goo blog サービス終了のお知らせ 

about him

俳優・勝地涼くんのこと。

『未来講師めぐる』(2)-20(注・ネタバレしてます)

2009-08-17 01:50:31 | 未来講師めぐる
・めぐるが逮捕され、おじいちゃんと真悟が監禁されてる間、みちる一人のはずの吉田家にはずっと江口が泊まりこんでいたそうな。
下はタオル一丁でうろうろし果てはモザイクまでかかる(笑)ような姿の江口にもまるで動じずに笑ってるみちるの様子からするに、ついにデキあがっちゃいましたか?でも前回の終盤といい今回のラストといい高尾山先生とラブラブなんだよな~・・・。

・千鶴といづみから卒塾式が提案される。無事に都立の二次に受かったらしいいづみは、以前の拗ねたような態度が消え、ごく柔らかい笑みを浮かべている。
めぐるの言葉がどの程度彼女の中に沁み込んでいるのかは定かでありませんが、千鶴ともども卒塾式の発起人になってるくらいですから、この塾やめぐるに対する感謝の思いはあるのだと思います。
ちゃんと塾のイメージキャラクターのイラスト式の案内プリント作ってくるくらいですし。

・「警察に母」の張り紙を出して署内で占い小屋を開いている愛子。行列までできてすっかり繁盛の様子。手錠+頭から上着かぶせられてる人まで並んでます。
中で愛子に転職を勧められているのはこないだの女性の相棒の人ですね?だからなのかなんか氷高の相棒さっそく変わってますし。

・永作は真悟の口に無理矢理食べ物を突っ込み自分の未来を見ろと迫る。「父さんこの先どうなる。どうすればいいんだよ!?」と叫ぶ様子に、一見不気味で余裕ありげだった永作が、内心不安でならなかったのを感じさせます。
警察に追われマスコミから叩かれだから思えば当然。だからこそめぐるをああも追いまわし、おじいちゃんと真悟を拉致までした。そんな永作の孤独感と苦しみがこのわずかなシーンで浮き彫りになっています。
おじいちゃんに「人質である前にな、わしゃお前の父親じゃ、バカ!」と泣きながらはたかれたとき、永作も泣き出しそうな顔をしていましたし。

・めぐるが塾にやってくると塾の階段下に堂々「出所祝い会場」の看板が。こりゃ人聞きが悪いわ。塾の下の階にある洋服屋さんの「20%sale」のポップとの温度差がすごい。

・はまるを教室に連れ込み、英語で「あなたの仕事は何ですか?」と英語の授業の形式にのっとって、はまるが父親の責務を果たしていないことを非難するめぐる。
主人公を塾の講師に設定した時点ですでにこの最終回の展開を考えてたんでしょうか?ただ娘が父親を責めるのでなく、先生として教え諭すというニュアンスを上手に含んでいる。
これまで場当たり的にいい加減に生きてきたはまるの目を開かせるきっかけとして実に上手く設定されたシーンだと思います。

・新たな相棒とともにはまるを探して塾へやってきた氷高を講師陣+ユーキが阻止しようとする。
このとき画面の奥に姿を見せた塾長が(例によってなぜか指でリズムを取りながら)歩いてくるとき頭が見切れるアングルになってるので、「またヘンなヅラかぶってるんだろうな」と思ったらなんと金八ヘア。台詞も「今は授業中ですから」。
第六回で塾長が金八好きなのはすでに明かされてるので驚きつつも突飛なコスプレというわけではない。しかし塾長どれだけヅラストックしてるんですか。

・めぐるを引っ張って塾を出て行ったはまるを追おうとする氷高の前に、ユーキが両手を広げて立ちはだかる。「これは吉田家の問題です。警察の出る幕じゃない」。
おお何とカッコいい。「吉田家」と口にしたところで自分の胸に手をあてる身内意識もカッコいい。案の定「君は吉田じゃないだろう」と返され、「いずれ吉田ユーキに・・・」なる反論は全然聞いてもらえてませんが。

・ユーキに続いて江口、ついで高尾山がさらにドアの前に立ちはだかる。
「なんなんだね君たちは」と聞かれて、「吉田先生の、た、単なる同僚です」と答える江口。
恋人のユーキでさえ「吉田じゃないだろう」で一蹴されたのを受けて、最初から自分とめぐるの繋がりはさほど強いものではないと認めたうえでそれでもめぐるを助けようとする彼らの姿もまためちゃめちゃカッコいいです。

・氷高とユーキたちがもみ合うところへ、ティーカップを持ったみちるが後ろからそっと近寄り、氷高の襟首から熱いお茶を注ぎ入れる。なんと強力な攻撃。塾長が「そう熱くならずに」と氷高をいなした直後なのがまた可笑しい。
さらにみちるはユーキを殴ろうとしてた?相棒の前に立ち塞がって天使の笑顔で「死んじゃえよ」。ショックもあらわに硬直する相棒。みちる最強です。

・硬直する相棒を後ろからだるまさん付きトロフィーで殴り倒す塾長。だるまに軽くキスしてポーズを決めるのがキザだけど格好いいです。
しかしみんなそろって公務執行妨害もいいところ。「容疑者マサルとゆかいな仲間達アカデミー」になっちゃいますよ。
当然のように全員が警察を敵に回してめぐるを守りにかかった、日頃なんだかんだと言っていても素晴らしいチームワークであり素晴らしい職場ですね。

・めぐるを連れて雄雄しく「丸顔食堂」に乗り込もうとするはまるは、たまたま主人が出てきたのにびびって、めぐるの後ろにこそこそ隠れる。うわーカッコ悪い。
ついでに主人の態度に腹を立てためぐるが「全然丸顔じゃないし」と非常にどうでもいいことに突っこんでいるのが可笑しいです。

・永作に急を知らせに部屋にかけつけた主人は「先生、大変です。外にご家族が」。事実なんだけど、なんか緊迫感が全然です(笑)。

・拡声器でおじいちゃんに対して呼びかけを始めるはまる。
「私はあなたが苦手です」という意表をついた告白からはじまり、めぐるをおじいちゃんに預けっぱなしにした真相、めぐるのためにおじいちゃんと一緒に暮らそうという決心までが語られる。はまるの一番の見せ場なのでは。とくに「俺は娘のことしか考えられない。俺はめぐる目線でしか物事を見られない」というくだりにはじんときました。
それだけに肝心のおじいちゃんはこの場に不在で何も聞いていなかったというオチは実に気の毒。

・めぐるの家にかけつけたユーキは縁側で普通におじいちゃんが絵を描いてるのを見てびっくり。いつものように散歩から帰ってきたというおじいちゃんに「帰ってきちゃ、ダメじゃね?」。
確かに勝手に家に帰ってくるというのは人質としては間違ってるんですが、好きで人質にされたわけじゃあるまいし無事に帰ってきたのを喜ぶのが本当なんでは?おじいちゃんも「あーいけねー!」って納得してユーキに連れられて「丸顔食堂」に戻っちゃうし。

・すでに日も沈もうという頃、反応のない屋内にめぐるが再び呼びかけをはじめる。
このときのはまるのダレっぷりが(笑)。道に寝転んで煙草ふかすってどれだけ気が抜けてるのか。

・永作のせいで自分の運命が変わり警察につかまるはめにもなったが、それで永作を恨むつもりはないとめぐるは言う。「人と人が関わるってそういうことだから。出会った人の数だけ未来があるんです」。
第8回でいづみに話しかけたテーマがここに改めて集約されています。

・おじいちゃんを背負って現れたユーキ。家からずっとおじいちゃん背負って滑ってきたんでしょうか?
「丸顔食堂」、その田舎風の立地からみるにそんなに吉田家から近くないように思えるんですが(DVDのコメンタリーによるとロケ地は高崎だそうです)。さすがにかなりバテてる感じです。まあおじいちゃんが徒歩でやってくる程度の距離ではあるんですが。

・「少し不思議がSFなら、すごく普通もSFなんだぞ」。
はまるの言うとおりわかったようなわからないような台詞ではありますが、要は第8回でめぐるが言っていたように「普通というのはすごく難しいこと」であり、超能力などない普通の人間としての平凡な人生は決してエスパーとしての人生に価値が劣るわけではない、という意味ですね。
それを第1回以来視聴者になじみのある「SF=少し不思議」という定義を持ち出して、特に飾った言葉を用いることなく、はっと目を開かされるようなフレーズに仕上げている。宮藤さんの脚本の妙を感じます。
その名台詞を「わかったようなわからないような」と軽くコメディタッチに流すあたりのシャイな感覚も好もしいです。

・めぐるにカツ丼を差し入れ、真悟の未来を見てほしいと懇願する永作。
ここにいたっていきなり息子思いのお父さんの顔を見せ始めた永作ですが、もしかするとずっと真悟の方が父に能力を利用されることを恐れて心を閉ざしていたことが二人の親子関係を歪めていたのかもしれません。
そういえば真悟のお母さんはどうしてるんでしょう。亡くなったのか夫から逃げたのか。真悟の年齢(小6)からすると彼が生まれたのはバブル崩壊後、永作がヨガに傾倒して以降ということになるので、その頃に知り合った女性なんですかね。

・すっかり暗くなってからようやくパトカーでかけつけてきた氷高。どんな経緯で彼はこの場所を知ったんでしょう。
めぐるが心配したとおり、はまるが大掛かりに照明やら何やら持ち込んだせいで目立ちすぎて内々ですまなくなっちゃったのか。

・父に送り出され食堂の玄関から出てきた真悟32はお坊さんの姿。真悟とめぐるは互いに駆け寄り固く抱き合う。
おそらく真悟はかねてから怖れていた父親のもとでの人質生活から解放された安堵感と、にもかかわらず最後に父の愛情に気づいてしまったゆえの別れ難さと、二つの感情のなかで激しく揺れ動いているのでしょう。

・永作に上着をかぶせて連行する氷高は63歳の姿になっている。
そばにいる青のキラキラスーツの人は相棒の20年後ですか?玄関先にたって見送る主人は死人ルック。こちら側にはユーキ43―つまりこの場に田口さんが二人―もいる。なんともカオスな光景です。

・上着を取った永作62はやはりお坊さんの姿。しかもその装束の色から察するに結構な高僧ではないかと思われます。出所後仏門に入り徳を積むのでしょうね。
そしてその傍らにはやはり修行僧の真悟がいる。自分の未来は諦めてかかってた永作ですが、どうして捨てたもんではありません。

・ついに出た20年後のはまるの姿は政治家。愛子がお父さんはこの先出世すると予言してましたがこういうことか。もっとも選挙運動中らしく名前の書いたタスキを掛けた状態なので当選するかどうかまだわかりませんが。

・頭の三角巾(というのか)がなくなっているのに、未来が変わったと大喜びするおじいちゃん。先行き長くないことについては達観してるようでしたが、やっぱり長生きはしたいですもんね。さらに「永作が未来を変えてくれた」と思い込んだのも大きいかも。
結局これはたまたま三角巾が落ちただけの勘違いだったようですが、そのわりには鼻の綿もないし顔色も白くはない。案外本当に寿命が延びた可能性もあるんでは。

・塾に戻っためぐるがユーキに促され奥の部屋へゆくと、そこには講師+生徒たちが待っていて大歓迎してくれる。何時間もの間みんな待っていてくれたんですね。
「おつとめごくろうさまです!」のポーズつき挨拶に続きめぐるコール。めぐるみんなに愛されてますね。

・吉田家で暮らすようになったはまる・愛子夫妻+真悟。ど派手なガウンを着て、一人フランス料理をシェフに運んでもらうはまるの浮きっぷりがすさまじい。そのあとのダジャレ数連発は船越さんのアドリブでしょうか?

・猫舌の愛子が「あちっ!」と悲鳴をあげたのを聞いて、はまるはかけつけるとお碗をフーフー吹いてやる。何気に優しい旦那様です。
そこで自分と愛子を交互に指差して「フーフ」→二人揃って爆笑。めぐるとユーキを上回るバカップルぷりです。二人で住んでたときも12年間こんな調子だったんでしょうか?

・神社の境内で藪中にスケートを教えるユーキ。休日返上なんだろうか?実は仲良しなのかという気もします。「藪さん」って呼んでますしね。
このへん撮影の空き時間に一緒に渡部篤朗さんの物マネで遊んでたという勝地くんと佐藤さんの仲の良さが反映されたのかもしれません。

・実はユーキもエスパーでめぐるの心だけ読むことができるのだと、真悟の口から明かされる。
確かにユーキはめぐるのピンチを感じ取っては駆けつけてきたし、この最終回ではめぐるの言わんとすることを言うまえからすべて読み取っていた。どうせなら超能力のせいなんてオチではなく、本人が言ってた通り「やっぱり愛じゃね?」のほうが良かったような気が。
でもめぐるの心しか読めない――めぐる限定の能力なら「愛の力」にも等しいか。

・ユーキとめぐるは笑顔で指輪を見せ合い、めぐるはユーキのもとに駆け寄ってゆく。
そんな二人を見つめながら真悟はベビースターラーメンを口に入れて、これまでにないほど楽しそうに微笑む。ベビースターを一気食べして満腹になった彼の目に映る20年後の二人は見た目からして幸せそうなんでしょうね。
実は前回のタイトル「最初で最後のキス!?」の「最後」という表現がずっと引っ掛かっていて、ひょっとして20年後に逮捕される予定だっためぐるが逮捕→釈放されたことで、最終回に至って「ユーキの未来が変わる=ビジュアルが田口さんじゃなくなる」んじゃなくなるのかもと想像していました。
そうなったら田口さんビジュアルのユーキ43とのキスシーンはたしかにあれが最初で最後ということになる。そして、以降のユーキ43は第4回のアキラのように勝地くんが老けメイクで演じるんじゃなかろうかと。
でもそんなオチにならずホッとしました。ユーキ43にあれだけ愛着を覚えているめぐるですから、20年後のユーキの見た目が変わってしまったらハッピーエンドにならなくなっちゃいますもんね。

・塾の名前は新たに「門田大とゆかいなアカデミー(決)」に。これまでと違うのは名前の後に「(決)」の文字が加わったこと、ビクトリー先輩の代わりに塾長を含む先生たち全員の似顔絵が書かれていること。
めぐるのために警察にさえ立ち向かい、にぎやかな出所祝いを開き、塾解散のピンチを何とかともに切り抜けた、そんな連帯感が「みんながそろっていてこその塾」との思いを全員に生んだのかもしれません。
ところでこの似顔絵、めぐるはまだしも他全員似なさすぎて笑えます。

・模索に模索を重ねて原点に戻ってしまったみちるちゃん。
そういえば4月からの吉田家の顔触れのなかにみちるは含まれていなかった。一人暮らしのための部屋を雑誌で探してましたが、どうやら無事見つかって独立した模様。
あからさまに高尾山にひっついて江口は丸無視なのがあいかわらずひどいです。

・塾長のカツラは心ある人が届けてくれたとのことですが、つまり塾の関係者以外にも塾長がヅラなのが知れ渡ってたってことですね?

・続々塾に入ってくる生徒たちの中で、今市くんだけがちょっと大きなお兄さん。つーか高校受験生はその後も入ってこないままなんですか?もはや中三クラスは個人授業ですね。小三クラスは新しい子供が入ってきてるようなのになあ。

・小三クラスで、「先生にはみんなの未来が見えます」といきなりカミングアウトか?と思うような挨拶をするめぐる。
続く話の内容からすると上手く比喩的な意味で解釈してもらえそうですが。いやそれ以前に小三だし意味自体わかってもらえてない様子。
しかし「みんなの輝かしい未来」としてかつての生徒たちの20年後の姿を並べるさい、「ずるぷよさん」てのが出てくる(笑)。「ずるぷよさん」という略し方もすごければ全然「輝かしい未来」に聞こえないのもすごい。

・アルファベットの積み木?を出してABCの読みを指導するめぐる。しかしCの文字がいきなり一部分が欠けた(さっきめぐるが食べた)バウムクーヘンだったというオチ。
一瞬慌てたものの、めぐるは生徒たちに背を向けて一口頬張り、実に嬉しそうな笑顔になる。台本だと焦って「げっ!」と叫んだところで終わってますが、このキュートな、懲りてない笑顔とほのぼのしたBGMで終わる方が、おもちゃ箱を引っくりかえしたようなキラキラした楽しさにみちている『未来講師めぐる』という物語にはふさわしい幕引きのように思えます。
最後の「NOW」の文字もこのドラマの別れがなごり惜しくてならないファンには「まだまだ終わらないよ」と言われているようで嬉しい♪

・次回予告の代わりにいきなり『未来ナースめぐる』の宣伝が!まさか本気でやるのか!?と思わせておいて、DVD-BOXでオチをつけてくれました。ほとんど楽屋オチですねありゃ。プロレスかボクシングでリングに上がる選手の名前を紹介するときのような、超ハイテンションのキャスト紹介の声がツボでした。
そして恒例のハートマークの小窓は、いつもはめぐる一人なのに今回はユーキと二人並んで「またねー♪」と手を振っているのが微笑ましくて何か幸せな気分になりました。最後藪中さんになにやら邪魔されていましたけど(笑)。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『未来講師めぐる』(2)-19(注・ネタバレしてます)

2009-08-14 01:34:10 | 未来講師めぐる
〈最終回〉

・どこかの田舎町?の店先で週刊誌(『隔週朝日』)を手にとるはまる。BGMがなぜに寅さん(笑)。いきなりはまるの一人語りで始まるというのも新機軸。
ところでこの『隔週朝日』(ナイスなネーミングだ)の表紙の男性モデルさん、「パねログ」によれば『めぐる』の衣装を担当された遠藤良樹さんだそう。本職のモデルさんのようなはまり方です。おもろいカメオ出演だなあ。

・永作にさらわれたおじいちゃんたちを心配していたら、なんと入った先の食堂であっさり出会ってしまう。その名も「丸顔食堂」。なんか緊迫感ないです。
そして7の形のウンコが出たといってポーズ付きで喜ぶ永作は、塾長と変なところで同レベル。

・取調室で氷高に尋問を受けるめぐる。めぐるの前にカツ丼が置かれているのがいかにも「容疑者吉田」然としてて笑った。
向かい合う氷高の前にはティーセット。意外にハイソな人ですね。

・吉田めぐるに関する調査書の内容を示すという形で、これまでのストーリーを振り返る。
「彼氏と復縁」はそれ自体全然超能力と関係ないし、「エロビデオ」に至っては事件でさえない。どんな調査書ですか。

・(めぐるがやっていることは)スケールが小さい、大した「自慢」じゃないという氷高に、「おせっかいなんです」「心に小さいおばちゃんを飼ってるんです」と話すめぐる。
「小さいおばちゃん」という表現がナイス。でもこれに続く、「みんなの心におばちゃんがいれば、私なんていなくても世の中はもっと平和に~」という発言は確かにその通りかも、とちょっと考えさせられてしまった。
力を世界平和のために役立てるなどと大上段に振りかぶるのでなく、目の前の小さな事件に一つ一つ誠実に懸命に対応していく、誰もがそのように振るまえれば――他人を思いやり行動する気持ちを持てば、世の中は少しずつでもよくなっていく。
そんな提言がさりげなくなされています。ところで今度の相棒は女性ですか。

・出頭した愛子が身代わりになったことで釈放されためぐる。「こうして私は晴れてシャバに出ることになりました」というモノローグがなんかヤクザ者のようでそのアンバランスさが可笑しい。
出迎えるユーキはいつもの「ダイアナ」の制服に「吉田めぐるは無実です」というタスキを掛けている。制服で社会運動めいたことをやって差し障りないんですかね。
次回予告ではユーキがめぐるの無実を訴えるビラを通りすがりの人に配ってる姿が出てたんですが、「尺がもったいねえって話で」カットされてしまったのが惜しい。DVDの未公開映像集でやっと見ることができました。

・めぐるとの再会を喜ぶユーキ。「13時間38分ぶりっす~!」と会えなかった時間を即座に正確に言えるユーキはすごい、つーかちょっとコワい。
しかし13時間38分・・・つまり半日ちょっと。実は全然大した時間じゃないんでは。

・「自分にとってめぐるはある意味危険人物。取り扱い注意?クマ出没注意的な?」 後半ヘンなこと言ってますが、さりげなく深い愛情のにじみ出た台詞のように感じます。

・ユーキは「めぐるが獄中にいる間~」と発言するたびにちょっと前かがみにお辞儀するような仕草になる。まさに「おつとめご苦労さまです」のボーズ。めぐるはヤクザの親分か。

・「ダイアナ」で立ち働く千鶴は以前より大分ローラースケートが上達している。前とまた違う制服を着ていますがこのデザインも可愛いな♪ユーキいわくめぐるが獄中にいる間にずいぶん練習したのだそうですが、獄中にいた時間って・・・たかだか半日じゃん?
あとでめぐる逮捕の報が週刊誌に載った日から翌日にかけて塾をやめる人間が押しかけたという話も出てくるので、めぐるが獄中にいた時間=ユーキとめぐるが最後に会ってから再会するまでの時間ではないんだろうか。収監中に面会に行ったってこと?
そもそもよく考えたら刑務所に入ったわけじゃないのに獄中獄中言ってるのもなあ。

・めぐるのいるテーブルの後ろで上手くローラーを操れずよたよたしてるのはなんと藪中店長。
新たなバイト先のレストランが「ダイアナ」社長=アキラに買収されてここで働くことになったという話が紹介され、「ダイアナ」の看板隣のアキラの顔の看板がアップになる。
こんな形でアキラが一応最登場してるのはやはり最終回のサービスということですかね。

・ローラーでよたよたしてた藪中が意外に確かな足どりでめぐるのテーブルにやってくる。というか歩いてくる。そもそも片足しかローラー履いてないのはなぜだ。そりゃ上手く滑れないはずです。
ホットドッグ屋台に勤めてなお石焼の鍋を運んでるのは、レストランを買収ついでに藪中の前職である焼肉店風のメニューを「ダイアナ」に取り込んだんですかね(もしやこれがラストで名前の出てきた「アミンバドッグ」なんだろうか。第一回に名のみ登場したアミンバがこんなところで再びネタになろうとは)。
そのためにもういい年の(大分性格にも問題のある)藪中を雇ったと。焼肉店時代はあれだけ衝突してたユーキがそれなりに面倒見てるのが微笑ましい。

・ユーキに「喋ってないで早く運んで」と言われて、オーダーを運ぶ藪中が妙にすーっと滑ってくと思ったら、「正直レールだよ」との台詞。映ってない足元に真っ直ぐなレール敷いてあるわけやね(笑)。
コメンタリーによるとこれは佐藤さんのアドリブだそうで。裏方をバラしまくってます。

・めぐるが獄中にいる間ムダ毛処理してなかったから、「もうじき眉が繋がりそうっす~!」と嬉々として語るユーキ。再会シーンからなんかユーキの眉がヘンだと思ったらわざとだったのか。
めぐるの無事を祈っての願掛けなんでしょうが、ヒゲはそって眉は手入れしないとか基準がよくわからない。しかもなぜか眉つながるのが嬉しそうだし。これ何か元ネタがあるんですかね。

・めぐるとユーキが上述のような会話をしてる間、背景で藪中店長がアキラの立看板をバキバキにちぎっている。
会社を買収された恨みがあるのはわかるんですが、こうして拾ってもらえたんだしさあ。この怪行動を周囲のお客さんはどう思っているやら。

・久々に塾へと向かうめぐるは自分が受け入れてもらえるか不安がるが、「もう以前の食いしん坊キャラにはもどれない」とかなんか緊迫感ないのがめぐるの良さですね。
看板があいかわらず「未来が見える吉田アカデミー」になってることで、自分は受け入れられてるとホッとしためぐるですが、塾長が「まーた落ちちゃったよ」と言いつつ拾い上げ、めぐるを見つめて慌てて隠した紙?には「容疑者」の文字が。
「容疑者吉田アカデミー」ってどんな塾だよ。だからますます生徒が辞めてくんじゃないか。

・戻ってきためぐるにテーブルの上狭しとつぎつぎお菓子を並べてくれる先生たち。やはりめぐるを歓迎するなら食べ物ですね。
しかしみちるの格好は模索中とはいえ講師としていかがなものか。どうせ生徒いないからいいのかなあ。

・最後の生徒も電話で辞める旨を伝えてきて、ついに塾解散へ。塾長は一人一人(例外あり)をゴレンジャーに例えて別れを告げる。
意表をついてめぐるがモモレンジャーでなくキレンジャーなのは、戦隊もののイエローは太っちょキャラが多いから食いしん坊のめぐるで、ということなんでしょうね。

・塾長は最後の挨拶がわりにヅラを外して床にそっと置く。この時の自分に酔った表情が最高です。これ山口百恵さんのラストコンサートが元ネタなんだそうで。バックに拍手や音楽まで流しながらの大仰なシーンが静かな笑いを呼ぶ。
ここで塾長が第一回以来の塾名のすべてを口にするのですが、さすがにちょっと噛んでいる。メイキングを見ると、このシーン噛んで噛んで10回くらいやりなおししてます。
武田さんが悪いのではなく、台詞の方に無理がある。ほとんど嫌がらせのような長台詞ですからね。よくぞやってのけたものです。拍手。

・塾解散を宣言したところに中三クラスの今市くんが入ってくる。彼が都立の二次募集に落ちたから引き続きこちらで世話になりたいと切り出すと、全員これで塾が存続できると大はしゃぎ。
気持ちはわかりますが、高校浪人が決定したばかりの今市くんの目の前でいかがなものかと。まあこうあけっぴろげに喜んでくれると、かえって落ち込まなくて済むような気もします。
この一連のシーン、ヅラ取ったあとの塾長の頭が不自然に見切れてたり、ライトが頭頂部にあたってたりと、あまりにあからさまな隠しっぷり。今市くんは塾長の頭にとくに反応してませんが、内心は気になってたでしょうね。

・はしゃぐあまりに塾長のヅラでキャッチボールをはじめる講師たち。
最初塾長は「やめろよ~」と笑ってますが、ヅラが窓から落っこちてトラックでいずこともなく運ばれるに至って一気にブチ切れたらしい。そのブチ切れの様子を結果―あちこちに傷を作った講師連の顔のアップで表現してるのがベタながら笑えます。
みちるの顔がほとんど傷ついてないのは、さすがに女の子の顔は殴れなかったのかと思ったら、めぐるは口の端が切れている。みちるが来て以来めぐるの扱い悪いよなあ。

・そして塾長はグレた時のめぐるよろしくカラーギャングのなりで鉄パイプ抱えて座り込んでる。
こんなに先生が次々にグレる塾ってのもすごいよなあ。グレながらも塾には出てくるし。

・ちょうど塾を訪ねてきたユーキにめぐるは「ユーキくんに頼みたいことがあるの」というが、ユーキは内容を聞きもせずに「いやー無理っすね」と即答。
「めぐるの考えてることは大体わかるんで、尺がもったいねえっす」というなり、いきなり場面が代わってはまるとユーキが会ってる場面に。「つーわけで自分が代理の吉田ユーキっす」。
「尺がもったいねえ」の一言でいきなりの場面転換をギャグとして成立させてしまう力技が素晴らしい。さらにめぐるの父に向かって堂々入り婿宣言してるに等しいユーキのストレートっぷりはさすがです。

・永作と遭遇した定食屋「丸顔食堂」でカツ丼を食べるはまる。ユーキに永作の消息を伏せておくのみならず、永作の潜伏場所にあいかわらず出入りしてるってのもなあ。
一応妻や娘と義理の弟の間で板ばさみになって苦しんでるはずではあるんですが、永作の身内特権でただ飯食いに来てるように見えちゃうんだよなー。

・永作が潜伏している「丸顔食堂」の二階には「人間だもん」の掛け軸が。さらにその隣に飾られた色紙には「Aランチ最高」とある。
これ永作が書いたのか?つくづく小ネタが楽しいです。

・マスコミが何を言おうと、それが真実であるかどうか関係なく、母の命の恩人だからと永作を尊敬し守りつづける「丸顔食堂」の主人。
おじいちゃんとの会話の内容からしても、彼は永作がインチキ教祖であることは重々理解している。永作が何度も訪ねてきてはガンを宣告された母親に「絶対治る」と繰り返したのも純粋な親切心からではなく実質ただ飯食いにきてただけだとわかっている。
それでも藁にもすがりたい心境だったはずのこの親子には永作の自信たっぷりの断言口調が心の救いになった。だからインチキであろうと彼が自分たちの心を救ってくれた事実は消えない。永作の正体をわかったうえでなお忠節を尽くす主人の生き方は愚かしくも実に清清しく美しい。
社会的刑事的な事件を起こした宗教団体の信者さんがなお教祖を見放そうとしないのはこういう心理なのかなとふと考えました。

・ご主人は、自分を褒め称えるのを聞いて居心地悪げに出て行く永作を見送って、「また嫌われてしまいました」と薄く微笑む。彼はきっと永作が根っから腐っていないことを信じてもいたのでしょうね。

・おじいちゃんが見た20年後の「丸顔食堂」の母子はお母さんのほうはいまだに元気で息子のほうが鬼籍に入っている。しかも見た目がそれほど変わってないので数年以内にお亡くなりになるものと思われます。
思わず主人に「保険入ってますか?」と尋ねてしまうあたりは昔取った杵柄ですね。
しかしお母さんの見た目が変わらなすぎなのは何事でしょうか。

・夜永作と二人で酒を飲みながら、自分はいつ頃死ぬ予定なのかと尋ねるおじいちゃん。
見えないのを承知で質問したのは主人の話を聞いて、全てわかったうえで永作を恩人と立て慕っている人の存在を知り、永作の人間性を試してみようと思ったからでしょう。
そして永作は以前「もう長くない」といった言葉に反して「長生きするんじゃないんですか。散歩とかしてるし」とぶっきらぼうに言う。
主人の時と違って、おじいちゃんを嬉しがらせるようなことを言っても、ただ飯食えるとかの恩恵はなんらついてこない。それでもおじいちゃんの気が休まるようなことを言ってくれたのは永作の優しさであり、そのぶっきらぼうな口調や、前に主人に「よけいなことは言うな」と言ったのにも、永作が自分の優しさを表に出すのをよしとしない存外照れ屋で不器用な男なのが感じ取れる。
だからおじいちゃんは嬉しそうな含み笑いをもらしていたんでしょうね。ここから二人の関係は再び父子らしい絆を少しずつ取り戻してゆきます。

(つづく)

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『未来講師めぐる』(2)-18(注・ネタバレしてますが、何か?)

2009-08-11 00:39:45 | 未来講師めぐる
・若い頃はどんな感じだったのかと尋ねるめぐるに氷高は「今より太っていました」「相撲部でした」「ハンプティ・ダンプティと呼ばれていました」。
「京王稲田堤のリバー・フェニックス」とはえらい違いだな。

・再び『相棒』のテーマ曲?に乗って紹介される相棒。しかも前回と別の人。相棒変わりすぎです氷高さん。

・愛子の居場所はわかってると言われてめぐるばかりかおじいちゃんまで驚いている。
第6回で愛子を家に呼んだのはおじいちゃんぽかったので、てっきり居場所わかってるのかと思ったんですが、連絡先(電話)がわかってただけだったんですかね。少なくとも「誰と住んでるか」までは知らなかったでしょうね。

・愛子の部屋を訪ねためぐるは、中に父はまるがいるのを見て驚愕。(なぜか鍋から直接)ラーメンを食べていたはまるも驚きのあまりラーメンを噴き出し膝をやけどする騒ぎに。
慌てて愛子が閉めたドアには「はまる・愛子」連名のハート型ネームプレートが。ネームプレートまである(借金取りに追われてるとか言ってたわりに堂々と住んでるな気がしますが、愛子の稼ぎですでに返済済みなんですかね)以上、はまるはたまたま訪ねてきたわけではなく一緒に住んでるのに間違いないわけで――視聴者もめぐると一緒に叫び出したくなるような驚天動地の事実。
ついでにラーメンを噴き出したり膝にぶちまけたりの船越さんの体当たり熱演に感服。

・実はとっくの昔に一緒に暮らしていたはまると愛子に怒り心頭のめぐる。
彼女が怒るのは全く無理もないんですが、「何これイエスノー枕じゃん!」には笑った。「基本的にはノーの方向で」というはまるの余計なコメントにも。
子供の頃から名前だけは知っていたイエスノー枕の具体的な使用法を、まさかこんなところで知ることになるとは思いもかけませんでした。

・一緒に暮らしてる理由として、めぐるが大人になるまでは夫婦としての世間体を保ったほうがいいと思ったと語る愛子。
しかしめぐるもおそらくはおじいちゃんも、当人たち以外誰も二人がまだ離婚せず夫婦のままだなんて知らないんだから世間体もへったくれもないような。笑顔で「12年前(から一緒に暮らしてた)」というに及んではもう。

・ショックのあまり飛び出すめぐるを追おうとする愛子がこけたはまるを思い切り踏みつけに。ほんと愛があるんだかないんだかわからない夫婦です。

・母を拒絶して泣きながら走るめぐるは待ち受け写真のユーキ43を見つめながら「ユーキくんユーキくん」とくりかえし呼ぶ。にもかかわらず現実のユーキ23に会いに行こうとはせず一人グレグレモードに入ってしまう。
近くにいるユーキではなく、未来を見る力をなくし、「見えないものは信じない」以上幻の存在になってしまったユーキ43にすがろうとするめぐるが哀しいです。

・「この日を境にめぐるの生活は荒れました」とのモノローグにはじまり、第4回のユーキを彷彿とさせる転落っぷりを示すめぐる。
パチスロのマシン前でくだを巻き(思い切り時事ネタですね。のちのちDVDで見た視聴者には元ネタわかるまい)、塾の講師室でバナナシェイク(「スーパーL」というのがまた食いしん坊のめぐるらしいチョイス)を飲みながらだらけまくり、コーヒーショップ?で並んでる列に思い切り横入り。
「飲む打つ並ぶの悪行三昧」とはいうものの、並ぶならぬ横入り以外はそれ自体悪いことしてるわけじゃないんですよね。結局食ってばっかだし。
ところでここで特筆すべきはめぐるの衣装!モーモーつなぎ?やらショッキングピンクのスウェットの上下?(アライグマっぽい尻尾つき)やら、どこから調達したんだ!?という感じのコスプレ三昧。ほんと深田さんファンにとってはとんでもない萌えドラマですねこりゃ。
しかしめぐるグレグレの間、未来知りたさに詰め掛けてたお母さんたちやおじいちゃん追いまわしてたマスコミなんかはどうしてたんだろ。

・クラブで男性ダンサーをバックにはべらし?「信じなーい」と歌い踊るめぐる。そしてそのすぐそばで女の子数人と遊んでる?ユーキ。なんでお互い気づいてないんだ?(脚本の段階では少なくともめぐるの方は気づいてる描写がある)
しかしユーキの会話の内容たるや確定申告だの還付金だの・・・あのネタまだ引きずってたのか。「バカおまえら」とか一連の台詞のナメた口調がまたなんともいえない。
彼らの近くのテーブルの上にはさりげなくかぼちゃが。還付金→パンプキン。なんたるベタな(笑)。
ところでなぜユーキは道を踏み外してるときは髪がストレートになるんだろ。

・めぐるの浮気を疑ったままのユーキの携帯は待ち受けのめぐるの写真にイタズラ書きがされている。第4回でアキラの写真にイタズラ書きしてたのを思い出します。やること結構みみっちいよなユーキ。
しかしイタズラ書きはしても待ち受けを変えようとしないところに、彼の愛情を感じます。きっとこのときも指輪はめたままなんじゃないかなあ。

・すっかり筋トレ三昧のユーキ。蛍光色(しかも黄緑色)のトレーニングウェアがまぶしいというか目の毒というか(勝地くんも「パねログ」で「恥ずかしい格好」って書いてました)。
めぐるのモノローグによれば「自分の未来を否定しようと思ったのでしょうか」とのことですが、なぜこのタイミングで?20年後太るというのは前々からわかってることなんだし、待ち受けのユーキ43の写真が20年後の自分とは気づいてないはずなのに。
そもそも氷高に「おまえなんかにめぐるは渡さない」って宣言したくせに、めぐるに会おうともせず一人道を踏み外してるってどうよ?むしろめぐるを強引にさらいに行きたまえよ。

・ジムのテーブルの上には筋肉増強剤らしきものがたくさん。その中の瓶には「そうさ100%筋肉!」 
女の子に腹筋触らせて「割れてんべ?」。めぐるのナレーション「飲むジム割れるの筋肉三昧」。もはや一つも悪行ではないし。つーか当時の勝地くん本人の生活とあまり変わらないような気も(こちら参照)。
しかし前回グレた時とちがってやたらに女の影があるのが若干気になります。今回は浮気疑惑が原因だからかな。

・悪行三昧のめぐると筋肉三昧のユーキ(しかしすごい顔してるな・・・。でも野太い声が素敵です)とを交互に映し、「とにかく私たちは二人とも正気を失っていたのです」。
失いすぎです二人とも。テレビの前で笑いすぎて悶え苦しみました。とことん極端に走るあたりまでよく似てるこの二人、やっぱりお似合い、なんでしょうね。

・氷高の新たな相棒はフランス人。手にはフランスパン。なんというベタな自己主張。もうダメだ、この回面白すぎる。
「これはこれは失礼。君はフランス人でしたね」という氷高の棒読み口調がまた味わい深い。

・いきなりダメモトで氷高をカラオケボックスに呼びつけるめぐる。歌は再び「学園天国」。部屋にはみちる以外の塾の皆さま。いつのまにやら更正したようですめぐる。

・カラオケは苦手で歌える曲は一曲だけと言いつつ、「季節の中で」(by松山千春)を歌う氷高。サビの「め~ぐるめぐる~」の部分を実に思い入れたっぷりに歌う姿に男性陣ドン引き。
なのにめぐるは涙を流して感激している。「めぐるめぐる」の部分がえんえんとリフレイン。バックの歌詞とあってないじゃんよ!

・「ダイアナ」にユーキを訪ねてきたおじいちゃんたち。ユーキの方もいつのまにやら職場復帰。
立ち直るタイミングまで一致しているあたり、やっぱりめぐるとはベストカップルですねえ。二人して極端に走るため止める人間がいないのが難点ですが。

・もはや講師陣の消えたカラオケボックスの中で、歌い続ける氷高と感涙にむせびながら立ち上がり氷高を至近距離で見つめるめぐる。めぐるの涙が蝋細工みたいなんですが。つーか蝋細工だな(笑)。

・めぐるの待ち受けの中年男が20年後の自分と知ったユーキが驚きのあまりトレーを放り投げる→「じゃ自分、自分で自分にジェラシー燃やしてたってこと?」の流れでの手や表情の動きが実に秀逸。
コミカルかつオーバーなんですが、ユーキのキャラクターにはぴったりとあっている。もはや勝地くんとユーキという役柄が完全に一体になっているのが感じ取れます。
ちなみにこの台詞からすると、ユーキの驚きはもっぱら「めぐるの浮気疑惑は自分の誤解だった」ことに向けられていて、「20年後の自分の外見がアレ」なことは全く頭にないらしい。ある意味ベストな形で未来の自分の姿を受け入れられたのかも。

・おじいちゃんから「今だよ今!今すぐ会いに行け!」と言われたユーキは、左手薬指の指輪をしばし見つめてからめぐるの元へと滑り出す。
第4回ではすぐにめぐるに会いに行く勇気が出せずに20年後の自分に任せっぱなしのような形になったユーキが、現在の23歳のユーキとしてめぐるを取り戻しに向かう。
めぐるの浮気は誤解とわかったものの、待ち受け画面の男=20年後の自分が恋敵なのはある意味事実。だからこそここは現在のユーキ自身がめぐるに向き合うべき場面なのですよね。そしてやっぱり指輪をはめたままだったことに安堵しました。

・めぐるの名を呼びながら道を走るユーキとカラオケで「めぐるめぐる~」と熱唱する氷高+めぐるの姿が交互に映し出される。
あっちとこっちでめぐるめぐる聞かされて頭が惑乱してきます。本当もう面白すぎる。よくこんな展開を思いつきます宮藤さん。

・ユーキとちょうど入れ違いに「ダイアナ」へやってきためぐると氷高。氷高の「すみません、私が何度も千春を入れたばっかりに」という謝り方が笑えます。
ところで後ろに立ってる相棒がまた別の人なんですが。

・おじいちゃんたちが入ったレストランで料理を持ってきた店員がなんと「ジュージューパラダイス」の店長藪中。
「リアルなこと言っていいですか。あの店潰れました」「焼肉戦争に完敗しまして」。そりゃ店長があれだけ奇行繰り返してる店じゃつぶれもするわな。不思議とめぐる&ユーキのようなリピーターも多そうでしたが。
DVD特典のコメンタリーによると、「ジュージューパラダイス」のシーンで撮影に使ってた焼肉店がドラマ放映中に本当に潰れたんだとか。「リアルなこと言っていいですか」は掛け値なしのリアルだったわけだ。

・真悟が落として割ったグラスを片付ける藪中は「気をつけろこの子供」。その前の「熱いぞバカヤロ」と言い、あいかわらず口のきき方を知らない人です。いやむしろ店長当時より悪化してるような。
脚本(宮藤官九郎『未来講師めぐる』(角川書店、2008年刊行)と比較すると、藪中さんの乱暴な台詞はほとんど現場のオリジナルなのがわかります。ほぼ佐藤さんが作りあげたキャラと言っていいですね。

・かけつけてきたユーキを前に、氷高は「目に見えたらたとえ未来でも現実だ。でも見えない未来には希望がある。その希望の象徴が20年後のユーキくんであり、私なんですよ」「未来のユーキくんに会う楽しみは未来に取っておくべきじゃないかな。それが「生きる」ってことだと思いますよ。」とめぐるを諭す。
めぐるが決して二枚目ではない20年後のユーキを恋しくてならないのは、ユーキ43の存在がユーキが20年後も元気で生きていて同じように自分を好きでいてくれることの証明だから。つまりは今のユーキを好きだからこそ未来も彼といられる保証としてのユーキ43に惹かれるのだ、というのが氷高理論ですね。
実際にはめぐるの知るユーキ43は外見は43歳でも中身は23歳のユーキのままなわけで、本当の未来のユーキがどんな人間になっているのかは一度きり20年後からもらったメールの範囲でしかわかってはいない。めぐるがユーキ43を受け入れられるようになったのは未来からのメールをもらって彼が20年後も自分を想ってくれていると知ってから。
第4回でユーキに自分の外面と内面どっちに比重を置いて付き合ってるのかと問われて「内面内面内面!」と答えたように、今と変わらないユーキ43の内面こそをめぐるは好きになった。だから氷高の言う通り「似ている人じゃ、ダメ」なんですよね。
「見えないものは信じない!」と叫んだめぐるの考えに対する反論ともなっています。

・氷高がいい話をしている間、画面の後ろの方で車のそばを相棒がうろうろ歩いている。退屈なんだ(笑)。

・自分の誤解に関して何重にも「すみませんっす!」と謝るユーキに、「悪いのは私なんだから。すみませんっす。」と詫びるめぐる。
ユーキの喋り方をまねした「すみませんっす」が何とも可愛らしい。ユーキが思わず抱きしめるはずです。

・めぐるにキスをするユーキ。次回予告でそれらしい場面を見て「途中で邪魔が入るんだろうか?それとも完遂?」と気になってたシーンですが、ちゃんとキスしてましたね。
二人がすんごく微笑ましくも美しい場面――だったのが唇が離れたとたん外見がユーキ43に変化。なぜいきなり能力が戻ったのか?とくに説明はありませんが、「王子様のキスでお姫様は眠り(=超能力が使えない状態)から覚めたのです」と言いたくなります。ロマンティックな名シーンです。

・自分がユーキ43になってる(見えてる)と気づかず「あんなデブのこと忘れさせてやるっす」と笑うユーキ43。田口さんこの台詞いいながら胸が痛まなかっただろうか。
このあとの「20年後のおれー!!」とあさっての方向に向かって叫ぶシーンも叫んでる本人が20年後のおれの外見だけになんともシュールな感じがします。

・驚きの表情で固まっているめぐるに「フライングキッスッすっす」とあわてて謝るユーキ。
この回のタイトルは「最初で最後のキス!?」ですが、「最後」の方はともかく「最初」って何さ。ユーキ43とはって意味だと思うんですが、ユーキの慌て方やここまでの二人の密着度が意外に低い(手をつなぐくらい)だったことを思うと、ひょっとしてこれが二人の初キスだったりするんでしょうか?
中学生カップルの赤坂くんと千鶴に「ペッティングどころかキスもまだすかー?」なんて言ってたくせに。何やってんだよユーキー!!

・「ユーキくん、指輪は!?」と聞かれたユーキは「してるっす!」と自分の左手小指を見せる。
上でも書いたようにユーキ43はあくまでも中身はユーキ23のままなので、本当の20年後のユーキがめぐるをどう思ってるかは第4回でよこしたメールでしかわからず、その未来さえも真悟の言うようにめぐるに見えるのは未来の一つの可能性でしかないので、みちるや高尾山のようにユーキの未来がメールの時点とは変わってしまってる可能性だってある。
それがここで指輪というユーキ43の肉体に付随したものが示されることで、彼の心が20年後も変わってないことが目に見える形で証明された。そんな感動的な場面を、太ったぶん指輪が薬指から小指に移動してるという笑いどころを差し挟むことでなおほのぼのと演出しています。
しかしユーキ自身には未来の自分の姿が見えてはないのに、「してるっす!」と断言して小指を見せていたのが不思議ではある。

(つづく)

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『未来講師めぐる』(2)-17(注・ネタバレしてますが、何か?)

2009-08-08 01:03:38 | 未来講師めぐる
〈第9回〉

・恒例のナレーションを決めつつ、エスパー吉田でなくなったことを思い切りカメラ目線でピースしたり飛び跳ねたりして喜ぶめぐる。このときのにぱっとした笑顔が実にキュートです。

・「ごはん♪ごはん♪」と浮かれて台所に駆けつけためぐるは、おじいちゃんに「手伝わないなら寝てなさい」と言い渡され、あっさり隣室に引き上げてご飯を待つ。
おじいちゃんと毎度のみちるのみならず、小学生の真悟まで割烹着姿で食事の仕度してるっていうのに・・・。真悟は「お世話になってるんだから当たり前です」とか言いそうだけどさあ。

・めぐるの後ろにそっと近付いて小鍋をふりあげるおじいちゃん。おじいちゃんとしては孫娘に「自慢」の能力を取り戻してほしいんでしょうね。
しかし能力が戻るまでめぐるの頭殴るつもりですか。

・おじいちゃんと真悟の散歩に同行して、「じじいが歩いてる~、じじいがさまよう~♪」とあんまりな歌詞の歌を大声で歌い歩くめぐる。
・・・深田さんの歌も勝地くんとどっちこっちな感じですが、わざとやってるんですよ、ね?でも映画『ヤッターマン』の「ドロンポーダンス」も決して上手くはなかった気も――いいんですそこが可愛いんだから!

・「おじいちゃんも頭打ってみたら?見えなくなるよ」と提案しつつ、大石をひょいと持ち上げてひょいと投げ捨てるめぐる。
石が地面に落ちたとき結構な音がしてるのでなかなかに重いんじゃないかと思うんですが。めぐる意外と怪力?嬉しさのあまり火事場のバカ力?

・おじいちゃんの目に映るめぐるは頭に上着を掛けられ手錠を嵌めた姿のままで楽しげにくるくる踊っている。うわあシュールな光景。
でも「今見てる20年後の姿も実際にはお目にかからない」というおじいちゃんの台詞には何か胸をつかれました。
めぐるの不幸な姿を実際には見なくて済むことへの安堵なのか、めぐるが大変なときに自分はもう何もしてやれないことへの悲しみなのか。おそらくその両方がおじいちゃんの心に去来してるんでしょうね・・・。

・そんなおじいちゃんの述懐を「重い」の一言で切って捨てて、自分がついていれば100歳まで生きられると根拠不明の励まし方をして磯辺焼きを買いに走るめぐる。
さっきご飯食べたばっかじゃん!満腹になっても未来が見えなくなったと思ってここぞとばかり食ってますな。
おそらく「見えないものは信じない」のめぐるのことだから、おじいちゃんの死んだ姿が見えなくなったら一気にこの間まで見えてた20年後のことがすべて現実味を失ってしまったんでしょうね。
おじいちゃんが言うように、見えなくなったからといって未来が変わったわけじゃないんだが。

・磯辺焼きを手に「ヘイヘイヘイ!」と陽気にはしゃぎながら走るめぐる。そんなめぐるを見ながらおじいちゃんは「そういうところも父親譲りだなあ」と呟く。
たしか第1回で、めぐるは父親を反面教師にしてるとか言ってたはずですが・・・。血は争えないですね。

・真悟のことを思い出し、浮かれてる場合じゃない、何とかしてあげなきゃ、と気を引き締めようとするめぐるだが、「でも今は、お餅がおいしい!」。
おいおい。真悟より食べ物優先かい。

・地面に降り積もっている枯葉の中からいきなりむっくり現れる永作。隠れるにしてももうちょっと方法があるだろうに。

・永作は信者に自分の後継者としてめぐるの盗撮写真を見せる。しかしどの写真も見事に食べてるとこばっかり。もっと他のところも写してやれよ、これじゃめぐるが相当食い意地張ってるみたいじゃないか(張ってるけど)。
しかし信者さんは「見事な食いっぷり」とか感動してるので食べると未来が見えるというのは了解事項のようです。

・長い髪がばーっと広がった永作の笑顔のアップ。うわ怖いよ!そしたら今度は塾長の髪の毛(ヅラ)のアップという形で塾に舞台が移る。髪の毛つながりの場面転換というのもまた斬新な。
頭をごりごり江口の頭にすりつけながら、新たな入塾者の少なさについて江口を責める塾長。別に江口のせいではないんだけども。

・こんなところにちょうど入ってきためぐるはいきなり「ヅラ長」と挨拶。めぐるだけならともかくみちるも一緒になってなぜか上機嫌。

・江口&みちるに塾が経営難だから別れろと理不尽な迫り方をする塾長。
「職場恋愛は職場があるから成立するんです!」という言葉には、確かに、と納得しかかったが、「職場がつぶれたらなんだ、恋愛だ。自由恋愛だふざけんなー!!」。
自由恋愛、なんにも悪くないじゃないか。あいかわらず塾長の言う事はむちゃくちゃです。

・「ウンコの形が乙だった」「ぼくの好きなのはエッジの効いたZ(ゼット)」。
第2回のウンコネタがまさかここで再登場するとは。こういう畳み掛けるようなネタの使い方、へなへなな効果音、いちいち光る文字といった演出が実に秀逸です。品はないけど。

・生徒獲得のために公園で講師陣が例の塾歌を歌って客引きを。「づらアカデミー」の名称が全然メロディに乗らず四苦八苦する面々に爆笑。
そもそも生徒が集まらないのはこの塾名による部分も大きいんじゃないのか。

・めぐるから未来が見えなくなったと聞かされたユーキは驚いて柱にすがる。この場所と構図、時間が夜なほかは第4回と全く一緒。
あのときに勝る絶叫展開になるのではと期待があおられました。

・めぐるからプレゼントの小さな箱を差し出されたユーキは「誕生日8月っすけど?」と答える。これって勝地くん自身の誕生日が8月(20日)だからですね?

・箱を開けたユーキは中身がめぐるとお揃いの指輪と知って、「ペアリングってベタだなあ~」と言う。
ユーキのくせにめぐるのプレゼントにケチつける気か!?と思ったら、「こういうベタなの、嫌いじゃねえっす~♪♪」とすっかり満面の笑顔。
二人指輪をはめた手を見せ合って実に幸せそう。ああほんと可愛いカップルです。

・そんな幸せな光景から一転、めぐるはユーキ43が自分に別れを告げる幻を見る。
めぐるは逮捕されてしまうため20年後に二人は会えないことを告げたユーキ43は「助けてあげられなくて、ごめんよ」と泣き顔で言いながら、渦に吸い込まれるように遠ざかってゆく。
悲しいシーンなんですが、最後、それまではめぐるの方に手を伸ばしていたユーキが右手をバイバイしながら消えてゆくのが微妙にこう、緊迫感を削がれて笑ってしまいます。

・上記のような悪夢を見ためぐるは、ショックのあまりこたつをふっとばして目を覚ます。やっぱりめぐる怪力?

・ユーキ43のメールアドレスの頭の部分(つまりはユーキ23のメアドでもある)が「100%-yuki」になってる(笑)。みちるの「go-to-hell」と言い、芸が細かいですなあ。

・指輪をプレゼントして以来、時々タメ口口調なユーキに違和感と反感を覚えるめぐる。
長いこと敬語口調の抜けなかったユーキがタメ口きくようになったきっかけが指輪もらったことだってあたり、何か夫婦気取りみたいで確かにこれは引くかも。

・合格が決まり「ダイアナ」でバイトを始めた千鶴ちゃん。女子の制服初めて出ましたが、色といいデザインといいかなり可愛いです。
千鶴ちゃんのややきごちない滑り方を見てると、ほんとユーキは運動神経いいんだなあと感じます。

・めぐるに確定申告したかとか還付金がもらえるとか言い出すユーキ。塾以外で収入がある形跡のないめぐるに確定申告必要なのか?
まあ不要な人でも自主的にやっとくと結構還付金もらえるらしいですけど、この場合絶対ろくろく意味わからず聞き覚えた単語並べてるだけだよなー。

・ご飯を食べたあとはずるむけぷよぷよのユーキが良いと独白するめぐる。第4回まではあれだけ抵抗があったユーキ43にいつのまにかすっかりはまってしまっている。人は変われば変わるものです。
中身は同じユーキなんですが、最近のユーキの態度にちょっと冷め気味なのとユーキ43の姿が見えなくなった寂しさが一緒になっちゃったんでしょうね。
ユーキを目の前にしながらユーキを恋しがる・・・めぐるにとってもユーキにとってもちょっと悲しい構図ですね。

・めぐるが「ユーキく~ん!」と呼んだのを機にユーキのモノローグタイム。意識的に第4回の展開をなぞりつつ巧妙にずらしていくことで二倍笑えるようになっています。
ところで「ダイアナ」の屋台?に張ってある「新メニュー登場」のポスターのホットドッグの写真(イラスト?)がモザイクかかってるっぽく見えるんですが。
これはあれですか、めぐるに拒否された例のレーズンドッグですか!?きめ細かすぎる演出に爆笑。

・千鶴に「倦怠期」の意味を説明されて、「飽きる!?めぐるがユーキに?それともユーキがめぐるに?」とパニックに陥ったユーキのちょこまか&早回しな動きが(笑)。意味不明なポーズ付けまくりだし。
これ早回しになってるからギャグになってますが、撮影時は当然通常の(人間レベルの)スピードで動いてたわけですから・・・想像するとなんかマヌケかも(笑)。

・一人パニックのすえに「めぐる・・・飽きるな~!!」と叫んで滑り去るユーキ。
思いっきり職場放棄ですが、千鶴ちゃんは笑顔で手を振って見送ってくれる。いい子だなあ。

・第3回でユーキが好きだと言っていたところの唇半開き顔でぼーっと生徒の机に座り込んでるめぐる。生徒の声に我に返っためぐるは黒板を見て叫ぶ。
また授業用グッズと間違えて食べ物持ち込んだのかと思えば手にはちゃんと本物のチョークを持っている。いったい何事?というところで黒板に描かれたユーキ43の似顔絵がバンと映る。
こうきましたか。笑いどころではあるんですが、ここまでユーキ43を慕うめぐるの心境を思うとちょっと切なくもあります。

・めぐるの元を訪ねてきた刑事・氷高はなんとユーキ43にそっくり。次回予告でユーキ23と(妙にかちっとした服装の)ユーキ43が同じ画面で向かい合ってる構図があって、「?」と思ったら他人の空似ネタでしたか。
氷高が後ろの若い男を「彼は私の相棒」と紹介するとバックに『相棒』のテーマ曲?(『相棒』見たことないもんで推測)が流れ、男がぐっと腕を上げてみせる。またさらっと妙なパロディを。

・めぐるが家に忘れていった携帯を前に、内容を盗み見るべきか見ざるべきか自問自答するユーキ。
このとき縁側から畳の部屋にかけて腹ばいになってるんですが、膝と肘をついて軽くお尻を浮かせた体勢(を庭側から家の中側に向かって視点を移動しながら映していくのに)思わず目を吸い寄せられてしまった。体のラインが綺麗なんですよねえ。
そしてなんだかんだのあげく携帯を開けて待ち受け写真を見て一言「こいつ・・・誰だよ!?」。「オマエだよ!!」と瞬間多くの視聴者が心で叫んだことでしょう。

・氷高とめぐるが永作のことについて話している間、傍らの相棒はずっと右腕上げっぱなし。帰りがけにいったんは下ろした腕をまた上げなおしてるし。
これまた全国の視聴者が「腕下ろせよ」と突っ込みを入れたことだろう。ずっと腕あげっぱなしってのもきついですよねえ。俳優さんの苦労がしのばれます。

・氷高の登場を機に講師陣にカミングアウトしためぐるから将来は結婚すると聞かされたみちると高尾山は「どうすっぺ登くん、子供5人だって!」「どうすっぺって・・・頑張るしかなかっぺ」とお国言葉丸出しでなんだか嬉しそう。
あららこれって実質的にプロポーズみたいなものでは。この時のめぐるの発言こそが二人の未来を完全に決定したんじゃなかろうか。

・めぐるの言葉を信じまいと江口が抵抗しているところに「僕は信じるよ」の声とともになぜか通路と机の仕切りの壁の上からいきなり永作が登場。
「話は途中から全部聞かせてもらったよ」。江口もツッこんでましたが、途中から全部ってなんだよ。

・警察に電話しようとした江口をあっさりつかまえ吹っ飛ばした永作は「じたばたするな、世紀末が来るぜ」。何のことだ?と思ったらシブがき隊の歌の歌詞らしいですね。
「勇気100%」といい、次の回の山口百恵引退ネタといい、70年代~80年代の芸能ネタがザクザク入ってますね。

・永作に追いつめられためぐるを救うべく、塾長が自らのヅラを投げつける!
壁で跳ね返ったヅラが顔面にへばりついた永作は悲鳴をあげながら塾から逃走する。恐るべし塾長のヅラの攻撃力。
塾長が講師を守るべく戦い敵を撃退する実に格好よい見せ場のはずなのだが、ものがヅラだけになんとも(笑)。
このタイミングで高尾山が警察に「こちらづらアカデミー」と電話をかけるのも、あらためてヅラが強調される形になってますます笑いを誘います。

・ヅラが床に落ちたままなのにあせる講師陣を尻目にいつのまにか金髪のカツラを装着して「危ないところでした」と平然とふるまう塾長。
その言葉を受けて江口が「ええ、あらゆる意味で」。たしかにあらゆる意味で(笑)。

・めぐるの手を取って、めぐるのことは警察からもマスコミからも全力で守ってみせると静かに言い切る塾長。
おお何と男前な!と見直したところで、場面は一転、「未来が見える吉田アカデミー」を名乗って思い切りめぐるを看板に生徒集めしまくる塾長。そうだよ塾長はこういう人だった・・・。
めぐるが塾長席座ってるし椅子がえらくゴージャスだし。

・めぐるに未来を占ってもらおうと詰め掛けてくるお母さんと子供たちを前に、めぐるは物陰から真悟が知らせてくれた予知内容を話してしのぐ。
しかし真悟が見る未来はいつも妙に具体的で、常にろくな内容じゃないな。こんなものをしょっちゅう見せられてるわりには驚くほどすれてないです真悟くん。それにしてもこの内容を受けて「おしえがいがあります」てのも無理矢理というか。
しかしこんな怪しげな予知をみんな信じてやってくるもんなのか。ともあれもはや宗教団体であって塾じゃないのは確かです。

(つづく)

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『未来講師めぐる』(2)-16(注・ネタバレしてます)

2009-08-05 02:30:02 | 未来講師めぐる
・自分や父に会ったためにめぐるの運命が変わり、遅くて三年早ければ今年にもめぐるは逮捕される運命だと語る真悟。
彼らに会うのは想定外の未来だったということですか?そして20年後しか見えないめぐるの目になぜいまだに手錠が見えているのか。20年近く手錠つけっぱなしってこと?

・めぐると真悟がシリアスな話をしている間、視界をたびたびユーキが(万引きを探して)横切る。じゃまじゃま!と突っ込みたくなる絶妙の演出。
思えばこの万引きさがし(実際にあったわけじゃなくユーキを遠ざけようとしためぐるの嘘ですが)は後の万引き事件の伏線だったんですね。

・20年後しか見えないめぐるの能力を「カブトムシの幼虫みたいなもん」と評する真悟の言葉に合わせて、芋虫コスプレのめぐるの笑顔。
次回予告の丸枠内でも言ってましたが、ほんと「何させんだよ」。深田さんこのドラマでどれだけのコスプレをこなしたことだろう。

・20年後の真悟は荒川良々さん。うわー何かイメージぴったりすぎ。

・枝分かれする未来を説明する真悟の言葉に合わせて、例としてユーキの笑顔がネズミ算的にいくつにも分岐していく図が示される。しかも分岐Bの方は表情が一つ一つ違っていくし。
第4回の、支店が増えれば副店長も・・・と同じパターンでユーキ大増殖。なんか勝地くんもいいように遊ばれてるなあ。

・未来を見たくないがために満腹になるまいとベビースターラーメンを少しずつ食べて最低限の空腹をしのいでいるという真悟。こんなことやってて体壊さないのかと思えば「だいたい倒れちゃう」。
育ち盛りの子がこんなことじゃダメじゃん!でも人のあらゆる未来が見えてしまうのも相当きつそうだからなあ。

・「ぼくがついてれば、あんなふうにならないから」とユーキ43の方を見る真悟。「あんなふう」って失礼な!
めぐるが「ユーキくんはいいの」って言ってくれたのにホッとしました。20年後の姿が田口さんならまずまず悪くないと思うんだけどなー。

・いきなり塾の講師みんなを集めての「門田タイム」。しかし塾長以外の講師陣は見事にやる気なし。みちるに至っては肩たたき棒で肩をトントンしてます。

・塾の名前募集箱には意外にたくさんの紙が投入されている。すでに合格した子たちが塾に出てきてないのを考えたら、本当に結構な反響と言えるかもしれない。しかしその内容は・・・。
気負いこんだ塾長が「かつらアカデミー!」と力強く告げた瞬間空気が凍りつく。ここまではよくある演出ですが、そのあと黒板に字を書きかけて硬直してるめぐるの映像がさかさまになってるのは新機軸。動揺のほどが伝わってきます。
そのあとも、「塾」「塾」「づらアカデミー」・・・。最後「・・・づらアカデミー」と告げた瞬間の塾長の声と間の取り方が何とも悲しいです。

・翌日塾の看板はおなじみの「ビクトリー先輩」をあしらって、でかでか「づらアカデミー」と書き換えられる。「づら」の力強すぎる字体に塾長の押さえ切れない怒りと悲しみがこめられています。荷物の上に堂々とカツラが放置されてるのにも開き直るしかない塾長の無念を感じます。
しかし来るべき時が来てしまった、という感じの名称ではありますが、紙を入れた生徒的には自分の通う塾の名前がこれでもいいんだろうか。もう卒業しちゃうから構わないということなんでしょうか・・・。

・一段と派手な姿ではまる登場。「パパだよ~パパだよ~」の連呼はともかく、「パパの耳だよ。産毛のあるパパの耳だよ」はなんのことやら。
そのあとめぐるに失礼な口を聞いたホステス?のお姉さんをバキバキに殴り飛ばすシーンでは、途中からお姉さんがあからさまな人形に代わっている(笑)。なにがやりたいんだよはまる。

・一週間前に永作に会ったという話の途中ではまるが指を鳴らすと、はまるの姿はそのまま、これまでカメラの視界の外だった部分に永作たちが現れるという形で回想シーンに移行する。
少し前のカメラの前をわざわざユーキが横切ってくアングルといい、黒板に字を書くめぐるがさかさまになるシーンといい、今回この世界がフィクションであることを思い切り前提にした新機軸のカメラワーク?で笑わせてくれます。
回想のラストではすでにめぐるが出てる=現在時点に戻ってるのにもかかわらず、はまるの手からメモを受け取って真悟を連れて出て行く永作が同時存在しているし。
これまでになく重苦しい空気のストーリーを、これら演出の妙がずいぶん救ってくれてるんじゃないかな。

・はまるの回想中の永作は、猫撫で声通り越してカマッぽい喋り方。めぐるたちといるときとは別の意味で怖すぎます。

・「ジュージューパラダイス」で一人焼肉中に永作と遭遇しためぐるは、愛子と電話しながら店を飛び出す。歩道橋の上で永作に追いつかれピンチ!というところに向こう側から愛子がかけつけ、さらに反対側から藪中店長がめぐるの注文した石焼ビビンバを抱えて追いかけてくる。
いつものテーマ曲に乗せて叔父から逃げ母がかけつけるという緊迫性が、店長の「焼肉ビビンバだよ~」の声ともたもたした動きとの相乗効果で二倍笑えて二倍怖い。吹っ飛んだビビンバの容器を永作が托鉢用の鉢と間違えてキャッチして「あちー!!」という読み通りの展開も可笑しい。
しかし永作は何のつもりでめぐる追いかけたんだろ。

・「いいかめぐる、わしらは選ばれたもんなんかじゃないぞ。たまたま人が持っていない道具を一個だけ持っているにすぎん。ドラえもんにくらべたら、まだまだじゃ」。
よくありがちな、「エスパー=選ばれた人間」な設定の超能力ものに冷水を浴びせるような一言を、ドラえもんを引き合いに出すことでユーモラスにさらっと言い切った、実に名台詞。
超能力をこっそり(保険外交の)仕事に役立てることはしても、あくまで普通の人間として市井に生き続けたおじいちゃんの人柄をも、見事に言い表しています。

・明けて講師室の場面。画面手前に大きく位置する塾長の頭の部分が見切れている。
皆がさりげなくそちらに目を向けないように話に熱中してる様子からしても、さては開き直ってヅラなしの素頭なのか!?と思ったら、なんと金髪のニューカツラに。
いやなかなか似合ってるんじゃないですか。さらには紫アフロにまで発展し・・・もはやヅラ誤魔化す気皆無ですね。

・散歩中、受験ノイローゼ気味だったいづみ(足立梨花さん)の姿を見かけた真悟は、ベビースターを一気食いしていづみの近未来―コンビニで万引きしてつかまり、警官をはさみで刺したすえ飛び降り自殺―を見る。
しかし彼は能力を知られることを恐れて、自分でなんとか止めようともせず隣にいるおじいちゃんに相談することもしない。いづみの先行きが気になってたからこそ気分が悪くなるのを押して未来を見たはずなのに。
ずっとあの父親をそばで見てきて能力を知られて利用されることに脅えてきた真悟であってみれば無理もないんですが、これがめぐるだったら、まわりの人間にヘンな顔されようといずみに迷惑がられようと、なんとしても彼女を止めようとしたに違いない。
我が儘でも食い意地張っててもめぐるが心正しいヒロイン足りえるのはまさにこういう部分による。だからこそ正体を勘付かれて雑誌記事にされてしまうんですけども。

・万引きでつかまったいづみが警官に塾に連れてこられる。
なぜ中学校じゃなくて塾のほうに連絡が?と一瞬思ったんですが、ようは受験生でもあり穏便に済ませてやろうという警官の温情だったんですね。みちるも言う通り警官らしからぬ物のわかった人ですねー。

・真悟のビジョン通り、はさみを手に取ろうとするいづみ。この場の状況からするに今市くんを刺そうとした?しかし彼女の目線からそれと察しためぐるがとっさにはさみごと文房具立てを引っくり返して未然に防ぐ。
彼女の近未来が見えていた真悟には防げなかったものを、見えていないめぐるが阻止した。未来を変えるのに、人を救うのに、未来を見る力など必要ない。相手を思いやり、よく見ること、そしてとっさの時には敢然と行動することこそが大事。物語のテーマが凝縮されているワンシーンです。

・そしてあれだけレーズンが嫌いだと言い続けためぐるが、いづみの未来を見るためにあえてレーズン入りの蒸しパン?を完食する。
行動自体はベビースターラーメンを一気食いした真悟と変わりませんが、めぐるには彼女の人生に関わろうとする意志がある。以前にはみちると高尾山の未来を変えてしまったと自分の能力から逃げようとしていためぐるが、その能力をもって真正面からいずみに向き合おうとしている。
真悟が言ったように人の未来の可能性は幾通りもあって、他人との関わりによってどの未来が現実のものとなるか常に変動しつづけている。未来を見る力の有無、未来を相手に告げるかどうかに関係なく、他人と関わることそのものが相手の人生に影響を与えていく。思えば自明のことではある。
だからめぐるは自分の力を否定せず、「人が持っていない道具」として有効活用しつつ(20年も先の、確実性の乏しい未来しか見えないのだから参考資料程度にしかならない)、人と人としていずみに対しようとする。
学校の教師よりは軽いスタンスで、でも生徒たちを教え導く立場にある塾講師を主人公の職業にしたのは正解でしたね。

・普通の人生を送るのは決して簡単なことじゃない、お金持ちになる確率も普通の人生を送る確率も等しく何万何億分の一にすぎない。
すごくいい話をしかけていたはずのめぐるですが、突然未来が見えなくなったことに動揺して、自習を言い渡し教室を飛び出してしまう。ここで出て行っちゃあいづみは元の木阿弥じゃないのかなあ。
未来なんて見なくてもいづみの刃傷沙汰を防いだめぐるなら、この先いずみの人生を左右するような大事な台詞を言えたような気がするんだけど。

・講師室に突然戻ってきて「見えない見えないよー!」と騒ぎたてたあげく、いきなり蒸しパンをむさぼり食って塾を飛び出してゆくめぐる。授業中なのに。
もう塾の先生も生徒もめぐるの奇行には慣れっこになってて、このうえ超能力者だと発覚しても大して驚かないかもと思わせる。

・ユーキの元に走る→「100%ユーキっす!」、おじいちゃんの元に走り家の植え込みに飛び込む、と未来が見えるようになったばかりで動揺していた第1回の展開を反復。
しかし能力が消えたのはほんとに頭打ったせいなんでしょうか。てっきり大嫌いなレーズン食べたせいで能力が食あたりしたのかと思ったんですが。

・毎度次回予告はいろいろ謎めいた映像が登場し、翌週への期待をあおってくれたものでしたが、今回は何と言ってもめぐるとユーキのキスシーンが!
そしてそのバックにユーキ43の声で「短い間だったけど、楽しかったよ」。加えて次回のタイトルは「最初で最後のキス!?」。
「最初」というのも驚愕ですがそれはさておき、「最後」というのにびびった。未来が見えなくなってもめぐるが逮捕される未来は変わってないというのなら、めぐるの逮捕によって二人は引き離されてしまうのか?
第4回の未来のユーキからのメールは20年後も二人が一緒にいる感じだったんですが、その未来が変わってしまったのか。それとも物理的に離れていても変わらずめぐるを愛している、ということだったのか?などなど一週間ハラハラさせられたものです。

(つづく)

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『未来講師めぐる』(2)-15(注・ネタバレしてます)

2009-08-02 00:44:13 | 未来講師めぐる
〈第8回〉

・20年後の姿になっている(といっても手錠と上着かぶせられてること以外現在と変わっていない)めぐるが高尾山に歩み寄るとき、頭の上の上着を振り捨てている。
服が床に落ちる音までしてますが、これめぐる以外には見えてないんですよね?なんか不自然な動作してるなあと思われてるんでしょうね。

・20年後の高尾山と五人の子供たち再び。めぐるがみちると江口が付き合うことになった話を告げたとき、子供たちが慌てた顔で懸命に首を振っている。ついには泣きながら走り去ってしまうし。
好きなら奪え、という塾長の言葉に陰から頷いてるところとか、本当にいちいちの動作が可愛いです。

・めぐるに「塾長には関係ない」と言われた塾長が自分たちの関係はその程度のものだったのかと大逆上し、なんとヅラを掴み取り床に投げ捨てる。
頭に不自然に光が当たっていて頭部がどうなってるか見えない演出が笑えます。

・塾長のヅラの下をあれこれと形容するめぐる・高尾山・江口。彼らのひそひそ話のバックでなぜか塾長は一人黙々と踊っている。
何やってんだこの人は?塾長がヘンなのは今にはじまったことじゃありませんけど。と思ったらつい塾長本人に話を振ってしまった高尾山に「デラシネだよ~」と適切な答えを返してくる。実は聞こえてたのね・・・。

・噂のデラシネがなぜかユーキの目の前に転がってくる。なんで日本でそんなものが。
それを見たユーキが一言「陰毛?」。いや無理ありすぎだから。宮藤脚本の勝地くんはほんとアレな台詞言わされまくりだ。

・そこへ錫杖鳴らしながらやってくる謎の雲水=実はめぐるの叔父永作(橋本じゅんさん)。
不気味な重々しさをともなって現れたこの人物は自前の抹茶を飲みつつ、オーダーは「パンケーキ」。ずれっぷりが何か可愛いぞ?ユーキはあっさり一言「ねえっす」。
戸惑った永作が目をぱちぱちさせるとぽにょぽにょした擬音が入る。この数秒だけで永作が根っからの悪役ではない、その可愛げの部分が示されてるように思います。

・ますますアーバン化したみちるがギャル系ファッションで講師室に現れる。充分似合ってるとは思いますが、塾講師としてその格好はどうかと。
高尾山を笑顔で突き飛ばす江口の「ミッシェル」呼びに代表されるデレデレっぷり、あっさり「エロビデオ」呼びに表れるみちるの愛のなさのコントラストが可笑しいです。

・いちゃつく二人に「チャイム鳴ってますけどー」と水を差す高尾山先生の声のくぐもり方がなんともいえない。頭から水かぶったかのように滴りつづける汗はもっとなんともいえない。
めぐるが「汗の量が半端ない」とナレーションしてますが、ハンパないとか言うレベルをすでに超えてます。

・カステラを持ってきたつもりがちゃんと黒板消し(しかしデカい)、ビスケットを持ってきたはずがちゃんとマグネット。
普段の逆を行く新たなパターン。つーかこれが教師として本来の姿であろうが。

・探しても探しても食べ物が見つからないことにじれためぐるは教卓を引っくり返す。おいおい生徒の前ですよ。ほとんど禁断症状です。
真悟の未来が見えないことが気になるからというより、実は単にお腹減ってるだけなんじゃないのか。

・教壇にしゃがみこんで(空腹のあまり)ユーキに助けを求めるめぐる。何とそれを察知して接客を放り出しめぐるの元へ一目散のユーキ。
愛の力は偉大だ。助け求める内容は実にしょうもないんだけど。

・講師室で大量のうまい棒をむさぼり食いながら高尾山にみちるの好きなものについてあれこれ質問を続ける江口。
さっきから江口ずっと食べっぱなしです。いつものめぐるポジションが彼にのりうつったかのような。
ちなみにこのうまい棒一気食いのテクニックは、かつて宮藤さんの舞台に出たさい「うまい棒を一秒で食う」とト書きにある役を演じたことで習得したのだそうです(笑)。

・自分がストックしてたうまい棒を江口が勝手に食べたからと「今すぐ買ってきて!殺すよ」、ちょうど塾長が買ってきたメロンパンを断りもなく取り上げ勝手に食べようとしたあげく「私がレーズン嫌いなの知ってますよね!?」。
なんというわがままな。高尾山がツッこんでる通り授業中だし、塾長がツッこんでる通りそれは塾長のパンだ。
この嫌な子一歩手前のキャラクターをわがままさえも可愛らしいヒロインとして成立させている深田さんはつくづく偉大です。

・ちょうどのタイミングで駆けつけてきたユーキはなんでわかったのかと聞かれて、「やっぱ、愛じゃね?」と親指立ててニヤリ。ああ男前だ。

・ホットドッグのパンにレーズンが入ってるのに気づいためぐるは「なんじゃこりゃー!!」と思いっきり絶叫。『太陽にほえろ!』ですか。
しかしユーキはめぐるがレーズン嫌いなの知らなかったんですねえ。深田さんも甘いものは基本的に苦手だそうなので、この「女の子には珍しくレーズンが嫌い」という設定は多少それに基づいているのかも。

・パンの部分は食べられないからと、中のソーセージだけつかみ出して握りしめる&かじるめぐるの手元にモザイクが(爆笑)。単にこの構図だけなら大したことないはずなんですが、なまじモザイクかかったせいで一気にエロエロに。
男性陣みな唖然。そしてユーキが「絵的にヤバいっす~!」。これを天下の深キョンにやらせるたあ脚本&演出の何と大胆なこと。ビバ深夜枠。
『めぐる』放映終了から少し経ったころ宮藤さんが自身のラジオ番組『カンクロード・ヴァンダム』(2008年4月5日深夜放送分)で話していたところによると、打ち上げの時に深田さんに「『宮藤さんどうしてくれるんですか。あたしの手にモザイクのかかってる映像がものすごい今お宝映像みたいになってる、あたしどうしたらいいんですか』って涙目で言われたんですけど、台本にはモザイクかけてくれって書いてないんで、『すみません、それ僕じゃないっす!』って言ったんですけどね」だそうです。

・ソーセージを食べたにもかかわらず(あれだけで満腹になれたのか)、まわりの生徒はみな大人の姿になっても相変わらず真悟だけは変わらない。
真悟がクラスメートの男の子(警官姿)と連れ立って仲良く教室を出て行く姿はおまわりさんに保護された迷子のごとくです。

・唐突に吉田家に現れた(というか現れていた)永作おじさんは数年ぶりに会ったはずのめぐるに向かって「可愛そうに、ご両親に捨てられたんだってね」とひどいことを言い出す。
これだけなら無神経な善人なんだろうと思えますが、「もう安心だよ」のあとに「さあ一緒にお風呂に入ろう」。
つい子供のときのノリで言ってるんだと思いたいところですが、どう聞いても変態だこれじゃ。唐突な台詞の連なりと空気を読まない喋り方が鳥肌立ちそうなくらい不気味です。
この後も永作が出てくるとそれだけで作品の雰囲気がガラッと変わるんですよね。

・めぐるの?回想。めぐるは将来自分のお嫁さんになるのだと予言し、嫌がるめぐるを無理矢理抱き上げる永作。やっぱり変態だよ!名前は「吉田永作」なのに全然爽やかじゃないです。

・めぐるが語る永作のアヤしすぎる半生。「うさんくさいヨガ教室を開き」のくだりでの「解脱しろー」はどう考えても某宗教の・・・。なんか声まで似てます。「武道の師範代」のくだりでの髪型もすごいし。
そして新たに設立した宗教団体のパンフレットの表紙に書かれた○枠の中に7が3つ並ぶトレードマーク?はスリーセブンなのにもかかわらず獣の数字666を思わせて何とも禍々しい(案の定あとで「オーメンなら666でしょ」という台詞が出てきました)。
なんだかんだ言っても基本のほほんとしてた『めぐる』ワールドが一気にオカルトに。

・めぐるにも未来が見えるのでは?とじわじわ問い詰めてくる永作は、突然「まあいいやお風呂はいろ」とくるっと方向転換。ユーキじゃないけど「なんでだよ!」 
しかしおじいちゃんやめぐるが身内ながら永作に抱いている不信感を、初対面のユーキは知らないはず。なのに吉田家の人間であり、父・中吉や姉・愛子の能力を心得ている永作に、それでもめぐるの能力のことを言っちゃいけないととっさに感じ取って、中吉やめぐると一緒になって彼女の能力を否定しているユーキはなかなか空気が読めています。

・他人の未来のみならず裸も見えるという永作の発言に「てめえ見てんじゃねーよ!」とユーキが切れる。
現代っ子らしく、ユーキは日頃から言葉づかいがそういいわけではありませんが、こんな乱暴な口をきく(しかもうんと年長者に)シーンは初めて。めぐるを守ろうとするユーキの怒りのほどがうかがえます。そのあとが情けないけど(苦笑)。

・めぐるの未来を見る力をあばき利用しようとしているらしい永作。めぐるにこだわらなくても超能力者なのがあきらかな父親でいいじゃん?

・いとこの真悟くんに「もしかしてあなた、エスパー吉田さん?」と尋ねるめぐる。頷く真悟も父親のことを「お父さんはただの吉田さん」。
なぜ身内なのに「吉田さん」。愛子もなぜか「エスパー」と頭につけるときは「吉田」っていうしなあ。エスパー吉田という表現に何か元ネタあるのだろうか。

・永作のところに相談に来た母子。「この子ゲイなんですけど」とお母さんが言うと、息子が上着を脱いで豹柄のタンクトップ一枚に。
このわかりやすいゲイ強調の動作に笑った。見事にベタです。

(つづく)

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『未来講師めぐる』(2)-14(注・ネタバレしてます)

2009-07-30 00:51:13 | 未来講師めぐる
・吉田家の前を掃除するユーキ。薄いピンク色(下の服の色が透けてそう見えてるぽい)の割烹着も三角巾も、ガタイのいい家政婦さんだね!と思う程度の違和感のなさ。これもプチ女装、なのかな?

・「しっかりやれや~」とユーキをアゴで使うめぐる。名前さえ呼び捨ての完全使用人扱い。彼氏をAV好きと知ってショック受けるのはわかりますが、別に彼女に裏切り行為を働いたわけじゃないのに罰ゲームやらされるのもなあ。
でも本人「これで許してもらえるなら・・・」って結構嬉々としてるし(今後はAV集めてても咎めだてしないってこと?)、そのあとの「クッフフフ」という笑い方はなんか変態ぽいし(笑)。実はMっ気強いんでしょうか。
ともあれ本人が苦になってないなら別にいいか。

・ジュンの家を訪ねた江口はバスタオル一枚の姿で出てきたあんなに口ぽかんと開けて絶句。あんなの姿が見えた瞬間、「アーン♪」ってBGM?が入るのが細かいというかなんと言うか。
戸惑い気味に訪問理由を述べる江口の手を取って「入って」と誘うあんな。確かにもはや塾講師と教え子の母の距離感ではないですね。

・あんなの姿にくらくらする江口に部屋中のぬいぐるみやらポスターやらが全部江口の髪型+Vネック姿になって語りかけてくる。
この声全部星野さんが当ててるんですよね?個人的にポスターの外人モデルの右手のOKサインと「据エ膳食ワヌハ男ノ恥ヨ江口サン」といういかにも外人訛りの口調に爆笑した。ほんとしょーもないところに手間のかかったドラマです(誉めてます)。
江口も「反対意見はないの?」とツッコんでいるように、普通天使の声と悪魔の声の両方が出てくるものですが、全員「やっちゃえよ」。江口の頭の中って。

・さすがにタオル一枚から服は着たものの、ほとんど下着姿のあんなの胸元や網タイツの足に「ぐんっ!」と反応する江口。
あんな役の野波さんは表情や仕草の一つ一つがセクシーで、放映当時本物のAV女優さんが演じてると思ってた視聴者も多かったらしい。江口に密着しまくりだし。実際よく引き受けてくれたものだと思います。『鈍獣』で鍛えられたということでしょうか(笑)。
(注・野波さんは以前にやはり宮藤さん脚本の舞台『鈍獣』に出演されてますが、戯曲本収録のアンケートの中で「(この舞台を体験したことで)これからの仕事のうえで、どんな大胆なキャラクターでも怖くなくなった」と述べてらっしゃいます)。

・デビュー以来あんなのファンだったと彼女の出演作の名前を次々あげる江口。「レズビあんな」「さわんな」などダジャレ仕立てのタイトルが笑える。
個人的には、塾の前で江口が落としたビデオの山をあんなが拾ってくれた時に一番上に乗っていた「あんなにあんなこと」が一番ウケた。

・あんなは江口のベルトを外しにかかり、手を取って胸に触らせ・・・。夜11時台とはいえよくこれ放送したなあ。深夜枠バンザイ。
めぐるが江口を疑ってるとかの話はもはやどっかにとんじゃってますね。

・憧れのあんなの誘惑に対し、すぐに飛びつかず一応は塾の講師という立場をわきまえた対応をしようとしている江口をちょっと見直したら、「おかあさん、リクエストしていいですかー?」となんとセーラー服プレイを指定。
そもそもなぜかばんにセーラー服入れてるのさ!そしてどこから調達したのさ!もう完全にその気でしたね。
しかも相手が元AV女優だからってのっけから制服プレイなど要求するか?「~という体(てい)で」といちいち詳しい状況設定まで語りだすし。予想以上の変態っぷりです江口さん。

・笑顔で制服プレイを承知したあんなが隣室に消えたあと、浮かれてベッドにダイビングした江口はそのへんの邪魔なぬいぐるみなどを下に払い落とす。おいおい人ん家のものを。
そしてなんとそこにジュンが帰宅。もし制服プレイを要求せずまっすぐベッド行きだったら・・・言い訳のしようのないことになってたわけで・・・。娘の帰ってくるような時間にリビングでって、お母さん無頓着すぎます。
白目剥いて寝たふりする江口・・・ほかにどうしようもあるまい・・・。

・江口の打ち明け話に「なにやってんだよ江口ー!!」と本気で腹を立ててるユーキ。
なぜユーキが怒るのさ。やはりあんなファンのユーキ的には江口があんなとデキる展開は望ましくないんじゃ、と思いきやなぜか応援してるっぽい。
憧れのAV女優とプライベートに付き合おうとしている江口はある意味、AVマニア全ての夢を体現した存在としてユーキにとっても希望の星になってたりするのかな。

・往年のあんなのビデオを見て「十代の勢いが蘇るねー!」とウハウハのおじいちゃんと「さすがギリじい、若いっすーー!!」とこれまた上機嫌なユーキ。二人とも手付きがエロいよ(笑)。
今回くりかえし登場するめぐる-女性たちを置いてきぼりで盛り上がる男性陣という構図は基本めぐる中心のこのドラマの中では結構異質。
自身もAV大好きらしい宮藤さんの思い入れがたっぷり詰まった(それにスタッフも思い切り加担した)暴走気味のストーリーは、ただ笑えるだけでなく男たちの一種悲しい性を描いてどこかほろりとさせてくれます。

・しっかりセーラー服を着込んだ姿で江口をお見送りするあんな。さすがに女子高生としてはちょい老けてますが似合ってるなあ。あの制服あんなのところに置いてきたままなんだろか。

・「行くんすか江口は。そりゃ行くわな~」と我が事のように楽しげなユーキは江口の肩をがっしり掴み耳元で囁くように話す。この二人の密着度の高さに彼らの親密さが出ています。
これも演じ手である勝地くんと星野さんの仲の良さが反映された部分じゃないかと思いますが。

・「あんたみたいなドブネズミ・・・じゃなかった、エロビデオを誘うなんて」。
さすがに「ドブネズミ」呼ばわりにユーキがちょっと引いたのを感じてか、言い直すめぐるですが、エロビデオも充分ひどいよな。

・江口の恋人役をつとめることになったみちるが初の制服(ブレザー)姿で塾に現れる。しかも鼻の横のほくろが消えている。美容整形で取ったのだそうな。
ここであのほくろの意味(黒川さん自身はほくろないのになぜわざわざ付けボクロして演じていたのか)が一応明らかに。みちるがブレザーなのは、彼女が制服プレイ未遂を知ってるのかはともかく、あんなの制服姿と比較しての「若さの勝利」を印象づけるためなんでしょうね。

・江口と腕を組んで出て行こうとするみちるを見つめる高尾山はやばいほどに汗かきまくり。うつろな笑顔ははっきり言って不気味です。
みちるは振り向いて高尾山の顔を見た瞬間「げっ」と叫んでますが、その反応もその時の表情も到底高尾山を好きなようには思えない。心変わり伏線なんですかね。

・あんなのマンションから出てきた男があんなの出演ビデオに映っていた男と気づくめぐるとユーキ。
「あんなー」のユーキはともかく、おじいちゃんがビデオを見るのを反対してためぐるがよく相手役の男の顔(AV中では高校生の設定。相当無理めです)まで覚えていたもの。何とかいいつつ実は見てたんじゃん?
ちなみに、なんとこのAV(「はじめましてあんなです」)の内容をDVDの特典映像で見ることができます!最初から特典用に撮ったんでしょうか。さすがにそんなにきわどいシーンはありませんが、『めぐる』スタッフはやることが違う。

・ジュンから相手役の男=五十嵐があんなに復帰を促してると聞いたユーキは、「マジで!?」と大驚愕。単純な驚きではなく嬉しい興奮ですね。隣りのめぐるがむっと睨みつけてます。

・AVに復帰すべくあんなを説得する五十嵐はあんなの手を握りしめたまま、テーブルの上に転がる。テンション高すぎて怖いです。

・母親の仕事をだいたいわかってるというジュン(「テレビに出ない女優さん」という表現は秀逸だ)に、ユーキは「君のお母さんすごいんだぞー」と優しい笑顔で話しかける。
ジュンが母の仕事を恥じることがないように、きわどい部分は避けつつあんなの素晴らしさを伝えようとしてるんだな、ユーキいいやつだなあ、と思ったら、「からみになると持ち前の美脚を駆使して~♪」と続く。きわどい部分踏み込みすぎです。
そしてこの台詞のときの声のやーらしさときたら!勝地くんこんなとこまで名演技だ。

・あんなは借金を抱えつつ子供を育てるために夜の仕事だけで足りずにコンビニのバイトも始めたという。このあとのシーンで示されるあんなの知名度からすれば、コンビニの客にもさんざ騒がれたりいきなりお礼言われたりしてるんでしょうね。
しかし夜の仕事ってなんだろう。スナックとかかな。とりあえずあのマンションからもうちょっと安いところに移れば、多少経済状況はマシになるような気が。

・ジュンの父親があんなが昔AV女優だったと知って出て行ったと聞いたユーキは、「ありえねえ。(中略)君のお母さんがどれほど偉大か、説明してもいいすかめぐる?」。説明ってまた「美脚を駆使して」とかになるんじゃあ。
ところであんなの引退が9年前、そしてジュンが今小学校三年ということは、ジュンを妊娠したのが引退のきっかけだったと思われます。つまり元旦那とは引退後に付き合い出したのではなく、付き合いながらAVの仕事をしてたということになる。元旦那の怒りも「AV女優だった過去を隠してた」ためではなく「自分と交際の傍ら内緒でAVに出てた」ところにあるわけですよね。
元旦那の態度に怒ったユーキだったら、実はめぐるにAVに出てた過去があった、あるいは実は現在進行形でこっそりAVやってたとしても受け入れられるだろうか?

・めぐるにジュンの20年後が見えてると気づいたユーキは「どんなん?どんなん?」と大興奮。めぐるが言う前から「お母さんそっくり」の可能性に期待してたんでしょうね。

・20年後のジュンは看護婦さんの姿。AV界で名を馳せたお母さんそっくりの美人で、お母さんの周辺にはAV界の人間が出入りしてるはず(結局あんなは復帰したわけだから)の環境にもかかわらず、そちらの世界に引っ張りこまれずに看護婦になる夢を貫いたんですね。

・20年後のジュンはあんな役野波さんの一人二役ですが、静かな自信を秘めた艶めいた笑顔のお母さんと違い、ちょっと俯きかげんで眉はハの字の大人しめの女性に成長しています。
顔はおんなじなのにこれだけ印象を変えられる、野波さんの表現力が光っています。

・成長したジュンの顔をぜひ見たいとダメもとでホットドッグを一気食いしたユーキはジュンの顔を凝視する。ちょっとちょっといくらなんでも顔近すぎ。
さっきからのユーキの奇行をジュンはどう思って見てるのやら。ずっと口にパン頬張ったままだし。

・江口に一目ぼれしたというあんなの好みポイントは前髪、Vネック、出っ歯とみんながダメポイントとしてる部分ばかり。蓼食う虫も好き好きというやつですね。
しかし「今度こそ再婚できるって」喜んでたというところからすると、これまでにも何回か再婚しそうになったことはあったんでしょうか。もしそのたびに前夫と同じくAV女優の過去がネックになったんだとしたら、もともと沢樹あんなのファンだった江口はその意味で最適の旦那候補足りえたはずだったんですが・・・。
目の前でここぞとばかりいちゃつく江口とみちるを見つめるあんなの穏やかな、でも寂しげな笑顔がなんとも辛いです。

・ジュンと手を繋いで歩くあんなに「沢樹あんな?」「お世話になりました!」(ジュンが気にしてないからいいようなものの、子連れなんだからもうちょっと自重したまえ)と口々に声をかける通りすがりの男たち。
どんな意味で「お世話にな」ったのかおおよそ把握しながら、ジュンは母親を恥じるどころか誇りに思ってさえいる。それはあんなが堂々と誇らしげな笑顔を見せているから。
おそらくかつて過去を隠して結婚した夫に前歴を知られて破局した経験から、自分は人の役に立つ仕事を誇りを持ってやっていたのだから、変に隠しだてせず堂々としていようと決心したのでしょう。そしてそういう母親を自慢に思い慕っているジュン。「普通」ではなくても理想的な親子の姿ですね。
ジュンと笑いあい、晴れやかな笑顔で前を向いて歩くあんなは実に格好良くて、なんだか憧れてしまいます。母の生き方に学び「自分のことは自分でやらなくちゃ」と明るい笑顔を見せるジュンの芯の強さにも。

・自分のために再婚するなら反対だが、お母さんが本当に好きになった人と再婚するなら自分は頑張ってその人を好きになる、と微笑むジュン。なんてしっかりした&いい子なんだろうか。
しかしそのあとに続けて「でも江口は無理。ありえない」。お母さんが江口を本当に好きになったのをジュンはよくわかってるはずなんですが・・・頑張りたくても頑張れないこともあるってことですね。
しかしジュンにまで論外扱いにされる江口はさすがにかわいそうかも。

・「ふられましたー!」と安堵と一抹の哀しさをこめて、搾り出すように告白する江口は、横で笑うみちるに「笑うなよおー」と弱々しい笑顔で突っ込む。
今から思えばこの時点ですでに微妙にいい雰囲気でしたねこの二人。

・「だからあんたはいいから」とくりかえしめぐるに突っ込まれながら、まるきり無視で江口と複雑な心境を分け合っているユーキ。
「客観的に見れない」一方「二倍盛り上がっちゃうんだなこれが」。まあ何となくわかる気はしますが。
ところでめぐるは第4回で逆上したユーキにあんた呼ばわりされたのをあれだけ根にもっていたのに、自分はいいんかい。

・再び「猥談中失礼します」と現れる藪中店長。前半のあれはこのシーンのための伏線だったのか。「だから猥談は!」と再び怒鳴りかけたユーキが「・・・してたよ」とニヤリと笑うと、店長が親指をピンと立てて答える。
おお初めて二人の気持ちが通いあった!第1回から彼らのいがみ合いを見てきただけに一種感慨深いものが。

・みちるがやってくるとなぜかかばんにあんなのDVDを隠す江口。
みちるは江口がAVマニアなのはよくよく知っているわけで今さらなんですが、それでもあえて隠そうとするのはみちるとの関係が変化したからに他ならない。(付き合いはじめの)彼女の前で堂々とAV持ってるとこ見せられないのもまた男の心理。
AV-猥談を通しての男たちの連帯を描いた回の最後に「でもやっぱり女優先」というオチを付けるあたりがまた見事です。

・江口とみちるの交際宣言に「ええー!!」とめぐる&ユーキのみならず店中が絶叫する。なぜ君たちまで驚く(笑)。

・今回全編を通してちらちらと姿を見せていた謎の少年・真悟がついにめぐるの前に現れる。
満腹状態なのになぜか20年後が見えない真悟の正体やいかに!?という場面ですが、個人的には隣りの塾長の変わらなさっぷりの方が脅威です。髪の毛はヅラだからわかるけど顔も老けなすぎじゃないかい?
次の回冒頭でめぐるは見た目はほとんど変わらなくても「加齢臭がする」とひどい判断を下してますが。未来が見えるだけでなく臭いまでわかるのね。

・次回予告最後のめぐるの「フィックション」が、「今回は、ちょっとエッチでしたね」とのテロップを受けて「どうもすいやっせんしたー」。
ここであのシーンを使い回しますか(笑)。ぜんぜんすまなそうじゃないもんなあ。

(つづく)

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『未来講師めぐる』(2)-13(注・ネタバレしてます)

2009-07-27 01:32:24 | 未来講師めぐる
〈第7回〉

・自分の未来の姿(手錠+上着を頭からかぶせられた連行スタイル)を鏡で見て悲鳴をあげためぐるは、「ママー!」と叫んで表へ走り出す。
以前なら真っ先におじいちゃんを呼ぶところだろうにおじいちゃんの前は素通り。めぐるの中で一番に頼る人が母親に代わっているのがわかるシーン。

・「ぼくは江口。江口ひでお」との江口のモノローグ。オープニングはまためぐるモノローグスタイルに戻ったと思ってただけに意表をつかれた。
そして満面の笑顔でスキップ、というより踊るように街を歩く?姿をスローモーションでじっくり見せてるのに大笑い。さっきまでの緊迫感と世界が違いすぎます。
彼が手にもってるDVDぽいものがAVであることは間もなく明かされるわけですが・・・人気がないからってAVを堂々と、パッケージ眺めながら持ち歩くのってどうよ。
ちなみにこの回のタイトルは「恋するエロビデオ」。知識なく新聞の番組欄見た人はどんな番組かと思ったでしょうね。

・喜色満面の江口は、動揺して突っ走ってきためぐるに思いきり突き飛ばされ(しかし「エロビデオ邪魔!」ってめぐるひどい・・・)、はずみでDVDが宙を舞う。
めぐるが「ママー!」と叫びながら走るのは第1回の「おじいちゃんおじいちゃん!」のセルフパロディですが、今回はそれに江口の「あんなー!」という叫びが交互にはさまって、何ともシュールな味わい。
DVDを受け止めるべく宙をとんで懸命に手を伸ばす江口の姿がまた。結局DVDが自転車に踏まれてしまうオチといい・・・開始5分で早くも絶好調すぎです。

・結局自分の家に戻ってきてるめぐる。そして結局いつものように祖父に相談。この時点では愛子は相変わらず別居で、飛び出したはいいものの住んでる場所がわからず戻ってきたってところでしょうか。

・回想シーンで、めぐるをつけるおじいちゃんの目には、手錠+上着かぶりのめぐるの姿が映っている。
しかし20年後のめぐるはそんな何日間も連行途中みたいなスタイルで過ごしてるんですか?

・自分の兄弟のうち未来が見えるのは自分だけ、という話の中で再び吉田家の系図が一部クローズアップの形で出され、愛子の弟永作とその一家の名前が登場。先に向けての伏線がしっかり張られています。

・志望校に不合格でがっくりしている生徒たちを、なぜかいきなり歌いながら励ます江口。なぜこの時の江口はこんなにテンション高めなのか。あんなさんのDVDが破損した後なのに。
すでにユーキからあんな作品を借りる算段がついていた、というのが正解のような気がする。

・「がっかりして」「めそめそして」「どうしたんだよ」。生徒たちに声をかけつつそのまま光GENJIの『勇気100%』を歌い出す江口と途中から加わる塾長。あなたたち何生徒放りっぱなしで歌いまくってるんですか。
この時塾長がテーブル飾りの金のモールを首に巻くのが笑えます。さらにローラーブレードで滑りこんできたユーキがサビの部分を歌う。「そうさ~100%勇気~♪」。
そうか、ユーキがいつもローラー履いてるのは光GENJIが元ネタだったのか!今ごろ気づきました。

・歌いながらローラーブレードで部屋に滑りこんでくるユーキ。階段上がってから講師室までほとんど距離ないはずですが、わざわざローラー履いてきたんだ(笑)。
しかしロッカーにぶつかるぎりぎりのラインでさっと方向転換し、歌に合わせて踊ってさえいる。すでにローラーが自分の体の一部のようです。すげー。

・ユーキの音程のはずれっぷりに呆れる江口たちに「自分、絶対ダメ音感の持ち主なんで」。
勝地くんはたびたび「自分は歌が苦手」と言ってますが、これはさすがに外しすぎのような気も。2009年公開の映画(これまた宮藤さん脚本)『少年メリケンサック』のマサルは、仮にも歌手志望だけあって音程もう少しはマシだったのに。
(もっともムック本『少年メリケンサックアンソロジー』での宮藤さんコメントによると、映画中で歌うシーンは奇跡的にまともに歌えたテイクを使ってるらしい(笑)。声質自体はとても綺麗なので実に残念というか、それもなんか勝地くんらしくてかえって味わい深いというか)
ちなみに光GENJI世代のくせに『勇気100%』を知らなかったので(ネットで人様の感想を読んで曲名を知った)、CDをレンタルして聴いてみました。江口と塾長は音程正確(というか上手い)なんですが、ユーキが歌うサビの部分――まるで別の歌ではないですか。さすがは絶対ダメ音感。

・「ところで100%めぐるは?」「100%まだです」。この会話のテンポいいなあ。ユーキの肩をすくめる感じも。
しかし塾の関係者ではないユーキが普通に入ってきてることにもはや誰も疑問を抱かないらしい。音楽祭やら千鶴捜しやら貢献度は講師なみですからねえ。

・めぐるが生まれた頃にはすでに未来が見えるようになっていたという愛子の回想。
産婦人科のベビーベッドで眠る赤ん坊のめぐるが愛子の目には成人した姿に見えている。予告でベッドに横たわり赤ちゃんみたいに泣いてるめぐるに「何だこれ?」と思ってたんですが、こういうオチでしたか。その後のベビーカーも。
つくづく深田さんファンにはいろんな意味で見どころ満載ですね。

・再び愛子回想。目の前でそば屋の店主が刺されるのを予知するシーン。
包丁握りしめた奥さんが「そんなに若い女がいいのかー!」とか言ってますが、このタイミングでいきなり刺しにかかるってことは、愛子がとっくに閉店なのに居座って食事してるせいで勘ぐられたってわけですか?

・「娘が将来臭い飯食ってもいいのか?」というおじいちゃんの言葉をきいて「臭い飯なんてやだ。パンがいい!」と答えるめぐる。
将来投獄の可能性があるというのに、めぐる的問題点は「刑務所のご飯が美味しいかどうか」なんだ・・・。どこまで食い意地はっているのか。

・めぐるを励ましつつ、着物の袂にしまっていたお菓子を二包み握らせる愛子。いいシーンなんですが、このお菓子吉田家のお茶の間から拝借したものなんですよね・・・。
しかしこんなしみじみした話を振っておきながら、本題は江口のたぶんにエロエロな恋バナで、回タイトルが「恋するエロビデオ」ってのがまた(笑)。

・千鶴の合格祝いにと「ユーキスペシャル」なる巨大ホットドッグを後手に取り出すユーキ。でも千鶴もめぐるもかなり引き気味。しかしここまで一緒に走ってきた千鶴にホットドッグの存在を気づかせないとはユーキやるな。

・塾の新しい看板には「324アカデミー」ならぬ「光代アカデミー」の文字、そして看板の左端には浅香光代さんの似顔絵?が。いいのかこれ。いろんな意味でやばくないか。

・またまたジュージューパラダイス。すっかりユーキ43にも慣れきって「大好き」の域に達しためぐる。
20年後バージョンの藪中店長がなぜかめぐるがユーキにアーンした焼肉を横から食べてしまうのが(笑)。持ってきたコムタンスープは溢れまくってるし、「猥談中すみません」だし。
この人よく店長やってられるなあ。そして毎回のようにケンカしながらなおもこの店に通い続けるユーキもなんなのか。

・にこにこ笑顔で溢れ気味のコムタンスープに手を伸ばすめぐる。いいんだあれで?
そしてめぐるが引っくり返したコムタンスープを「全面的に私がかぶりましたので」な藪中店長を「聞いてねーんだよ!」と責めるユーキ。いや一応被害者なんだからその言い方はかわいそうでは。仮にも自分の彼女が火傷させたんだからここは謝るべきところだろうに。
とことん相性の悪い二人ですが・・・ある意味仲良しなのか?「コニタンは欽ちゃんバンドです」とか言いながら力比べ状態になってるシーン、DVD収録の未公開映像(時間の都合で?カットされた部分)ではそのまま二人で踊ってましたし。

・なぜか自動ドアに挟まれてじたばたしてる江口を「待てよ!」と追いかけてゆくユーキ。
江口が何したでもないのに(確かにこれまでの時点ではあまり仲良さそうには見えなかったが)なぜ追いかけていくのか、なぜ一回席に戻って袋?を持っていったのか。
この時はスルーしてましたが、あんなオチだとはなあ(笑)。どこから友情が生まれるかわからないものです。

・江口に疑いの眼をそそぐめぐる。しかし「狡猾な小動物を連想させる顔立ち」ほか心の声の内容がひどすぎる。「ネズミかよ!エロ出っ歯Vネック野郎め」とか毒吐きまくり。
そのめぐるのナレーションに答えるかのようにほんとにネズミっぽい表情&行動の江口。星野さん名演技だなあ。
ところで以前から思ってたんですが、Vネックってそこまでアヤしげなアイテムですかね?

・「ぼくは教育者失格です!」と悲痛な声で叫ぶ江口に、塾長が近づき優しく慰めの言葉をかける。のだがその台詞ときたら「そんなことはもうみんなわかってるよ」。
後ろでみんながあっさり(めぐるなど先とはうってかわって慈愛さえ感じさせる笑顔で)頷くのも含めナイスお約束な展開。
しかし「君なんかただのチンピラだよ」ってのは(笑)。そこまで言うか。つーかなぜそんなチンピラを雇ってるんだよ塾長。

・教え子・手塚ジュンの母親からの手紙。その娘思いの切々たる内容に講師陣が皆涙する中、「お母さんが僕を誘惑してるとしか思えなくて」「行間から滲み出てるでしょ、人妻の、シングルマザーの抑え切れない欲望が」。
こりゃキモい。全員ドン引きするのも無理はない。しかしこの恐ろしく自分に都合よい江口の読みが見事に当たっていたことが追って証明されるわけで・・・。恐るべし江口。
まあようやく回タイトル「恋するエロビデオ」通りの展開になってきましたね。

・江口の言動に「キモい!」「キモい!」と顔をしかめて逃げ腰のめぐるとみちるを何気に後手にかばうようにする塾長。彼の意外な紳士の一面を見たような。

・江口のキモい皮算用を聞いて、「そんなね、君の大好きなアダルトビデオみたいな展開は現実にはありえないんだから」とツレなく突っ込む高尾山。
まあこの直後現実にありえちゃったわけですが、そもそも教え子に手を出して?淫行でクビになったあげくその当の教え子と今同じ職場で働いてる高尾山が言えた立場か、という気はひしひしとする。

・ジュンの母親・絵里子=沢樹あんな(野波麻帆さん)を目の前に固まっている江口が、思いっきりネズミ顔なのに笑った。そんな顔してたら(普通なら)引かれてしまいそう。
このお母さん、手紙の文面から質素で地味な女性を想像してたので、存外華やかで色っぽい人なのに驚いた。これなら江口が妄想を逞しくするのもわかるような。
というか冒頭の「あんなー!!」がまさかこんな展開に繋がっていたとは。憧れの元AV女優が教え子の母親だった、なんて本当にAVのストーリーに使えちゃいそうです。

・夜中に満を持して見ようとしたあんなのビデオをダメにしてしまった江口は、同じビデオを求めて都内を捜しまわったという。
とりあえずは他の出演作品見といて、あとから落ち着いて探しに行けばよさそうなものですが、動揺のままに部屋を飛び出し夜通し探し歩いてたというのがすごい。情熱の使いどころがなあ。
AV女優なのに「20世紀最後の清純派」ってフレーズもすごい。

・あんなのDVDをダメにしたことを江口に責められためぐるは平然とプリンを食べながら「すいやっせんしたー」。
なんか回を追うごとにめぐるのキャラが次第にやさぐれていってるような(笑)。所詮はAV、所詮はAVマニアのキモい男と思って軽ーく見てるからこその態度なんでしょうねえ。

・「それは違うなみちるちゃん」。いきなり現れたユーキのいきなりな発言。もはや完全に塾関係者のごとく当たり前にそこにいますね。
しかしこの回、あのユーキがベタ惚れの恋人めぐるよりも男の友情を優先させているわけで、実に貴重といえば貴重です。

・実はユーキも「あんなー」だったという衝撃の事実が発覚。二枚目でも彼女がいてもAVは別腹ってやつですね。
ユーキから江口へはDVDを貸しているのに対し、江口がユーキに貸したのはみなビデオテープ。この二人、年はそこまで離れてないと思いますが(5歳くらい?)、かたやビデオ時代からの(リアルタイムでの)ファン、かたや近年DVDの復刻版が出てからのファンなのが、コレクションの媒体の違いに現れています。
しかしこの二人どんな経緯でお互いの趣味を知ったのやら。前回でユーキがブログブログ言ってたのを思い起こすと、「ユーキがブログで好きなAVの話を書き、それを読んだ江口がメールなりレスなりで連絡を取ってお互いの正体が発覚した」という流れなのかも。

・「ようするに、君は沢樹あんなの大ファンであり、(中略)性欲のモンスターであることを知られたくないんだろ?」との塾長発言に、ユーキが軽く眉にしわ寄せて振り返っている。この話の流れだとユーキも「性欲のモンスター」扱いされてるのも同然ですからね。
しかしその世界ではそこそこ有名らしい沢樹あんなの名前を全く知らなかった塾長、自分では大してAVに関心なさげなのに、江口やユーキに同調してAVにまつわる男心を語ってくれる。男同士の絆――ネタがアホらしいだけにかえってなにやら感動的。

・ユーキが彼女とAVの関係について力説するとき、力強く前に進み出る塾長が、指鳴らしてリズムとってる(笑)。どこのミュージシャンだ。

・女性陣にAVマニアの心理を語るユーキは「それが男子だ!」と力強く宣言する。「男」ではなく「男子」なんですよね。少し前で塾長も「男子としては、合格かもしれない」と言ってますし。
『池袋ウエストゲートパーク』でも『木更津キャッツアイ』でも宮藤さんの描く青年群像劇の男たちは、そこそこスケベで俗っぽいのに妙に奥手というか性的に潔癖で女より男の友情優先みたいなところがあり、結局据え膳を食い損なったりしている。
「永遠の中学生」と自らを評する宮藤さんの感性がそうした思春期の少年ぽさ=「男子」性として表れているんでしょうね。

・めぐるにはたかれ「カミングアウト、失敗」と言いつつも「しょーがねえなー♪」と笑顔でめぐるを追って出て行くユーキ。こんな会話のあとだというのに、何とも罪のないさわやかそのものの笑顔。
なんかユーキならAVマニアでも全然許せるな。陰湿な感じが全くしないし。

・ユーキのあとを「ユーキ忘れてるぜあんなのビデオ」とビデオの山を抱えて追いかけてくる江口。ユーキはめぐるを追って出たんだから、めぐるに追いついたときにAV持ってたらまずいんでは。
しかしいつのまにか呼び捨てするほどに親しくなってたのね。

(つづく)

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『未来講師めぐる』(2)-12(注・ネタバレしてます)

2009-07-24 00:52:00 | 未来講師めぐる
・一ヶ月のうちに死ぬ運命の千鶴を救うため、彼女のあとをつけるめぐる。
しかし両手にパンと紙パックの牛乳(?)を持って食べながら後を追っているのが何とも緊迫感を削いでいる。千鶴の(未来の)状況を確認するため仕方ないんだけどさ。
千鶴をつけるめぐるをさらにつけているおじいちゃんも同じ格好してるのが可笑しさを倍増させる。

・ユーキに「ブログとかやめて。・・・こわい」というめぐる。これたぶん宮藤さん自身が(一般人による)ブログというものに対して批判的なんでしょうね。公共性・客観性が乏しくなりがちで、ゆえに無防備に個人情報流しまくったりするからですかね?
しかしめぐるのことは書かないとなると何書いてるんだろう。AVのマニアックな話とか?

・千鶴に「カッコいいよね」と言われて嬉しそうに「一応京王稲田堤のリバー・フェニックスと呼ばれてます」と語るユーキ43。
言い方や表情がほんと得意げ(笑)。外見と「リバー・フェニックス」にギャップがあるだけによけい可笑しい。テーブルまで滑ってくる動きがユーキ23に比べてどうもぎこちないしなあ。

・「黙ってるならいてもいいよ」と言われて「お口にファスナーっす」とジェスチャーをするユーキ43。ファスナーを閉める効果音がちゃんと入るのがツボ。

・赤坂くんの両親にメールを見られて付き合いがバレたという千鶴の表情を見て、めぐるに「どうやらメールだけじゃなさそうっす」と告げるユーキ。
知り会ったばかりなのにもかかわらずめぐるより早く正確に千鶴の内心を察したユーキは、存外観察眼が鋭い。さすが「バカだけどバカじゃない」男だけある。
でもそのままシリアスに決まらないのがユーキのいいところ(?)。

・千鶴の「あたしたち中三だよ?」の台詞を受けて、「ペッティング!ペッティングまで行ってるっす!」と大騒ぎするユーキ。
ペッティングって表現ずいぶん久しぶりに聞いたなあ(笑)。宮藤さん脚本だとほんとアレな台詞たくさん言わされますねえ。しかし「俺のブログ炎上~!」ってこんなことブログに書く気なのか。

・めぐるに叱られたユーキは「お口にホチキスっす」。
二人一役で同じような台詞同じような動きをしてるのが余計可笑しい。後ろのカップルが訝しげに振り返ってるぞ。

・めぐるから千鶴の状況を聞いた江口は「嘆かわしいですね。優等生同士が受験直前にペッティング・・・」などと発言。
それはあくまで憶測、とめぐるは怒りますが、ユーキのこんなエロ発言まで報告したわけか。そりゃーめぐるが悪いんじゃあ。

・めぐるの話を聞いて、まるで金八先生(のエピソード)だという塾長。
ここからしばらく『金八先生』談義が続きますが、この場面で『めぐる』の登場人物の名前の多くが『金八先生』に由来していることに初めて気づきました。ちゃんとネタばらししてくれてるわけですね。

・赤坂くんを「もう一度小学生から入り直すか?」など言葉責めしまくりのみちるのスパルタ授業。ひどい講師だなあ(苦笑)。

・千鶴を命の危険から守るため、めぐるとユーキがわざわざ中学校までお迎えに。それはまあいいとしても、ユーキの黒服サングラススタイルは・・・。ボディガードだからって形から入りすぎです。
予告でこの姿を見たとき何やってるんだろうと思いましたが、まさかこんな展開とは。外見も行動も怪しすぎて、千鶴も他の生徒の手前恥ずかしいだろうに。「段差危ない」「工事危ない」と超過保護だし。
工事の人に「ジャマする気か!」とか(無駄にいい声で)言ってますが、どう考えてもジャマなのはあんただ。

・受験を目の前にした生徒たちを塾歌で激励する講師陣。塾名の部分どうするんだろう、と思ってたら「マサルくんのおいしいアカデミー」でちゃんと歌っててホッ。しかし塾長サックスはどうした?

・たくさん余ってしまった「マサルくん人形」をいじってた塾長は、髪の毛がスポッと取れたのに慌てて、みんなが気づかないうちにこっそり隠しにゆく。
この人形、作中では誰が作ったことになってるんでしょうかね。やっぱり外に発注したんだろうか。別に塾長に当てこすってヅラ仕様にしたわけじゃないんだろうけど。

・「生徒の辛さを思えば徹夜で金八見るくらいなんてことない」。
たしかになんてことないだろうけど、すでに生徒たちを送り出したというのに今さら金八を見たところで何の意味もないような。ようは見たいだけですね。

・あれだけ頑張ったのに一ヶ月中には死ぬ運命の千鶴に何て声をかけたらいいのかと沈むめぐるに、ユーキは「おめでシュー」なる言葉を提案。「おめでとう」と「ご愁傷さま」を掛けたという・・・。
めぐると一緒に千鶴のガードやってたわりには、千鶴の死にドライなユーキ。あくまで「めぐるの教え子」という間接的な関係だからか、まずはめぐるの気持ちを楽にしてやりたくてわざとバカなこと言ってみたのか。
ともかくも自分とは直接関係のない千鶴のために時間と労力を割ける(その間バイトはどうしてるんだ?仮にもサブマネージャーなのに)ユーキはいいヤツだ。それだけめぐるにベタ惚れなんですよねえ。

・ユーキの不謹慎な発言にめぐるは「あははウケるー」と無表情に答える。単に言葉と表情が裏腹というのでなく、わざわざ音声別録りで口パクにかぶせる芸の細かさにウケる。
それを受けてユーキが「音声だけウケても嬉しくないっす」。こういう小ネタ的な演出がつくづくナイスです。

・満腹になる量の20分の1を食べれば1年後が、さらに12分の1を食べれば1か月後が見えるんじゃないかとのユーキの提案。
その理屈だと食べてる最中に少しずつ目の前の相手の外見が変化していくことにならないか。これまでの設定が崩れちゃいそうな新説ですが、愛子の能力がまさにそういう原理なのが後に明かされるのでその伏線みたいなもんですね。
ユーキも「訓練したらコントロールできるようになるかも」と言ってるわけだから、現在は見えないことと矛盾しないし。ついでにホットドッグを20分の1にきれいに切ってのけるユーキはさすがは本職?ですね。

・徹夜組の講師陣3人が『金八先生』について毒舌トークを。とくにみちるは「鼻声」連発するし。黒川さん『金八先生』の生徒役で出てたことあるそうなんですが・・・ある意味裏アテ書きとでも言いましょうか。
さらにみちるは寝こけている塾長の「カツラはいじゃおうか」と。今回みちるが悪女だなあ。

・行方不明になった千鶴を手分けして捜す講師陣+ユーキ。肝心の塾長は相変わらず眠りっぱなし。塾の人間じゃないユーキが全面協力してるというのに。

・赤坂くんと千鶴は将来別れると断言するめぐるに、(彼女の能力がバレてしまうと)あせったユーキは「わーわーわー」と叫びつつ手を広げて江口たちを遠ざけようとする。
この時「なんでジャマする」とユーキの頭をはたく江口が思わずという感じで笑っている。ユーキも2回目の「わーわーわー」のときはほとんど江口にだけ体をかぶせている。
星野さんと勝地くんの仲の良さがつい出た場面じゃないかと思うんですが。

・塾長からの千鶴発見のメールに「なんでマサルが!?」と驚く一同。なぜか呼び捨て。そしてなぜ2回同じ台詞をくり返す?
はては江口が塾長を殴り気絶した塾長をマネキンのように高尾山が抱えて運ぶ。どんどんないがしろにされてゆきます塾長。

・千鶴に「他人の目なんて気にしてたらあっという間に・・・」と言いかけて言葉につまるめぐる。おそらく「あっと言う間に年を取ってしまう」と言おうとして、彼女の寿命があと一ヶ月ないことを思い出したからでしょう。
そのかわりに「人生は短いんだから、がつがつしないでどうするのよ!」と言葉を続ける。もし一ヶ月の命でも、いやむしろ一ヶ月の命だからこそ、せいいっぱい生きろというめぐるの思いが伝わってきます。

・塾の下で待機してたユーキが二階窓のめぐるにホットドッグを投げる。前回の逆をいったわけですが、ユーキどこからホットドッグ取り出したんだ?
そして千鶴を背負ってローラーブレードですべり出すユーキ。すごいよあんた。絶対タクシーで行ったほうが早いとは思うけど。

・流星高校の前で婦警姿の千鶴35に出会っためぐるは「あなた千鶴ちゃんなの?はじめまして!」と彼女の未来が変わったことに喜ぶ。
そういえばめぐるは何のために満腹状態になって走ってきたんだろう。千鶴は一ヶ月以内に死ぬと思ってるなら、今さら彼女の未来を再確認してもしょうがないわけだし。
つまりここで受験に間に合うかどうかで未来が変わって、彼女が生き伸びる可能性を捨ててなかったってことなんでしょうね。死ぬのが確定だと諦めてたらああまでして受験させようとはしなかったろうし。

・二次募集を受けるという千鶴に「人生長いんだから、がっついてたって仕方ないよ」とめぐるは言う。
千鶴も突っ込んでる通り「さっきと逆のこと言って」ますが、千鶴の未来が変わって最低でも20年は生きられることが確定したからですね。
しかしそうすると赤坂くんと金髪女性の未来はどうなってしまうんだろ?

・二人がそろって合格してたら乗るはずだった観覧車が墜落する事故が。
この事故で千鶴だけが死ぬはずだったということは、つまり赤坂くんは目の前で恋人の死を経験するはずだったんですね・・・。どちらのためにも無事助かってよかった。

・赤坂くんの手をつかんで引き止めたり、帰ってゆく彼のお腹のあたりをぽんぽんと軽く叩くユーキ。なんか弟分として可愛がってるって感じでほのぼのします。

・二人が観覧車で初キスの予定だったと知って、「えっ!ペッティングどころかキスもまだすか!?」と大声出して驚くユーキ。
ちょうどやってきた藪中店長が照れて「いいね・・・ペッティング」とか言ってます。なんか笑顔がやらしいです。さらに「タン塩二人前、ほら食え」とか言ってますよ?
この人の言葉づかいはつくづく客商売として問題アリアリだ。

(つづく)

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『未来講師めぐる』(2)-11(注・ネタバレしてます)

2009-07-21 01:06:11 | 未来講師めぐる
〈第6回〉

・前回のユーキに続き今回はおじいちゃんのナレーションではじまる。しかし保険のCMって・・・つくづくここまでやるか的パロディ満載ですねこのドラマ(もう少しあとではついに「ちい散歩」のオープニング映像?が)。
保険紹介のフリップを通りすがりの影(役割的には黒子さん)が風のように持ち去るのも可笑しい。

・いまやユーキ43とも普通に接しているめぐるについて、おじいちゃんは「恋人の20年後が見えても動じないほど図太い女になってしまった」。そんな言い方って(笑)。「愛の力」とかプラス評価じゃないんだ?
それにしてもめぐるはデートの時もあのダサいファッション継続中なんですね。

・座って考え事してるおじいちゃんに警官が異常ににこにこ顔&甘ったるい声で話しかけてくる。
「おじいちゃん?だいじょうぶ?」という台詞から、ボケ老人と疑って子供に対するように接してるのかと思ったら、引きの画面で見るとランドセルを背負っている。ああそうか、おじいちゃん今満腹状態だったんですね。しかし子供としてさえこのおまわりさんハイテンションすぎです。

・12年前に出て行ったきりの母・愛子の消息が知れた、という話をしてる時に、後ろのすだれを上げるとそこには何と母の姿が!
感動&まさかの再会シーンのはずなんですが、めぐるの表情も「マ~マ!」という口調も、「帰りが遅いから心配したでしょ!」程度のあまりに日常的な反応なのが笑える。
さすかに愛子の方は驚きまくってますが、泡食って逃げ出す様子が何ともユーモラス。全然感動の再会にならないんだもんなあ。

・店から飛び出す愛子、追いかけるめぐる、さらにそれを追うユーキがいちいち店の前を通る時、静止状態になってめぐるの人物紹介ナレーションがかぶさる。
静止状態といっても止め絵でなく役者さんが「止まった状態」を無理矢理演じてるのがポイント。
めぐるが静止した時「私はめぐる。吉田めぐる。進学塾の講師です」という毎回の定番ナレーションが流れるのもシュール。このタイミングでそんな普通のことを言うか。12年振りに思いがけず再会した母親を追いかけているという緊迫した状況に全然即してないんだもん。
「めぐる~!」と叫ぶ途中で静止状態になったユーキが再び動き出したとき、「る~!」と叫んでるのもナイス。

・ローラーブレードを手にめぐるを追って走るユーキ。店で食事中だったんだから当たり前なんですが、ユーキが滑るのでなく普通に走ってるのが何だか新鮮です。

・母に逃げられためぐるは「ビビンバ食い逃げだ~!」となんかピントの外れたところで怒っている。
ショックのあまりあえて核心を外したことを口にしているとも取れる状況ですが、まあめぐるなんで「相変わらず食い意地張った発言だな~」と取るのが正解のようでもある。

・めぐるを慰めようとするあまり、「自分、めぐるが食べたいっす!」などと発言してめぐるにどん引きされるユーキ。このドン引きの表現が、ユーキを正面に捉えた画面が急速に引いていくという・・・。まあ彼氏に言われたとは言え、この表現には引きますねえ。
ここでユーキが「ブログに書いちゃうから」とか言ってますが、ブログなんてやってたのかユーキ。どんな内容なんだか。

・めぐるが家に飛び込み、「ママに会ったの!」「びっくりしないの!?」とおじいちゃんに訴えている背後、台所で割烹着姿で立ち働く愛子の姿がさりげなく映っている(笑)。そりゃびっくりしないはずだわ。
そしてめぐるは何回も台所振り向いてるのに愛子に気づかない。そりゃまさか家にいるとは想像もしてないだろうけど。この回は画面構成のシュールさが実に秀逸です。

・愛子に頭を撫でられてめぐるは泣きじゃくる。もともと子供っぽいところのあるめぐるですが、この場面は(トレーナーの柄のせいもあって)実に幼く見える。
12年ぶりの母を前に、最後に会った12歳当時の気持ちに返ってしまったんでしょうね。

・おじいちゃんが愛子に未来のめぐるの姿を確認してもらうシーンで、それに先だって部屋の前を横切る20年後のみちるのカットが入る。二人の目が未来予知モードに入ってることをこのみちるの画が入ることで一瞬で理解できる。上手い演出。
20年後のめぐるの外見が手錠以外(みちると取り換えた服装までも)なぜか全く変わってないだけに、この画がなかったら20年後が見えてるのがわからなくなりますからね。

・めぐるの手錠を確認してもらいたくて「それでおまえを呼んだんだ」というおじいちゃん。
つまりおじいちゃんは愛子の連絡先がわかっていたということになる。衝撃の第9回に向けてのさりげない伏線。

・防災頭巾をかぶりリュックまでしょってテーブルの下に逃げ込もうとしてる塾長。防災訓練かと思いきや、「石倉ゆり子が来るんだよ!」。
あいかわらずモンスター扱いですね。動揺のあまり「ズレてる!」と言われても何のことが気づいてないし。

・外で高尾山と江口が「がんばってる」そうですが、何をどうするというのか――と思えばなんと看板を下ろしての夜(昼)逃げ。
この発想はなかったなあ。そこまでするか。他の生徒はどうするのさ。

・現時点で中学合格者がゼロという衝撃の事実を受けて、「もはや塾であることさえ隠したほうがいいかもしれんね」。
それじゃあ廃業も同然でしょう(笑)。つくづくこちらの想像の斜め上をいく台詞&展開です。

・「未来の門アカデミー」というおじいちゃんの提案した名前にすっかり感心する講師陣。何でこの流れで「マサルのおいしいアカデミー」になっちゃうんだか。

・愛子回想の高校時代。なんと榊原さんの高校の制服(ブレザー)姿が!さすがに無理があるけど、何気にお宝映像かも?

・「いい子に育つしかないよ。パパもママもいないんだから。いい子に育つしかないじゃん」。めぐるの言葉は決して激しくはなくちょっと拗ねたような可愛らしい声のトーンですが、その幼い調子がかえって彼女の寂しさを強く感じさせます。
シンプルなごく日常的な台詞のなかにウェットになりすぎない哀愁を篭めるのは宮藤さんのお家芸ですね。

・焼肉店で愛子にすまないと大泣きするはまる。これって『冬のソナタ』のヨン様コスプレなんですか?だいぶふくれてるけど(笑)。
しかしこれだけ済まながっておいて、愛子も愛子で元亭主を「金の亡者」と罵っておいて、第9回のあのオチは何ごとなんでしょう。おかげですごいインパクトだったけど。

・はまるの涙で水浸しのテーブルの上で金魚?がはねている。
そんなバカな、なシーンですが、こういうムダなキメ細かさにスタッフのノリのよさが表れていて、結果『めぐる』の世界観を作り上げている。

・「そんなバブル崩壊後の(=年を食った)ママなんて見たくもねーや」ほか、オーバーアクションで妻への思いを語るはまる。
後ろの席のカップルがこちらをちらちら気にしているのが笑えます。そりゃ気になるわな。

・ゆり子の問題が片付いて(片付いたのか?)元通りの服に戻っためぐる。しかしみちるのファッションも都会風のまま定着した様子。
いかにもな田舎の女の子から洗練された女子大生ぽい感じに。きれいになったなあみちるちゃん。

・張り切って講義にのぞむ講師陣。
しかし高尾山は早口すぎて何言ってるかわからんし、江口はものすごい速さで黒板&白板に文字を綴るし、みちるはただ一人の生徒(今市くん)を脅しつけてるし、めぐるの黒板消しは今度はかまぼこだし・・・混迷してるなあ。

(つづく)

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする