「上から目線」の時の顔の角度が鼻の穴が正面に来るほどにのけぞっていて、もはや「目線」もほとんどめぐるに向いてないような。もとは高尾山の買ったトレーナーとわかると、今度は高尾山に同じ顔をしてます。
・「お母さんが、ここのテキストはレベルが低いから持って行かなくていいって」。
だったらこの塾に来るなよ、という話ですが、担任教師の話からするに、あんまりお母さんがうるさすぎてあちこちの塾から出入り禁止(慰謝料払って出て行ってもらう)処分になって受入先がなくなったあげくなんでしょうね。
いや少し後でここ入れて4つの塾に通ってると言ってたから「受入先が少なくなった」程度か。
・辞書と思ったら実は箱入り高級チョコレート。とっさに質問のあった英単語「サプライズ」にかけて生徒に一個ずつプレゼントするあたりの機転はナイス。
しかしタモツに気づかれなかったら、授業中に一人チョコ食べるつもりだったのかい。
・「(学生時代と)変わってないのは髪型だけね」発言に講師陣がみな凍りつくなか、みちるは一人くすくす笑い。塾長から見えてないとはいえ。
こういうみちるの悪気ない残酷さは第7回で大いに花開きます。しかし塾長、当時からヅラだったのか?
・前進ゼミナールを意識しまくって塾の名前を「お前達アカデミナール」に改称。しかも看板の「お」「アカ」の文字をわざと小さくして「前進ゼミナール」と読み間違ってもらおうという姑息な計算。
ドラマ放映当時公式サイトで「塾の名前が次はどう変わるか」というクイズをやってましたが、今回の当てた人皆無だったろうなあ。
・続々と生徒が減ってゆくさまをめぐるがナレーション。
「ゆり子さんのせいばかりじゃない。私の責任でもある」というナレーションにあわせ、めぐるの日替わりトレーナー(すべてダサい)がアップになるため、めぐるのファッションの責任、といいたいのかとちょっと思ってしまった。
・この塾にいるときだけが勉強しなくて済む時間なんだというタモツをかわいそうがるめぐるに、勉強を教えてるのにそんなこと言われてしまうめぐるの方がかわいそうだと言うユーキ。おおユーキが賢い事を言った!
・友達と並んで帰るタモツを途中車で拾うゆり子。それはいいとして、友達を一緒に車に乗せて家まで送っていく代わりに、千円出して「これでタクシー拾いなさい」とはあんまりな。そのうえ「遊ぶなら同じレベルとの子と遊んでね」。
息子の周囲を敵だらけにしてどうするんだ。あまりの非常識っぷりですが、昨今はほんとうにこういう親がいるんでしょうね。だからこそ「モンスター」と呼ばれるわけで。
・ゆり子の暴挙をきいて腹を立てるユーキ――はいつのまにか43歳バージョンに。しかし今までと違いめぐるはユーキ23に対するのと何ら変わらない態度でユーキ43に接している。すっかり慣れて「どっちもユーキくん」な心境になってるんですね。
・「デブじゃねえっていうか、サブじゃねえっていうか・・・」。ユーキ23のバッジの「サブマネージャー」の文字はユーキ43では「マネージャー」に。なぜ20年後もユーキが「ダイアナ」の制服姿なのかの謎がここで解けた。
20年かけてこの程度の出世か、という気はひしひしとしますが。やっぱり社長ににらまれたせいなのか。
・めぐるの携帯にゆり子からの電話が。でも登録名が「モンスター」って(笑)。ゆり子本人に見つかったらまたひと悶着はまぬがれないなー。
・「江口先生彼女いましたっけ?」と聞かれて振り向いた瞬間の江口の表情が怖い。何がどうってことじゃないんですけども。
・江口の回想。レンタルビデオ店前で江口がぶちまけたAVを足蹴に、江口を見下ろすゆり子。そのポーズといい高飛車な態度・表情といい、何だか女王様のよう。
しかも「どういう内容それ?言ってみなさいよ」。ものがAVだけにいじめ通り越して言葉責めのおもむきさえあります。なぜか「はい」と勢いよく答える江口の顔ちょっと笑ってるし。
・素直にAVの(ピー音だらけの)内容を説明したという江口にめぐる&みちるドン引き。
問題はAVを見るかどうかより、内容を女性に、向こうからせまられたとはいえ「嬉々として」説明した部分にあると思うなあ・・・。
・打倒前進ゼミナールのアイデア―一日塾長、コスプレで授業など―を「自分が関われないから」という理由で次々却下する塾長。別に一日くらい有名人に塾長ゆずろうが自分自身がコスプレで授業できなかろうがよさそうなもんなんだけど。
・塾歌を作ることをめぐるが提案し、実は結構みな音楽ができることが発覚する。
深田さんは本当にピアノ上手いらしいですし、バンド「SAKEROCK」のギターやってる星野さん、サックスのソロアルバム出してる武田さんにいたっては音楽活動もプロですからね。この顔触れだからこそ思いついた展開なんでしょうか。
しかし高尾山も言ってますが、塾歌にラップが必要だろうか。
・「授業内容や進学率は勝てないからこそ、面白さで勝つしかないんです!」。進学塾として完全なる敗北宣言なんですが、何だか胸を打つ力のあるめぐるの名言。
ゆり子に塾長が言ったように、「楽しんで勉強をする」というのも一つのスタイルとして決して間違ってないわけですし。
・めぐるの家での練習光景。高尾山にラップを勧めておきながら、ラップ入りかけたところで演奏ストップしてしまう。高尾山も気を取り直して拍手してるけど、扱い悪いなあ(笑)。
・音楽祭当日、講師室にははまるから贈られたピアノが。今日が終わったらあのピアノどうするんだろう?
ついでに「ラップはいらないんじゃ」と言ってた高尾山が何気に一番気合入った格好してるのがツボ。
・集まってくれたみんなにホットドッグを差し入れるユーキ。でも塾長が手を伸ばすとひょいとよけて足を蹴っとばす。前回の報復ですね。ことさら「余った分ここに置いていいすか?」と言ってのけるあたりも。
ところでこれって彼の自腹だったりするのか?そしてバイトは休んできたって解釈でいいんですかね。
・「何で君はここにいるのかな?」という江口の嫌味っぽい問いかけに「カレシだから」とさわやかに即答。
このときのソフトな口調、いかにも当たり前という言い方が、何ともいえず「勝ち組」感を醸し出している。相手がモテない代表みたいな江口なだけに。
この時点で彼らがあんなことで意気投合するとは思わなかったなあ。
・これが終わったら(前進ゼミの)説明会に行くから早くはじめてくれと要求する千鶴たち。
よその塾とあからさまに二股かけたひどい言い方みたいですが、受験生がこの重要なときに音楽祭にわざわざ参加してくれたわけですね。彼女たちはそれなりにこの塾に愛着持っててくれてるんだと思うと何だか嬉しくなってきます。
そういや雪子ちゃんがいないな・・・。
・タモツに呼ばれたと言って集まってきた子供たち。あの母親のせいですっかり周囲から浮き上がってそうに見えたタモツくんですが、実は結構人気者だったんですね。
勉強ばかりの他の塾と違って、ここで初めて友達ができたといってますし。
・塾歌をみなで合唱。楽譜もないのによくみんな歌えるな。リハーサルしたんだねきっと。
およそ塾らしからぬ気の抜けた、でも受験のプレッシャーで狭くなっている視野をふと広げてくれるような心なごむ歌です。こんな塾もあっていいでしょう。
・横から出てきて高尾山のラップを奪うユーキ。高尾山気の毒な。それにしても言葉に合わせてのポーズと顔芸が見事。単なるラップでなくちゃんと演技になってるんですよね。
公式サイトの「パねログ」で勝地くんが「ラップが大変だった」と書いていたのでてっきり第4回の「どうでもいーい」のことかと思ってたら、これだったわけですね。リズムにあってるんだかないんだか微妙ながらも充分上手でしたよ。
・タモツを連れ戻しにきたゆり子が、「いやです」と言われたとき一瞬とても悲しそうな表情をする。そしてその表情のまま固い声で再び帰るよう促す。
この抑えた表情変化の中で感情を伝えてくるのはさすがの演技力です。
・同窓生とは言えゆり子に強く意見し、タモツに「学ぶことの楽しさを徹底的に教えてやる」と宣言する塾長。さらには合格させられなければ「お前達アカデミナールの塾長をやめます」と進退までかける。
これまでで塾長が一番格好良かった場面・・・ですが、「これで落ちたらまた塾名を変えて『お前達アカデナールの』塾長はやめたと言い張るつもりなんだろなー」と思ってたら案の定でしたね。格好良さそうで格好良くなれない(ならない)のが塾長ですね。考えて見れば「学ぶことの楽しさを~」も教えるのは先生たちだし。
・出て行ったタモツとゆり子を追って走るめぐるに、二回の窓からユーキがホットドッグを放る。このシーンを見てアンパンマンに新しい顔を投げるジャムおじさんを連想した人は多いことでしょう。
この先積極的に他人の未来を変えていこうとするめぐるをユーキが(食べものを差し入れて)サポートするのがストーリーの定番になるかと思ったんですがそうでもなかったですね。
・めぐるがホットドッグを頬張るのを見て、ユーキはウインク&ペコちゃん風舌出しスマイルで指を立てて見せる。なんたるキュートな。その後走り去るめぐるを見守る凛々しい笑顔も素敵です。
怒涛の第4回を経て一皮剥けたというか、表情や動きが一層はじけてきて、しかも作為的な不自然さがない。海老沢ユーキという人間が本当にその場にいるかのようです。
ユーキのウインクにやはりウインクで応えるめぐるもキュート。バカップルだけど最高のカップルですよね。
・車から降りてきたタモツ32はいまだ東大浪人生。しかし「合格」ハチマキ+「目指せ東大」のたすき掛けって・・・なんてわかりやすい格好してるんだ(笑)。
・めぐるの行動と発言に動かされて、タモツは車のドアを力強く閉めることで母親に叛旗を翻す。
これまではめぐる満腹時は全てめぐる目線で、つまり20年後のビジュアルが登場したら特定の時間が過ぎるまでは20年後バージョンの姿のままだったのですが、今回はめぐるの目に映る32歳のタモツと、ゆり子の目に映る12歳のタモツが代わる代わる登場する。
12歳の弱々しげな少年が自分の意志で歩き出そうとする、その決意の瞬間を大事に描こうとしているのがわかります。
・みんなに一緒にお餅をつこうと声をかけられたタモツは「うん!」と初めて満面の笑顔を見せる。そんな子供たちの姿を見て自分も幸せそうに微笑むめぐる。
授業中にお菓子食べててもいきなりエスケープしても、心から生徒を思ってるという一点において、やっぱり彼女はいい先生なんだと思います。
・お餅をつくタモツの杵をユーキが支え、さらに反対側から塾長も支える。三人がかりでお餅を搗きながら、ユーキが塾長の方に笑いかける。
タモツを挟んで二人の気持ちが通い合ったらしいのがこのワンシーンに表れています。
・「久しぶりにおかわりした」→久しぶりに満腹になったおじいちゃんが(20年後の)めぐるの手に手錠を見て驚く。
これまでにもおじいちゃんはたびたびめぐるの20年後を見ていると思うのですが、その時は手錠はなかったということですよね。他人の未来を変えたことがめぐる自身の未来も変えてしまったのか。
もし20年後のめぐるが逮捕される――刑務所に入れられていると仮定すると、第4回終盤のユーキ43のメールは彼女が獄中にいても変わらず愛しているというニュアンスになるわけで・・・あのメールの時点ではめぐるの未来はどうなってるはずだったんでしょうね。
・猫舌のけったいな占い師「新宿に母」がなんとめぐるの母!衝撃の事実を投げかけたところで幕。すごい引きです。
(つづく)