一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

快適な住宅の創り方(3)

2020年02月25日 16時35分56秒 | 住宅ノウハウ・実例
▲ 

前回、2020年2月10日のブログ記事一覧-一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」の続きです。


「快適な住宅を創る」のに、みなさんにとって、
最も大切な仕事は「どこに依頼するか」なのです。

人によって「快適な住宅」の定義が異なるので、
それを実現してくれないとこに依頼したら、
どれだけ予算を出しても無理です。

美味しい和食を食べたいと思って
有名な店だからとフランス料理に入ってしまったら、
美味しい和食が出てくると期待しても無理なのと同じです。

プランや動線はもちろん細部にまでこだわって設計を考えて欲しい人が
建売、建売フリープラン、建築条件付き、ハウスメーカーを
選択するのは、最初の方向が間違っているので無理なのです。

とにかく安く戸建てに住めれば快適、という人が
土地を購入し設計事務所を選択、
こだわりの設計で快適な住宅にと求めても
予算で無理が生じます。

「己を知って敵を知れば…」ではないですが

「自身にとって快適な住宅は何かを知り、依頼先を知って」
頼めば、その時点で成功は80パーセント約束されます。

こだわりの多い人が増えてきましたが
「自身の求める…」までは研究して知っていても
「依頼先を知って…」の方法を知らないのです。

そこで間違ってしまい、後々トラブルになって住宅紛争処理の相談、
というケースが増えています。
早く気付けば良いのですが、手遅れの相談が多いです。

「快適な住宅を創る」方法の大きな7つの流れを説明します。

1 自分が求めている「快適な住宅」って何か知る
2 どこに依頼すれば良いか探して見極める
3 設計契約時に確認、主張すべきこと
4 設計打ち合わせで必要なこと
5 工事契約でトラブル防止で重要なこと
6 工事中にした方が良いこと
7 入居後に注意すること

自分が求めている「快適な住宅」について、
わかっている人は良いのですが、
人によって違うため、何を考えるかは一律には言えません。
次回はどうやって考えるか、そのヒントを解説します。


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快適な住宅の創り方(2)

2020年02月10日 18時41分55秒 | ユーザーの方へ
▲夜間の照明の見え方も、スイッチをひとつづつ点灯、
または組み合わせて点灯し、それぞれの明かさ、
感じ方を照度計を持参して、夜に確認します。 


前回 快適な住宅の創り方(1)の続きです。

本当に快適な住宅を創るには、設計や仕様などの机上の空論だけでなく、
設計監理が、同じくらい重要だと申し上げてきました。

何百軒という新築工事や何百軒というリフォーム工事で壊して中を見てきて
一流のハウスメーカーや注文住宅はもちろん、
構造体や雨漏れ、耐久性の重要な部分でも、
完全な品質管理を行っている現場を見たことがないからです。

しかし、今回のスタートは、この話ではありません。

「快適な住宅」って、人によって違いますよね?
デザインが命という人もいれば、立地条件が一番という人も

もう少し具体的にいうと
家事コーナーと書斎があって4LDKで、駅徒歩で車庫があって
予算が合えば文句なし、という人だっているはずです。

多くのトラブル相談や不満を私の事務所だけでなく
公的機関でも聞いてきましたし、
リフォーム時にもお聞きしてきました。

そもそも、依頼先と探し方、契約の仕方が間違っているのす。

完成まで行かずに、トラブルになって困っている人も
少なくありません。
完成したけど、住んでみたら不満という人もいます。

住んで満足していても、10年後、20年後に
リフォームで気付いて「しまった!」という人も多いです。

家が寒くて、家が暑くて不満という人もいます。

でも、冬に暖房点けてコート着ていても寒いけど
この家で満足という人もいます。

あなたにとって「快適な住宅」を創るには、
まず依頼先を間違わないようにしなければなりません。

そして、間違わないだけでなく、できれば
あなたにとっての「快適な住宅」を創ってくれる
工務店、ハウスメーカー、設計事務所、建売を探さないといけないのです。

当たり前と思うでしょうね?
でも、できていませんから。
誤解していますし、探し方も求め方もハッキリしていません。
何を求めているのかも、わかっていない人もいます。

求めるものがハッキリしている人は、
逆に依頼先を間違えたゆえに、不満に早く気付きます。

「ニューヨークに行きたい。」そう願って
アメリカ行きの飛行機に乗ればいいだろうと
ハワイ行きの飛行機に乗った。着きませんよね。

「アメリカ行きなのになぜハワイにいかないのだろう?」
と思っている人に、

みなさんは、「乗る飛行機を間違えたから」
と回答できるし、正しい方法を教えることができます。

私から見ると、住宅を依頼している人に
そういう間違いをしている人は少なくないと思っています。
そんなバカな、と思うでしょうが本当です。

建築トラブル相談で、

「建売ですか?注文住宅ですか?」とお聞きすると
「注文住宅です」とお答えになる方の半数近くが
建売フリープランや建築条件付きだったりします。

これは、ご本人は注文住宅だと思っているのですが
実は、建売なのです。業者、職人、営業、設計
すなわち注文を受けている側が建売と思っているのです。

ですから、注文住宅のレベルを求めるのは、
最初から無理ですし期待できないのです。
それを期待して購入すると
あなたにとっての「快適な住宅」になりません。

「おかしい、凄く冬に寒くて、夏に凄く暑い」
と不満に思ってしまいます。

ハワイ行きに乗って、なぜロサンゼルスに行かないのか
と思っているのと、私から見ると同じなのです。

「いやいや、私は一流のハウスメーカーに依頼して予算たっぷりの
注文住宅だから、大丈夫ですし、完成後も満足しています。」
と思っている人も多いでしょう。それならOKです。

でも、現実を知れば「そうだったのか、そんなことはないと思ってたのに」
と後悔する人もいます。
無理に現実を教えることは、避けましょう。

建売でも良い点はたくさんあります。
満足して住んでいる人に、わざわざ欠点を知らせて
不快にする必要はありません。

しかし、これから家を考える人で
同じ建売を選んでも、工務店に依頼しても、
ハウスメーカーでも
最初からメリットもデメリットも納得して購入すれば、

後悔はかなり少なくなるでしょうし、
満足度が大きくなります。

次回は、例えていえば

どの飛行機のチケットを買うか
アメリカ行きで良いのか、ホノルル行きなのか
ロンドン行きに乗るべきか、シドニー行きか

それを皆さんに知ってもらう方法を説明できればと思います。
2020年2月25日のブログ記事一覧-一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」へ続く

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快適な住宅の創り方(1)

2020年02月07日 18時10分37秒 | 住宅ノウハウ・実例
▲ 65インチのテレビが小さく見える広いリビング 
実は写真でテレビに見える黒いパネルより
65インチテレビは、さらに小さいのです。


ミタス一級建築士事務所は、お陰様で今年で20周年となります。
2000年スタートという区切りの年にスタートしました。

遡ること数十年、高校2年生の春に将来は何をするか
と考えたときに、

「そうだ、快適な住宅を設計しよう」と決めて、
あれこれ思考錯誤して行ってきました。

「こうすべきだ、こうした方が良い」と意見を出しても
会社の利益と相反することは通りません。

もっと偉くなったら、と思いましたが
雇われ社長になっても無理だということに気づきました。

独立しても、結局失敗してしまう建築士の先輩たちも
多くいました。結局、技術屋だから看板が無くなってしまえば
無力で、独立は難しいのか。

成功している人は、技術を後回しにして
営業力で利益をがっぽり取れることを重視した会社が
ほとんどでした。

すれでも、本当にこだわるなら組織の利益と相反するため
自分で独立してトップになるしか方法はありません。

営業力、経営者としての考え方を少しだけ学び、
思い切って独立して20年となりました。

30年は続けるつもりでスタートしているので、
あと10年間、残りも年中無休で全力で仕事します。

この何十年間で、快適な住宅を追求してきましたが
単に建築面でどんなに快適に創ったつもりでも
ユーザーがいろいろな問題に直面していることにも
気付きました。

わかりやすいのは、
メンテナンスや住宅リフォームですが
そういったことではなく、
相続の問題、親の介護問題や痴呆症の問題、
実家の管理や売却などなど。

いずれも住まいでの重要な問題です。
これらを無視して、「快適な住宅」と叫んでいても
片手落ちかなという思いも出てきています。

そういったこともある程度何とかできないかと
勉強し、アドバイスし、宅建業登録もして動いていたら、

どんどん勉強すること、インプットすること
セミナーや講習会を受けることが
建築だけでかなりもあるのに
増えすぎているのが現状です。

そこで振り返って確認していきながら
「快適な住宅を創り方」を
じっくり書いていこうかと思います。

「快適な住宅を創る」ための断片的な内容は
気付くたびにブログに書いてきましたが
もう少し体系的にです。

設計面や仕様面、そして現場での実際の作業のポイントなど
私でしか書けないことも多いと思います。

かなりの独断と、これはどうしても間違っていると思うこともあります。
そいうった考え方も意見として書いていこうかと思います。


▲白線で囲った枠が65インチ壁掛けテレビの実際のサイズです。
有機ELなので薄くて、持ち方によっては折れそうでした。
3人で持ち上げました。
ここまでくると本当に壁掛けテレビという感じの薄さです。
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「聖女の罪と罰」 英文翻訳小説

2020年02月04日 12時34分30秒 | お知らせ
▲贈られてきた英文翻訳小説


お待たせしました。前回 2020年1月28日 の続きです。

送られてきたのは、上部写真の書籍とお手紙です。

以前、イタリアのミラノ駅について、この著者からメールで質問を頂きました。

「日本語で書いた小説を英文翻訳し出版するが、この部分の英訳がしっくりこない。
ブログにミラノ駅について書かれていたので、教えて欲しい 」

というような内容で、和文と英文、ミラノ駅の構造や石の材料など
メールのやり取りが続きました。
わかる範囲で以前撮った写真を拡大、思い出しながらお答えしました。

イタリアミラノサローネ2009のブログに
ミラノ中央駅について書いた海外視察ブログがあります。

学生時代、名画座で映画「ひまわり」を観て、
ソフィアローレンのミラノ中央駅での素晴らしい演技に

「これが、名演技、名女優ということか…」と
私が生まれて初めて演技に感激しました。
一生忘れられないシーンです。

そのミラノ中央駅に行ったので、私もブログで書いたことや
駅の映像もよく覚えています。

その海外視察のブログをご覧になった著者から
メールで質問を受けたのです。

その時に、小説家は言葉が命とはいえ、
著者が自ら英文訳のニュアンスにもこだわって
一文、一文チェックして訂正を考えるとは、

素晴らしいこだわりだな、
凄いエネルギーだな
と思ったことを覚えています。

「翻訳が出来上がったら、送付します」と
その時にお聞きしてはいました。

翻訳本が完成して送って頂いても、
私がそれだけを読んで理解できると思わなかったので
アマゾンでその翻訳前の和書を購入しました。

読んではおらず保管していました。

それが、碧 千塚子という著者の
「聖女の罪と罰」という小説でした。

表紙のイラストのドレスの青色が、背景の黒と女性の肌色、天使の白、
椅子の赤と金で綺麗に引きたち、それ故に骸骨とのアンバランスさで
ドキッとする表紙です。小説の内容を表現した表紙だと思います。

裏表紙の帯には、

「歌姫・碧美和が降りたったヨーロッパは欧州大戦で
 人心ともに荒廃していた。
 男達に蹂躙され心を病む美和を、華麗なるオペラの
 旋律がさらに追い詰める。
 しかし、悪魔の源は、意外にも…」

と記載されています。

欧州を舞台としたサスペンス、謎めいた展開、
オペラなど芸術的な面を含んだ大人の小説

という感じがします。
実は私は、まだどちらも読んでいませんので
イメージです。やり取りしたミラノ中央駅のところだけ
どちらも探して読みましたが。

小説はほとんど読まないのと英文翻訳もあるので
今年のゴールデンウイークに、両方読もうかと…

そしてそれが完成したので、丁寧なお手紙まで
添えて贈って頂いたというわけです。

そのお手紙で、著者が私よりご年配だったことを知り
追求し続けている、こだわり続けてることに感銘と刺激を受けました。
著者は、ご本人もオペラをやっているようです。

和文小説をお読みになりたい方は、アマゾンから入手できます。
「聖女の罪と罰」で検索するか下の表紙をクリックしてください。
 

▲▼これが、日本語の小説の表紙です
1300円に消費税。キンドル本でもあるようです。



英文翻訳版は、2020年の3月にアメリカアマゾンに出るとのことですが、
送料とかがどうなるのか、登録はしないといけないのか不明です。
こちらは税込み1800円とのことです。

もし英文翻訳の希望者がいて入手できないなら
こちらに連絡を頂ければ、送料や振込料など含めて1800円で入手できるように
手配してもらいますので、お知らせ下さい。

次回は、建築の話に戻ります。


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