下はタオル一丁でうろうろし果てはモザイクまでかかる(笑)ような姿の江口にもまるで動じずに笑ってるみちるの様子からするに、ついにデキあがっちゃいましたか?でも前回の終盤といい今回のラストといい高尾山先生とラブラブなんだよな~・・・。
・千鶴といづみから卒塾式が提案される。無事に都立の二次に受かったらしいいづみは、以前の拗ねたような態度が消え、ごく柔らかい笑みを浮かべている。
めぐるの言葉がどの程度彼女の中に沁み込んでいるのかは定かでありませんが、千鶴ともども卒塾式の発起人になってるくらいですから、この塾やめぐるに対する感謝の思いはあるのだと思います。
ちゃんと塾のイメージキャラクターのイラスト式の案内プリント作ってくるくらいですし。
・「警察に母」の張り紙を出して署内で占い小屋を開いている愛子。行列までできてすっかり繁盛の様子。手錠+頭から上着かぶせられてる人まで並んでます。
中で愛子に転職を勧められているのはこないだの女性の相棒の人ですね?だからなのかなんか氷高の相棒さっそく変わってますし。
・永作は真悟の口に無理矢理食べ物を突っ込み自分の未来を見ろと迫る。「父さんこの先どうなる。どうすればいいんだよ!?」と叫ぶ様子に、一見不気味で余裕ありげだった永作が、内心不安でならなかったのを感じさせます。
警察に追われマスコミから叩かれだから思えば当然。だからこそめぐるをああも追いまわし、おじいちゃんと真悟を拉致までした。そんな永作の孤独感と苦しみがこのわずかなシーンで浮き彫りになっています。
おじいちゃんに「人質である前にな、わしゃお前の父親じゃ、バカ!」と泣きながらはたかれたとき、永作も泣き出しそうな顔をしていましたし。
・めぐるが塾にやってくると塾の階段下に堂々「出所祝い会場」の看板が。こりゃ人聞きが悪いわ。塾の下の階にある洋服屋さんの「20%sale」のポップとの温度差がすごい。
・はまるを教室に連れ込み、英語で「あなたの仕事は何ですか?」と英語の授業の形式にのっとって、はまるが父親の責務を果たしていないことを非難するめぐる。
主人公を塾の講師に設定した時点ですでにこの最終回の展開を考えてたんでしょうか?ただ娘が父親を責めるのでなく、先生として教え諭すというニュアンスを上手に含んでいる。
これまで場当たり的にいい加減に生きてきたはまるの目を開かせるきっかけとして実に上手く設定されたシーンだと思います。
・新たな相棒とともにはまるを探して塾へやってきた氷高を講師陣+ユーキが阻止しようとする。
このとき画面の奥に姿を見せた塾長が(例によってなぜか指でリズムを取りながら)歩いてくるとき頭が見切れるアングルになってるので、「またヘンなヅラかぶってるんだろうな」と思ったらなんと金八ヘア。台詞も「今は授業中ですから」。
第六回で塾長が金八好きなのはすでに明かされてるので驚きつつも突飛なコスプレというわけではない。しかし塾長どれだけヅラストックしてるんですか。
・めぐるを引っ張って塾を出て行ったはまるを追おうとする氷高の前に、ユーキが両手を広げて立ちはだかる。「これは吉田家の問題です。警察の出る幕じゃない」。
おお何とカッコいい。「吉田家」と口にしたところで自分の胸に手をあてる身内意識もカッコいい。案の定「君は吉田じゃないだろう」と返され、「いずれ吉田ユーキに・・・」なる反論は全然聞いてもらえてませんが。
・ユーキに続いて江口、ついで高尾山がさらにドアの前に立ちはだかる。
「なんなんだね君たちは」と聞かれて、「吉田先生の、た、単なる同僚です」と答える江口。
恋人のユーキでさえ「吉田じゃないだろう」で一蹴されたのを受けて、最初から自分とめぐるの繋がりはさほど強いものではないと認めたうえでそれでもめぐるを助けようとする彼らの姿もまためちゃめちゃカッコいいです。
・氷高とユーキたちがもみ合うところへ、ティーカップを持ったみちるが後ろからそっと近寄り、氷高の襟首から熱いお茶を注ぎ入れる。なんと強力な攻撃。塾長が「そう熱くならずに」と氷高をいなした直後なのがまた可笑しい。
さらにみちるはユーキを殴ろうとしてた?相棒の前に立ち塞がって天使の笑顔で「死んじゃえよ」。ショックもあらわに硬直する相棒。みちる最強です。
・硬直する相棒を後ろからだるまさん付きトロフィーで殴り倒す塾長。だるまに軽くキスしてポーズを決めるのがキザだけど格好いいです。
しかしみんなそろって公務執行妨害もいいところ。「容疑者マサルとゆかいな仲間達アカデミー」になっちゃいますよ。
当然のように全員が警察を敵に回してめぐるを守りにかかった、日頃なんだかんだと言っていても素晴らしいチームワークであり素晴らしい職場ですね。
・めぐるを連れて雄雄しく「丸顔食堂」に乗り込もうとするはまるは、たまたま主人が出てきたのにびびって、めぐるの後ろにこそこそ隠れる。うわーカッコ悪い。
ついでに主人の態度に腹を立てためぐるが「全然丸顔じゃないし」と非常にどうでもいいことに突っこんでいるのが可笑しいです。
・永作に急を知らせに部屋にかけつけた主人は「先生、大変です。外にご家族が」。事実なんだけど、なんか緊迫感が全然です(笑)。
・拡声器でおじいちゃんに対して呼びかけを始めるはまる。
「私はあなたが苦手です」という意表をついた告白からはじまり、めぐるをおじいちゃんに預けっぱなしにした真相、めぐるのためにおじいちゃんと一緒に暮らそうという決心までが語られる。はまるの一番の見せ場なのでは。とくに「俺は娘のことしか考えられない。俺はめぐる目線でしか物事を見られない」というくだりにはじんときました。
それだけに肝心のおじいちゃんはこの場に不在で何も聞いていなかったというオチは実に気の毒。
・めぐるの家にかけつけたユーキは縁側で普通におじいちゃんが絵を描いてるのを見てびっくり。いつものように散歩から帰ってきたというおじいちゃんに「帰ってきちゃ、ダメじゃね?」。
確かに勝手に家に帰ってくるというのは人質としては間違ってるんですが、好きで人質にされたわけじゃあるまいし無事に帰ってきたのを喜ぶのが本当なんでは?おじいちゃんも「あーいけねー!」って納得してユーキに連れられて「丸顔食堂」に戻っちゃうし。
・すでに日も沈もうという頃、反応のない屋内にめぐるが再び呼びかけをはじめる。
このときのはまるのダレっぷりが(笑)。道に寝転んで煙草ふかすってどれだけ気が抜けてるのか。
・永作のせいで自分の運命が変わり警察につかまるはめにもなったが、それで永作を恨むつもりはないとめぐるは言う。「人と人が関わるってそういうことだから。出会った人の数だけ未来があるんです」。
第8回でいづみに話しかけたテーマがここに改めて集約されています。
・おじいちゃんを背負って現れたユーキ。家からずっとおじいちゃん背負って滑ってきたんでしょうか?
「丸顔食堂」、その田舎風の立地からみるにそんなに吉田家から近くないように思えるんですが(DVDのコメンタリーによるとロケ地は高崎だそうです)。さすがにかなりバテてる感じです。まあおじいちゃんが徒歩でやってくる程度の距離ではあるんですが。
・「少し不思議がSFなら、すごく普通もSFなんだぞ」。
はまるの言うとおりわかったようなわからないような台詞ではありますが、要は第8回でめぐるが言っていたように「普通というのはすごく難しいこと」であり、超能力などない普通の人間としての平凡な人生は決してエスパーとしての人生に価値が劣るわけではない、という意味ですね。
それを第1回以来視聴者になじみのある「SF=少し不思議」という定義を持ち出して、特に飾った言葉を用いることなく、はっと目を開かされるようなフレーズに仕上げている。宮藤さんの脚本の妙を感じます。
その名台詞を「わかったようなわからないような」と軽くコメディタッチに流すあたりのシャイな感覚も好もしいです。
・めぐるにカツ丼を差し入れ、真悟の未来を見てほしいと懇願する永作。
ここにいたっていきなり息子思いのお父さんの顔を見せ始めた永作ですが、もしかするとずっと真悟の方が父に能力を利用されることを恐れて心を閉ざしていたことが二人の親子関係を歪めていたのかもしれません。
そういえば真悟のお母さんはどうしてるんでしょう。亡くなったのか夫から逃げたのか。真悟の年齢(小6)からすると彼が生まれたのはバブル崩壊後、永作がヨガに傾倒して以降ということになるので、その頃に知り合った女性なんですかね。
・すっかり暗くなってからようやくパトカーでかけつけてきた氷高。どんな経緯で彼はこの場所を知ったんでしょう。
めぐるが心配したとおり、はまるが大掛かりに照明やら何やら持ち込んだせいで目立ちすぎて内々ですまなくなっちゃったのか。
・父に送り出され食堂の玄関から出てきた真悟32はお坊さんの姿。真悟とめぐるは互いに駆け寄り固く抱き合う。
おそらく真悟はかねてから怖れていた父親のもとでの人質生活から解放された安堵感と、にもかかわらず最後に父の愛情に気づいてしまったゆえの別れ難さと、二つの感情のなかで激しく揺れ動いているのでしょう。
・永作に上着をかぶせて連行する氷高は63歳の姿になっている。
そばにいる青のキラキラスーツの人は相棒の20年後ですか?玄関先にたって見送る主人は死人ルック。こちら側にはユーキ43―つまりこの場に田口さんが二人―もいる。なんともカオスな光景です。
・上着を取った永作62はやはりお坊さんの姿。しかもその装束の色から察するに結構な高僧ではないかと思われます。出所後仏門に入り徳を積むのでしょうね。
そしてその傍らにはやはり修行僧の真悟がいる。自分の未来は諦めてかかってた永作ですが、どうして捨てたもんではありません。
・ついに出た20年後のはまるの姿は政治家。愛子がお父さんはこの先出世すると予言してましたがこういうことか。もっとも選挙運動中らしく名前の書いたタスキを掛けた状態なので当選するかどうかまだわかりませんが。
・頭の三角巾(というのか)がなくなっているのに、未来が変わったと大喜びするおじいちゃん。先行き長くないことについては達観してるようでしたが、やっぱり長生きはしたいですもんね。さらに「永作が未来を変えてくれた」と思い込んだのも大きいかも。
結局これはたまたま三角巾が落ちただけの勘違いだったようですが、そのわりには鼻の綿もないし顔色も白くはない。案外本当に寿命が延びた可能性もあるんでは。
・塾に戻っためぐるがユーキに促され奥の部屋へゆくと、そこには講師+生徒たちが待っていて大歓迎してくれる。何時間もの間みんな待っていてくれたんですね。
「おつとめごくろうさまです!」のポーズつき挨拶に続きめぐるコール。めぐるみんなに愛されてますね。
・吉田家で暮らすようになったはまる・愛子夫妻+真悟。ど派手なガウンを着て、一人フランス料理をシェフに運んでもらうはまるの浮きっぷりがすさまじい。そのあとのダジャレ数連発は船越さんのアドリブでしょうか?
・猫舌の愛子が「あちっ!」と悲鳴をあげたのを聞いて、はまるはかけつけるとお碗をフーフー吹いてやる。何気に優しい旦那様です。
そこで自分と愛子を交互に指差して「フーフ」→二人揃って爆笑。めぐるとユーキを上回るバカップルぷりです。二人で住んでたときも12年間こんな調子だったんでしょうか?
・神社の境内で藪中にスケートを教えるユーキ。休日返上なんだろうか?実は仲良しなのかという気もします。「藪さん」って呼んでますしね。
このへん撮影の空き時間に一緒に渡部篤朗さんの物マネで遊んでたという勝地くんと佐藤さんの仲の良さが反映されたのかもしれません。
・実はユーキもエスパーでめぐるの心だけ読むことができるのだと、真悟の口から明かされる。
確かにユーキはめぐるのピンチを感じ取っては駆けつけてきたし、この最終回ではめぐるの言わんとすることを言うまえからすべて読み取っていた。どうせなら超能力のせいなんてオチではなく、本人が言ってた通り「やっぱり愛じゃね?」のほうが良かったような気が。
でもめぐるの心しか読めない――めぐる限定の能力なら「愛の力」にも等しいか。
・ユーキとめぐるは笑顔で指輪を見せ合い、めぐるはユーキのもとに駆け寄ってゆく。
そんな二人を見つめながら真悟はベビースターラーメンを口に入れて、これまでにないほど楽しそうに微笑む。ベビースターを一気食べして満腹になった彼の目に映る20年後の二人は見た目からして幸せそうなんでしょうね。
実は前回のタイトル「最初で最後のキス!?」の「最後」という表現がずっと引っ掛かっていて、ひょっとして20年後に逮捕される予定だっためぐるが逮捕→釈放されたことで、最終回に至って「ユーキの未来が変わる=ビジュアルが田口さんじゃなくなる」んじゃなくなるのかもと想像していました。
そうなったら田口さんビジュアルのユーキ43とのキスシーンはたしかにあれが最初で最後ということになる。そして、以降のユーキ43は第4回のアキラのように勝地くんが老けメイクで演じるんじゃなかろうかと。
でもそんなオチにならずホッとしました。ユーキ43にあれだけ愛着を覚えているめぐるですから、20年後のユーキの見た目が変わってしまったらハッピーエンドにならなくなっちゃいますもんね。
・塾の名前は新たに「門田大とゆかいなアカデミー(決)」に。これまでと違うのは名前の後に「(決)」の文字が加わったこと、ビクトリー先輩の代わりに塾長を含む先生たち全員の似顔絵が書かれていること。
めぐるのために警察にさえ立ち向かい、にぎやかな出所祝いを開き、塾解散のピンチを何とかともに切り抜けた、そんな連帯感が「みんながそろっていてこその塾」との思いを全員に生んだのかもしれません。
ところでこの似顔絵、めぐるはまだしも他全員似なさすぎて笑えます。
・模索に模索を重ねて原点に戻ってしまったみちるちゃん。
そういえば4月からの吉田家の顔触れのなかにみちるは含まれていなかった。一人暮らしのための部屋を雑誌で探してましたが、どうやら無事見つかって独立した模様。
あからさまに高尾山にひっついて江口は丸無視なのがあいかわらずひどいです。
・塾長のカツラは心ある人が届けてくれたとのことですが、つまり塾の関係者以外にも塾長がヅラなのが知れ渡ってたってことですね?
・続々塾に入ってくる生徒たちの中で、今市くんだけがちょっと大きなお兄さん。つーか高校受験生はその後も入ってこないままなんですか?もはや中三クラスは個人授業ですね。小三クラスは新しい子供が入ってきてるようなのになあ。
・小三クラスで、「先生にはみんなの未来が見えます」といきなりカミングアウトか?と思うような挨拶をするめぐる。
続く話の内容からすると上手く比喩的な意味で解釈してもらえそうですが。いやそれ以前に小三だし意味自体わかってもらえてない様子。
しかし「みんなの輝かしい未来」としてかつての生徒たちの20年後の姿を並べるさい、「ずるぷよさん」てのが出てくる(笑)。「ずるぷよさん」という略し方もすごければ全然「輝かしい未来」に聞こえないのもすごい。
・アルファベットの積み木?を出してABCの読みを指導するめぐる。しかしCの文字がいきなり一部分が欠けた(さっきめぐるが食べた)バウムクーヘンだったというオチ。
一瞬慌てたものの、めぐるは生徒たちに背を向けて一口頬張り、実に嬉しそうな笑顔になる。台本だと焦って「げっ!」と叫んだところで終わってますが、このキュートな、懲りてない笑顔とほのぼのしたBGMで終わる方が、おもちゃ箱を引っくりかえしたようなキラキラした楽しさにみちている『未来講師めぐる』という物語にはふさわしい幕引きのように思えます。
最後の「NOW」の文字もこのドラマの別れがなごり惜しくてならないファンには「まだまだ終わらないよ」と言われているようで嬉しい♪
・次回予告の代わりにいきなり『未来ナースめぐる』の宣伝が!まさか本気でやるのか!?と思わせておいて、DVD-BOXでオチをつけてくれました。ほとんど楽屋オチですねありゃ。プロレスかボクシングでリングに上がる選手の名前を紹介するときのような、超ハイテンションのキャスト紹介の声がツボでした。
そして恒例のハートマークの小窓は、いつもはめぐる一人なのに今回はユーキと二人並んで「またねー♪」と手を振っているのが微笑ましくて何か幸せな気分になりました。最後藪中さんになにやら邪魔されていましたけど(笑)。