みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水です。
メールでのトラブル相談ですが、一般的なものにして、お答えします。これから家を建てる皆さんにも、ぜひ知っておいて頂きたいことだからです。
「今年の2月末に引渡し予定だった新築家屋が、現在の段階でまだ内装が
ほとんど出来上がっておりません。サッシの一部が入ったのみです。
現段階での過払いがかなりあります。
一昨年の夏に建築士と設計監理契約を結び、その1年後に現在の工務店と請負契
約を結びました。昨年の秋に工事が始まり何とか12月までに躯体までは出来た
のですが、それ以後、以上のような状態に陥り、工事はストップしたままです。
銀行ローンの抵当権設定期日が今年の夏にあり、万が一、入居できない場
合、ローン残金を全て返済することになります。
現在、工務店が資金および職人さんを確保出来ないことから、お金がなければ何
も工事が進まない状態です。工務店側から残金の先払いを依頼されました.
あらゆる相談機関に相談して、工務店との解約をすすめられました。ただし、限
られた期日と、解約によって生じる持ち出し金額を考えると、何とかして、現場
の工事を進める方法はないものでしょうか?」
みなさんは、どう思われますか?
このパターンは、珍しくありませんし、今後も減ることはないでしょう。
ですが、契約時の交渉と注意で防げたはずなのです。
今回は、相談者と建築士の過失については、ここでは述べても意味がありませんから、これからどうするかです。
まず、工務店の状況がどうなのかわかりませんが、残金の支払いは絶対に避けて下さい。一般的には盗人に追い銭になるケースがほとんどと考えられます。
もし工務店が再生する余地があるならば、今の状態で残金の支払いを要求しません。それができ無いから今の状況でも要求すると思われます。
今となっては、たぶん返って来ないと思いますが、その工務店が動いてくれない限り、契約を解除して、返金要求をして下さい。そこに未練がある限り、打開策はありません。時間が無いのであれば、なおさら今からできることに取り組むことです。
その工務店を当てにして、払った金に執着があれば身動き取れなくなるでしょう。
その上で、工事を少しでも安くやってもらう業者を探し、当然設計内容を変更して工事費を削減することになるでしょう。
メーカーにサッシが残っているとのことですが、直接交渉して、工務店に入れる予定より半値くらいに安くしてもらい譲ってもらって下さい。メーカーも捨てるよりマシなはずです。
相談者が、あといくら出せるか、その金額で工事を完成させる方法を至急考えるべきです。もちろん、設計変更をしてです。業者も分離して安くしてもらってください。確認申請も変更してください。設計監理者に全面的に協力してもらって下さい。というか、前面に立ってもらって下さい。
銀行は、期日を決めていますが、本当に工事が動き出して、「あと1ヶ月待ってもらえば、本当に完成します!」ということがハッキリわかれば、少なくとも担当者は稟議書を出してくれるでしょう。それで何とかなった例もあります。
現実に、そういう事態に陥った方が相談に来られ、運良く何とかすることができた例は、複数あります。
今回の場合は、その設計監理者に頑張ってもらって、工事業者を分離発注し、資材などの支給、設計変更で集められる金額に収めて、とにかく完成させることしかありません。
みなさんに、知っておいてもらいたいのは、
親戚の工事業者でさえ、こういうパターンになることは珍しくない世の中の状況です。
一流のハウスメーカーと思っていても、そうなってもおかしくない世の中の状況です。
株価を見てください。いつ潰れてもおかしくない財務状況の会社はありますよ。
では、どうやって防ぐか。完成保証を付けるのも方法です。
一番は支払いをコントロールしなくてはいけません。
何回にも分けて、後追いのような支払い条件にすべきです。
さらに、契約解除の事項を契約書に盛り込む。
もうひとつ、遅延金についての記載とその金額が妥当な額になるような記載にすべきです。
この3つは最低必ず契約時に行うべきものです。
頭に入れておいて下さい。
住宅設計 ミタス一級建築士事務所
ALL contentsCopyright ® 2008 mitasu
メールでのトラブル相談ですが、一般的なものにして、お答えします。これから家を建てる皆さんにも、ぜひ知っておいて頂きたいことだからです。
「今年の2月末に引渡し予定だった新築家屋が、現在の段階でまだ内装が
ほとんど出来上がっておりません。サッシの一部が入ったのみです。
現段階での過払いがかなりあります。
一昨年の夏に建築士と設計監理契約を結び、その1年後に現在の工務店と請負契
約を結びました。昨年の秋に工事が始まり何とか12月までに躯体までは出来た
のですが、それ以後、以上のような状態に陥り、工事はストップしたままです。
銀行ローンの抵当権設定期日が今年の夏にあり、万が一、入居できない場
合、ローン残金を全て返済することになります。
現在、工務店が資金および職人さんを確保出来ないことから、お金がなければ何
も工事が進まない状態です。工務店側から残金の先払いを依頼されました.
あらゆる相談機関に相談して、工務店との解約をすすめられました。ただし、限
られた期日と、解約によって生じる持ち出し金額を考えると、何とかして、現場
の工事を進める方法はないものでしょうか?」
みなさんは、どう思われますか?
このパターンは、珍しくありませんし、今後も減ることはないでしょう。
ですが、契約時の交渉と注意で防げたはずなのです。
今回は、相談者と建築士の過失については、ここでは述べても意味がありませんから、これからどうするかです。
まず、工務店の状況がどうなのかわかりませんが、残金の支払いは絶対に避けて下さい。一般的には盗人に追い銭になるケースがほとんどと考えられます。
もし工務店が再生する余地があるならば、今の状態で残金の支払いを要求しません。それができ無いから今の状況でも要求すると思われます。
今となっては、たぶん返って来ないと思いますが、その工務店が動いてくれない限り、契約を解除して、返金要求をして下さい。そこに未練がある限り、打開策はありません。時間が無いのであれば、なおさら今からできることに取り組むことです。
その工務店を当てにして、払った金に執着があれば身動き取れなくなるでしょう。
その上で、工事を少しでも安くやってもらう業者を探し、当然設計内容を変更して工事費を削減することになるでしょう。
メーカーにサッシが残っているとのことですが、直接交渉して、工務店に入れる予定より半値くらいに安くしてもらい譲ってもらって下さい。メーカーも捨てるよりマシなはずです。
相談者が、あといくら出せるか、その金額で工事を完成させる方法を至急考えるべきです。もちろん、設計変更をしてです。業者も分離して安くしてもらってください。確認申請も変更してください。設計監理者に全面的に協力してもらって下さい。というか、前面に立ってもらって下さい。
銀行は、期日を決めていますが、本当に工事が動き出して、「あと1ヶ月待ってもらえば、本当に完成します!」ということがハッキリわかれば、少なくとも担当者は稟議書を出してくれるでしょう。それで何とかなった例もあります。
現実に、そういう事態に陥った方が相談に来られ、運良く何とかすることができた例は、複数あります。
今回の場合は、その設計監理者に頑張ってもらって、工事業者を分離発注し、資材などの支給、設計変更で集められる金額に収めて、とにかく完成させることしかありません。
みなさんに、知っておいてもらいたいのは、
親戚の工事業者でさえ、こういうパターンになることは珍しくない世の中の状況です。
一流のハウスメーカーと思っていても、そうなってもおかしくない世の中の状況です。
株価を見てください。いつ潰れてもおかしくない財務状況の会社はありますよ。
では、どうやって防ぐか。完成保証を付けるのも方法です。
一番は支払いをコントロールしなくてはいけません。
何回にも分けて、後追いのような支払い条件にすべきです。
さらに、契約解除の事項を契約書に盛り込む。
もうひとつ、遅延金についての記載とその金額が妥当な額になるような記載にすべきです。
この3つは最低必ず契約時に行うべきものです。
頭に入れておいて下さい。
住宅設計 ミタス一級建築士事務所
ALL contentsCopyright ® 2008 mitasu