが際立っている部分もあったと思います。
キャストそれぞれのファンにとっても嬉しい映像がたくさんあるんじゃないかな。 
あと出番は多くないものの「サヨコ」への関心を通してキャラクターを深く掘り下げてあった加藤役の山崎育三郎くん、内面についてはほとんど説明されないものの常に玲や秋の近くにいてオネエ言葉で作品に華を(?)添えていた溝口役鳥居紀彦くんも良い演技を見せていました。


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