about him

俳優・勝地涼くんのこと。

『未来講師めぐる』(2)-13(注・ネタバレしてます)

2009-07-27 01:32:24 | 未来講師めぐる
〈第7回〉

・自分の未来の姿(手錠+上着を頭からかぶせられた連行スタイル)を鏡で見て悲鳴をあげためぐるは、「ママー!」と叫んで表へ走り出す。
以前なら真っ先におじいちゃんを呼ぶところだろうにおじいちゃんの前は素通り。めぐるの中で一番に頼る人が母親に代わっているのがわかるシーン。

・「ぼくは江口。江口ひでお」との江口のモノローグ。オープニングはまためぐるモノローグスタイルに戻ったと思ってただけに意表をつかれた。
そして満面の笑顔でスキップ、というより踊るように街を歩く?姿をスローモーションでじっくり見せてるのに大笑い。さっきまでの緊迫感と世界が違いすぎます。
彼が手にもってるDVDぽいものがAVであることは間もなく明かされるわけですが・・・人気がないからってAVを堂々と、パッケージ眺めながら持ち歩くのってどうよ。
ちなみにこの回のタイトルは「恋するエロビデオ」。知識なく新聞の番組欄見た人はどんな番組かと思ったでしょうね。

・喜色満面の江口は、動揺して突っ走ってきためぐるに思いきり突き飛ばされ(しかし「エロビデオ邪魔!」ってめぐるひどい・・・)、はずみでDVDが宙を舞う。
めぐるが「ママー!」と叫びながら走るのは第1回の「おじいちゃんおじいちゃん!」のセルフパロディですが、今回はそれに江口の「あんなー!」という叫びが交互にはさまって、何ともシュールな味わい。
DVDを受け止めるべく宙をとんで懸命に手を伸ばす江口の姿がまた。結局DVDが自転車に踏まれてしまうオチといい・・・開始5分で早くも絶好調すぎです。

・結局自分の家に戻ってきてるめぐる。そして結局いつものように祖父に相談。この時点では愛子は相変わらず別居で、飛び出したはいいものの住んでる場所がわからず戻ってきたってところでしょうか。

・回想シーンで、めぐるをつけるおじいちゃんの目には、手錠+上着かぶりのめぐるの姿が映っている。
しかし20年後のめぐるはそんな何日間も連行途中みたいなスタイルで過ごしてるんですか?

・自分の兄弟のうち未来が見えるのは自分だけ、という話の中で再び吉田家の系図が一部クローズアップの形で出され、愛子の弟永作とその一家の名前が登場。先に向けての伏線がしっかり張られています。

・志望校に不合格でがっくりしている生徒たちを、なぜかいきなり歌いながら励ます江口。なぜこの時の江口はこんなにテンション高めなのか。あんなさんのDVDが破損した後なのに。
すでにユーキからあんな作品を借りる算段がついていた、というのが正解のような気がする。

・「がっかりして」「めそめそして」「どうしたんだよ」。生徒たちに声をかけつつそのまま光GENJIの『勇気100%』を歌い出す江口と途中から加わる塾長。あなたたち何生徒放りっぱなしで歌いまくってるんですか。
この時塾長がテーブル飾りの金のモールを首に巻くのが笑えます。さらにローラーブレードで滑りこんできたユーキがサビの部分を歌う。「そうさ~100%勇気~♪」。
そうか、ユーキがいつもローラー履いてるのは光GENJIが元ネタだったのか!今ごろ気づきました。

・歌いながらローラーブレードで部屋に滑りこんでくるユーキ。階段上がってから講師室までほとんど距離ないはずですが、わざわざローラー履いてきたんだ(笑)。
しかしロッカーにぶつかるぎりぎりのラインでさっと方向転換し、歌に合わせて踊ってさえいる。すでにローラーが自分の体の一部のようです。すげー。

・ユーキの音程のはずれっぷりに呆れる江口たちに「自分、絶対ダメ音感の持ち主なんで」。
勝地くんはたびたび「自分は歌が苦手」と言ってますが、これはさすがに外しすぎのような気も。2009年公開の映画(これまた宮藤さん脚本)『少年メリケンサック』のマサルは、仮にも歌手志望だけあって音程もう少しはマシだったのに。
(もっともムック本『少年メリケンサックアンソロジー』での宮藤さんコメントによると、映画中で歌うシーンは奇跡的にまともに歌えたテイクを使ってるらしい(笑)。声質自体はとても綺麗なので実に残念というか、それもなんか勝地くんらしくてかえって味わい深いというか)
ちなみに光GENJI世代のくせに『勇気100%』を知らなかったので(ネットで人様の感想を読んで曲名を知った)、CDをレンタルして聴いてみました。江口と塾長は音程正確(というか上手い)なんですが、ユーキが歌うサビの部分――まるで別の歌ではないですか。さすがは絶対ダメ音感。

・「ところで100%めぐるは?」「100%まだです」。この会話のテンポいいなあ。ユーキの肩をすくめる感じも。
しかし塾の関係者ではないユーキが普通に入ってきてることにもはや誰も疑問を抱かないらしい。音楽祭やら千鶴捜しやら貢献度は講師なみですからねえ。

・めぐるが生まれた頃にはすでに未来が見えるようになっていたという愛子の回想。
産婦人科のベビーベッドで眠る赤ん坊のめぐるが愛子の目には成人した姿に見えている。予告でベッドに横たわり赤ちゃんみたいに泣いてるめぐるに「何だこれ?」と思ってたんですが、こういうオチでしたか。その後のベビーカーも。
つくづく深田さんファンにはいろんな意味で見どころ満載ですね。

・再び愛子回想。目の前でそば屋の店主が刺されるのを予知するシーン。
包丁握りしめた奥さんが「そんなに若い女がいいのかー!」とか言ってますが、このタイミングでいきなり刺しにかかるってことは、愛子がとっくに閉店なのに居座って食事してるせいで勘ぐられたってわけですか?

・「娘が将来臭い飯食ってもいいのか?」というおじいちゃんの言葉をきいて「臭い飯なんてやだ。パンがいい!」と答えるめぐる。
将来投獄の可能性があるというのに、めぐる的問題点は「刑務所のご飯が美味しいかどうか」なんだ・・・。どこまで食い意地はっているのか。

・めぐるを励ましつつ、着物の袂にしまっていたお菓子を二包み握らせる愛子。いいシーンなんですが、このお菓子吉田家のお茶の間から拝借したものなんですよね・・・。
しかしこんなしみじみした話を振っておきながら、本題は江口のたぶんにエロエロな恋バナで、回タイトルが「恋するエロビデオ」ってのがまた(笑)。

・千鶴の合格祝いにと「ユーキスペシャル」なる巨大ホットドッグを後手に取り出すユーキ。でも千鶴もめぐるもかなり引き気味。しかしここまで一緒に走ってきた千鶴にホットドッグの存在を気づかせないとはユーキやるな。

・塾の新しい看板には「324アカデミー」ならぬ「光代アカデミー」の文字、そして看板の左端には浅香光代さんの似顔絵?が。いいのかこれ。いろんな意味でやばくないか。

・またまたジュージューパラダイス。すっかりユーキ43にも慣れきって「大好き」の域に達しためぐる。
20年後バージョンの藪中店長がなぜかめぐるがユーキにアーンした焼肉を横から食べてしまうのが(笑)。持ってきたコムタンスープは溢れまくってるし、「猥談中すみません」だし。
この人よく店長やってられるなあ。そして毎回のようにケンカしながらなおもこの店に通い続けるユーキもなんなのか。

・にこにこ笑顔で溢れ気味のコムタンスープに手を伸ばすめぐる。いいんだあれで?
そしてめぐるが引っくり返したコムタンスープを「全面的に私がかぶりましたので」な藪中店長を「聞いてねーんだよ!」と責めるユーキ。いや一応被害者なんだからその言い方はかわいそうでは。仮にも自分の彼女が火傷させたんだからここは謝るべきところだろうに。
とことん相性の悪い二人ですが・・・ある意味仲良しなのか?「コニタンは欽ちゃんバンドです」とか言いながら力比べ状態になってるシーン、DVD収録の未公開映像(時間の都合で?カットされた部分)ではそのまま二人で踊ってましたし。

・なぜか自動ドアに挟まれてじたばたしてる江口を「待てよ!」と追いかけてゆくユーキ。
江口が何したでもないのに(確かにこれまでの時点ではあまり仲良さそうには見えなかったが)なぜ追いかけていくのか、なぜ一回席に戻って袋?を持っていったのか。
この時はスルーしてましたが、あんなオチだとはなあ(笑)。どこから友情が生まれるかわからないものです。

・江口に疑いの眼をそそぐめぐる。しかし「狡猾な小動物を連想させる顔立ち」ほか心の声の内容がひどすぎる。「ネズミかよ!エロ出っ歯Vネック野郎め」とか毒吐きまくり。
そのめぐるのナレーションに答えるかのようにほんとにネズミっぽい表情&行動の江口。星野さん名演技だなあ。
ところで以前から思ってたんですが、Vネックってそこまでアヤしげなアイテムですかね?

・「ぼくは教育者失格です!」と悲痛な声で叫ぶ江口に、塾長が近づき優しく慰めの言葉をかける。のだがその台詞ときたら「そんなことはもうみんなわかってるよ」。
後ろでみんながあっさり(めぐるなど先とはうってかわって慈愛さえ感じさせる笑顔で)頷くのも含めナイスお約束な展開。
しかし「君なんかただのチンピラだよ」ってのは(笑)。そこまで言うか。つーかなぜそんなチンピラを雇ってるんだよ塾長。

・教え子・手塚ジュンの母親からの手紙。その娘思いの切々たる内容に講師陣が皆涙する中、「お母さんが僕を誘惑してるとしか思えなくて」「行間から滲み出てるでしょ、人妻の、シングルマザーの抑え切れない欲望が」。
こりゃキモい。全員ドン引きするのも無理はない。しかしこの恐ろしく自分に都合よい江口の読みが見事に当たっていたことが追って証明されるわけで・・・。恐るべし江口。
まあようやく回タイトル「恋するエロビデオ」通りの展開になってきましたね。

・江口の言動に「キモい!」「キモい!」と顔をしかめて逃げ腰のめぐるとみちるを何気に後手にかばうようにする塾長。彼の意外な紳士の一面を見たような。

・江口のキモい皮算用を聞いて、「そんなね、君の大好きなアダルトビデオみたいな展開は現実にはありえないんだから」とツレなく突っ込む高尾山。
まあこの直後現実にありえちゃったわけですが、そもそも教え子に手を出して?淫行でクビになったあげくその当の教え子と今同じ職場で働いてる高尾山が言えた立場か、という気はひしひしとする。

・ジュンの母親・絵里子=沢樹あんな(野波麻帆さん)を目の前に固まっている江口が、思いっきりネズミ顔なのに笑った。そんな顔してたら(普通なら)引かれてしまいそう。
このお母さん、手紙の文面から質素で地味な女性を想像してたので、存外華やかで色っぽい人なのに驚いた。これなら江口が妄想を逞しくするのもわかるような。
というか冒頭の「あんなー!!」がまさかこんな展開に繋がっていたとは。憧れの元AV女優が教え子の母親だった、なんて本当にAVのストーリーに使えちゃいそうです。

・夜中に満を持して見ようとしたあんなのビデオをダメにしてしまった江口は、同じビデオを求めて都内を捜しまわったという。
とりあえずは他の出演作品見といて、あとから落ち着いて探しに行けばよさそうなものですが、動揺のままに部屋を飛び出し夜通し探し歩いてたというのがすごい。情熱の使いどころがなあ。
AV女優なのに「20世紀最後の清純派」ってフレーズもすごい。

・あんなのDVDをダメにしたことを江口に責められためぐるは平然とプリンを食べながら「すいやっせんしたー」。
なんか回を追うごとにめぐるのキャラが次第にやさぐれていってるような(笑)。所詮はAV、所詮はAVマニアのキモい男と思って軽ーく見てるからこその態度なんでしょうねえ。

・「それは違うなみちるちゃん」。いきなり現れたユーキのいきなりな発言。もはや完全に塾関係者のごとく当たり前にそこにいますね。
しかしこの回、あのユーキがベタ惚れの恋人めぐるよりも男の友情を優先させているわけで、実に貴重といえば貴重です。

・実はユーキも「あんなー」だったという衝撃の事実が発覚。二枚目でも彼女がいてもAVは別腹ってやつですね。
ユーキから江口へはDVDを貸しているのに対し、江口がユーキに貸したのはみなビデオテープ。この二人、年はそこまで離れてないと思いますが(5歳くらい?)、かたやビデオ時代からの(リアルタイムでの)ファン、かたや近年DVDの復刻版が出てからのファンなのが、コレクションの媒体の違いに現れています。
しかしこの二人どんな経緯でお互いの趣味を知ったのやら。前回でユーキがブログブログ言ってたのを思い起こすと、「ユーキがブログで好きなAVの話を書き、それを読んだ江口がメールなりレスなりで連絡を取ってお互いの正体が発覚した」という流れなのかも。

・「ようするに、君は沢樹あんなの大ファンであり、(中略)性欲のモンスターであることを知られたくないんだろ?」との塾長発言に、ユーキが軽く眉にしわ寄せて振り返っている。この話の流れだとユーキも「性欲のモンスター」扱いされてるのも同然ですからね。
しかしその世界ではそこそこ有名らしい沢樹あんなの名前を全く知らなかった塾長、自分では大してAVに関心なさげなのに、江口やユーキに同調してAVにまつわる男心を語ってくれる。男同士の絆――ネタがアホらしいだけにかえってなにやら感動的。

・ユーキが彼女とAVの関係について力説するとき、力強く前に進み出る塾長が、指鳴らしてリズムとってる(笑)。どこのミュージシャンだ。

・女性陣にAVマニアの心理を語るユーキは「それが男子だ!」と力強く宣言する。「男」ではなく「男子」なんですよね。少し前で塾長も「男子としては、合格かもしれない」と言ってますし。
『池袋ウエストゲートパーク』でも『木更津キャッツアイ』でも宮藤さんの描く青年群像劇の男たちは、そこそこスケベで俗っぽいのに妙に奥手というか性的に潔癖で女より男の友情優先みたいなところがあり、結局据え膳を食い損なったりしている。
「永遠の中学生」と自らを評する宮藤さんの感性がそうした思春期の少年ぽさ=「男子」性として表れているんでしょうね。

・めぐるにはたかれ「カミングアウト、失敗」と言いつつも「しょーがねえなー♪」と笑顔でめぐるを追って出て行くユーキ。こんな会話のあとだというのに、何とも罪のないさわやかそのものの笑顔。
なんかユーキならAVマニアでも全然許せるな。陰湿な感じが全くしないし。

・ユーキのあとを「ユーキ忘れてるぜあんなのビデオ」とビデオの山を抱えて追いかけてくる江口。ユーキはめぐるを追って出たんだから、めぐるに追いついたときにAV持ってたらまずいんでは。
しかしいつのまにか呼び捨てするほどに親しくなってたのね。

(つづく)

 

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