一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

元旦の能登半島地震に思う

2024年01月02日 14時54分57秒 | 建築家の日記
▲ 2024年1月1日能登半島地震、テレビ中継画像より 


2024年の元旦は、午後から事務所で仕事をしていたのですが、
揺れを感じたのでWEBで地震速報を確認しました。

地震速報で、震度6強と表示されたので「被害が出ているな」と感じ
さらに地震が続き震度7と表示された時には、大変な大地震だと確信しました。
被災された人々が早く救済されますように。

久々の元旦ブログをアップしてから帰宅しテレビで状況を確認していました。
南海地震がいつくるのか、また大津波がきてしまった場合の被害を避けるのは難しいですが
地震でご自身の家の強度が心配な方もいらっしゃると思います。

震度5であれば、ほぼ被害はありません。
1980年以前の旧耐震の建物(正確には1981年4月以前に完成した建物)でも
震度5で倒れることなど、まずありません。

自治体の耐震診断で、0.2という判断された家でも、

当時の建築基準法の趣旨と横浜市からの依頼で
旧耐震の家には「耐震診断」やその結果説明の「訪問相談」を
長年行ってきた経験からも倒壊はしないはずです。

東日本大地震の時には、「耐震診断」で0.2の結果が出たお宅に
横浜市からの指示で、「訪問相談」といってその結果説明にお伺いしていた時でした。

耐震診断で0.2の結果が出たお宅では
「震度4でも倒れるのではないか?」と心配されていしたが

「0.7であろうと0.2であろうと、震度5までは大丈夫です。
 震度6以降になると、揺れは体感で2倍になる感じですので
 どうなるかはわかりませんが。」

という説明をしていました。

ちょうどその時に東北大震災による震度5の揺れが長く生じ
お客様が揺れが大きくて心配になりだしたので
外へふたりで出たのです。
電柱や電線が大きく揺れていたのを覚えています。

やはり、大きく揺れただけでその家自体は何ともなかったのです。
事務所へ戻るとその時事務所にいたスタッフ4人全員がビルの外へ飛び出して待機していて
鉄筋コンクリート造のビルですが事務所内の本棚からたくさん本が落ちていました。

その他の住宅でも、0.2またはそれ以下の耐震強度でも横浜市の依頼で
たくさんお伺いしています。
横浜市青葉区では東日本大震災で震度5になりましたが、
0.15の家も含めて1軒も大きな被害は受けていませんでした。

阪神大震災では、馴染みのあるビルや阪神高速道路までが
完全倒壊しているという生涯忘れられない衝撃的な映像、

小千谷地震(中越地震)では関越自動車道の小千谷ICの建物や施設の建設に
携わったので、小千谷の街を含めてひとりで被害がどうかを確認に行きました。

東北大地震(東日本大震災)では、津波の衝撃に建築家としての無力さを感じ
建築士仲間と現場を見に行った時は、
辺り一面流されて何もない場所にとどまっていた時に
気分が悪くなってしまいました。

大きな地震が起きない地域だったはずの熊本では、震度7を2回記録し、
新しく建てられた長期優良住宅が大きな被害を受けるという事態も起きました。

今回の能登半島地震のテレビ映像を見ていて、
驚いたのがテレビから拝借してしまいましたが、最初の写真です。

既存の旧耐震の構造の住宅に耐震補強を行う方法はいくつもあります。
コンピューターを使って計算するのですが、
同じ家に対しても1.0にする方法は何千通りもの組み合わせが考えられます。

基礎を強くする方法は費用がかかる割に効果が薄いので、
同じ費用を使うなら、私は効果の高い建物を強くする方法をお勧めしています。

「基礎がもし折れても、建物がしっかりしていれば傾いても倒壊しない。
 コンピューターを駆使して建物をしっかり補強した方が基礎を強くするより
 費用も安くできる場合が多く有効です。

 基礎をしっかりさせても、旧耐震の構造の場合は熊本地震で起きた
 長期優良住宅が倒壊したケースになってしまうこともあります。」

とお話しています。

最初の上の写真は、
新耐震の建物でしかも最近建てられてしっかり造ったので建物は倒壊しなかった、
傾いても建物の耐震的な構造体がしっかりしていたためです。
私の考えていたような建物だったのです。

しかし基礎というよりも地盤が軟弱で(多分、液状化した)で
家がひっくり返ってしまったのでしょう。

これでは、いくら基礎と建物だけを補強しても無駄です。
地盤を変えないといけません。
新築時ならともかく、既存の耐震補強では費用や工事方法を考えても
実質的に無理があります。

そこまでするなら、費用的にも建て替えた方が良い
という結論になるでしょう。

お住まいになっていた人が無事かどうかは不明です。
ただ、家屋が壊れて人の上に載ってくることはなかったので
人が投げ出されての衝撃と家財道具がぶつかって来なかったかどうかです。

しかし、下記のように1階がつぶれて2階が載ってきた、
またはその後、2階も衝撃で壊れたという方が、はるかに危険です。
これだと圧死してしまうか、全く動けなくなってしまいます。

 





▲いずれも私が撮った中越地震(小千谷地震)の写真から 


お伝えしたいことは、次の事項です。

1)旧耐震のお宅は、全国の自治体で無料で耐震診断を受け付けています。
 まだの人は申し込みをして、どの程度の耐震強度か知ってください。

2)横浜市の場合は、さらにその結果に対しての説明や、どのような工事をするか
  耐震強度1.0にするにはどの程度の工事費用が掛かるかなどを教えてくれる
 「訪問相談」があります。
 耐震診断をしただけで、まだ受けていない人は無料ですので
  横浜市建築局(下記に連絡先記載)に申し込んで受けて下さい。

3)耐震強度1.0以上にするために旧耐震の人には補助金制度はあるのですが、
  自己負担額が多く期間も長いので断念される方も多いです。

  その場合、寝室だけとか、2階が載っている1階部分だけとか、
  その状況と予算に応じて耐震補強をすることも可能です。
  予算100万円で、1階だけを補強したこともあります。
 (診断結果にもよりますが、1階がまず潰れて2階は衝撃がなければ
  そのままのケースが多い)

4)それも難しい場合、 下記の耐震ベッド
 (そこで寝るか、中にいると家が崩れても守ってくれる)があります。

  この費用が工事費含めて65万円程度のようです。補助金は10万円だけですが、
  お年寄りがいる人、脚の不自由な人、
  または居間のコーナーや近くに設置すれば、小さなお子さんの遊びスペース、
  読書やテレビを見ている間なども守ってくれます。
  何もしないよりも良いので、検討してください。


▲耐震ベッドの例です

横浜市の場合の、耐震診断、訪問相談(耐震診断を受けた方のみ)、防災ベッドの問合せ先は
横浜市建築局企画部建築防災課で

TEL 045-671-2943   FAX 045-663-3255 
となっています。


5)耐震補強工事を行う場合、
  横浜市の補助金を使う場合は設計チェック、工事中チェックもしてくれるので安心です。
  但し、家全体を耐震強度1.0にしないといけないため自己負担額が多いのです。

 断念して部分的に行う場合は、耐震補強を専用のコンピューターソフトで行うだけでなく
 本当に既存耐震工事をしっかり知っている建築士かどうか確認してください。

 横浜市でコンピューターソフトを使って耐震診断を行う新しい判断基準の採用のため
 建築士を募集し、希望者に試験したところ一級建築士でも半分が不合格となり、
 耐震診断と補強を専門に行っていた建築士事務所の人さえも不合格になった例がありました。
 
 これは、新築の考え方を既存住宅に適用するには実質的に工事が無理なため、
 既存耐震補強の場合は、新しい考え方や判断で行うためです。
 新たに自分で勉強しないと建築士も知らない内容なのです。

 リフォーム工事会社が耐震をうたってのリフォーム詐欺がありますが
 当然、それには注意して下さい。
 床下や小屋裏に器具を付けまくることで、高額な金額を請求しますが
 この工事に耐震の効果はありません。
 さらに、外壁を補強することなく外壁から柱と基礎に金具を
 付けることも効果はありません。

6)新耐震の方は、手抜きや耐震性を無視した1、2階のバランスでなければ 
  あまり心配はしなくて良いのですが 
 (阪神大震災でも、大きな被害、全壊などは少なかった)

 家具転倒防止(突っ張り棒だけだと、天井が壊れて意味がない場合がある)は考えること。

 また2000年~2002年頃に家を建てて、中間検査が無かった地域は、
 建築基準法の内容が大きく変わったのですが、職人が慣れておらず、
 筋交いを切ってホールダウン金物を付けたりなど、本末転倒、
 とんでもない工事も頻発したので、安心はできません。

 不安な人は、リフォーム工事の時に、確認すれば良いでしょう。
 (その確認のために壁を剥がすのは不経済過ぎるからです)


▲2002年に私が月刊ハウジングに寄稿した記事と写真の一部

 さらに、建築確認申請で筋交い計算が不要となったため、
 新築の瑕疵担保保険が付かない時期で中間検査も不要の地域では
 構造計算違反で建築士の処分が出たりしました。発覚しただけで一部だと思います。
 (書類チェックも検査もなかったので、間取り優先で建築士がしっかり検討をしていなかった)

 不安な方は筋交いがどこに入っているか、
 それを示している図面をご自身が受け取っているか
 確認すると良いでしょう。

以上、建築士として旧耐震の方が最低限行って頂きたいこと
新耐震でも不安な方に対しての考え方を段階的に述べてみました。


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新年あけましておめでとうございます。

2024年01月01日 18時37分11秒 | 建築家の日記
▲2023年12月25日 伊勢神宮 内宮 


新年あけましておめでとうございます。
2024年、今年もよろしくお願いします。
年賀状はこれからで、ここで先にご挨拶を。
(みなさんすみません。)

昨年末もおかげ参りに行ってきました。
少し早めの2023年12月25日、26日に行ったため
非常に空いていて、移動時間も短くて済み良かったです。

神社ブームが起こる30年くらい前の
年末の伊勢神宮という感じでした。

しかも、陽射しはぽかぽかで空気は冷たくて気持ち良い最高の天気でした。
 

▲新幹線の移動中から快晴で富士山もハッキリと


▲2023年12月25日伊勢神宮の外宮です。
 空の色や雲は、まるで加工したように綺麗です。(加工していません)


▲その後に バスで移動して伊勢神宮の内宮で御垣内参拝。
 道路も空いていてスイスイ。快晴です。


▲内宮の参道に、この時期に柑橘系の実がなっている樹があります。
 5~6年前に気づいたのですが、毎年確認するのが楽しみとなっています。


▲荒祭宮にもお参り


▲五十鈴川からの太陽を


▲直会は、今回はおかげ横丁には行かず、内宮バス停入口にある店のうな丼の安さに惹かれ
 ふらふらと吸い寄せられて遅めの昼を


▲出てきたのは、写真通りたっぷりウナギが敷き詰められて美味しそう。
 実際に食べた味? 値段だけあって、うなぎの肉厚が薄くイメージとは違いましたが
 安いので仕方ないです。


▲翌朝、12月26日もう一度外宮で御垣内参拝、同じような清々しい天気で快晴でした。


▲外宮の近くの赤福で、赤福ぜんざいを頂きました。

余談ですが、

▲「カラオケ喫茶 お笑い横丁」という店を伊勢駅と宇治山田駅の間で見つけました。
  昭和レトロ館とも書かれていて、行ってみたいような恐いような…
 ここに店があったのは昔から知っていましたが、
 店の内容がこれだったのかまでは記憶にありませんでした。



▲▼この後、名古屋でオープンする自習室の建物の竣工検査に行って、横浜の事務所に戻りました。




皆さんにとって今年も素晴らしい年となりますように。
そして、また年末に私もお参りできますように。

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2018年11月3日 青葉区民祭り

2018年11月03日 09時45分09秒 | 建築家の日記
▲青葉台で有名なソーセージ屋さんとか
崎陽軒とか、たまプラーザの黒龍さんのテントも 


今年も、青葉区民祭りの日がやってきました。

天気も良いので、家族連れで楽しめるのでにぎわうと思います。

10時スタートですので、まもなくです。
お忘れの方は、間に合いますので。

今年も横浜市建築士事務所協会 青葉支部 でテントを出しています。

 

▲ステージ舞台では、戦隊ものの予行演習などが次々と行われていました。


▲▼安く食べられる、安く遊べる、安く買える というテントが多いです。


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今朝の北海道地震

2018年09月06日 09時22分03秒 | 建築家の日記


2018年9月6日 午前3時8分に起こった北海道地震について

朝のニュース報道での映像だけからの簡単なコメントですが、

本日2回目のブログとなるので、

ホームページのブログに掲載しておきました。

9月6日の北海道地震

興味があれば、ご覧ください。

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リフォーム産業フェア2018

2018年07月17日 10時07分48秒 | 建築家の日記
▲東京ビッグサイトでの
リフォーム産業フェア 


2018年7月17日、東京ビッグサイトでの展示会
リフォーム産業フェアに見学に来ました。

業者用の展示会で、
新商品や建材工法などを知ることができます。
ほとんどが、既知のものですが
実物の確認や質問ができますし
未知の新しいものもあります。

インプットのために見学に来ていますが
セミナーもあるようなので、選んで聞く予定です。

内部に入りました。
今年は、オーダーキッチン関係のメーカーが多く
コーナーに固まっています。

キッチン全てを作るメーカー、
天板とシンクだけを作るメーカー
扉材だけ作るメーカー、
水栓金具だけ
タイルだけ
と、コーラー社のように有名なメーカーもあれば
中堅クラスのメーカー、
ここで見ないと絶対に知らない小さなメーカーもあり

初めて聞いたメーカーや
気になるメーカーは工法は、
実物を確認したので

ホームページでのちに確認してインプットしておきます。

 
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大阪北部地震 追記

2018年06月18日 11時16分50秒 | 建築家の日記
▲朝日新聞デジタル 2018年 6/18(月)8:14配信
よりお借りしました。 


本日の2018年6月18日 午前8時前に大阪府北部で地震がありました。

震源地に近い場所は、震度6弱となり大きな地震です。

通常、震度5であれば古い旧耐震の木造住宅でも心配はありません。

震度6になってくると、立っていられない状態で

弱いブロック塀が倒れたり、外壁が落ちてくる場合があります。

「震度5と震度6の差は、体感で2倍の揺れ」となっていますので、

阪神大震災や東北大震災で震度5を経験した方は、その差を想像できると思います。

横浜市青葉区は、東北大震災で震度5弱でした。

阪神大震災のように震度7までいくと、
震度6のさらにその2倍の揺れを体感として感じるレベルですから、

旧耐震の建物は、木造だけでなく鉄筋コンクリート造でも壊れてしまいます。
(1981年以前の建物)

現在の新耐震では、その阪神大震災クラスの揺れが来ても建物は崩壊まではしない、
被害を受けても建物が壊れて圧死しない
(2000年以降の建物、1981年~2000年の建物は少し劣ります)

という基準で造られています。

また、建て替えしなくても耐震補強を正しく行えば
そのレベルになるという前提で耐震補強の考え方が確立して考えられていますが

新築とは別の考え方なので、別途しっかり学ばないと
耐震補強の正しい方法は、一級建築士でもわかっていません。

震度5までなら、心配しないで情報を聞いていられるのですが、

震度6になると、通常の被害以外に季節が冬ですと火災なども多くなります。

今回は、季節的に暖房としては使っていないでしょうが、
現在3件の火災と報じられています。

ちなみに、室内に暖房として置く移動式の石油ストーブは、
倒れたら消化する装置が付いていても、大地震のときにはあてになりません。

どうか、それらはお使いにならず、これを機会に今年の冬までに
別の方法の暖房に変更していただきますように。


追加記載

小学校のブロック塀が壊れ小学生が死亡したとの痛ましい事故のニュースが流れ、
画像をみましたが、私が画像を見た限りでは、これは構造的に違反のブロック塀のようにも見えます。

ミタス一級建築士事務所の ホームページのブログ に詳しく記載しましたが
公立の小学校で、この塀が放置されたいたのが信じられませんし、残念です。



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新国立競技場のハイブリッド屋根

2018年05月15日 10時24分42秒 | 建築家の日記
▲日経アークテクチュア 世界の木造最前線より


新国立競技場の屋根の建設が始まるとのニュースがでました。

まだ、この部分の工事写真は出ていませんが、
工事が進むにつれ、いずれ報道でも出てくるでしょう。

上記の写真は、日経アーキテクチェア2017/2/23号 の特集からお借りしましたが
世界で大規模な木造建築が造られているという、1年以上前の特集です。

この専門誌の特集では、鉄骨とのハイブリッドというより、
木造が主構造になっています。

日本でも住宅にも使えそうな、CLT(直行集成材)が普及し始めていますので
今までとは違った構造の建物が増えてくるでしょう。


さて、この隈研吾氏が設計した新国立競技場は、鉄骨造と木造をハイブリット構造として
使うイメージが強いですが、

実は、全体の木材のうち約9割がこの屋根部分に使われることになっています。

観客席にはね出した60メートル以上の屋根を鉄骨のトラスで造っていますが
その部分にです。

その鉄骨部材を構造的に補助するためにも、意匠的な面でも、木材が使われます。

昔、木造住宅の増改築では、鉄骨の梁や柱がよく使われていました。
これもハイブリッドといえます。

その時の梁にも鉄骨の単独ではなく、木材と組み合わせて使うことは
珍しくありませんでした。

現在は、一般住宅であまり鉄骨の梁を使わなくなったのは
集成材などが普及してきたからです。

住宅において鉄と木材の組み合わせは、実は相性があまりよくなく
過去に多くのハウスメーカーが、いろんな方法でトライしては消えていきました。

もちろん、この新競技場ではそういう心配のないような組合わせを考えていますので
途中の写真や完成が待ち遠しいです。

ちなみに、新国立競技場は、みなさんもご存じのように
当初決まった設計が費用が掛かり過ぎるということで、
完全に没となり、変更になってしまいましたが

私は、最初の設計で進めて欲しかったですし、その完成を楽しみにしていました。

例えてみるとシドニーのオペラハウスのように、
それだけで長く日本の資産、観光資産にもなりますし

もっと古い法隆寺や金閣寺にも匹敵するような現代の名建築になれました。

それだけでなく、

昔の東京オリンピック時にホテルニューオータニを完成させるために、
ユニットバスを開発したように、

この超難しく建築困難な当初の競技場を完成させるためには、
日本の建築技術を結集するだけでなく、それを越えたイノベーション的な向上が、

きっと生まれたはずだったと思うからです。

 
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リンナイの研修? 実習?

2018年03月09日 13時38分53秒 | 建築家の日記
▲リンナイの新商品発表のセミナー会場 


ホームページのブログでは、東京ビッグサイトで行っている
建築・建材展2018のブログを先ほどアップしましたが、

こちらでは、別の日の2018年3月5日(月)に行った「リンナイのセミナー」での内容を紹介します。

ハイブリッド給湯器や乾燥機の紹介は、昨年もあったのですが、
今回は、コンロを使って、いかに簡単に調理ができるかということがメインでした。

そのため、試食もあったのです。(^-^)v
 

▲商品を並べての説明


▲▼機器内部がどうなっているか、また施工や修理などの講習も可能なようになっています。



▼その前に、これはバスタオルを天日干し、全自動洗濯機で乾燥、
ガス乾燥機を使っての仕上がり違いのふわふわ比較



▲暖炉のようなFF式暖房器です。炎が出て人工薪が入っています 約100万円

▼組合わせ式コンロ、2口と1口を何個でも自由に並べられます
また天板部分にタッチ式のスイッチがあり、最高級バージョン
オーダーキッチン用です


▼通常の温水暖房機 設定温度以上になると自動で温風スイッチが切れ
パネルからの遮熱だけになります。


▼タオルウォーマー 小型です


▼調理が始まる前の説明


リンナイのグレードの高い調理機器は、

・両面グリルが油で汚れないし(99.9%)、簡単に掃除できる
・自動で、冷凍餃子、ハンバーグやチャーシューなどなどが焼きあがる
・レシピもスマホでどんどん増えていく

たくさん話と試食をいただきました。


▲冷凍の焼き餃子 外はパリパリで良い焦げ目


▲▼チャーシューとか根野菜、鶏肉とか



というように、アウトプットできるように、いろいろインプットしています。


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基礎コンクリート打設の思い

2018年01月29日 18時45分33秒 | 建築家の日記
▲ 


前回、2018年1月28日にアップした高台の建物の
基礎コンクリート打設に関してアップする前に

コンクリート打設に対する私の思いを、初めて述べてみました。

何度か、基礎コンクリートのブログをアップしていますが
コンクリート打設に、どうしてこだわるかが、少しだけわかると思います。

個人的などうでも良い内容でもあるので、
興味のある方だけ、下記に書き込みましたのでご覧ください。

こちらのホームページブログへ

構造としては重要でも、打設してしまえば、手直しがきかないコンクリート打設です。
なぜ、そこまでこだわってしまうかが、自分でもわかりましたので
少しだけ自問自答して気付いたことを書いてみました。

 










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安藤忠雄先生講演会

2017年11月19日 17時36分52秒 | 建築家の日記
▲ 今回の講演会のチラシです


2017年11月17日に安藤忠雄先生の講演会を拝聴させていただきました。

「夢かけて走る」というテーマでしたが、

安藤先生の講演会でいつも思うことは、
「驚くべき、そのバイタリティ」です。

いつも講演の内容も話も非常に面白いです。
なぜ面白いかというと、その安藤先生のバイタリティ溢れる
人生を知ることになるからです。

私が拝聴したのは3度目ですが、建築の技術的な話というより
話の内容は、いつもこれでもかという生き様の話なのです。

講演前と講演後には、ロビーで書籍にサインをなさっています。
今回もその姿勢に頭が下がります。
私は過去に2回、丁寧にサインをしていただきました。

一度に何万冊とサインして準備されたこともあったようです。

人気の講演会なので、なかなか席が取れず、聞けないのですが
建築を知らない一般の人が聞いても間違いなく面白いですし、刺激を受けます。

今回は、メーカー担当者の計らいでスタッフも拝聴できました。
感謝申し上げます。

国立新美術館でも安藤忠雄展を展示会中で、
それも有名な「光の教会」の実物大を建造しての
展示会です。これも見学を楽しみにしています。


 

▲本棚にある、安藤先生関連の書籍を取り出してみました。
他にも何冊かあります。

「光の教会」の1冊は、ご本人著作ではありませんが
出来上がるまでのノンフィクション小説になっていて
建築の知識が少しあった方がわかりやすいですが、面白い本です。



▲▼これら2冊にサインをいただいていました。



▲展示会のチラシです

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新年のご挨拶

2016年01月07日 11時05分53秒 | 建築家の日記
▲2015年12月31日 大晦日の伊勢神宮、内宮前の階段下で 



新年、明けまして、おめでとうございます。

ミタス一級建築士事務所は、本日2016年1月7日よりスタートです。

休み中は、事務所に出ていても普段の業務をしないようにしていますので

メールやお電話を頂きましたが
メールは拝見したものの、返信も作業もしていませんでした。

申し訳ございませんでしたが、盆と正月は、このような状態になります。


大晦日には、始発の新幹線に乗って、
伊勢神宮にひとりでお参りに行って来ました。

参拝のあとは、直会だけをして伊勢を去ります。

昨年の1年のお礼と穢れを取りに、お参りだけに行ってきました。

今年は、どんな年になるでしょう。

日本だけでなく、世界の動きも予想できません。

個人でも予想できませんが、

今年は、こんな風に進んで行こう

と正月には考えて決めました。

みなさんにとって、良い年でありますように。

 

▲同じく、2015年12月31日、大晦日の外宮です。
午前中は、普段の平日のように、すいていました。


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住宅木造現場の写真手帳

2015年07月06日 15時56分43秒 | 建築家の日記
▲2015年6月建築知識 特集は
「木造・S造・RC造 比べてわかる現場納まりマニュアル」 



建築知識という月刊誌は、書店でも必ず置かれていますが、
設計事務所や設計に携わっているプロの建築士が、主に読んでいる月刊誌です。

工務店では、かなり向上心のある人でないと読んでいないと思います。

今年の6月号でしたが、本誌の特集で木造部分の写真や記事も9割は、
私の写真やチェックリスト、新規加筆の原稿です。

みなさんには、お知らせしませんでしたが、
これの元になったのが、

2012年9月号の、50ページくらいの特別付録の別冊、

「工程を完全収録 木造住宅の現場写真手帳」で

私が写真、チェックリスト、解説もすべて執筆しています。
 


▲建築知識 2012年9月号



その後、施工業者のプロがログインして見るWEBで、
同じような内容でさらに補強し、
毎月1回、全22回に渡って2年係りで執筆していました。

突然、このことを思いだしたのは、

WEBを検索していたら、

「DIYで無垢フローリングを貼ってみたが、うまく行かない」という質問掲示板?
を見たからです。

回答は、結構たくさん書かれていましたが、

ざっと目を通すと、業界の人が合板フローリングの張り方で教えている回答も多く、
長文で一生懸命丁寧に回答していますが、間違っているのです。

悪意はなく、親切心だと思います。

それで、この私が書いた2冊には、その方法についてどこまで言及したかな?
と調べてみたわけですが、

簡単にしか書けていませんでした。

私のこのブログでは、確か何回か説明したことはあるはずですが、

これを建築知識の月刊誌で解説するには、監理の立場というより、
本当に施工方法に対しての知識になってしまうのと

合板フローリングが世の中には多いので、無垢フローリングを
そこまで詳しく書く必要もスペースもなかったからだと思います。


世の中の最新の専門書籍を見ても、

「木造住宅の大半は、もうこんな方法しないよ、50年前から使い廻している図でしょ」

という木造一般構造図を、繰り返し、繰り返し現在も転載され続けています。


新しく図を描くのが面倒なのか?
最近の現場での内容を知らないのか?
その気がないのか?

いずれにしろ、日本の建築学会や建築業界では、
木造住宅は、軽視されているからだと思います。

住宅の現場監督が、工程管理だけでなく、

本当の意味での品質管理ができるようになれば
日本の住宅のレベルは、さらに上がると思うのですが

それを休みの日に勉強している時間もない、
それを正しく、細かく教えてくれる書籍もない、
たくさん抱えた現場で廻り切れない

というのが日本の住宅業界の実情でしょう。



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インテリアスタイルリビング2014

2014年12月02日 10時38分54秒 | 建築家の日記
▲ 2014年11月 27日 東京ビッグサイトで行われた 
インテリアライフスタイルリビング 2014


東京ビッグサイトの展示会、建材展などはもちろんですが、

それ以外も少しでも関連していれば、行くようにしています。


そこで1000の商品を知っても、実際に使うのは1あるかないか

また、使っても何年も先にということもあります。

外断熱で外壁仕上げ材として発泡ガラスも、展示会で実際に観て触って

おかなければ、思いつかなかった建材でした。


今回も、ヒントや面白い建材、商材はありました。

場内のブースは撮影禁止ですから、アップはしませんが、

実際に使う機会はなくても

「これはいいかも?」という商材、商品はたくさんあり

それを紹介する方法を考えたいと思っています。


展示会に行くメリットは、プロにとってはかなり意義があります。

うわべだけ見て終わりだと、ほとんど得るものはないと思いますが

これは、と思うものについて、突っ込んで質問ができますし


他社のデメリットも聞けるので、客観的に判断することのできる視点を

身に付けることができます。


 

▲会場の入り口付近







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青葉区民祭り

2014年11月05日 09時29分32秒 | 建築家の日記
▲ 早朝に横浜市建築士事務所協会でブースのセット完了 です。



2014年11月3日の文化の日は、横浜市青葉区の区民祭りでした。


横浜市建築士事務所協会で出したブースと

横浜市建築局住宅部住宅政策課の出したブースの両方で

参加していました。


模擬店が多く、安くまたは無料でということもあり
お子様連れが多いです。

無料で配っていた、秋刀魚の塩焼きは開始前からの行列、

私が参加した二つのブースも、お子様向けに無料で催しを
行っていたので、休む暇なく応対でした。

全国でいろんなとこで行っていたとおもいますが、

天気も良かったので、

「初めて来たけど、こんなに盛況だったとは」

とお喜びだった方も多いようです。



 


▲こちらは、室内の横浜市建築局住宅部住宅政策課の出したブース、セット完了
建築相談を受ける予定でしたが、お祭り騒ぎで、それどころではありません。
お子さん向けの催しで好評でした。



▲外部は、大勢の人で大変な盛況ぶりでした。






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サービス業のある社長講演

2014年10月18日 10時19分50秒 | 建築家の日記


昨日の2014年10月17日(金)は、
500人以上の建築関係の集まりのプログラムのひとつに
ゲスト講演がありました。

サービス業をしている社長の90分くらいのお話しでした。

話の途中で、なぜか2~3回、涙がでてきてしまい指でぬぐったのですが
どうして涙がでるのかな? と最初は自分でも不思議な感じでした。


さらに終盤では、3回くらい、鼻水と一緒にハンカチで
拭かないと間に合わないくらい涙してしまいました。

そのときは、話に感動して涙が出ていたのがわかっていました。

その講演をされていた社長も、終盤は感極まって涙を流しながら
お話ししていました。

でも、苦労をしたとか、乗り越えたという内容では一切ありません。

サービスに対する姿勢のお話しです、

その終盤の話では、

ご自身の会社の23歳の若い女性スタッフが、
お客様に対して行った自然なサービスの行為でした。

その社長はスタッフの行動を思い浮かべながら感極まり、
私もお聞きしながら、泣いてしまいました。

周りでは、涙をぬぐうような人も、ましてハンカチまで
出す人はいなかったのですが。(笑)


この内容を私が具体的に書いても、うまく表現できず安っぽくなるので
書きませんが、

ディズニーランドのレストランでの有名な話を想い出しました。


お子様がいないご夫婦が、命日にディズニーランドのレストランに
訪れたときのスタッフ対応の有名な話です。

検索すれば、この話はいくつも出てきます。

知りたい人のために勝手にリンクを、ひとつ張っておきますね。

例えば、これです





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