about him

俳優・勝地涼くんのこと。

『未来講師めぐる』(2)-7(注・ネタバレしてます)

2009-07-08 01:43:00 | 未来講師めぐる
〈第4回〉

・震える手がテーブルの上のコップに伸ばされる。緊迫したBGMも手伝って、何が起きているのかとはらはらする。
・・・が画面が変わるとそこには動くコタツが。毎度のめぐるのナレーションが入ることから、コタツの中にめぐるが潜ってるのは明白。コタツごと動く姿が、なんかすっごい可愛いんですが。
しかしコタツかぶったまま部屋一つ移動するかね。

・「晩飯何が食いてえ?」ときかれて、「食いたいもんなんて、ねえ!」と答えるめぐる。
前回の「おまえらが頑張れ!」もそうですが、めぐるがなまると何故こうも可愛いのか。台詞を言う一瞬だけこたつから顔を出すのも(それも甲羅から頭を出す亀のごとくに)、そのときのぶんむくれた表情もなんともキュートです。

・「めぐるが立ち直るまで、先週の話を思い出してください」とこたつにもぐったままでナレーション。
明らかにめぐる本人が口動かして喋ってることで、マンガでよくある「作中人物が自分がフィクションの登場人物なのを前提の発言をする(「このマンガはよくできてる」とか)」効果を生んでいる。こういうところも『めぐる』がマンガ的といわれる所以かな。

・めぐるがみちるに彼女の未来を告げたために20年後の高尾山とみちるのビジュアルが変わる。
真ッピンクのペアルックから高尾山は和服に、みちるは後ろで緩く髪を束ねた職業婦人風に。見た目的にはこっちの方が落ち着いてていい感じだなあと思ったり。

・ショックを受けているめぐるを心配するユーキ43。「なんでもない」と素っ気無く答えつつめぐるはつい目を背けてしまう。気持ちはわかるものの、やっぱりユーキがかわいそうだよなあ。
「なんでもない人はなんでもないなんて言わねえっす」と言う調子がゆっくり、というかトロトロしてるのも、めぐるをイラつかせる一因になってそうです。このへんの「めぐるをイラつかせそうな雰囲気」を田口さんは上手に出している。めぐるに「放して!」と言われたときの傷ついた表情も切ない。

・「じゃあ、好きって言って欲しいっす」というユーキに「えっ!?」というときのめぐるの顔が、単純にすごく驚いた風でもいかにもイヤそうな風でもなくその中間の表情―「まさか、ありえないでしょ?」と言った風なのが、かえって本当にイヤそうで笑いを誘う。こういう何気ない部分で深田さんも上手い。

・「それ言っちゃダメだ!」というときのおじいちゃんの両手が前にぶらんと垂れてて幽霊スタイル(笑)。細かいなあ。

・立ち上がるなり「やべえ!超嬉しっすっ!」と壁に向かって吠えるユーキ43。このシーンに限らず、ユーキ43は全体に声が太いだけにその必死さがダイレクトに伝わってくる。
そして振り向くといきなりユーキ23に早代わり。赤いセーターはユーキ43と同じものに見えますが、20年間着てるのか、同じような服を見つけて着てるのか。
ユーキ23に好きと言われる分には、つい甘い笑顔になってしまうめぐる。その正直さが可笑しいと同時に、本当に思わず、という感じの笑顔にめぐるがユーキを好きな気持ちが篭っている。

・「脳が初期化されたっつーか、好きで頭いっぱいっす!」と力強く明るく笑顔で言い切るユーキに「バカでよかった・・・」と呟くおじいちゃん。これだけ単純脳だから自分の(ずるぷよな)未来が見える恋人と付き合っていけるんですね(しみじみ)。
しかしおじいちゃんの発言に「バカ?」とちょっとムッとした感じに問い返すあたり、ユーキはバカの自覚がないんでしょうか。

・めぐるが改めて自分の能力を告げようとするのを「わーわーわーわーわー!」と声を上げてさえぎろうとするおじいちゃん。この時歌うように大きく両手を広げるのに、事情がわかってないはずのユーキが同じように両手を広げて答えているのが微笑ましい。いい子や。

・めぐるの能力を知らされたユーキがしばしの沈黙ののち「それって・・・」と真剣なトーンで語りだすので、さすがのユーキも重く受け止めたか、と思いきや「美輪的な?」と続くのにかくっとくる。あげくに「容量オーバー、パッツ~~ン」とか言いながらくねくね倒れてしまう。ああほんとバカでよかった。
しかしこの「容量オーバー~」の時の喋り方が本当にくにゃくにゃでまさにプッツン言った感じ。表情もネジのとんじゃったロボットのごとくだし。勝地くん名演です。

・かくて一週間コタツにひきこもっているめぐる。みちるの差し入れる食事も断ってますが・・・まさか一週間飲まず食わずとは思えないし?

・めぐるの頬のコタツ焼けを指摘する江口。「バーバリーみたいなの」という表現に笑った。確かにどっちもチェックだけども。

・「吉田先生、パンチラ!」。パンチラとバッテラを言い間違えるのもどうかと思いますが、バッテラと黒板消しを間違うのも無理無理ですよねえ。そもそもなぜそんなところにバッテラがいきなり置いてあるのか。
やるならとことん、という感じにツッコミどころを用意してくれるのがこのドラマの醍醐味。

・高尾山先生は20年後仙台の盆栽コンクールで一位入賞するそう。いい具合に枯れてますね高尾山。「仙台の」ということは故郷に帰ったんですね。

・翌日高尾山にラブホの割引券を持って迫るめぐる。ユーキと使った余りかなあとか生々しい想像しちゃいそうなアイテムです。
しかし独身ボランティアなみちるの20年後それ自体にはさほど動揺しなかっためぐるが、高尾山の20年後は「これじゃいけない!」と思ったというのは、いかにも寂しい独居老人然としてたからでしょうかねえ。

・「こう見えて年上じゃなきゃダメなんです!甘えたいんです。甘え体質なんです。」「40ですが何か!?」 いろんな意味で厳しいなあ高尾山。自ら「こう見えて」っていうくらいあってギャップ激しいです。
しかし今度お見合いすると告げるときのひらひら踊るような動きは浮かれてるのか開き直って周りをバカにしてかかってるのか。驚くみんなの表情がアップになりますが、塾長の顔がなんか凄いです(笑)。

・愛されメイクで塾へ表れたみちるに「アーバン計画が着々と進んでるね。まるで豊洲だ」。駅前でスカウトされたと聞いて「それぜったいエロビデオ」とめぐるは隣りの江口に同意を求め江口は「エロビデオです」と頷く。
このあたりの言葉の選び方、テンポの良さはクドカン脚本の妙味ですね。

・バイト中のユーキの独白。なぜか一人称が「僕」だったり、自らを「イケメン」と呼んでみたり、やたら手振りや表情が大仰だったりするのは、前年の舞台『犬顔家の一族の陰謀』の野見山玉男を彷彿とさせます。というか宮藤さん意識してこの場面書いたのでは。

・お客に注目されてると気づいて、営業スマイルを振り巻きつつ、特に意味なく各テーブルの間を滑って回るユーキ。いかにもな笑顔と動きのせいで、なんかディナーショーとかでお客さんのテーブルを回る芸能人みたいです。

・「もともと太りやすい体質」「(父親も兄も代々)毛が薄い!」。うわー笑えない・・・。こんなところまで当て書きなんですね。いや代々毛が薄いのかどうかはわかりませんけど。

・ユーキの「毛が薄い!」発言に反応して自転車を倒す(通りすがりの)塾長。顔を上げたユーキの前で大の字に手を広げて立つのは、以前にもやっていた自分の名前(「大」と書いて「まさる」)を示すパフォーマンス。
塾長の名前が何だろうとユーキ的にはどうでもいい話なんですが。自転車にわざわざフルネームをローマ字で書いてあるところといい、目立ちぃなんだよなあ塾長。

・さっぱり事情のわからないユーキの足を蹴飛ばして転がしておいて、「潰れちゃえばいいよこんな店」「ばーーか!」と叫んで自転車で走り去る塾長。何たる捨て台詞。ほんと子供っぽい人だなあ。
そして蹴られたときのユーキのうめき声と転がり方が実にリアル。考えようによっては怪我しかねない危険なシーンですが、全部自分で演じてますよね。すごいよ。

・木の陰から見て居るおじいちゃんに気づいたユーキは「ダイアナ」の車でおじいちゃんを追いかける。あんなスロースピードなら足で追いかけた方がよくないか。あと職場放棄してるような気がするんですが、お客さんどうするのさ?

・ユーキの特技?「ベロが鼻の頭にくっつく」と言うのは勝地くん自身の特技なんですかね?できてなかったけど。
ところでおじいちゃんが何かと言うとユーキのほっぺたあたりよく触ってますが、23歳(ちなみに演じてる勝地くんは当時21歳)の成人男子に対するには子供扱いすぎる仕草なのでは。でも触りたくなる気持ちはわかる気がします。肌つるつるだもんなあ。

・サブマネージャー待遇になり時給が50円あがったというユーキ。「ジャンプ一冊買えるっす」。なにかと物の値段をジャンプ何冊分かで換算するの、昔よくやってた記憶があります。ある世代には懐かしいんでは。

・柵を越えて線路に飛び込もうとしてる(ように見えた)千鶴に、「ばかな真似はやめてー!」と叫ぶめぐる。
予告でこの台詞が流れたときの映像はやつれたユーキの姿だったので、やけになって道踏み外しそうなユーキに言った台詞だと思ってた。このへんのミスリードも上手いです。

・赤坂くんと千鶴ちゃんは手をつないで歩きつつ、「レイ・チャールズってグループじゃないんだって」なる第1回から繋がっている会話をしてる。
話の内容は実に他愛もないんですが、二人は楽しそう。何喋ってても一緒にいられれば楽しいんですね。ほのぼの。

・めぐるの回想によるユーキがめぐるに告白する場面。ユーキの「先輩」という呼びかけに、二人がもともとは大学の先輩後輩だったんだよなあと思い出す。服や髪型も微妙に今と違えていて、二人の「若さ」(たかだか2年程度の昔ですが)を出しています。

・いきなりドングリをむさぼり食いつつユーキの告白。この場面、勝地くんは本物のドングリでやると言ったものの、あまりの不味さに台詞が喋れなくなりNG(DVDのNG集にこのシーンも入っています)。やむなく代替品でナッツかなんか食べたそうで。
明らかに不味そうな(そしてお腹こわすといわれている)ドングリに挑戦しようとするあたりが役者魂です。失敗したけど(笑)。

・めぐるの「はい!」という返事を聞いたユーキが両手を大きく空に突き上げて「やったー!」と叫ぶ。「吠える」と表現したいようなその声に、彼の喜びとこの告白にかけた緊張感がうかがえます。なんかほんと微笑ましくてつい応援したくなるカップルですね。

・かくて恋人同士になった二人ははじめて(たぶん)手をつないで歩く・・・だけでなく嬉しさのあまりスキップしている(笑)。めぐるは「うふふ」とか笑ってるし。ああバカップル。ユーキの帽子のポンポンが揺れるのが可愛いです。

・食べ物につられて父・はまるの誕生日会に出席したものの、BGM代わりのピアノ弾きをやらされるめぐる。深田さんは実際ピアノが堪能だそうです(ここでは明らかに弾いていませんが)。
食べられなければはまるの20年後も見られない、とめぐるは不満そう。みちると高尾山の未来を変えたかもしれないショックで未来を見ることに恐怖を感じていためぐるですが、前から気になっていた父親の二十年後を見ることには抵抗がないようです。千鶴が自殺するかと勘違いしたことで、自分の力で他人の未来をいい方に変える手助けができると考え始めたせいもあるでしょう。
この「はまるの20年後がどうなっているか」は最終回でやっと明かされることになります。

・床に膝をつきながらお客に媚びまくる父親を「カッコわるい」と感じた直後に、やはり床にはいつくばって何事かやっている―格好いい姿とはいえない青年(塚本高史くん)を、その顔が見えるなり「カッコいい~♪」とニコニコのめぐる。にわかに曲まで陽気なナンバーに変わってるし。
しかし拾ったコンタクトを洗わずに目に入れるのはまずいでしょう。

・めぐると目があった青年は、「おや?」と言いたげな表情でめぐるに近付いて彼女の顔をじーっと凝視する。視力の悪い人が物をよく見ようとする時の仕草ですが、コンタクト入れたのにまだそんなに見えてないのか?
彼と目が合い、近付いてくるシーンで小さく、「ドキ・ドキ」と(めぐるの)鼓動の音が鳴っている。おっと浮気フラグ。

・彼が幼なじみのアキラだと知っためぐるは「え?あの小太りメガネ?」。ひどい表現だ(笑)。「うわ激変じゃん大逆転じゃん!」と内心つぶやきつつにっこり微笑むのも。大作29のときもそうですが、めぐる明らかに面食いですね。
そして大作29同様、少年時代はデブ→スリムな美男子へのパターン。しかも今度は20年後でなく現在が美青年、そして同年代と「時間の壁」がない状態。ユーキピンチです。

・とはいえその後の夜景を見ながらの会話からすれば、めぐるも顔だけでなくちゃんと中身も見ている(大作だってピュアないい子だったし)。いくら美男子でも金持ちを鼻にかけたり当然のように親の脛かじってるだけだったら、めぐる的には「なし」なんですね。金の亡者な父親を見てきただけなおさら。
しかしめぐるの手を取って会場から連れ出したり、自分のコートを脱いでめぐるに着せ掛けてあげたり、さらっと行動が格好良いアキラくん。しかもユーキの間接的上司(最上級)という・・・ますますユーキピンチです。

・アキラの出店計画を聞いて、「じゃあ、副店長も100人?」とめぐるの脳内で、笑顔のユーキが増殖。この絵面に爆笑。すごい迫力というか一種不気味というか。

・新しい塾の名前で揺れる講師室のドアを外から叩くユーキ。この遠慮がちな表情と叩き方が・・・めちゃくちゃ可愛いんですけど!!
左の眉がちょっと上がるところで無言のうちに「ちょっといいですか?」と問い掛けているのが伝わってくる。さすがの表現力です。

(つづく)

 

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