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一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

住宅トラブル相談

2008年06月23日 12時24分00秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

先週はブログアップが少なくて、身体の調子を心配して頂いたメールを
何人かの方から頂きました。どうもありがとうございました!

身体は、いたって健康で、いつも半日か一日休めば疲れが取れますので大丈夫です!(^^)ゞ


さて、昨日メールで相談のあった内容から、ひとつの部分のみ一般論として紹介します。


「建築条件付で、工事が遅れている。急がせて手抜きをされるのは嫌だし、

 遅延金を払わなくて良いなら、しっかり造ります。と業者に言われました。

 どうしたら良いでしょうか?」



という内容です。みなさんは、どう考えますか?

まず、遅延金は契約書でいくらになっていますか?

1日に付き、4000分の1、3000分の1?1000分の1?

それだけではいけません。よく読んでください。

契約金額の4000分の1なのか、

契約金額から出来高を引いた4000分の1なのかで大きく違います。

これが重要なポイントです!弁護士さんもこれがどういう意味になるかを知らないのです。


建物が2000万円の契約金額としましょう。

契約金額の4000分の1であれば、1日5千円です。1ヶ月で15万円。

これが、契約金額から出来高を引いた金額の4000分の1になると、

引渡し時に予定時にはかなり工事は進んでいますから、

通常は90%は終わっているはず。手直しだけなら、ほぼ100%です。

仮に90%が終わっていたら、

2000万円から1800万円を引いた、残りの10%の200万円が対象です。

これの4000分の1ですから、1日たったの500円! 1ヶ月で1万5千円!

バカバカしいですね。ところが、よくあるのです。この内容の契約は。


どうです?契約によってかなり違いますね。遅延金が当てにするほどの内容に
なっているかどうかをまず調べて下さい。

本来は契約時に抑えるべきことですし、私は契約前にアドバイスしています。

ミタス一級建築士事務所が設計監理契約を行うときは、
これを必ず契約金額のいくらと決めて、記入させています。


さて、今回の相談ですが、「遅延金はいらないから手抜きしないでやってくれ」と
無条件に言って良いものでしょうか?

そうすると工事の終わりがいつになるかわかりません。
着工が遅れたり、現時点で遅れているとします。
さらに多少の遅延は許される状況ならば、その範囲内で


「1ヶ月分は遅延金は要らない。しっかり造ってね。
そのかわり、それを過ぎたら遅延金をもらう。」という内容を書面で交わします。

そういう歯止めと書面での約束が必要です。


他にも、細かいテクニックや注意事項はありますが、
オープンにはしないでおきましょう。

考え方としてはこういうことです。


何度も言っていますが、素人のみなさんは、プロに簡単に丸め込まれてしまいます。

契約後やトラブル後ではなく、契約前にもっと調べるか、検討をして下さい。


……………………………………………………………………………


最近、住宅のトラブルなどに関するメールや電話での相談が多いです。

但し、

①匿名の人にはお答えしていません。

②外出していると私の「携帯番号を教えて欲しい」と言われる方もいますが
 お教えしません。

③外出していると「電話を欲しい」とおっしゃる方がいますが、電話はしません。

 あくまで、ボランティアとしての社会貢献の一貫です。


無料で第三者ですから、私も思ったことをズバッと言いますから、
スッキリして喜ぶ方もいれば、

気分を害される方もいらっしゃいます。

相談者が必ずしも、かわいそうな被害者とは限らないからです。

ハッキリいうと、単なるワガママ、自分のことを棚に上げたエゴ、

こういう方にもハッキリ申しあげます。



建築紛争の調停委員のときも、客観的な意見を言い過ぎているかもしれませんが、

私はそのために調停委員を引き受けています。

訴えられた方が被害者ではないか、と思うこともあります。





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新築トラブル相談

2008年05月14日 13時33分52秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。


昨日は、調停委員としての話合いで、2回目で合意となりました。
内容からすると今までに無かった早さだと、もうひとりのベテランの委員は
おっしゃっていました。

いずれにしろ、長引かずに早期解決ができて良かったです。

これに前後してメールによるトラブル相談がありました。
質問事項は、現在進行中なのでかなり簡略モデル化します。


 「ある地元ハウスメーカーに依頼しました。

 安くするために、オプションについては、面倒でもできるだけ自分達で
 支給品ということにして契約をしました。

 完成したのですが、最後になって、予想外の追加金額が出てきて、
 それを全額払わないと鍵を渡さないと業者が言っています。

 追加の内容は、本体部分の見積もり落ちや、現場監督のミス、設計のミス、
 予定より金額が掛かったからという内容が、追加金額の半分を占めています。

 追加で自分達が頼んだものは支払うつもりですが、いくら話をしても、
 掛かったものは掛かったのだから、払ってもらうの一点張りで、
 受け付けてくれません。鍵をくれないので引越しもできません。

 どうすれば良いでしょうか?」


というものです。

みなさんなら、どうされますか?

調停で、両方の意見を聞くと必ず双方に言い分があります。

その言い分が、客観的に考えて正しいかどうかは別として、
当事者はお互いに自分の主張が正しいと言い張りますし、
相手の言い分を否定し、相手の非を指摘してきます。
また、被害者は自分だと主張します。
隠蔽やウソ、とぼける、かなり誇張してという人もいるでしょう。

これらは、一般的な裁判などでも同じことでしょう。


ですから、話し合いでは決着が付かないことがあります。

そういう場合は、裁判しかないのですが、

時間や手間が掛かります。調停では費用は、ほんの僅かですが、
裁判では弁護士さんの費用も含めるとかなりの金額が必要になります。
それでも、完全決着を付けるのであれば、やはり裁判ということになります。

調停や裁判は当然、避けたいですね。


今回の場合のトラブルは、起こるべくして起こったと私は思います。

一般の素人がプロの工事業者相手に、支給品や分離工事を増やして交渉をしても
トラブル無く、スムーズに行くケースの方が少ないです。

大手のハウスメーカーは、原則として支給品は認めませんし、
変更も自社で決めた範囲のオプションが原則です。

オプションは、かなりの高額アップになります。
オプション以外でもし受けてくれると、さらに高額になります。

なぜそうなるかというと、打ち合わせミスや勘違いなどのトラブルが多く、
同じ定価でも仕入れ単価も高いので、利益が少なくなるからです。

標準品に関しては、大手ハウスメーカーは、信じられない低単価で仕入れていま
す。オプション品や例外品は、定価の差は僅かでも、仕入れ掛け率がかなり異なる
ので、規定の利益を載せると高額になってしまうのです。


地元ハウスメーカーというのは、ピンからキリまでありますが、
ハウスメーカーというからには、標準の自社仕様は決まっています。
注文を取りたいので、その変更には応じてくれるでしょう。
支給も応じてくれるかもしれません。

ですが、担当者、営業や設計、現場、そして職人さんとの連携がスムーズに行くか
というと、大手でもスムーズにいかずクレームで利益を大きく損失しています。
地元ハウスメーカーだからといって、スムーズにいくでしょうか?

多くは、ミスがあります。なかなかすべてスムーズにはいきません。

それを素人がコントロールすることができるでしょうか?

業者からすれば、対応してあげたけど、ややこしいから手間やミスや経費が
たくさん掛かった。変更や支給品があるからだ。その分をもらう!

と逆切れして、契約時の内容は無視して請求してくるケースは、
珍しくありません。

通常は本体分では取れないので、見積もりを出していない追加工事で、
高額を上載せてきます。このトラブルは、知り合いや親戚、友人の工務店に
頼んだというケースでも珍しくありません。


それに、素人のみなさんが対抗できるでしょうか?
私のこれまでの経験では、ハッキリできないと断言できます。


私が設計や監理をしている場合でも、支給や分離は、かなりメリットがあるもので
ないとしません。しかも、どの業者でもするのではなく、本体業者を選びます。
それが通用する業者と、通用しない業者があるからです。トラブルを避けるために
本体業者にその分の諸経費を払うこともあります。

私が設計監理として、間に入っても、こういうトラブルを避けるために、
かなり慎重に進めています。みなさんに簡単に教えて実行できるノウハウや経験
ではありません。

一般の方が2年や3年、インターネットや書籍でどんなに勉強しても、
しょせん机上の空論で、プロの営利を目的とした業者には太刀打ちできません。

一生懸命勉強し続けながら、10年くらい掛けて30軒位、分離発注で自分で
家を建ててみてというならマスターできるかもしれません。それだけやっても、
マスターできるかも?ということです。それくらい難しいものだということです。


さて、この質問の私の答えです。

相手の業者が話し合いに応じなければ、選択肢はご自身が折れるか、
調停か裁判しかありません。


今回の場合は、この質問内容だけの情報判断で、相手の言い分は不明なので
無視して考えます。

・本体の支払いが僅かしか払っておらず残金が多いこと、
・入居までに制約が特にないこと、
・本体工事のハウスメーカー側のミスを上乗せして請求していること、
・さらに、それを支払わないと鍵を渡さないと拒否していること、

これだけ条件が揃っていれば、私は弁護士さんを通して内容証明を送ってもらい、
損害賠償を含めた裁判をしても良い例だと思います。
引き渡しの時期が遅れるわけですから、遅延行為です。
これに対して賠償請求はできます。

本体金額の残金が多いので、裁判の途中で業者が折れる可能性は高いと思います。
弁護士さんの裁判しますよという内容証明だけでも、折れるかもしれません。
相手の言い分が、認められるはずがないからです。



ご相談の内容と理由が本当であれば、遅延に関しての家賃やその他の損害賠償、
裁判費用や弁護士費用も今回は可能になるかもしれません。
通常はできませんが、弁護士さんに頼み、裁判する以外解決方法が無かったという
場合、認められることも少ないでしょうがあるようです。

真剣に弁護士さんに相談して良い内容だと思います。
ご自身に非がある部分も気付けば、隠さず弁護士さんに伝えてください。


そこまでは、二の足を踏むのであれば、まず調停に進んでみてください。
調停に掛かる費用は、ほとんど無視できる金額と思って下さい。

追加金額についても、必要ならその内容をチェックしてくれますし、
支給品の取り付けを高額にして帳尻合わせしても、専門の建築士がチェック
すればすぐにわかります。


調停を相手が拒否するか、不調に終われば裁判しかありません。


私は、できるだけ争いはお勧めしません。割りに合わないからです。

ですが、内容によっては、その解決が一番良いこともあります。
今回は視野に入れて、天秤に掛けても良い内容だと思います。

結論を出す前に、弁護士さんに早めに一度相談してください。




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住宅トラブル相談

2008年04月28日 21時24分53秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

メールでのトラブル相談ですが、一般的なものにして、お答えします。これから家を建てる皆さんにも、ぜひ知っておいて頂きたいことだからです。


「今年の2月末に引渡し予定だった新築家屋が、現在の段階でまだ内装が
 ほとんど出来上がっておりません。サッシの一部が入ったのみです。

 現段階での過払いがかなりあります。

 一昨年の夏に建築士と設計監理契約を結び、その1年後に現在の工務店と請負契
 約を結びました。昨年の秋に工事が始まり何とか12月までに躯体までは出来た
 のですが、それ以後、以上のような状態に陥り、工事はストップしたままです。

 銀行ローンの抵当権設定期日が今年の夏にあり、万が一、入居できない場
 合、ローン残金を全て返済することになります。

 現在、工務店が資金および職人さんを確保出来ないことから、お金がなければ何
 も工事が進まない状態です。工務店側から残金の先払いを依頼されました.

 あらゆる相談機関に相談して、工務店との解約をすすめられました。ただし、限
 られた期日と、解約によって生じる持ち出し金額を考えると、何とかして、現場
 の工事を進める方法はないものでしょうか?」



みなさんは、どう思われますか?
このパターンは、珍しくありませんし、今後も減ることはないでしょう。

ですが、契約時の交渉と注意で防げたはずなのです。

今回は、相談者と建築士の過失については、ここでは述べても意味がありませんから、これからどうするかです。


まず、工務店の状況がどうなのかわかりませんが、残金の支払いは絶対に避けて下さい。一般的には盗人に追い銭になるケースがほとんどと考えられます。

もし工務店が再生する余地があるならば、今の状態で残金の支払いを要求しません。それができ無いから今の状況でも要求すると思われます。


今となっては、たぶん返って来ないと思いますが、その工務店が動いてくれない限り、契約を解除して、返金要求をして下さい。そこに未練がある限り、打開策はありません。時間が無いのであれば、なおさら今からできることに取り組むことです。

その工務店を当てにして、払った金に執着があれば身動き取れなくなるでしょう。

その上で、工事を少しでも安くやってもらう業者を探し、当然設計内容を変更して工事費を削減することになるでしょう。

メーカーにサッシが残っているとのことですが、直接交渉して、工務店に入れる予定より半値くらいに安くしてもらい譲ってもらって下さい。メーカーも捨てるよりマシなはずです。

相談者が、あといくら出せるか、その金額で工事を完成させる方法を至急考えるべきです。もちろん、設計変更をしてです。業者も分離して安くしてもらってください。確認申請も変更してください。設計監理者に全面的に協力してもらって下さい。というか、前面に立ってもらって下さい。

銀行は、期日を決めていますが、本当に工事が動き出して、「あと1ヶ月待ってもらえば、本当に完成します!」ということがハッキリわかれば、少なくとも担当者は稟議書を出してくれるでしょう。それで何とかなった例もあります。


現実に、そういう事態に陥った方が相談に来られ、運良く何とかすることができた例は、複数あります。


今回の場合は、その設計監理者に頑張ってもらって、工事業者を分離発注し、資材などの支給、設計変更で集められる金額に収めて、とにかく完成させることしかありません。





みなさんに、知っておいてもらいたいのは、

親戚の工事業者でさえ、こういうパターンになることは珍しくない世の中の状況です。

一流のハウスメーカーと思っていても、そうなってもおかしくない世の中の状況です。
株価を見てください。いつ潰れてもおかしくない財務状況の会社はありますよ。


では、どうやって防ぐか。完成保証を付けるのも方法です。

一番は支払いをコントロールしなくてはいけません。
何回にも分けて、後追いのような支払い条件にすべきです。

さらに、契約解除の事項を契約書に盛り込む。

もうひとつ、遅延金についての記載とその金額が妥当な額になるような記載にすべきです。

この3つは最低必ず契約時に行うべきものです。

頭に入れておいて下さい。




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申込み金についての相談

2008年04月24日 22時40分45秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんばんは、ミタス一級建築士事務所の清水です。

メールで質問が来ました。個別に回答しますが、
みなさんの参考のために、質問を変えて一般的なものにして、ここでお答えしましょう。


「注文住宅で家を建てようと考えてあるハウスメーカーと契約し、
申し込み金を払いました。契約後、プランを立ててもらいましたが、
こちらの事情でそのハウスメーカーとは契約をやめようと思っています。

でも、申し込み金が戻ってこないといわれました。本当でしょうか?
契約書には、購入者の諸事により契約破棄する場合は返金しない旨は記述されています。」


みなさんは、どう思われるでしょうか?

私は法律の専門家ではありませんから、この内容は本来は弁護士さんに相談すべき内容ですね。

弁護士さんに質問されても、おそらく契約書を見せてくださいとか、経緯と今までのやり取り、ハウスメーカーが行った内容を詳しく聞いたうえでのアドバイスになると思いますが、

それを踏まえた上で、私の考えをこの方の回答として述べてみます。

申し込み金が、どういう意味のものなのかによっても変わりますが、ハウスメーカーが現地調査してプラン等を考えて提案しているのであれば、ハウスメーカーは契約を着手していることになります。

それに対して、何の支払いもしないというのは、契約前なら良いのですが、契約をして支払ったあとなら、申し込み金といえども、全額戻ってくる可能性は低いと思われます。


民法から考えても、一般的には難しいですね。


また、契約書に返さないと書いてあるようです。
これは、着手金という意味あいのもののようですから、相手が契約に着手した場合は、何らかの義務が生じます。

さらにハウスメーカーが契約を止めるのであれば、返さないと言っているようなので、なおさら難しいでしょう。

私は、建築紛争の調停委員をしていますので、こういう場合の判断など弁護士さんとご一緒に考える機会があるのですが、残念ながら、争っても可能性は低いと感じます。

ハウスメーカーは、まだ実際には何もしていない、ということであれば、契約に着手していないので、戻ってくる可能性はあります。

申込金の金額より、行ってもらったことの内容が、客観的に考えて低過ぎれば、その分は戻ってくる可能性はあります。

そうでなければ、戻ってくる可能性は低いと私は思います。


後は、契約書にどう書いてあるか、ハウスメーカーにどの程度まで行ってもらったか、その行ってもらったことと申込金の金額を比べてみて、妥当な金額かどうかを整理して、弁護士さんのところへ相談に行かれたら、もう少し具体的にアドバイスくれると思います。


弁護士さんへの相談は、最初は役所や弁護士会の無料相談を利用されても良いでしょう。

有料相談であれば、一般的には1時間1万円程度で初回は行ってくれると思いますが、価格は事前に確認された方が良いでしょう。

余談ですが、ミタス一級建築士事務所では、契約するまでプランは作成いたしません。ハウスメーカーや工務店では、プランや見積もりまで無料という場合が多いですが、それは、その費用を契約する人に転嫁することになるからです。

また、工事で儲けるハウスメーカーや工務店と異なり、プラン作成がまさに我々の大切な仕事だからです。膨大な費用と時間を掛けて学び続けている知識と経験、時間を売るというのが、私の仕事でもあります。

ミタス一級建築士事務所を指名して依頼された方にだけ、私の経験と知識、時間を使いたいことと、依頼された方にその費用の転嫁をしたくないからです。

もちろん、事前相談やアドバイス、他でのトラブル相談も、社会還元としてすべて無料で行っています。


最後に、みなさんにお伝えしたいことは、安易に契約をせず、契約書の内容を良く理解してから、契約して欲しいのです。そのため事前に契約書を入手して、そこに書かれていることを理解するのは当然ですし、それが先々どういう意味を持つのかも知ってから契約すべきです。

相談に来られる方だけでなく、ほとんどの人が建売の購入はもちろん、請負工事の契約も安易になされていると感じるからです。

ミタス一級建築士事務所が設計と監理を行う場合、工事業者の契約書を見せてもらい、変更や加筆、場合によってはこちらで用意したもので契約を行います。

契約時には、契約の内容、お互いのリスク、万一の場合の解除方法や協議方法、ペナルティを説明しますし、業者へも確認します。

弁護士さんでも、遅延金などについては、それがどういう意味になるのか、どういうレベルか判断できない建築独特の内容もあります。以前もこの内容やポイントについて、ブログでコメントしたと思いますが、正しく理解することが大切です。



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筋交いの入れ方間違い

2008年04月21日 13時26分31秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

本日の朝に、第三者検査を依頼されている建売住宅の確認に行きました。

工事中ですが、構造体の検査のときに、筋交いの入れ方が
2階で1本おかしいところがありました。

設計図書を見せてもらうと、設計通りで間違いはありませんでした。

建築基準法でも、公庫基準でも、性能表示制度と照らし合わせても、
明文化されていないので問題にはならないのですが、
構造を良く知っている者にとっては、有り得ない入れ方でした。

第三者検査で、設計についてクレームを付けるには、
明文化された客観的な根拠が必要ですが、それはありません。


「構造を考えれば常識です」という指摘の方法では、相手を怒らせ、
明文化された根拠を示せ!と対立してしまうこともあります。


現場監督は好意的なので、「この入れ方はどう考えても、何かの間違いだと思うの
で、設計担当者に聞いてみてください。今なら、簡単に入れ替えができますから。」

とお願いをしました。

後日の返答は、「指摘された入れ方の方が良かったかもしれませんが、
どちらでも問題ありません。」との回答でした。


「木造の筋交いの入れ方を、大学の建築でも教えないし、何かテキストに書いてい
るわけでもない。」と嘆いた専門家がいましたが、現在の大工さんは指示をされた
通りしないと叱られますし、現場監督も同じです。

建売で設計変更は一切無いという条件と、私は着工後に検査依頼を受け、
構造体の図面も検査当日に見せてもらったので、事前に指摘できませんでした。

一度工事を行ってしまったのを、手直しさせるには客観的な根拠が必要です。


そこで、止むを得ず、再度現場監督にお願いをしてみました。

「設計担当者の考えは、どちらでも構わないということですが、構造を知っていれ
ば、この入れ方は選択しません。おかしいですよ。申し訳ないですが、設計担当者
ではなく、貴社として本当にこれで良いと思っているのか、再検討してくれませんか?
貴社としての結論が、そういうことならば、責任を取られるのは貴社です。
第三者検査の立場で、手直しの強制はしませんが、写真と報告書は作成しますよ。」


と伝えました。手直しするための期間は、まだありましたので、ここまで言えば、
この監督なら何とかしてくれるかも?という期待はありました。

幸い現場監督や大工さんとのコミュニケーションはスムーズに行ってました。

そして「手直ししますから完了の確認をして下さい。」と連絡があったので、
本日の朝、見に行ったのです。



私が設計監理していれば、設計をしたのも私ですし、
当然その場で職人に直接指摘して手直しさせますが、第三者検査の立場では、
そういう権限はありません。

でも、図面には明確に記入しますので、
こんな間違いは、設計段階から有り得ませんが。

現場監督に伝え、承諾をもらって手直ししてもらうことになります。

工事品質だけの問題であれば、現場監督とのやり取りになりますが、
設計絡みでは、現場監督も勝手には変更できませんから、
こういう面倒なやりとりになります。


この筋交いの正しい入れ方を知らない建築士は珍しくありません。
年配の大工さんでも図面があれば図面通りに入れます。

以前、やはり第三者検査に入ったハウスメーカーの現場で、

筋交いの入れ方が、2階全部で間違っている現場がありました。

指摘しても、年配の大工さんや現場監督、設計担当とその上司まで現場に来てもら
って話をしましたが、誰もなぜ間違っているのかわからなかったのには、
驚きました。

しかも、性能表示制度を利用していて、構造体の検査も合格しているのです。

私はさらに驚いて、その検査機関の名前と担当者の名前を確認させてもらいました。
名刺のコピーまでくれたので、確かだったのです。

性能表示制度で合格しているのであれば、その申請図面見せて欲しいとリクエストしたところ、

筋交いの図面も出てきました。

この設計図書には、筋交いは現場とは異なり正しい向きで記入されていました。

それで、やっとやり直してもらうよう強く要求できたのですが、

図面を見るまでもなく、現場を見た瞬間に間違いとわかる入れ方をして、
年配の大工さんも、たくさんいる担当者も、性能表示の検査員も誰も気付かずOK
してしまうことに、私は驚きを隠せませんでした。

1箇所ではなく、2階のすべてです。見た瞬間にわかる間違いでした。


ということで、今後は、第三者検査の依頼を受けるときは、スタート時に筋交いに
ついても書面を事前に提出してもらい、チェックすることにしたいと思います。


現時点の建築確認申請では、筋交い計算書や向きに関しての書面は必要とされてい
ませんので、新築木造2階建てに関しては、それらの図面やチェックが無くても、
堂々と完成して引き渡されています。

間違いが無くなると良いのですが、現場で気付く人が少ない現状ではと
完全に良くなるかどうかはわかりません。



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住宅トラブル相談

2008年01月25日 17時58分23秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。

神奈川県建築士事務所協会では、毎月、建築主側から見た設計事務所に対してのトラブル相談を行っています。

私も設計監理指導委員として、当番のときには相談を受けています。

本来は、建築主が設計事務所に対して問題を感じたときの相談ですが、どうしても工事のトラブル相談が多くなります。これは、設計も工事も同時にしている業者が多いことや、みなさんには設計と工事の区別が付かないからでしょう。


工事に関してですが、こういうケースでは、みなさんはどう思われますか?

築8年後に雨漏れがあり、10年以内なので有名なゼネコンの本体業者に
修理を頼みました。手直しをしてくれました。

その後、築15年を過ぎて再度雨漏れに気づきました。

以前と同じ箇所で、雨漏れが止まっていなかったかもしれませんし、
10年以上経ってから雨漏れがしたのかもしれません。

どちらかわからなかったのですが、10年以上経っていたので、
同じ有料になるならと修理を名の通った身近な別の業者に頼みました。
部分的な補修の見積もりで工事を依頼しました。

工事をしてもらい雨漏れの量はかなり少なくなったのですが、
完全ではなかったので、再度修理を依頼しました。
無償で工事範囲を少し広げてくれました。

そうすると雨漏れはなくなったのですが、天井に染みがあることに気づきました。

この天井に関しては、防水の修理業者は張替えを当初から見積もりには
入れていなかったので、張り替えるなら費用が掛かりますと言われました。



皆さんが依頼者だったら、張り替える費用が発生することに納得しますか?
それとも、雨漏れの直し方が甘いためにシミになったかもしれないので、
張替えを無償で要求しますか?

もっと状況を詳しくお話しないと判断できないと思いますが、
私の考えでは、天井の張替えは有料になると思います。

雨漏れの補修が全面防水改修ではなく、部分補修であったことと、
天井の補修は防水とは関係なく見積もりにも入っていなかったこと、
防水工事をすることにより雨漏れが少なくなり、さらにその後無償で
手直しを行い、止めることができたため工事業者は役目を果たしていること、

そして何より天井のシミは、今回の補修の防水工事には関係なく長年の雨漏れにより必然的に起こった可能性が高いため、防水工事業者には関係が無いと思えるからです。


私が裁判所から依頼を受けて建築紛争調停委員や、この設計監理指導委員、市や区役所などを含めて建築相談やアドバイスを社会貢献のつもりで行っているのは、公平な立場でアドバイスを差し上げたいからです。必ずしも皆さんが期待する意見やアドバイスになるわけではありません。

できれば無駄な争いを行わず、そのエネルギーを前向きな解決のためのエネルギーに早く使っていただきたいと思います。

ご自身にとってのトラブルは客観的に判断できないと、

全く遠慮しなくても良いものを施主が遠慮していたり、
業者にいいように言い含められている完全な被害者であったり、
そこまで要求するなら工事業者が被害者となるというほどの要求でも、
そのことがわからないためご自身で憤慨して苦しんでいる場合もあります。

いずれのパターンでも問題で、みなさんにとってマイナスだと思うのです。

ですから、こういう相談や調停委員の場合は、公平に第三者の専門家としてアドバイスすることを意識しています。


昨年は、住宅の勉強会を行ってきました。前向きな話の方が私は好きだからです。

今年は、こういうトラブルなどを含めた面談式の無料相談を事務所で毎月行うつもりです。

通常の設計や監理の依頼、検査依頼を前提とするケースでは、随時相談を行っています。

他の業者で着工後であるとか完成後、入居後の心配ごとはなかなか相談しにくいでしょうから、毎月第2土曜と決めて2月9日(土)からスタートさせる予定です。

事前予約制で事務所にお越し頂きますが、この日は匿名で相談可能です。ミタス一級建築士事務所と全く関係の無い工事や設計を前提として相談をお受けいたします。

ミタス一級建築士事務所の関係のある場合は、いつでもOKなのは言うまでもありません。

詳細は、今月末には、ホームページにアップします。




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外壁防水検査

2007年11月28日 11時15分35秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲検査でおかしいと思い、剥がして見ました。

みなさん、おはようございます。

昨日は、現場での外壁部分の防水検査でした。

業者も現場監督も誠実で、職人さんも手抜きはしない人でも気づかないうちに問題が隠れてしまっている場合があります。

この写真は、検査のときに見つけたのですが、サッシの上部に防水テープがありません。コーキングはしてあります。そしてその上から黒い布のようなもの(手でめくっているもの)が、防水のための強い素材で念のため行ってもらったものです。

なぜこういうことが起こったのかと推測すると、ここまでやっているから大丈夫だろうと進んで行きます。隠れてしまっているので、現場監督も職人さんも気づきません。検査でも通常の検査では、わかりませんからOKでしょう。これがわかったのは、わざわざ剥がして見たからです。

これでも、通常の雨では漏りません。台風で強い風向きがこの方向でというタイミングで初めて雨が染みこんできます。風の吹上と毛細管現象で水が窓の上に登っていき、サッシのツバと外壁下地の間から水が染みこんで雨が漏ります。この程度のコーキングでは完全には、水を止められません。

みず道ができてしまえば、後は外部からコーキングをしても台風が来るたびに雨が漏るというパターンが多いです。止まってくれるときも、確率は低いですが原因によってはあります。


私が木造住宅で一番恐れるのは、雨漏れです。そのため、その原因となりそうな部分には神経質なくらい確認します。ホームページを見て頂ければ、築20年程度で外壁はもちろん、柱や土台が気づかないうちに腐っていたというケースは珍しくないからです。

この部分を慎重にしないと、政府の200年住宅の構想どころか地震がくれば30年も持たないということになります。

200年住宅の構想は、メンテナンスを行って200年持たせようという考え方ですが、構造体をかなり交換しなければならないということは、解体することと同じになることがあります。木造の構造体を守るには雨漏れに関して、どこまで慎重に工事を行うかです。


すべての工事の職人さんや現場監督が毎回私の現場を行ってくれれば、考え方の違いは無くなるのですが、そういうわけにはいきません。

幸いにも今までに私が設計監理をした現場で完成してから雨漏れがあったことは無いですが、どんなに慎重に行っても、雨漏れすることもあるでしょう。

ポイントがわかっていながら、少なくともその部分をおろそかに工事をすることはもちろん、確認や指示を安易に考えることはできません。

この雨漏れのポイントをわかっているというのは、実は非常に大切な知識なのですが、あまり重要視されていないのが不思議です。





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竣工検査

2007年11月24日 12時03分29秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。

竣工検査についてお話しましょう。

私が第三者として竣工検査に参加する場合は、3つのパターンがあります。

(1)通常の設計監理者として、竣工検査を行う。

(2)工事中の検査だけの依頼を受けて、工事中に引き続き竣工検査を行う。

(3)竣工検査だけを初めて行う。



(1)は、ミタス一級建築士事務所が設計と工事中の監理を行い、工事中はもちろん完成時も施主と一緒に検査するパターンです。隅々まで頭に入っていて、それまでにも指摘を繰り返しています。


(2)は、ハウスメーカーなどのように設計を別でお願いをし、工事中の検査と完成時の検査だけをミタス一級建築士事務所が行う場合です。工務店での注文住宅、建築条件付住宅、建売のフリープランの場合です。


(3)は、完成している建売や注文住宅でも最後だけはという場合です。マンションなどでもこのケースが多いです。


今回は、(2)(3)についてお話しましょう。

原則として施主と一緒に検査をします。

みなさんにお願いしたいのは、キズや汚れなどは皆さんが中心になってください。これは、主観的なものですから第三者として皆さんが気づいていなくて、これは言っておいた方が良いというものだけしか指摘しません。

キズや汚れの指摘した事項を、工事業者が対応してくるかどうかは、話し合いですので、気になることがあれば一応、言って見れば良いのです。

簡単に手直しできるもの、トライしても完全には直らないが良くなるもの、取り替えるべきもの、この程度は仕方が無いもの、という判断が両者の意見が食い違えば、私も第三者としてコメントさせて頂きます。


第三者として追加で指摘することもあれば、「軽微なものでこの程度は、引越しの翌日には付いてしまう…」というものについて、壊したり取り替えなければ直せないものについては、「わざわざ取り替えなくても良いでしょう」とコメントすることもあります。

業者の「できない」という返事に対して、「いや、こうすればできる」「こうすれば、マシになる」「これは、一般的にやるべきでしょう。」というコメントのときもあります。


こういう汚れやキズに対しては、両者が納得すれば私がコメントする必要も、コメントに従う必要はないのですが、判断が付かない場合は、コメントしています。

その他、施主の皆さんに見て欲しい点は、約束した内容についてです。(1)の場合には、私が把握しているので問題ないのですが、(2)(3)の場合は第三者にはわからないからです。


では、私は何をするのでしょう?簡単に概略を述べると次のような大項目です。


目視による全体の確認    

開閉や作動に関しての確認 …サッシや収納、什器などです。

床下の水平、壁の垂直確認 …レーザーレベルという器械で測定します。

床下や天井裏の確認    …(3)の初めての場合でも多くのことがわかるのが、ここです。

外部の確認          …境界、枡、外壁、雨樋、防水関係

図面や確認申請の確認   …(3)の場合は、確認申請や筋交い計算の確認もします


竣工検査をするメリットは、そのときにどうかということもありますが、後々に何かあれば、電話でも気軽にご相談頂けることの方が大きいかもしれません。現場を確認していますので、みなさんからの質問の話の内容が、こちらでも具体的にわかり易いので、アドバイスしやすくなります。



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漏水いろいろ

2007年11月19日 21時24分11秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんばんは。仕事が遅くなるので、休憩がてらにアップします。どうしちゃたんでしょう。今日は3回目です。


本日は漏水の話が続いています。

ユニットバスではないお風呂で、排水の接続を床下で忘れたまま、気づかずにいたケースです。一流のハウスメーカーでしたが、かなり昔の建売でした。

約20年経ってお風呂をリフォームするために、お風呂の床のタイルとコンクリートを壊したら、どうなっていたと思いますか?

人が入れるくらい地面が、えぐれていました。排水の水が地面に染みこんで外部からはわからなかったのですが、長い間に地面をほじくっていたのです。

そのままさらに続いていたら…。多分地面が陥没して気づいたと思います。


漏水の話は、実は第三者として検査や指示をしているもので、まだ現在進行中のものもあります。業者が誠実に対応してくれることを前提に、業者からの依頼で私が引き受けています。業者からの依頼の場合は、必ず「そちらに不利になる意見になるかもしれませんよ」と確認しています。この例はすべて解決して、少なくとも1年以上経ってから、またの機会があればお話しましょう。


漏水の最後に、サッシからの雨水の漏水の話をしておきましょう。

サッシは、風や雨に耐えられるように設計され実験もして発売されているのですが、どんな風や雨でも耐えられるというわけではありません。といっても、サッシの形状や性能によって異なります。

かなり強く吹き上げてくる場合は、サッシの内側が濡れてくる程度の漏水はあります。私は別々のサッシで2回経験しました。いずれもメーカーを呼んで検討しましたが、不良品ではありませんでした。雨漏れというほどの量ではなく、スポイトで垂らしたくらいの量で被害はないのですが、間違いなく漏れて濡れているという感じでした。

ビルのサッシでは、個別にオーダーで製作するケースが多く、サッシの設計が悪くて雨が入ってくるということはあります。

住宅に使われている既製品のサッシでも、新製品を改良しながら性能アップしていくということはあります。これは、サッシに限らず、自動車をはじめどの工場製品でもそうですね。


今後は、地球温暖化で台風が強くなっていくでしょうから、サッシの性能は断熱性や防犯性だけでなく、こういった性能も合わせて考えていくようにしましょう。



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排水からの漏水

2007年11月19日 17時37分37秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

本日2007年11月19日の朝にアップしましたが、水漏れ関連をもう少しコメントしておきましょう。


朝の話は給水からの漏水でした。
新築で排水から漏水ということもあります。

本日2番目の例は、建売の話です。入居して3ヶ月ほど経ったある日、台所の床下収納が水だらけになっていたことに気づいたのです。調べてみると、ユニットバスの排水接続がされていませんでした。

ユニットバスから排水された水は、ベタ基礎のため外部に出ることなく、床下一面に溜まっていったのです。外部からは気づかなかったので発見が遅れたのです。排水が溜まっていたので、水を抜くだけでなく臭いを取るにも時間が掛かりました。



本日3番目の例です。
ある一流のハウスメーカーの新築注文住宅でした。やはり、お風呂の排水を接続しておらず、家の外に水が溜まるのでおかしいと調べたところ発見したのです。これは、布基礎だったので水が床下の地面から外部に溢れてくれて、すぐに発見できたのです。



同じ布基礎でも、水漏れを気づかずにそのまま放置したらどうなっていたか…。という例を、仕事が終わって時間があれば、本日また夜にアップします。




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洗面台からの漏水

2007年11月19日 07時51分53秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。昨日の2007年11月18日(日)は、洗面台からの漏水の現場確認に行きました。先週初めに「どうすれば良いでしょうか?」と電話がありましたので、電話でお話をすることで、その日のうちに業者による漏水の手直しは解決したのです。

ただ、漏水の手直し方法が正しいのかどうか、下階の天井の手直しをどうするか、リフォームして3年経っているため、その費用や方法についてどうなるのかが心配とのことでした。

原因が、「パッキンの劣化のようだという工事業者のコメント」でしたので、もし本当にそうならば、責任はメーカーの可能性もあります。

メーカーの責任であった場合、3年という期間では保証期間は過ぎています。

工事方法には何も問題は無いのか?本当にパッキンの劣化が原因なのか?一体どんな方法で漏水を止めたのか、下階の天井の被害はどういうものか?

電話の話だけでは分からないので、時間の取れる昨日の朝に現場を拝見に行くことにしていました。

その方からお願いしてもらっていたメーカー、本体工事業者、水道業者も来ました。

現場を拝見し、メーカーの話と業者の話の両方を聞き話し合うと、原因はメーカーには関係ないということになりました。工事業者が別途に用意した接続部品での劣化だったようです。

3年となると構造体や雨漏れではありませんし、リフォームですから工事業者は無料ではできないと開き直る可能もあります。その点が心配でしたから、ハッキリしておかないといけません。幸い、無償で行いますとの回答をその場で頂きました。

下階の天井の工事方法や壁の中の状況に応じた手直し方法についても、お話をしておきました。


今回のポイントは、メーカーと工事業者と第三者の私が一度に集まって話し合ったことと、取り替えた部品を捨てないで保管してもらっていたことです。これによる、話し合いがその場で決着が付きました。

工場ですべて造り、厳しいチェックを受けた一流メーカーの電化製品でも、不良品はあります。

住宅の工事は、新築でもリフォームでも現場で人間が造るのですから、不具合が生じることは当然あります。

それに対してどう業者が対応してくれるかは大切ですし、皆さんの対応方法も大切です。

この方は、「消費者センターに電話したほうが良いでしょうか?」と私に電話で質問をされましたが、業者が対応や手直しを拒否したのならともかく、そんなことを最初にイキナリしたら、誠実な業者でも頭に来て対応してくれないでしょう。

今回とは異なり、調べると業者には責任は無く使用方法に問題があるケースもあるのです。もしそうなった場合、消費者センターに電話された方のために、通常以上の対応をしてくれるでしょうか。


時間があれば、本日は別のケースも紹介したいと思います。



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住宅の第三者検査(2)

2007年10月10日 16時22分14秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。

2007年10月5日の「住宅の第三者検査」の続きです。

住宅検査は、間違いを指摘するために行うのではなく、良い品質の住宅を建てるために行うものです。客観性をもって検査を行うだけでなく、いかに未然に間違いを防ぐかに努めなくてはいけません。

そのため、通常の現場でよく間違っている点は、事前に現場監督にお話をして了解を得ます。このときに、現場監督に疑問があれば納得してもらうまで説明しますし、その根拠もお話します。

できれば、現場監督だけでなく工事の主となる大工さんにも直接お話したいので、現場でお会いした時に、大工さんにもお話するようにしています。

単にこちらの要点を伝えるのではなく、最初は雑談、この現場や他の工事のこと、苦労話をお聞きしたりします。相手の職人さんにとっても、ただ指摘されるだけでは面白くありません。現場や本人の腕の良い点や苦労もわかってくれる検査員が、間違いや手直しを指摘するなら、どうでしょう?

職人さんも良い仕事はしたいと思っていますし、評価してくれる人がいればやりがいも出るはずです。

実際、第三者として検査に入っても、気持ちよく手直しを行ってくれる職人さんが多いのです。

地元ハウスメーカーで工事途中から頼まれた工事検査では、ケンカ越しに、「30年間大工をやっているが、そんなことを言われたのは初めてだ!」と怒っていた大工さんもいました。

さらに現場監督や本社の設計課長という人達が、何人も現場に待ち構えていて、「そんなことは、普段やっていない。そうしろというなら、金を取る!」と興奮していました。

最初から検査に入る場合は、納得してもらっているので良いのですが、途中からの場合は、こういうこともあります。私まで興奮しないように、理由と根拠を丁寧に説明していきました。少し経つと相手は、今説明していることとは関係のない、様々な工事のことまでいろいろ質問してきます。

それは、私が本当に工事のことを知っているのか、机上の空論を振り回す設計事務所のわからずではないのかを、自身の知っている知識で試しているようでした。

最後は相手も納得して、大工さんだけでなく現場監督、設計課長を含めて全員で、すべて剥がして、やり直しの作業を始めました。

その時点でできる手直しが終わってから、文句を言って「金を取る!」と興奮していた設計課長も、「大変勉強になりました。これからは、どの現場でも先生のおっしゃる通りに工事をいたします。」と頭を下げたのです。

こういったことができないと第三者の建築専門家としての検査員は務まりません。

本来は、未然に防ぐのが一番ですが、もし間違っても納得して手直ししてもらうのが、その次に良いケースです。一番良くないのは、間違いとわかっていても手直し工事をしてくれないケースです。こういう業者の場合は、私がヘタに入ってもみなさんに不安を与えてしまうので、検査には入りません。

次回は、一般に行われている第三者機関の住宅検査について考えてみましょう。



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住宅の第三者検査(1)

2007年10月05日 13時03分09秒 | 住宅検査・トラブル相談
本日は、早朝からあるハウスメーカーの工事中の検査を行いました。

これは、私が第三者の専門家として工事中の検査を行うものです。

自分で設計し、監理する建物のように厳しく指摘はしませんが、通常の工事方法で問題なく行われているかどうかを確認します。仕様、材料、設計方法などは一般的に認められるものには口出ししません。あくまで、客観的に観て問題がないかどうかを確認するのです。

数年前に、有名出版社の有名住宅情報月刊誌に住宅の欠陥を観ぬく法というような特集に関して、私に依頼があったので、その雑誌社の編集者に写真や情報の提供をいたしました。

写真を見せながらの私の説明と間違っている理由を聞いて、大変驚かれたのです。

「今まで、何度も同じような特集をしてきましたが、こういう内容を聞いたのは、全く初めてです…。本当のことですか?」ということでした。また、工事会社であるハウスメーカーが雑誌のお客様なので、内容の表現方法は任せて欲しいとのことでした。

私がお出ししたのは、素人が工事中に観て間違いがわかる範囲のもので、よく間違っている工事内容の写真と正しい写真でした。

全国の一般書店でかなりの量が毎月出版されている雑誌なので、掲載号が発売されると、大変なことが起こりました。全国から私の事務所に電話で相談がたくさんきました。「写真を観ると、間違った工事方法になっている。どうすれば良いでしょうか?」とか、「業者に雑誌の写真を見せたが、間違っていないと叱られた。」というような内容です。

また、その編集部にもたくさんクレームの電話があったようです。

「なぜ、これが間違っているんだ!」という工事業者からの怒りの電話です。
中には、クライアントのハウスメーカーからもクレームはあったはずです。

反響が想像以上に大きかったのですが、実はそれだけ、間違っていることすらわかっていない業者が多いことが、現状なのです。間違っている写真と正しい写真を並べて出したにもかかわらず、わからないのですから。手抜きではなく、単に知らないのです。


私が第三者の検査で指摘することは、私の特殊な持論ではなく、建築基準法に記載されているものであったり、住宅金融公庫の仕様書にもハッキリ書かれていたり、材料の製作メーカーが指定している工事方法であるもの、すなわち客観的にこうして下さいと決められているものに限られています。にもかかわらず、聞いたことが無いという職人、業者はたくさんいました。聞いたことがないのではなく、読んだことが無い、勉強したことが無いというのが、正しいと思うのですが…。

そういう客観性と理由があるからこそ、第三者として指摘できるのです。自分で設計したものほど厳しくは指摘しないというのは、自分で設計したものは、私の持論を含めてもっと厳しく品質や工事方法に関しては、指示やお願いをするからです。

主観的なものや世間一般に知られていないものを、第三者が突然押し付けるようなことがあっては、現場が混乱しますから、やってはいけません。工事については、あくまで工事会社が責任を持つのですから、自己責任の範囲内で、認めるものは認めなくてはいけません。

この住宅検査の現状や問題点、あるべき方法については、次回、この続きをお話しましょう。













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基礎コンクリートの穴あけ

2007年10月02日 12時20分57秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲ 床下の基礎立上がり ガラや木片、ゴミも残ったままです

みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

既存の家のお手入れは、長く住んでいればいろいろ行うことになります。

写真では、わかりにくいですが、赤の矢印の先には基礎の鉄筋が見えています。

エアコンなどの配管を基礎に穴を開けて通しています。事前に配管を通すことを前提としていれば良いのですが、後から基礎コンクリートをこれだけ壊しているのですから、あまり良いことではありません。

写真のように穴が大きく、鉄筋が露出しているという状態も当然好ましくありません。鉄筋を切断していないだけ、マシと言えばマシですが…。鉄筋を切断している場合もあるからです。

この例は、高い工事費用を掛けて隠蔽配管をしています。配管が隠れて見映えは良くなりました。ですが、高い費用を掛けて、大切な基礎の部分を必要以上に破壊してしまいました。工事業者が悪いのですが、住まい手が知らない間に本末転倒になってしまったと思います。

リフォームなどのメンテナンスは大切ですが、見えなくなる部分において、どのように工事をするが私は一番問題だと思うのです。リフォームは新築以上に監理が大切で難しいのですが、実際に行う業者や監督はかなり安易に考えています。素人にリフォームアドバイザーなどの肩書きを与えて、担当者が工事をしきっているケースも多いですね。

仕上がりの見える部分は、皆さんでも判断できますし、気に入らなければ後々も意識してリフォームはできます。また比較的簡単です。

ですが、こういった見えない部分、まして壁の中の部分などでは壊さない限り見えないわけですから、なおさら大切にしなければならないのです。



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建売、注文住宅の契約前に

2007年10月01日 12時24分44秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

こちらへの建築トラブル相談も最近は多いのですが、そのうちの9割が既に工事が始まってトラブルに直面してしまっています。残り1割がこれから始まる工事検査の依頼や、事前に心配な方の相談です。

自分たちは大丈夫と思って契約しているのですから、人間の心理からすれば当然でしょう。

第三者として入って、相談だけでもあるいは検査して指摘しても良いのですが、問題のある業者ほどそれを拒否します。または、指摘しても無視をします。

それでは意味がないので、検査をするなら必ず皆さんから事前に業者に許可か合意を取るようにお願いするのですが、それができない方もいます。

トラブルが起こって、第三者の建築士が入ってくることを恐れる業者の心理もわかります。

ですから、ひとつだけ皆さんにアドバイスしておきます。

注文住宅、建売住宅、建築確認住宅を問わず、契約前には第三者の建築士が入って検査をしても良いかどうか、その際には協力してくれるかどうかを確認して書面で合意を取っておけば良いのです。

実際には、スムーズに工事が進み、みなさんが納得して終われば第三者の建築士にお願いしなくても良いでしょう。心配な方は、入れても良いですが。

この承諾をトラブルが起こる前、しかも契約前にも関わらず拒否する業者であれば、以前にトラブルがあったというケースがほとんどです。通常は、契約前なら快くOKをしてくれるケースが多いです。

ノーと言われても契約したいかどうかの判断は、当然皆さんが行えば良いのです。

これは、ひとつのポイントになるので、覚えておいて下さい。


但し、設計事務所に設計をお願いして工事は別の会社が行う場合は、そういう承諾は必要がないかと思いますし、それをお願いするなら、最初から他の設計事務所に依頼すべきですね。設計事務所にお願いして、工事をチェックしてくれないから、私に工事中の検査をして欲しいと依頼される方がいますが、お断りしています。

設計監理料をほとんど払っていなくて、業者が決めた名義だけの設計監理者であれば別ですが、設計監理者が別にいて、費用を払っているのであれば、クレームを付けてそこにしっかり見てもらい責任を持ってもらうのが正しいのです。

建売や建築条件付は、この名目だけの設計監理者が多いようです。




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