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about him

俳優・勝地涼くんのこと。

『おれがあいつであいつがおれで』(2)-2(注・ネタバレしてます)

2007-04-23 00:45:27 | おれがあいつであいつがおれで
・アケミに「一夫くん」と呼ばれて同時に「はい」と返事する一美と一夫。
一美/一夫の事務的な返事に比べて一夫/一美は顔を振り向ける瞬間から実に嬉しそう。
この一連の表情の動きは「吉澤さん上手いなあ」と感じました。

・思わず「はい」と答えてしまったのを「歯~痛ってえ~」とごまかす一夫/一美。コントのようで可笑しいです。

・「アケミちゃんがおれと?うそだろお~」という一夫のモノローグの声が鼻の下伸びまくっている。
一夫/一美の顔も、もろににやけてるわけじゃないのに見開いた目と口元の緩み方、体の乗り出し方でデレデレっぷりがわかる。
勝地くんも吉澤さんもナイス演技。

・アケミが一美/一夫の手を握ったとき、陰から見守る一夫/一美が目も口も開きっぱなし。いい表情だ(笑)。

・山本が一夫/一美を連れ去るのに気づいた一美/一夫は少し目を細めていて、入れ替わりの秘密がばれるのを心配するより、自分を「狙ってる」という山本がどうするつもりなのかの方が気になっているように見える。

・「ううん、なんでもない。プリン買ってくる」。この台詞のあとに一美/一夫は歯を見せて晴れやかに笑う。
初見のとき「なんか妙な笑い方するなあ」と思ったんですが、なぜこんなに不自然な感じを覚えるのか考えてみたら・・・女の子特有の表情だったから。男の子はまずしない類の、女の子ならではの笑い方。
これまでは、男女どちらにもありうる表情か、あるいは笑いどころとして女の子らしさを誇張して演じているので「不自然なのが自然」な表情かだったんですが、ストーリーの流れに直接関係ないようなごく何気ない場面、言葉づかいも格別女言葉ではないのに、表情はナチュラルに女の子なために違和感が生じる。
そう気づいたとき正直ショックを受けました。
今まで男と女でちょっとした表情がこんなに違うものだなんて意識したことがなかった。
でも16歳の勝地くんはそれをわかっていてきっちり演じてのけていた。
度肝抜かれました、まったく。

・上の台詞の直後、男子生徒とぶつかるシーン。「ごめんなさい」という声のトーンが実にエレガント(笑)。
ぶつかる方もぶつかられる方も動きがすごく自然なのにも感心しました。

・山本に口説かれた一夫/一美の「賭けだろ、それ」と白けきった表情が上手い。

・山本を殴った理由を「あいつちゃらちゃらしててむかついたから」と言って首筋をさわりスカートをさわる一夫/一美の手つきが自然で上手い。
殴った本当の理由を伏せるのは一美が山本に惹かれているのを薄々察していて、彼女の気持ちを思いやったからだろう。
出会い(再会)のシーンから一貫している一夫の不器用な優しさが現れた場面。

・体育用具室に入って「だいじょうぶ?」と問いかける時の声の調子が、つくづくと女の子。

・「一美ちゃんにせまってみたんだよ、こう、」と顔を近づけられて、うっとり目を閉じる一美/一夫に爆笑。

・「私がいつもパパの話をしてるから」って昨日再会したばかりなわけだが。しかも表現の大げさなこと(笑)。
まあとっさのごまかしとしては上出来です。パパもそんな事には気づかず喜んでるし。

・「さっきの保健体育の問題」という比喩。ちょっと一ひねりされてて、かつ高校生らしい語彙が可愛らしいな、と。

・一夫の父親が一美の父親を悪くいうのに反発する一美/一夫。
普段はつれなくしてても外の人に父が悪く言われるのに堪えられないところがやっぱり親子。
先に父が自分の親離れを寂しがってるのに気づくシーンがここで生きる。

・部屋で暴れる一美/一夫。「もういや!もういやあーー!!」の叫びと鞄の振り回し方が見事に女の子のヒステリーという感じ。さすがです。

・回想の子供時代。当時は一美の方が背が高かった。今は逆転してるところにそれだけ二人が大人になったんだな、と時の流れを感じました。

・喫茶店での一美と一夫の会話。まわりのお客さんは彼らの言葉使いにさぞ驚いたことだろう。
実際ロケ現場を見た人たちも「どういうドラマ!?」って思ったのでは。

・落雷のとき、肝心の立つべき位置からはずれちゃってるんだが・・・。

・山本と出会って間もない一美が一夫に「心変わり」するのはわかるんですが、長らくアケミを想ってきた一夫があっさり一美を選ぶのはちょっと違和感があるかも。尺の関係で仕方ないんでしょうが。
まあラストにもあるように「赤い糸」のせいということで(笑)。

 


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『おれがあいつであいつがおれで』(2)-1(注・ネタバレしてます)

2007-04-20 00:50:58 | おれがあいつであいつがおれで
・「危なかったー。ギリギリ、セーフ!」の台詞とともに山本(速水もこみちくん)初登場。
太陽をしょった笑顔に「キラーン」という効果音まで重なる見事なベタっぷりが良いなあ。

・車に轢かれかけた一美を助けた一夫は、眼鏡をかけなおす直前一瞬爽やかな笑顔を浮かべ、それがすぐに曇り拗ねた顔に変わる。
一美に笑顔で「大丈夫?」と言おうとしたのを山本に先を越されたと気づいたからでしょうが、数秒間でのちょっとした表情の変化で一夫の心理がしっかり説明されている。

・クラスに斉藤一夫という名の男子がいると聞かされた直後、山本が手を振るのを見て一美は照れくさそうな笑顔になる。が、山本が通路隔てて隣の席の一夫を指差すとがっかりした表情に。
山本が「斉藤一夫」だと思い込んで、「彼と名前が似てるなんて♪」と嬉しくなったら、「一夫はこっちの奴だよ」と山本の仕草に教えられたので「なーんだ」と落胆したのがよくわかります。

・窓際の席のアケミの方を見つめる一夫。顔を前に傾けて彼の視界を塞ぐ形になった一美を一瞬不快そうに睨んでいる。
その後アケミの横顔を見つめてそっとにやける顔。この短いシーンだけでアケミを好きなのが丸分かり。

・山本が「一美を一週間で落とす宣言」したときの一夫の「またー!?」という声の響きが幼くて、彼の少年らしい正義感の強さを引き立てている。
ここのシーンの言い回しはどこも巧み。「そのうち刺されんぞ」と山本の脇腹をつつく仕草も。

・落雷で入れ替わってしまった一美in一夫。自分の変化に気づかぬまま話す口調がちゃんと勝地くん演じる一夫と似ているのに感心しました。

・「なんでおれがあの転校生に!?」。一夫のモノローグの声がヘタレ気味でユーモラス。

・一美in一夫の第一声に爆笑。どこから声を出しているんだ。

・「ぶって!思いっきり!」。一夫の体が傷つくのは別にいいという・・・。

・バッグで殴られた時の悲鳴と倒れる時の膝の揃い方が(笑)。

・「ほんとのことなんだってば!」と言う前でちょっとため息を吐き出すのがリアルな感じを出している。

・「あたしの部屋、引っ掻き回さないでよ」の時の表情が女の子らしい。「お風呂に入らないで」とか「乳液つけて」とか・・・可愛いなあ。
眼鏡を外してちょっと上目使いしてると女の子な表情も違和感なく似合っている。

・一美/一夫は部屋で一人の時は眼鏡を外している。
導入部で一夫は落とした眼鏡を拾うのに地面を手探りしていたので、眼鏡なしではほとんど見えないど近眼だと思われますが、一美/一夫は携帯の操作や窓からベッドまで歩くのを眼鏡なしで普通にこなしていた。
見ないでも歩けるほどに部屋の間取りが頭に入ってはないと思うんですが。中の人格が違うと視力も変化するのだろうか?

・「二人とも学校行ってきなよ」という二葉ちゃん。彼女自身は学校行かなくていいのか?

・「赤い糸ってほんとにあるのかね」。授業の内容にからめてラストへの伏線をここで出しておく。ベタというより手堅い演出。

・「一美ちゃんは俺が狙ってんだから」と言われた一美/一夫の表情がごく僅かに和らぐ。
一美の内心のときめきがあるかなしかの表情の変化で表現されている。

・アケミに見とれる一夫/一美のとろーんとした目付きがお見事(一夫本人がアケミを見るときの目付きとはちょっと違うけど)。吉澤さんの最大の見せ場、かな?

(つづく)


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『おれがあいつであいつがおれで』(1)

2007-04-16 23:21:56 | おれがあいつであいつがおれで
基本的に勝地くんの過去の作品はレンタルはせず、テレビ(CSなど)の再放送で見て、そのうえで「これは」と思えば購入、という形を取っているのですが(放映予定がわかってから実際の放映日までをわくわくして過ごせる&2006年5月頃のような「勝地枯れ」の時期のために未見の作品を残しておきたいので)、これはレンタルしてしまった。
「勝地くんが女の子(の人格)を演じる」というのがどうにも好奇心にひっかかったのです。 

まずドラマ全体の感想としては、アイドルドラマとしてよく出来てたんじゃないかなと思います。
主演のアイドルたちを可愛く生き生きと映し出し、回りの大人は手堅いキャストで固めて作品に安定感を出す。
芸術的ひねりなどは入れず職人的堅実さによって、難解さとは無縁の誰にもわかるストレートなストーリーの中に萌えポイントを適宜設定して視聴者を惹きつけ、適度なカタルシスとともにエンドマークへと持ってゆく。
単純に楽しめる良質のエンタテインメント作品でした。

またヒロイン一美役の吉澤ひとみさんが思いのほか健闘していたのに驚きました。正直若手キャストの演技力には基本的に期待してなかったので。
けれど意外にも台詞なし、表情や仕草のみで気持ちを示す演出が結構あったのにもかかわらず、ちゃんと感情が伝わってきた。
勝地くんともなかなか息が合っていて、掛け合いの場面、二人の声が揃う場面などのテンポもよかった(当時のインタビューで勝地くんが話していたところによると、各シーンをどう演じるか、吉澤さんといろいろ話し合ってたそうです)。 

そして勝地くんですが・・・正直、驚愕。見事な女の子っぷりとは噂に聞いてましたが、女装してるわけではなく、外見も声も勝地くんそのままなのに、人格は女の子だということが自然に納得できた。
走り方・座り方・一部の仕草はやや女らしさを誇張して(笑いを取る箇所なのであえてそういうふうに)演じていましたが、声の出し方、ちょっとした仕草、何気ない表情などはナチュラルに女の子のごとくだった。
とくにある場面のある表情については(ネタバレなので次回以降で)、これが本当に16歳(当時)の子の芝居なのかと度肝を抜かれました。
なんかもう感心を通り越して呆れたというか、「本気でそっちの気があるんじゃないか?」と思わず疑いたくなったぐらい。
いったいどこであんな「女の子らしさ」を身に付けたものか(この原作は大林宣彦監督の『転校生』をはじめ何度も映像化されているので、そうした先行作品を参考にしたんでしょうか)。
女らしく見えるために仕草や表情が占める割合がいかに大きいかということに気づかされた気がします。

外見がそのままでもあれだけ女の子らしく見えるんだから、女装する役をやったらさぞ見事に化けるんじゃないだろうか。
眉さえ前髪で隠してしまえば、ごつさのない滑らかな輪郭と端整な顔立ちはメイク次第で十分女性に見えそうな気がします。
細いのにどこか曲線的な体つきは体型がもろに出る服でなければ違和感なく着こなせそうだし、肌が綺麗なのでドアップにも耐えられる。
世間的には男っぽいイメージがあるようなので、そのギャップが面白いんじゃないかと。
本人も以前「ゲイの役でもオカマの役でもどんとこい!」というようなことを言ってたので嫌がりはしないだろうし
(俳優さんはこういう「癖のある」役はむしろやりたがる。実際現在公開中の映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』でオカマでゲイの青年を演じてます。女装はしてないけど)。
十六、七の頃がベストだったとは思いますが(講談社『PICT』の
この写真など男装の少女のよう)、まだ年齢的にぎりぎりいけると思うので、ぜひ二十~二十一歳くらいのうちに演じてみてほしいです。

なんか余談が長かったですが、次回箇条書きで感想を。

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