まだカンボジア旅行記の掲載途中ですが、季節感を重視して、こちらを優先させていただきます
「不退の行法」として一度も絶えることなく今年で1261回目を迎えた修二会は、練行衆に選ばれた11名の僧侶が2月20日から28日(閏年は29日)までの別火と言う前行の後、3月1日から14日まで二月堂において修二会の本行を勤めます もとは旧暦の2月1日からだったので二月に修する法会と言うことで「修二会」と呼ばれるようになりました(参考:東大寺公式ホームページ) |
修二会の詳しい説明は、こちらの お水取りについて をご覧ください |
3月11日から最終日の14日まで夜はどっぷりと修二会三昧でした
法要の雑用役の処世界を除く10人の練行衆、ひとりひとりの足元を照らして先導した童子が役目を終えて 二月堂の舞台の欄干からお松明を突き出して豪快に回転させながら走り抜けて行きます |
お松明が終わってから撮影したので、ちょっと暗いですが、11日の午後に新たに榊が飾られた閼伽井屋です
お水取り本番の12日は根付きの竹の先端に杉の葉や枌、杉の薄板で籠状に仕上げた大きな籠松明が出ます また、先に上堂して準備をしている処世界も12日だけは準備をして一旦下堂し、11人の連行衆が上堂するため 籠松明も11本となり、見応えがあります 「がんばれ東北」と書かれた竹もありました しかし、その籠松明には、いつも以上に大勢の観衆が集まるので交代で正面まで進んで見たら、次にまた交代 この日は吊燈籠も点かないので、やっと数枚撮った籠松明も暗闇に炎だけが浮かび上がっている感じ・・ |
さて、11本の籠松明を見ようと参集した人もぞろぞろと、その場を去り、やがて日付が変わって13日午前1時 お松明ほどではないものの、奈良の夜中には考えられない人数が回廊とは反対側にある階段を今か今かと 見つめています 1時をだいぶ回った頃、蓮松明と篝火に照らされながら咒師と北二以下5人の連行衆が粛々と降りてきました 咒師と堂童子が閼伽井屋にある井戸の水を汲むのですが、閼伽井屋の中は真っ暗で何も見えないそうです |
13日はお松明の後、食事をして再び10時過ぎに(混んでいましたが何とか)二月堂々内の外回りにある局に 入り、練行衆の走りの行法を麻の帳に映る影と音で感じ、前夜汲み上げられた閼伽水を行法の最後に礼堂と 局を隔てる格子の隙間から手を伸ばして柄杓から一滴いただけた幸せ、二月堂内陣の中で「だったん帽」を かぶった連行衆が火天と水天に扮し須弥壇の周りを回り、法螺や錫杖の音に合わせて跳ねながら、国宝の 木造建築を舞台に火天は松明を何度も礼堂に突き出す所作をし、最後には松明を投げ倒してしまいます 燃えさかる火を目の当たりに見る圧巻の達陀の妙法・・ そこはもう神秘の世界へと誘う異空間のようです |
14日は10本のお松明と共に連行衆も次々上堂し、お尻に火が付きそうなので「尻付け松明」と呼ばれています
お松明が終わって童子が階段を下りてきます 近くにいる人は杉の葉や薄板を欲しいと手を伸ばします
※ 分からない言葉は東大寺の 用語説明 をご覧ください
※ お松明の撮影はフラッシュをたかないようにと注意されても、あちこち同じ場所からピカッピカッ 局では許可証のある人以外は撮影厳禁なのに、フラッシュこそたかないけれど無断撮影する人 スマートフォンで動画を撮る人、あまりのマナーの悪さに同じ日本人として恥ずかしく思います 静寂の中で聞き逃すまい、見逃すまいとしているのにシャッター音やモニターの光は邪魔です |
12.03奈良旅行・修二会・NIGHT BIRD |