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一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

中古住宅を購入する前に…

2007年09月12日 10時37分45秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

中古住宅の購入を検討されている皆さんにお知らせいたします。

中古住宅を購入するにあたり、事前に検査をお願いしたいという依頼が来ます。
または、購入後にリフォームの相談を頂くこともあります。

古い住宅の場合は、建築基準法や公庫仕様書と異なることがあり、
それを是正するのに費用が掛かるケースがあります。

事前に購入検討の方に、それをお話すると、売主と交渉されその分を値引きしてもらったという話を聞きました。かなりの金額で、検査料の何十倍の額となります。
売主が素人の場合でも、かなり強気でない限りこういうことは珍しくありませんん。

購入後の瑕疵保証という制度があっても、契約金を振り込んだ後に、返してくれと言っても中々思うような金額は返してくれないでしょう。

業者からの購入後、半年間は瑕疵保証があるからと入居されてから住宅検査依頼をされた方で、テレビに出ても良いくらいのトンでも無い住宅だったこともあります。業者は交渉を拒否し、苦労されました。

測定するまでもなく、歩けば床が傾いているのがわかるのに、皆さんは全く気づかなかったという場合も、中古住宅の場合は珍しくありません。



完全に建て替えを考えている場合は、気にしなくても良いかどうかですが、
既存の擁壁の関係で建て替えが法規的に非常に難しいとか、
建て替えにかなり余分な費用が掛かる場合もあります。

こういうケースで、その指摘で購入を止めた方もいらっしゃいます。

そういったことを知った上で購入の最終決定をした方が良いと私は思います。

不動産購入は、家を建てるのと同じように、素人が売りたいプロを相手にしますから、やはり第三者の専門家を味方に付けた方が良いでしょう。

紹介してくれた不動産屋さんに物件の3%以上の支払いをされるわけですが、必ずしも皆さんの味方ではなく、物件を売ることに力を入れなければ商売が成り立たないのです。

特に中古物件は、僅かな金額と時間を専門家に事前に投資することをお勧めいたします。何十倍となって返ってくることは良くあるだけでなく、決定的なリスク回避を考えると、安い保険料と考えることができます。



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現場での変更…

2007年09月07日 12時24分21秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲ 一度張った石膏ボードを剥がしてもらう…


みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

台風の被害は、着工してすぐの問題の無いはずの現場に問題が生じ、工事業者に片付けに行ってもらいました。大丈夫かと心配していた現場は、大丈夫でした。

写真は、化粧梁にする予定はなかったのですが、石膏ボードで大工さんが半分囲っていたものを、剥がしてもらって、母屋という部材を出してしまうことにしたのです。

天井もこの部材の下に設定すれば、余計な細工をしなくて済むので大工さんも簡単ですが、勾配天井のため、少しでも天井を高目にという設定にしてもらいました。

石膏ボードで包んでしまって、お化粧するケースが多いのです。この母屋も露出させる予定はなかったので、化粧用の木材ではありません。
しかし、この部屋のイメージでは、この木をこげ茶に塗ってもらえば、既に開いてしまったビス穴も気にならないはずです…。

ということで、大工さんに謝ってからお願いをして一度張ったものを剥がしてもらったのです。

こういう風に一度やってしまったものを、見映えのためにやり直して変更のお願いをするというのは、良くないことで、設計者としては、大変恥ずかしいことです。しかし、この大工さんは、お願いすれば嫌がらずにやって頂けるので、助かっています。



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メールや電話の建築トラブル相談

2007年09月06日 22時39分51秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

最近、電話とメールの相談が多いです。一般の方だけでなく、業者の方からも相談が来ます。

最近の例は、まだ解決していない可能性が高いので、かなり以前の内容で一般的な相談ということで簡単にお話しましょう。

例えば、「ハウスメーカーで建てたが、家が傾いている。計測しても、データーを見せてくれない。担当が、転勤で変わったと何度も結局途中で逃げる。どうすれば良いか」

とか、

「家の不具合で建築士に建物の調査をしてもらったが、何か信用できない。どうすれば良いでしょうか。」

とか、

「建売を購入したが、工事が悪い。建替えて欲しいが、住宅保証機構も手直しすれば大丈夫だと言っている。どうすれば建て替えしてもらえるのかアドバイスして欲しい。」

というような要望や交渉して欲しいというような依頼もあります。

私は、交渉をすることを目的には動きません。診断したり、調査した内容の説明や質疑応答、手直しの方法は業者と直接でもしますが、交渉を目的としているのではありませんので、念のため。

設計監理の物件であれば、交渉以上のことを工事業者としていますが、第三者としては、交渉は示談屋になるので、できないのです。

業者の方からも、「建替えなければならない内容でしょうか?」といったような相談もきますが、そういう内容を電話で簡単に判断できるはずがありませんし、「お伺いして話を聞いて欲しい」と言われることもありますが、話を聞いても、現場と図面を拝見してみないと何とも言えません。外から見るだけでなく、剥がして見ないとわからないことも多いのです。

また、私が大丈夫と言っても、ダメだと言っても、どちらにしても相手がいますので、相手が納得しないといけませんね。

最初から答えありきで、こういう風に交渉を勝ち取りたいがどうすればできますか?という相談には、道筋や考えかたをお知らせするだけです。


調査に行った相談内容でも、内容によっては、段階を追って業者とやり取りをして頂くことがあります。一度に話すと話しが決裂して裁判や調停以外余地がなくなることがあるので、その前に段階をおって相手と交渉して頂くということです。


調停でも裁判でも、片方からだけ聞いていると、「随分ひどい…。」と思うことはよくあります。しかし、相手にもそれぞれに必ず言い分はあるようです。内容によっては、一気に決着とならないこともありますので、こじれた場合は、覚悟が必要です。



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上棟中です

2007年09月03日 17時20分04秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲ 上棟中です!


みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

先週は忙しさのあまり、ブログを1日もアップできませんでした。


敷地が狭いため機械が入らず、手動式の地盤調査を行ってもらったり、柱状地盤改良や上棟などありました。


上棟は、夜まで頑張りましたが、暗くなって作業が危なくなりましたので、予定作業前に終わることにしました。



▲ 屋根載せの作業中ですが、暗くなったのでここで断念。




ピタゴラスという最新鋭のクレーン車を使って、屋根載せの最後まで終わらなかったのは残念した。今回は、屋根を特殊なものにしています。

断熱性と強度面に非常に優れたものです。上棟作業に続いて、たくさんの大工さんがいるときにクレーンを利用し、これを一気に載せてしまえば、後の作業が省略されて楽になります。


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建売住宅の完成検査

2007年07月13日 17時08分12秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

本日は、朝は建売を購入される方と完成検査に行き、台風が心配なので現場を廻っていました。

両方のお話をしたいのですが、台風の件は明日にでもいたしましょう。


建売の完成検査ですが、何をチェックするのでしょう。
事前にお願いしておいたので、ぞろぞろと相手の業者の担当者も、たくさん立ち会ってくれました。

みなさんにお願いしていることは、「気になるキズや汚れは、チェックして伝えて下さい。」私は、そういう部分はあまり指摘しません。主観的なことですし、皆さんにもわかるからです。

床下など目視であっても、皆さんが見てもわからない部分は必ず確認します。

機械の測定では、床や壁の水平垂直をレーザーレベルで測定したり、構造材の含水率を測ったりします。

しかし、一番大切なのは総合的に観ること、現象を見てその原因を類推したり、点と点を結ぶような考え方ができるかどうか必要です。こういったことはマニュアルのチェックリストでは決してできません。検査機関が何百項目ものチェックリストを作ったとしても、意味がありません。

すべての現場は異なったもので、現象も工法も材料も違います。

機械的なチェックでできれば楽で良いのですが、業者とのやり取りや、指摘する事項についてしっかりとした知識が必要です。

現場でのチェック以外に必要なのは、建築確認申請の確認、筋交い計算や構造計算のチェックが必要です。筋交いが入っているはずの部分に壁がなかったことがあります。耐力壁については、必ず照らし合わせます。

建売の場合は、重要事項説明書のチェックも行います。融資特約などの確認は、見落としがちですが注意が必要です。

私が建売物件の調査を依頼されるときには、重要事項説明書と建築確認申請はできるだけ事前に用意して頂きます。筋交い計算が付いていない場合もありますから、その書類もあれば、用意してもらいます。なければざっと私が計算しますが、どこにどういう筋交いや耐力壁が存在するかを、ハッキリさせておかないといけません。

筋交い計算書が付いていて、計算上の見掛けはOKで建築確認も検査済みまで終わっていても、実際には計算間違いで必要な3分の1しかなかったこともありました。

これらの書類と現場の両方を確認することが大切になります。


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悪徳リフォーム会社

2007年07月09日 16時57分33秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

先日、消費者センターの依頼で現場を拝見したのですが、悪徳リフォーム業者の一般的な例をご紹介しましょう。

悪徳リフォーム会社でなくても、リフォームのときにちょっとやってくれていれば耐震補強の必要がなかったのにという無知な業者もいます。

後者は、非常に多いのですが、本日は前者のお話です。


悪徳リフォーム会社の手口は、

最初は、排水管の清掃とかちょっとした手頃な金額での工事で実績をつけるケースもあります。きっかけは、巧妙になってきています。

ここで終われば良いのですが、次は必ず床下か天井裏の話になります。家が壊れるとか地震が来ると危ない、シロアリがやってくる、シロアリがいる、床下の湿気が多くて腐る。といった内容です。

耐震補強の話も出てきます。補強に大げさな金物を使うものは、悪質な場合が多いです。

業者の担当者は、引っ掛かった1軒の家からは、何度にも渡って悪質な工事を受注します。彼らなりのストーリーがあって、床下の湿気関係で、もうこれ以上床下の湿気関係では注文は無理といというころまで繰り返してから、次に耐震関係で騙してしまおうというような具合です。

水廻りのリフォームを得意として、通常の何倍もの金額で注文を取ってしまうこともあります。

ですから、1回や2回ではなく、何十回にも渡って被害を受けるのですが、被害を受けた方が、なかなか騙されたと気づかいないのです。

必要ないと断っても、あまりに長い時間説得されるので、お年寄りはついOKをしてしまうようです。お年寄りどころか、それほど歳を取っていない方も騙され続けていたこともあります。何回もそして何社からもです。


驚いたことに説明をしていっても、すべての事項に説明をしないと、いくつかは業者の言っていたことが正しいと思っていることです。

みなさんも、ご年配のご両親が単独でお住まいなら、ときどき確認した方が良いでしょう。

見えない床下や屋根裏、一度受け入れると何十回もやってきます。

万一おかしいと思ったら、消費者センターに相談することも有効です。同じような業者が同じような手口で動いていますので、情報が集まれば集まるだけ動きやすくなりますし、単独でも電話相談でもアドバイスや情報をもらえます。

おかしいとわかれば直接業者にも電話をしてくれますから、多少良心のある業者や、まだ被害額が小額であれば、返してくれます。

悪質かつ高額で、建築士の判断が必要な場合、今回のように現場確認してくれることもあります。たくさんの相談があるので、現場を確認できるケースはなかなか少ないそうですが、消費者センターは全国にありますから、気軽に相談をしやすでしょう。

まだ決着が付いていないので、今回の床下や天井裏の写真と解説は、別の機会にお見せしましょう。




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住宅の遣り方

2007年07月07日 14時34分06秒 | 住宅検査・トラブル相談
 ▲ 貫を一定の高さに打ち付けて、家の高さと位置を確定します。 



みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

本日は、遣り方 といって、家の位置や高さを決めてしまう事前の準備を行いました。





▲これは、鎮め物 といい、家の真ん中、基礎の下に埋めてしまいます。
地鎮祭で神主さんから頂いたものです。この家のお守りですね。
この陶器の中には三種の神器、剣、鏡、勾玉が入っています。





▲コンクリートの下は砕石を敷いて、ランマーで転圧します。






▲これは、家の位置を決めた対角線を計っています。
対角線の数字が異なっていれば、直角にはなっていない、
平行四辺形になっているということですから、その確認です。
ちなみに、ここは、両方とも11メートル36センチでOKでした。



明日は、以前もお話したように建築士の集まりがあり、徹夜で語り合うことになりそうです。




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コンクリート打設中の大雨

2007年06月22日 09時56分16秒 | 住宅検査・トラブル相談
おはようございます。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

遠方の方から、相談がありました。

「コンクリート打設中に集中的な大雨が降り、ベタ基礎コンクリートの耐圧版(地面に接する一番下の厚い平面的なコンクリート)に3センチくらい水が溜まった状態で、表面を均していた。業者はこんなことはしょっちゅうあるから大丈夫だと言っていますが、大丈夫でしょうか?」との質問でした。

このお話からだけでは、大丈夫だとは言えません。

4週間ほど待って、シュミットハンマーでコンクリート表面強度を測定してもらい、結果が良くなければ、コア抜きという手法で強度を確かめなければなりません。この点について詳しくアドバイスしておきました。

コンクリートを打設した次の日や、表面が固まってからの雨は心配ありませんが、
セメントペーストが流れてしまうような多量の雨は好ましくありません。


業者は、さらにその次の日に作業をしていたとのことですが、24時間は作業をしてはいけません。こういったことを無視する業者は多く、工期の少ない建売の場合、養生期間を無視してこういったことを当たり前のようにしていることがあります。第三者検査の保証や検査が入っても、こういうことは確認も指摘もしません。

ですから、それが多くの職人は当たり前だと思っています。

昔は、住宅の基礎コンクリートに鉄筋を入れていませんでした。耐圧版やベースが無いタイプの基礎もありました。それでも、クレームは無く指摘する人もなかったのですから、昔からの住宅関係の職人は現在の基礎仕様が過剰だと思っているかもしれません。


木造住宅の職人や業者、現場監督はコンクリートやそれに類する正しい知識を知らない場合も多いようです。

「30年間大工をやっているけど、そんなことを言われたことはねぇ。」と反論した職人さんもいましたが、30年で建替えられている日本の住宅を造ってきた人が、過剰だと思うほうがおかしいのです。

300年の耐久性で断熱性能の良い住宅を造ってきた人のいうことなら、現在の考え方を無視して、私は従います。




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不動産取引の強い味方あり!

2007年06月20日 14時37分04秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

現在、トラブルや心配な点を含めて毎日のようにメールや電話で相談を受けます。


特に、不動産屋さんとの取引でご心配な方も多いようです。契約前に物件を確認して欲しい、という方には重要事項説明書なども拝見してチェックしていますが、契約後に心配になったというパターンがあります。

この場合は、アドバイスを差し上げて、問題がありそうな場合にご紹介している公的機関があります。

各都道府県の宅建指導課とか宅建指導班という部署です。


例えば、

神奈川県であれば、

神奈川県 

に相談です。



東京都なら、

東京都 

に経緯をまず電話で相談します。

話の内容によっては、実際に来るように言われたり、業者に電話してくれたりします。宅建業者が一番恐がっているのが、ここです。

各都道府県にあります。
業者の団体もありますが、それよりもこちらの方が皆さんには良いです。


以前の例でいうと、
5年以上前の話ですが、老夫婦が相談に訪ねてきました。

宅建業法に違反している可能性が大きいと判断したので、ここに相談してもらったら、そこの担当者が業者に電話をしてくれ、返さないと言って念書まで書かされていた手付金の250万円を全額返してくれたとのことでした。但し、私は相談料を含めて一円も頂いていませんので、念のため。

そのあとにお礼にお菓子を頂いたような気はしますが…。


ここでのポイントは、宅建業法に違反している可能性の場合は効果があるのですが、不動産屋さんの建売であっても、いわゆる建物の瑕疵などについては、担当者も建築の技術的なことはわからないからと、力を貸して頂けなかったことがありました。

ですが、不動産業者から購入する建売や中古、建築条件付の不動産の場合は、知っておいた方が良いでしょう。

もうひとつ言えば、売主が個人で中古の場合ですが、仲介業者のみが不動産屋さんです。宅建業法の適用が仲介に関してとなると、甘くなってしまう可能性はあります。




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欠陥住宅を判断する基準は?

2007年06月09日 16時45分58秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲ 「例えば、この断熱材の張り方は間違っています」と以前、全国版の雑誌の特集に私のコメントと、こういった間違った工事方法の数々の写真を提供したものが掲載されました。クレームを含めて大変な反響となってしまいました。なぜ間違っているかわからない、いつもこうやっている業者が関東以南では多いからです。


みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

住宅のトラブルに関して、一体何が判断の基準になるのでしょうか?

欠陥だとか瑕疵だとかを判断する基準です。

建築基準法だと思いますか?

それは正しいのですが、建築基準法は、皆さんの家の欠陥を防いでくれる法律というより、どちらかといえば近隣とのトラブルや地域環境を考えての法律に近いと考えると明確になります。

もちろん、構造面などでこの建築基準法に違反していれば、話は早いので簡単なのですが、

一般の住宅を考えると、この建築基準法だけを照らし合わせての判断では、どんなにひどい家でも、具体的に欠陥住宅と断定できない内容が多いのです。


ですから、裁判は長引きますね。法律家である裁判官は、法の解釈を考えますがあまりにも適用できる内容が少な過ぎて判断できない。専門家の意見やそれぞれの言い分を聞いて判断することになるのです。


では、裁判や調停で建築基準法や民法などの法律以外で基準になるものはあるのでしょうか?

あります。

契約書や設計図書もそうですが、共通認識として以下のようなものがあげられます。

(A)住宅金融公庫の仕様書

(B)日本建築学会の仕様書

(C)住宅紛争処理技術ハンドブックなどの指針

(D)材料メーカーの施工仕様書

(E)その他


この中で、一番知っておきたいのは(A)です。

(B)は、一般住宅では業者がその存在さえ知らないことが多く
何十冊にもまたがりますので、一般住宅ですべてをクリアーしなければならないというのは、酷でしょう。ビルなどの鉄筋コンクリート造や重量鉄骨などでは、これから引用されることも多いです。


私が、こういった内容のお話をするときは、私が実際に相談や調査を行っているときなのです。現在進行中のことを具体的に書くことはよろしくありませんから、一般論や以前あったトラブルでヒントになる内容を書いています。


報告書を書いて指摘しても、その根拠を言わないと業者は納得しません。個人的な意見や、それが当たり前だと言っても、「法律上は問題ない」ということになるからです。

また、この公庫の仕様書が、「公庫を使っていない場合でも有効か?」という疑問を持たれるかと思いますが、裁判や調停では有効な判断になります。

住宅金融公庫の仕様書は、日本で一番普及していて、国民の財産である住宅を良質なものにするため最低限守るべきという視点で作成されているからです。公庫を使っていなくても、この内容が客観的な判断基準になりやすいのです。



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建築トラブルの紛争解決手段

2007年05月31日 15時58分45秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。今日で5月が終わってしまいますね。

昨日、ワンストップのトラブル相談のことをお話しましたが、

建築トラブルになって当事者同士では解決できない場合、個人的な実感としてですが、裁判より調停の方が良いような気がします。

理由は、

費用が安く済む、期間が短い、気に入らなければ同意しなくても良い、

そして何より…

これは私の主観ですが、裁判より被害者の皆さんに有利な気がします。

裁判は過去の判例や法律に照らし合わせて判決が下るので、被害者に厳しい判決と思えるのは、どの分野でも日本は昔からそうだと思いませんか。

調停は、もっと実態に合わせて考えてくれますし、企業相手の場合は裁判では、相手が裁判より、表に出ない調停で合意した方が良いと判断するケースもあるようです。

住むことはできるが、「いろいろ問題もあり、気に入らないので建替えて欲しい」という要望などは無理なケースが多く、調停でも裁判でも可能性は低いと思います。

第三者の意見を聞いてみるという意味でも、裁判の前に調停という選択肢は良いと思います。

もちろん、こういった争いではなくあくまでも当事者同士の話し合いの解決が大切です。ですから、まず、そちらで努力してください。


ミタス一級建築士事務所に欠陥住宅を業者と交渉して直すように間に入って欲しい、という方がいらっしゃいますが、調査やアドバイス、業者への説明はしますが、交渉をお受けすることは原則としてお断りしています。

理由は、弁護士法に触れる可能性があるからです。交渉は正式には弁護士の資格がないと示談屋さんになってしまう可能性があるからです。

もちろん、報告書だけでは皆さんは業者と対等に太刀打ちできませんから、私が同席して業者に説明をしたり、質疑応答や相手の反論に応えることは、ご希望によりいたします。

こういう方法だけでも、昨日の神奈川県建築士事務所協会の委員会、横浜市建築事務所協会、その他でも第三者の専門家が入ると随分成果はあがっているようです。

但し、同じ一級建築士でもいろんなレベルの人がいますので、一級建築士というだけで信用しないで下さい。専門にそういった仕事をしている一級建築士の人でも、

「何なんだこの調査は、意味がない。」と思うような内容を見せられることがありますが、私は、こういう調査は本当はやりたくありません。

もっと前向きな設計の方が良いのですが、好きでやっているのではないかと誤解しないで下さいね。

良心的な業者は、第三者の説明だけで手直ししてくれますが、悪徳業者であればあるほど、皆さんが交渉しても私が説明しても、結局動きません。

そういうケースでは、裁判しかないのですが、その前に調停という選択肢を覚えておいて下さい。




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ワンストップのトラブル相談

2007年05月30日 18時50分13秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

本日は、神奈川県建築士事務所協会の設計監理指導委員会に委員として出席していました。

何かトラブルがあって困ったら、皆さんはどこに相談されるでしょうか?

消費者センター、役所、弁護士相談などいろいろですが、迷うこともありますね。

一般のトラブルはもちろん、建築トラブルでも、どこに相談すれば良いかを教えてくれるシステムができています。政府全額出資の公的な法人で、日本全国の対応で、電話番号はひとつです。


0570-078374(おなやみなし)です。


法テラス(日本司法支援センター) 


これは、そこで相談をしてくれるのではなく、相談内容に応じてどこに相談すれば良いかを教えてくれるものです。

私は建築士として、様々な機関や組織、有志で無料相談や有料相談をしていますが、建築についてどこに相談して良いかわからない、たらい回しにされるという方もいるようです。

建築に限らず、様々なトラブルが気軽に相談できる機関や組織を教えてもらえるなら、覚えておいて良い電話番号ですね。


ちなみに、PHSやIP電話からは別の番号になっています。
03-6745-5600

興味のる方は、上記のホームページをご覧になり、確認してください。




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コンクリート伝票の正しい読み方

2007年05月29日 19時57分19秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲ この赤丸部分が重要ですが、意外にも私が見るのは…

(備考欄にあるように現場で防水材を入れるので、JISマークは、
 実際は出荷時に適応していても、防水材を入れた瞬間に適用にならなくなるので
 最初から消されて出荷されます。

 常にテストピースを壊して検査をしていますが、
 費用が掛かっても、防水材を入れた方が良い現場と判断した例です。

 一般の木造住宅の基礎であれば、不要です。
 この現場は、地下室部分のコンクリート打設でした)


みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

2007年5月24日にお話した、「コンクリート伝表の読み方」をお教えしましょう。

写真を見てください。

実際の伝表です。

赤丸の部分を見るのですが、皆さんはどこを先に見ますか?

私が一番気にするのが、納入時間の発と着の時間と現在の時間なのです。

この後にお話しする強度の数値などを、みなさんは一番気にするでしょうが、私が現場でもっとも気にするのが、この時間なのです。


この伝票の時間を見ると、発の時間が9時59分、現場到着が10時15分ですから、16分で到着していることになります。現在の時間を見ると、そのときは10時30分くらいで、コンクリートを流し込み中でした。


なぜ、この時間を見るのでしょうか?

コンクリートは、時間が経つと固まっていきますから、早く打設しないとダメなんです。打設というのは、コンクリートを流し込むことです。

時間が経ちすぎて流し込んでしまうと、硬化不良を起こす可能性があり、正しい強度が出ません。テストピースを現場で保管したとしても、その強度が出ないということになります。

ですから、生コン業者は現場の近くの生コン業者を使うのです。

ここは、16分で到着しているのですから問題ありません。早いですね。優秀です。しかもすぐ打設を始めましたから、問題ないのです。


では、時間はどの程度まで許されるか?

鉄筋コンクリート造の住宅金融公庫の仕様書では、気温が摂氏25度以上で90分、それ未満の気温で120分以内に打設完了を原則としています。

この現場では問題ありませんでした。では、これが時間が掛かってしまっていたら、どうするか?そのコンクリートを使ってはいけません。


通常の住宅現場では、打設量が少ないのですが、マンションなど大きな現場で一日中掛かって打ち続ける場合などで、生コン車が何台も待っている状態の場合、注意が必要です。

また、住宅の場合でも、トラブルがあってかなりの手直しが必要になり、生コン車を待たせたままの状態が長いと、時間がオーバーする可能性もありますので注意です。

そのため、配筋検査は必ず事前に行い、完全にしておくのです。早めに手配をしないといけない場合は、万一の手直しがあることを想定した上で、コンクリートの打設日時を決めておかないといけません。



その他の伝表の数字ですが、

納入容積 2.5M3というのは、その生コン車に2.5M3の生コンを積んできたということです。2,500リットルですね。浴槽12杯分です。

累計   この車を入れて今までの生コンの数量の累計です。

呼び方  この行には、みなさんの関心の高い数字があります。

     わかりやすく言うと、この生コンは、

     普通ポルトランドセメントで、コンクリートの圧縮強度は
     1平方センチメートル当り約240kgの強さで配合しました。
     コンクリートの流動性は、スランプ18センチという値です。
     中に入っている砂利の最大寸法は20ミリです。


という意味です。失礼、わかりやすくないですね。

気になるコンクリートの強度ですが、住宅の一般の基礎であれば180kg以上あればOKです。安全を見て、210kgとか240kgにしますが、コンクリートの強度が強ければ強いほど、セメント量の比率を増やしますので、逆に収縮による細かいクラック(ヒビのこと)が入り易くなります。



備考欄に書いてあるのは、この現場では、防水剤を生コンに入れることになっているという意味です。何も書いていない場合も多いです。


気になる方は、ご自身の現場に生コンの打設を確認に行かれる方もいらっしゃいますが、生コン車の人に伝票を見せてくださいと言えば、見せてくれます。

但し、自分の現場だけですよ。他人の現場でそういうことは、止めてくださいね。(^^)ゞ



▲最初の写真の伝票は、コメントで質問がありましたが、
防水材を入れるので、JISマークの対象外となりますから
消されています。

これは、そういった添加物を入れない
通常の基礎のコンクリートなので
消されていませんね。








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コンクリートの打設方法

2007年05月24日 07時38分10秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲コンクリートを流し込む太いパイプと、バイブレーターの細いパイプが見えますね。



みなさん、おはようございます。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。


コンクリートの打設方法が悪くて、後にトラブルになる場合がいくつかあります。

もっともわかりやすいひとつは、コンクリートに隙間がたくさんできてしまう場合です。

住宅の基礎のように高さの低いものですと、やや起こりにくいのですが、原因はいくつかありますので、それでも起こってしまうことがあります。

住宅の基礎でも深基礎、地下車庫、擁壁などは、マンションの壁と同様高さがありますから起こりやすいので、これを防ぐ方法のひとつとして、写真のようにバイブレーターによる振動を与えながらコンクリートを流し込む方法があります。

ですが、これもあまり長い時間振動させ過ぎますとコンクリートのペーストと砂利が分離してしまいますから、注意が必要です。


次回は、みなさんにもわかるコンクリートの伝票の読み方をお教えしましょう。



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住宅トラブル相談から

2007年05月14日 15時47分32秒 | 住宅検査・トラブル相談
こんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

建築トラブル相談について、参考までに具体的に知りたいというメールを頂きました。

最近のものは、詳しくお知らせすると問題になると困りますから、かなり以前のもので最近の例と共通する点があるものを、みなさんに教訓としてお知らせしましょう。


ご相談にいらっしゃったのは、既に契約して基礎工事までは進んでいた注文住宅でした。北欧の家の輸入住宅が売りで、信頼できる展示場に出展していたので、まさかこういうことになるとは思わなかったのでしょう。

せかされて契約したはずが、なかなか工事に入らず、お金の要求ばかりが続きました。このパターンは要注意です。

まず契約を急がすもっともらしい理由はあれこれありますが、納得できる理由であっても消費税アップ以外など同意しない方が良いでしょう。


お金の要求が多いというのは、それだけその会社の資金繰りが忙しいということです。私が設計監理する場合は、契約金として100万円は認めていますが、それ以上は着工してからと業者に事前にお願いしています。

この例では、基礎工事に着手する段階で脅されて、半分は払ってしまっていました。単なる要求ではなく脅してきたのです。しかも、この次に進むためにさらにお金の要求をしてきたので、ミタス一級建築士事務所に相談に来られました。

第三者として話を聞いていると、まともではありませんでした。
その展示場は、横浜市と民間の第三セクターで運営されていました。トップに就任した人は、以前の私の上司だったので、その業者のことを問いあわせてみました。


「良く知っているけど、そういう人を脅すような社長ではないよ、清水。」という返事で信じてくれませんでした。

結局、弁護士の先生を紹介し、契約解除の内容証明と工事代金の訴訟を起こしましたが、その裁判途中にその会社は潰れてしまったのです。

やはりお金に、非常に困っていたわけです。

私が申し上げたい教訓ですが、万一のことを考えて、契約前に工事代金をたくさん払わない。工事中も何度かに分けて後追いで支払っていくことを条件にすべきです。私の場合は、4回から5回に分けてもらっています。

早く早くとせかす業者の場合は、必ず慎重に対応いたしましょう。





ミタス 一級建築士事務所のホームページ  





コメント
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