一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

レオパレスの新たな問題発覚について

2019年02月09日 11時29分48秒 | 住宅検査・トラブル相談


昨年の2018年5月18にレオパレスの界壁問題について ブログで写真とともに解説しました。

その記事の中で、正しくない報道表現の指摘と内容解説をしましたが、

「この問題だけでもないはずです」と
コメントした通りに、新たな問題が発覚しました。

今回の報道でも一部正しくないコメントが
専門家が述べたような形で表現されていて気になったので

その部分を指摘して解説しておきます。

1)天井裏の界壁問題

に続いて、新たに発覚したのは、

2)「天井の石膏ボード2重張りが1枚であったこと」

3)「外壁内側の断熱材がグラスウールではなく発泡ウレタンであったこと」

で、いずれも防火規定に関する違反になります。

アパートは、通常の戸建てよりも防火上の規制が厳しくなっています。

また、用途地域的にも準防火地域や防火地域に建っていることが多く

それだけでも防火上の規制が厳しくなっています。

通常の一戸建て住宅で、防火指定なしの地域であれば

1)と2)の規制を受けることはなく、3)も地域によっては規制を受けません。


今回、3)に関して

「発泡ウレタンの方がグラスウールより価格が安い。
コスト削減のため意図的に安い部材を使って…」

という専門家のコメント紹介があったので、解説しておきます。

まず、コストは、グラスウールの方が安い部材です。
この点はコメントが正しくありませんので指摘しておきます。

また、外壁材によっては、
内部の断熱材にかかわらず防火認定が取れる部材や工事方法もあります。

確認申請では、グラスウールで申請していたようなので
今回は、それでなければならなかったのだと思いますが、

代願申請といって、設計事務所が専門に安く申請代行している場合は

現実とは異なっていても、確認申請を通すための防火上の申請内容を
どの建物でも、共通して自動的に記載しているなということを、

過去に書類を見て何度か感じたことがあります。

今回の場合は、レオパレスなので仕様が最初から決まっているはずで
過去であってもそれに基づいて申請しているはずなのですが、

過去の一般の工務店や建売では、そういうこともあったし、
クリアしていれば、申請が現場と少し異なった仕様でも、訂正すれば良いくらいが
業界の認識だったことをお伝えしておきます。

その考え方が、今回の問題も引き起こしたのかもしれません。

ただ、最近はこういうことは、かなり減っているはずです。


私が思う一番の問題は、企業から現実に現場監督に求められていることは

品質管理より、工程管理とコスト管理だということです。

営業マンや設計担当に求められているのも、品質管理ではなく

顧客対応とクレーム対応です。


これは、レオパレスに限らず。工務店、一般のハウスメーカー、
一流のハウスメーカーでも同じです。

品質管理は誰がするのでしょうか?

ハウスメーカーでは、下請けの自主管理です。

通常の工務店は、職人任せが多いです。


では、設計事務所に依頼すれば行ってくれるのでしょうか?

残念ながら、工事中に見に行ったとしても、見に行くだけで
そういうことを指摘しない、できない設計事務所も多いです。

みなさんから設計事務所が求めらているのは、設計であり、
設計監理は、重要視されていませんし、
多くの設計事務所がそれに値する費用も受領していないのが現状です。

そのため、見に行っても指摘ができない設計事務所もあり
ほとんど見に行くことさえしていない場合もあります。


では、第三者検査会社なら?

ここも決められたことだけしか検査しません。
建築は、個別に多様性があるので、一部しか見ていないことになります。

それでもないよりは、良いですが、

実際に、誰が管理や監理をするのか、しているのか、できるのか、

ここが、まだまだ曖昧で、現実にはできていないのが
日本の建築業界の問題点のひとつだと私は思います。

カナダのバンクーバーで行っているように、

法律で工事会社と設計監理は完全に分離して別の会社が行い

途中の工事検査も法的義務として、施主が工事会社と利害のない検査会社に
直接支払いとすべきだと思います。



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近隣との建築トラブル

2018年09月06日 09時00分59秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲増築の建築確認申請
工事が終わったら、完了検査を受けて検査済証をもらってください。


あまりない状況の相談がきました。

建築紛争の調停の場だと、法律の意味を含めて伝えて
結果的に擁護してあげられるのですが

メールでの回答では、あまり役に立たないので、

どうしようかと迷いましたが、
念のため、ブログで一般的なケースに置き換えて回答します。

質問の要点は、

「親との同居で増築することになり、
建築確認申請を出して、工事前に近隣挨拶を済ませた。

工事が始まり、工事がかなり進んだ段階で、
近隣から、自分の家が暗くなったから
工事を止めて欲しいといわれた。

どうしたら良いでしょうか?」

という、質問です。


建築確認も問題なく、法的にも落ち度がなく、
工事中なら中止は難しいと思います。

メールではわかりませんので、あえて確認するなら

1)用途地域はなんでしょうか?

2)隣地境界から、外壁は50センチ以上離していますか?

3) その他、建築協定などありませんね?

という確認です。

1)は、住居系であれば、最低限の日照を確保するように
建築基準法は考えています。
その他の地域では、日照権的な権利は認められていません。

2)50センチもクリアしているなら、問題ありません。
これをクリアしていなくて、工事中にセットバックを要求された
争いはありました。これは、民法上の規定です。

とはいえ、住居系の用途地域でクリアしていなくても
問題にならないこともあります。
隣家とその地域のほとんどが、この50センチを守っていない場合などです。

3) 建築協定だけでなく、建築基準法を満たしていないのに
確認申請のチェックミスで受理されることは、稀にあります。
そういうことがないか、工事業者に確認していますね?

実際問題、止めることはできないのでしょうから
ご質問者が、これ以上、直接話し合っても険悪になるかもしれません。

話をするにしても、法的に問題ないからということより、

「親との同居で、どうしても増築しないといけない」
という、こちらの事情を話をする方が良い思います。

それでもまた何か言ってきたら、工事会社の人に、

「今から止めるとなると、今回契約した工事代金の全額と

建築主も親と同居しないといけない状態なので、
建築主が親と住める新しい戸建ての納得できる賠償費用も必要になってしまう。

その両方を出してくれる人がいないと、我々も止める訳にはいかないのです。
念のためお聞きしますが、それをご負担してまでとは、お考えじゃないですよね?」

とでも、逆に聞いてもらえば良いかもしれません。

近隣が、法的手段で訴えてきたら受けて立つだけです。

多分、法的根拠がないので、相手が弁護士さんに依頼しても
裁判までは動いてくれないでしょう。

内容証明程度で、終わりだと思います。

調停の場合は、調停委員が諭してくれると思いますし
どうどうと主張すれば良いだけで、何の心配もありません。

役所にも既に訴えているはずで、
現場を見に来てくれたかもしれません。

何も指摘を受けないのなら、
それ以上は、動いてもらえないのだと思います。


会う度に、相手が不快な態度を取ってくるかもしれませんが、
それは、どうしようもないですし、仕方がないとあきらめて

張り合うことなく、普通に接していれば良いと思います。

相手も何か特別な事情があるのかもしれませんが、

近隣だからといって、無理に仲良くならなくても良いでしょう。

また、工事が終わったら、完了検査を受けてもらい
検査済証の副本原本を必ず業者から受け取って

新築分と一緒にして保管しておいてください。

参考になったかどうかわかりませんが

時々、何も悪くないのに、一方的にクレームを受けて
過剰に丸く収めようとし過ぎる、可哀そうな人もいるので
念のため、ブログで回答させていただきました。



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レオパレスのアパート界壁問題について

2018年05月29日 21時04分50秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲界壁部分にロックウールを工事しています。
天井裏の部分です。壁を屋根の下まで立ち上げて、
このあと石膏ボードを両側から2重に張ります。 
アパートの隣の部屋間の防火上の問題が一番、次に遮音の問題対策です。


昨日の2018年5月28日から報道されています、
レオパレスのアパート界壁問題ですが、誤った表現で報道されているのを
見ましたので、正しくお知らせしておきます。

1万5千棟のアパートといいますから、かなりの数です。
(※違反となった対象は200棟超と訂正されましたね)

「界壁が天井に達していなかった」という報道がされていましたが、完全に間違った表現です。
建築を全く知らない人が、何も考えずに表記したのでしょう。

これでは、誰が見てもわかる壁が天井まで届いていない状態を示すのですから
有り得ませんね。お隣と壁越しに「こんにちは」となる状態ですから。
見落とされるわけがないでしょう。

正しくは、「小屋裏の界壁が屋根に達していなかった」となります。
天井までは達しているのです。見えない天井裏なのです。

天井裏に潜れば、隣の部屋の天井に行けてしまうということです。
防犯上かなり問題ですね、小説や時代劇のようです。
隣との境となる壁が天井裏では無かったのですから、
火事の場合も、日常の音も、天井に潜れば隣にも行けてしまうということです。


現在は、法的には防火上の問題と遮音の問題で規制され、界壁はかなり重要なことです。

お隣が火災を起こしたときに類焼しにくいように義務付けています。
石膏ボードを2重に張って、中にグラスウールかロックウールを入れるのはこのためです。

同時にお隣との音も聞こえにくくします。

同一世帯の一般住宅内では、ここまでしませんし、義務も必要もありません。

13年間もの間、これだけの数が見落とされていたのが問題ですが
まだまだ他にも、他のメーカーや工務店でも、たくさん見逃されていると思います。

職人さんが誰も知らなかった、
大手ハウスメーカーの現場監督が誰も知らなかったか意識が無かった、
検査を行った人も意識がないか知らなかった

という状態が続いていたのですから、レオパレスだけではないでしょう。
また、この問題だけでもないはずです。

私が常々みなさんに伝えているのは、

「良い家を創るには、設計と同じくらい監理も重要だ」ということの意味が
こういうことなのです。

信じてもらえないのですが、大手ハウスメーカーでさえも、
現場監督が工事品質をチェックしていませんし、監理もしていません。

下請け任せ、職人任せなのです。

第三者検査があっても、こういうことはまだまだ氷山の一角でしかありません。


 

▲▼天井の上に壁が屋根の下まで達していて、ロックウールを張っています。
このあと石膏ボードを2重に張って完了です。
アパートの工事中に、ミタス一級建築士事務所が検査で撮影した写真です。
後では見にくくなりますし適当に張られてもわからないので、
事前に指摘をして見れるタイミングで検査に入っています。
アパートでは重要なポイントのひとつです。


レオパレスの新たな問題発覚について 2019年2月5日

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問題になっているマンション杭工事について

2015年10月23日 09時50分31秒 | 住宅検査・トラブル相談
昨日、2015年10月22日の夜にテレビ局から、

翌日23日の報道番組で、現在問題になっているマンションの杭工事について
スタジオで1時間くらい解説して欲しいと 連絡がありました。

マスコミに騒がれる問題があると、そういった問い合わせや質問などはよくあります。

スタジオで1時間でも、事前の打ち合わせと、都内までの往復を考えると
かなり時間が取られますから、突然で予定が取れないのでお断りさせていただきました。


今回の件については、結論として、

仮に工事中に第三者で監理に入ったとしても、
防ぎようがありません。

データの改ざんはともかく
手抜きをしたり故意では無い場合、本人や職人にとっては
普段から行っていることなのです。

杭の長さが足りなかったというのも、事前調査の当初の予定深さは打ち込んでいても
実際の支持地盤は、水平ではないので、深い場合や浅い場合があります。

コメントでは、支持地盤に到達していたという認識ですので
それがウソか本当かは別にして、実際には起こり得ることです。


今回は、

・かなりの軟弱地盤であったことと、

・棟と棟が連結されていること

などから、ズレがわかりやすかったため発覚したということです。

単棟であれば、気付かなかったかもしれませんし
気付いても、建て替えまでは必要だったかどうかは不明です。

今回、建物の強度によっては、建替えまでしなくても
地盤の補強と建物を水平にする工事でも充分であった可能性はあります。

戸建ての場合も、同様のことは起こり得ます。

そのための対策は、地盤調査はもちろんですが、
地盤改良や杭工事をしてもしなくても

地盤についての第三者保証をしてもらうことが契約の前提となります。

建物の構造体保証とは別にです。

保証は、工事業者ではなく、第三者の損保会社にしてもらうことが大切です。


新築やリフォーム工事は、契約時に防げるトラブル内容がたくさんあります。

もちろん、防ぎようが無い場合もありますが、
その場合の対応方法の数少ないひとつは上記の内容です。

毎月の住宅の勉強会では、そういったことを防げるように
契約前の注意事項も詳しく教える時間を加えて、
内容を4倍にボリュームアップしました。

不安な方は、参加して勉強してください。

但し、戸建ての内容に限定しています。

戸建てリフォームのトラブル相談は、どんどん増えています。

毎月、いくつかの公的機関で相談対応をしていますが
リフォーム工事トラブルはすべて、契約前なら防げた内容ばかりなので、
それがいつも残念です。




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既存住宅現況検査技術者登録証

2013年12月29日 14時59分45秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲第1回 既存住宅現況検査者講習 2013年12月13日



今年も、いよいよあと残り僅かとなりました。

私は、現場も動いていますし、やり残した仕事が終わっていないので
変わらず仕事をしていますが、年賀状は…、年明け発送かな…(^^)ゞ


さて、先日行われた、「第1回 既存住宅現況検査技術者講習」
の制度についてのご案内しておきます。


民間の資格制度は、たくさんありますし、
あまり意味が無いので、

もう、こういう資格は私は無視していましたが、

指導委員会のメンバーから、
これを受講したらどうかと提案がでました。

内容を聞くと、

「中古住宅の売買の際に、この資格をもった技術者が
検査を行って合格になると、保険会社の第三者保証が付く。
国交省の政策とガイドラインに基づいた、既存住宅の検査制度」

というような内容でした。


中古住宅の購入時に検査に行ったり
騙されて購入した人の相談にものっていることもあり

それは、良い制度ができるな、と思ったのです。

さらに、

「建築士が受けて、合格率20%程度」という話が出て

それなら、価値ある、しっかりした内容と制度だろう
と感じて申し込むことにしました。


2013年12月13日に、横浜会場は定員オーバーだったため
追加された東京の六本木会場に、朝から足を運びました。

受講者は、設計事務所の建築士が大半だとのことでした。


テキストと講習内容は、
難しい内容や新しい内容はありませんでした。

講習のあと、夕方近くに始まった試験は、

どれくらい難しい問題なるのかと思っていたら
試験の内容も簡単で、ほとんどの人は合格したでしょう。


最初の話と異なり、ちょっと拍子抜けの試験でしたが、

住宅瑕疵担保責任保険協会が主催となって制度を
作っていますので、

中古住宅を購入する人にとっては
とんでもない物件を購入する不安が減ります。

こういう制度を利用できる選択肢が拡がるのは、
非常に良いことですね。

中古住宅の購入を考えていらっしゃる方は、
知っておいて損は無い制度でしょう。

合格の登録証は、後日、もちろん送られてきました。

 





年内、ブログ更新できないでしょう。

どうぞ、良いお年をお迎えください。



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建築調停

2012年03月27日 10時31分48秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲ニュージーランドのクイーンズタウンの夜
自然と美しい景色に囲まれ、のんびりと長期滞在するには
最高の街だと思います  




建築トラブルのメールや電話などの相談が、よくあります。


今回は、建築調停に関して一般論を述べます。


「調停にかけて賠償請求ができるかどうか?」

という判断を求める相談もあります。


多くは、「メールの内容だけでは、わかりません」とお答えする内容が多いです。

もちろん中には、「それは当然、大丈夫です」とお答えするものもあります。



最初に申し上げたいことは、

調停は、裁判と異なり、両者の話し合いです。

両者での話し合いが付かないから、

第三者の専門家を入れて判断やアドバイスをもらいながら
話し合うことになります。

合意すれば、最高裁の判決と同じ法的な効力を持ちます。
相手が守らなければ、強制執行も可能です。


ですが、話し合いをせずに、いきなり調停ということは
建築調停では、お勧めいたしません。

まず、相手と話し合ってください。

その上で、相手が逃げたままで対応してくれない場合や
お互いの主張が食い違って納得できない場合に、


「納得できないので調停にかけますよ」とまず通告して
返事が無い、まだ相手が突っぱねていれば、


そこで初めて、建築調停にかければ良いでしょう。

この段階までで、相手が対応して解決してくれれば、
それが一番良いからです。


私のホームページやブログでは、
本音でどんどん過激なことを書いていますが


私は、トラブルが起こったら実際には
できるだけ穏便に納めることに勤めています。
争っても、お互いの利益にはならないからです。


ですが、トラブルを未然に防ぐためには、相手が誰であっても
業者はもちろん、それが例え、お客様でもガンガン叱ることも、
厳しいことも要求します。


もちろん、トラブルが起こってしまった場合、
明らかに間違っている場合は、毅然として対応しますが


完成後も長く工事業者と付き合うには
あまりどうでも良いことで、揉めるのではなく

今後も、気持ちよく対応してもらえるように
相手の立場も考えて交渉します。

いきなり調停をお勧めしない、するなら順を追って
という理由がこれです。



また、調停で賠償請求はできるか?という質問ですが
調停では、請求はなんでもできます。

但し、それが正しくても正しくなくても
また、賠償請求できるレベルであってもなくても

裁判とは違いますから、
相手が納得して応じるかどうかにかかっています。

それは、私には判断できないことです。


また、その判断は、一方的な説明、
しかもメールや電話では、実際はできないとうことを
何度も実感しています。

両者の主張を聞くと、全く話が異なる、
どちらが被害者かわからない、ということは
珍しくないどころか、その方が圧倒的に多いのです。


調停や裁判では、両者の言い分を必ず聞きますから
そこでどう判断されるかを、片方の話をメールや電話で聞いての
判断は、私が裁判官であっても到底無理ですし、
無責任な言葉となってしまいます。


そのため、一般論や明らかな場合以外は、
無責任なことは、申し上げないようにして

多くは、今後どのうな考え方でいけば良いかの
アドバイスにとどめています。


また、納得して合意してもらうなら、

調停をしてもしなくても
同じ話し合いという方法はあるわけです。

事前にそれを行って、できれば刺々しい調停を
行わずに解決するのが、両者にとって望ましいのですから

まず、その努力をして、それでもというなら
相手の主張や意見もわかるわけですから

それから、ご相談や調停、裁判を考えるようにして下さい。

 







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建築条件付住宅の問題点と注意点

2012年01月19日 11時47分17秒 | 住宅検査・トラブル相談

記事内容が飛んでいました。(^^)ゞ


建築条件付住宅のご相談が、良くありますが

契約してからでは、アドバイスしても
既に契約してしまっていますから

身動きや相手との交渉ができないことが多いです。

できるだけ、契約前にご相談下さい。

契約前ですと、話し合いでこちらの希望を取り入れ易くなります。


今回は、契約してしまっていたことと
建築請負契約の期日まで、数日しか残されていないこと

から、多くはアドバイスいたしませんでした。


土地が気に入って、トータル予算を低く抑えられるから
購入できるということに最大のメリットを感じていらしゃったからです。

これは、これで選択肢のひとつだからです。


但し、それで建物に期待を持つほうが無理がありますから

建物に関しては目をつぶる、30年経ったら建替える気持ちで
とお話いたしました。


最低限のアドバイスとして

ビニルクロスだけは、お子さんのためにも
止めて欲しいので、予算が合えばということで
ケナフクロスをお勧めいたしました。

業者に話したら、10万円程度のアップで可能と言われたそうです。


ふたつめは、合板フローリングに床暖は、
健康を考えると、とんでもないことですので
せめてもの注意方法をお話しました。


三つ目は、構造、特に耐震性に関する資料の提出依頼、

4つ目は、いくつもありますが
現在のプランの問題点をお話いたしました。



建築条件付住宅は、3ヶ月以内に契約しなければ
土地を含めて、白紙になり、支払った金額は全額帰ってきます。


この3ヶ月という期間は、無くそうと不動産業界の協会は
自主的に取り決めをしているところもあります。

3ヶ月で設計終了というのは、実質難しいからです。


それなのに、2ヶ月とか1ヶ月の期限で建築条件付を販売している
業者がいますが…

これは、もう建売で何でも良いから、という方にしか
お勧めできません。


業者は、建築条件付は、建売だと認識していますし

みなさんは、建築条件付は、注文住宅とお答えに
なる人がほとんどですが、

認識の差が大きく、これらを知らずに契約すると
後悔することになります。

ですから契約前に、その良い条件を生かして
交渉してOKをもらうことが必要なのです。

 

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住宅工事中のトラブル相談

2011年05月06日 15時56分28秒 | 住宅検査・トラブル相談
ゴールデンウィーク中は、
フィギュアスケートの話題ばかりでしたので

本日は、建築のお話です。


私が耐震診断に出かけていたときにお電話を頂き、
私が不在のためメールでも相談をスタッフが
お願いしたようです。(普段もそのように、お願いしています)

携帯メールから質問を頂いているのですが
携帯で読むには長くなるので、
このブログにアップいたしましょう。

よくある大切な問題を含んでいますので。


相談内容です。

・一戸建て(注文住宅)を購入し今現在工事中
・設計士とは不動産が打ち合わせをした

・自分は不動産から立面図、平面図、断面図を頂きそれにサインし工事が始まった

・工事中に何回か見学に行ったが、
 二階のリビングの天井がフラットになってなかったり、
 三階の部屋の天井がガタガタだったりした。

・不動産に聞いたところ、梁が出てるのでと言う回答
・不動産からもらった図面では、ハリの位置やハリの太さなどは、わからない。

 「これは、仕方がないのでしょうか?」


ということです。


まず、ここで確認しておきたいのが
「注文住宅」と記載されていますが、
純粋にそうでしょうか?

私の勘では、建築条件付きの住宅ではないでしょうか?

本来は、建築条件付の住宅は、土地とは別に
請負契約を結びますので、確かに注文住宅です。

そして、購入者であり、発注者のみなさんも、
そう思っていらっしゃるはずです。

しかし、土地の売主、
多くは不動産屋さんであったり工事業者ですが、

こちらは、建売フリープラン程度にしか考えていません。

そのスタート時点での考え方の違いが、
トラブルを生む原因にもなっています。


今回の場合、不動産屋さんと建築士が相談して図面を描いたようですが
注文住宅なら、少なくとも施主のみなさんと建築士が相談して
確認し合っていますよね。


直接相談をしていたら、建築士から説明があり
今回の問題は未然に防げたかもしれませんが

そのことだけでなく、おそらく、その建築士は、
建売程度のプラン料や確認申請代行費用程度しかもらっていなかった、

それ故、その程度の図面しか描かなかった、

そのため今回のトラブルが起こったのだと
私は、推定します。

なぜ、そんな推定をするかというと
それは珍しくなく、よくあるパターンだからです。

建築士が注文住宅の図面を描くと
少なくとも何十枚と図面を描き

梁の有無は、図面に出てきます。


建売や建築確認申請だけでは、そういうことまでは
図面に描いていない場合が、ほとんどです。

おそらく、これが誤解となった原因でしょう。


その場合は、失礼ですが、
建築工事費用なども建売並みに安いはずです。

工事業者や建築士は、そのことで、
建築条件付は、そこまで詳しく描かない、
そういうものだと反論してくるかもしれません。


ご自身が納得できない場合、

「建築条件付であっても、あくまで注文住宅だから
その場合は、図面に記載するか説明があってしかるべきだ」

との主張は、もちろん可能ですし、理があります。


もし、そうではなく、純粋の注文住宅で
不動産屋さんに、何かの理由で代理をお願いしていたならば

建築士は代理者の言うことを聞いていて
代理者もそれを承知しているわけですから、

法的には、権限を与えたあなたに一番の責任があります。


どちらかは不明ですが、
良く話し合って調整してください。


不動産屋さんが代理者ではない場合、
契約がどうなっているかにもよりますが

建物を使用するのに、あなたが我慢できない内容であれば
何らかの対応を求めることは、正当です。

当事者同士の話し合いで相手が納得しない場合は、
法的な力を借りて判断してもらうことになります。


ここからは、弁護士さんの領域になってきて、

最終的には、どちらのいうことが正しいかではなく
どちらのいうことが第三者に認めてもらえるかの争いになります。


住宅に関して、一生に一度あるかどうかですので
みなさんが、良く分からないのは、当然です。

建売のように安い場合は、当然すべてがその内容だと思って、
納得、対応、確認できれば良いのですが

そうではなく、トラブルが生じた場合は、
お互いの前提の考え方が違うため、

一般的には手間と労力が掛かります。

安易に考えずに、事前に避けることが一番ですが
難しいですよね。




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「建築紛争の…」講演会

2010年11月05日 20時57分43秒 | 住宅検査・トラブル相談
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本日、2010年11月5日は、日本建築学会主催の
「建築紛争の現状と課題」についての講演を聞いてきました。


神奈川県建築士事務所協会の設計監理指導委員会としての参加ですが

日本建築学会の正会員ですし、建築紛争の調停委員向きの講演会でしたので
いずれも該当していましたこともあり、田町の建築会館まで行くことにしました。

できれば、忙しいのでパスしたかったのですが…(^^)ゞ


建築紛争について思うことは、工事業者がいい加減な工事をしているのは
私にすれば当たり前のことなのですが、第三者の建築士ということで調査に入り
報告書を書いている建築士にも、低いレベルの建築士がいるのが残念なのです。


第三者の建築士は、公平な立場であるべきだと私は考えています。

依頼者をあおってこびるような内容、しかも報告書としては使えない
内容で何十ページも、ただボリュームを出すためだけに作成しているのでは?

と思う意味の無い低いレベルの報告書に意外に多く出会います。


法的な根拠や基準を示さず、その建築士の感覚で是非を判断している報告書は
裁判では意味がありません。

その低いレベルの建築士と、建築のことを良く知らない弁護士が延々と裁判を続けて
『その費用と期間を掛けるくらいなら、とっくに解決している内容なのに…』
という事例に合うこともあります。


第三者の建築士として入るからには、相談者の味方に付く弁護士とは立場が異なります。
建築士として、正しく充分な知識と実務を踏まえた上で、その業務をこなして欲しい
といつも感じています。


 







……………………………………………………………………………
こんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水です。
住まいに興味のある方はもちろん、無い方にも
何となく役立つか、楽しめる内容になることを願いながら書いています。
ご意見があれば、お気軽にどうぞ!

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雨漏れ被害の住宅で

2010年07月05日 15時22分16秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲ イタリアの設計事務所で。パソコンのCAD図面はわかりますが
掲示板の左上のポスター?は、いかにも自由な感じが…



昨日の日曜は、都内の下北沢で午後からセミナーを受けてきました。
駅からそれほど歩いたわけではありませんが
下北沢が若い人に人気のある理由が、わかりました。

お腹は空いていませんでしたが
せっかくなので、ラーメンを食べて帰りました。(^^)ゞ


さて、本日の2010年7月5日(月)は

サッシ廻りやバルコニー取合い部分からの雨漏れトラブルの現場で、
大工さんに頼んで内壁を剥がしてもらい確認してきました。

事前に何度か相談を受けていましたが、年数が経っているため
どの程度、内部に影響が出ているかを確認するためです。

新築時からの雨漏れで工事業者に何度か対応してもらったようですが
いわゆるコーキングを上から施すだけで、
何度行っても直っていないままでした。

もうこの業者にいくら頼んでも無駄だ
このまま放置していると家がダメになってしまうかもしれないということで
ホームページをご覧になり、ご相談にいらっしゃったのです。


今までもなかなか対応してくれず、
10年以上経ったいま、その業者に対応してもらうことを
期待するのは難しいですが、方法としては、ないわけではありません。


今回、雨漏れの原因はわかっているのですが、
その原因だけを直して終わりにして良いのか

内部の構造材まで影響が出ていないかを、
本日確認したのです。

写真は公開しませんが、想像の範囲内でした。

もちろん、この状況を踏まえて
その業者に直してもらうよう働きかけを行うことも
必要になるでしょう。



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こんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水です。
住まいに興味のある方はもちろん、無い方にも
何となく役立つか、楽しめる内容になることを願いながら書いています。
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住宅トラブル相談から

2010年07月01日 14時07分08秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲ ラスベガスの音楽と噴水のショー  
写真は今回の本文とは関係ありません…(^^)ゞ



今年の後半と新しい月が始まりました。
今朝は全体ミーティングを行い、これから2つの現場へ行ってきます。


その前に、昨日のメールや面談でのトラブル相談について
3つコメントしておきましょう。


質問その1

「間口6メートルの土地に、車庫スペースを造るとき、
道路に平行に車を置くのでしょうか?
それとも直角に縦に置くのが普通でしょうか?」


という質問です。
土地の奥行きも書かれていますが、一般例とするため省略します。

一般的には、その間口では縦列駐車はしにくいですから、
道路と直角に置くことを考えると思いますが、一概には言えません。

常に駐車されているのか?
知人が来たときに、道路にはみ出てもちょっと留める程度か?
将来、縦列駐車用の機械を使う?
土地の高低差は?
前面道路の幅は?


ということで違いますし、

最も大切なことは
家に対する要望や優先事項によって変わってきます。

私が設計する場合は、人と車を少しでも分けたいという
気持ちもありますし、多分、車を縦に置くプランを作成します。

それが無理であったり、
平行に置くことによって要望を叶えることができたり
生じるメリットが大きければ、
そのプランも作成してご提案します。

これは、1階リビングか2階リビングかによって
かなりメリットがかわる場合も2つのパターンを示して
説明しているのと同様です。


今回、トラブルになってからの相談ですので、
どちらが良いかというよりも、そういう説明が
無かったことが一番問題でしょう。

ハウスメーカーの営業や設計は、少しでも早く注文を取り
確定することを会社から求められます。

説明をすると迷うので、省略したのかもしれません。

通常考えれば、6メートルに普通自動車を入れるのは
かなり面倒ですから、説明があってしかるべきでした。



質問その2

「内覧会で障子と建具の隙間が空いていたので指摘し、
「調整します」と回答をもらった。本日引渡し、
「調整はしたが、木自体のそりなのでそれ以上の調整は無理」との回答。
許容範囲なのでしょうか?

下は閉まっていて、真ん中に隙間がある感じ。
反対側はピッタリとしまります。」


というご相談です。

「障子と建具の隙」?というのは、
文面からすると障子同士の隙ということでしょうか?


見ていませんし、それ以上の情報がありませんので
その隙間が許容範囲かどうかは判断できません。


・それは構造的には問題のない隙間なのか?

・構造的に問題があって生じているものなのか?


というのは、敷居や床、建具枠の水平や垂直を
レーザーレベルという器械等で測定します。

また、必要であれば床下に入り土台と基礎の水平も測ります。

家や構造体が傾いていないとか、
水平の誤差が僅かであれば、その時点では問題ありません。

半年後にそれがひどくなっていれば、傾きが進行している
ということになります。

いずれにしても、メールや電話では判断することはできないでしょうから
心配ならば、お近くの信頼できる建築士に見てもらってください。

探す方法がわからない場合は、例えば

建築士事務所協会の名簿から電話を掛けてみて
話を聞いて、この人ならばと思ったら見てもらえば良いでしょう。

有料ですから費用も事前に聞いてください。





質問その3

耐震補強工事について面談で相談された方から、

「この耐震診断で良いのでしょうか?」と質問がありました。

普通は、人が行った耐震設計を現場も見ないで判断はできません。
しかし、図面とその耐震診断の内容を拝見すると
疑問に思える点が多かったので、お答えしておきました。


耐震診断や耐震設計について、無知な工務店や建築士は
たくさんいます。コンピューターを使って計算していますが

理解していないので、その入力の前提が間違ってしまいます。
そうすると正しい答えは出ません。

また、間違っていなくても、
耐震設計の方法は、たくさんありますので、
どれがベターか、べストかは個別の事情や状況に違ってきます。


横浜市であれば、横浜市の無料耐震診断を受けることを
お勧めしますし、

それをもとに工事を行うにしても、
工事を行う業者の言うことが正しいとは限りません。

できるだけ、耐震設計に詳しい設計事務所に設計と監理をお願いして
工事業者とは別にするのが本当は良いのです。



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住宅トラブル相談

2010年06月27日 16時21分31秒 | 住宅検査・トラブル相談
メールでの住宅トラブル相談が何通か来ています。

一般論としてみなさんと共有できるものは、ここで回答しておきます。

相談内容は

「ハウスメーカーと契約、手付金を入れたが、
様々なことでその担当者や業者に不信感が出てきた。
契約を解除したいが、手付金は戻ってくるか?」

ということです。


みなさんがこの人の親友なら、どうアドバイスされますか?


ご相談の内容でトラブルになっている人は、珍しくありません。
よくあることです。しかし、我慢している人がほとんどでしょう。

解約を申し入れたとして、スンナリことが運べば良いですが


・解約してくれない

・違約金をたくさん、または全額請求された

・手付金を返してくれない

などの相手の対応は充分考えられます。


弁護士さんに書いてもらった内容証明を送ったら、
スンナリ相手が認めたという例もあるにはありますが、

上記のように話し合いに応じない相手に対抗するには、
諦めるか調停や裁判などの法的手段に訴えるしかありません。




法的にどうなのか、
自分の言っていることは間違っていないかどうかは


・契約書の内容がどうなっているのか?

・相手は、どこまで作業や準備を既に行っているのか?
 それに費やした費用は?
 その金額は本当に妥当か?

・解約の原因となった相手への不信感は、社会的に見て解約が当然か?
 当然であれば、全額戻ります。

・何割くらい双方に非や落ち度があるのか?
 


というような観点で最終的には判断されます。

例えば、ハウスメーカーということでしょうから、
契約書に解約についての事項が書かれているはずです。

それに合意して契約したのですから、契約書が優先します。

設計が終わっていてそれに合意しているなら、設計のための費用は請求されるでしょう。
設計に不備や落ち度があったり、要望を満たしていなかったりした場合は、
全額支払う必要はないでしょう。

設計を合意した上で工事のために手配が完了していたり、
購入済みのものは、無料というわけにはいかないでしょう。

但し、法的にみて消費者にあまりにも不利な内容の場合は、
契約書に書いてあって合意していても無効になる場合があります。


双方の請求額が妥当かどうか、正当かどうか、
双方の話し合いで付かない場合に
決着を付けたい場合には、法的な判断にゆだねるしかありません。

ここまでくると、あくまで法的な争いになるので弁護士さんの領域になります。

ご相談されるのは、

・最寄の消費者センター
(契約後のトラブル相談、相談先を教えてくれることもあるし、内容によっては、
 企業へ電話してくれます。)

弁護士会等の無料相談
(法的にどうかを具体的に書類をもって聞きに行くことができます。
1時間1万円の有料相談でも良いでしょうし、建築の紛争に詳しい弁護士さんを
弁護士会に紹介してもらっても良いでしょう)

・法テラス(相談先を教えてくれます。)
 法テラスのホームページ 0570-078374


などが良いかと思いますが、双方の話し合いで決着が付くことを願っています。

 







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建築調停の合意

2010年06月17日 18時29分02秒 | 住宅検査・トラブル相談
本日、調停委員として相談を受けていた建築調停で合意となりました。

建築トラブルで相手がどうしても動かない場合、みなさんが最後の手段として行うには
まず調停、それがダメなら裁判しかありません。

いくら頑張っても無理な場合、裁判ではなく最初に調停をお勧めするのは、

費用の安さと建築専門の調停委員が話を聞いてくれる理由からです。

例えば、裁判所によっても異なりますが
調停なら百万円程度の賠償金額でも5千円程度で済みます。

1千万円でも3万円以下で大丈夫です。

これに加えて、裁判と違って弁護士さんに依頼する必要はありません。

その代わり、平日に時間は取られます。
もちろん、費用は掛かりますが弁護士さんに依頼しても構いません。


私が建築調停委員をお受けしているのは、
裁判の判決などを読んでも、
「この判決は、建築知識や実情を含めて良く理解していないのでは?」
と疑問に思うことが多いからです。

裁判官が、建築のことが良くわからない人が多いのは当然ですから
原告や被告側から出てくる建築士の鑑定書などに左右されやすくなります。


いきなり裁判になっても、裁判官が双方に調停を勧めて
調停に降りて協議することは珍しくありません。

建築調停委員が現場確認を含めて専門部分は判断してくれますからです。

私が、裁判の資料を読んで調停を進めていても、
第三者の建築士の意見や鑑定書は、あまりに依頼書側に偏った見解が多い気がします。
のみならず、何の参考にもならない報告書もあります。


余計なことを、わざわざしなければ良いのですが
私が忙しい中、建築の調停委員を続けている理由は、ここにあります。
やはり公平に、専門家として意見をハッキリ述べたいからです。



本日の合意した調停も、裁判官の勧めで裁判から降りてきたものですが、
訴えた側にかなり厳しい内容の調停案でした。

当然、合意できず不調に終わると覚悟していましたが、
訴えた側も専門家が現場を観て、そう言うならと理解して頂けました。

そうならないときもありますが、
どちらかが過剰な要求をしている場合が多いので、

現役の第一線で仕事をし、建築技術者としての知識に加え
現場、設計、工事業者の事情だけでなく本音と建前事情、
施主の気持ちもわかる立場にいますので、ハッキリ助言し続けたいと思います。


調停委員をしているうちは、公平な立場でいたいと考えていますので、
裁判や調停になるトラブルの報告書や鑑定書は、原則として作成しないことに
しています。

そのかわり、無償でアドバイスを行っています。

現在も何人かの人に面談やメール、電話で状況に応じて私のできる範囲で
アドバイスを続けています。現場へ行くことはいたしませんが、すべて無償で
行っています。


私が有償で行うのは、トラブルになる前での解決方法、
すなわち設計や監理、第三者としての工事中の検査だけです。


調停や裁判はできるだけ避けて欲しいと思います。
でも、どうしても動いてくれない、納得できない場合は調停を
考えてみてください。

ちなみに、サラ金問題でも調停は安くて効果的で最適だということを
最後に付け加えておきましょう。



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建築トラブル相談

2010年03月04日 02時47分44秒 | 住宅検査・トラブル相談
私の不在時に、住宅のトラブル相談の問い合わせが続き、
回答できていない相談もあります。

電話でのトラブル相談は、
こちらから電話することはないからです。

今回の相談は具体的に書くと相手の業者にも
すぐ特定されてわかってしまいます。

解決前でもありますので、
すべてに当てはまる一般論として
解説して回答とします。


「新築工事中に、使用上に差し支えるある不具合があることがわかった。
その手直しをどこまでやってもらえるか?」

という相談です。


結論から申し上げますと、

使用上に差し支える不具合が発生した場合、


①完全に手直ししてもらう。

②完全に手直しが無理であれば使用上に差し支えない程度に
 手直ししてもらい、不満が残る分は少し値引きしてもらう。

③使用上に差し支えない程度の手直しで、我慢する。

④全く手直しなしで、少し値引きしてもらう。

⑤手直しなし。


のどれを選択するかということです。

どれが正しいということはありません。
第三者が決めることでもありません。

これは第三者が決めるものではなく
あくまで当事者同士の話し合いで決めるものです。

それに至った経緯や理由、様々な状況や程度があります。
双方が納得する方法で解決するしかありません。

あなたの側からみて、
相手の主張が③~⑤のみという先方の主張で、
その対応では納得できない場合、

手直ししてくれるまで残金の支払いを一部行わないという
選択肢が、あなたにはあります。


ただし、これを選択した場合、先方から訴えられることはあります。
他のご相談では、このケースで、どうしたら良いかということでした。

トラブル相談の中には、みなさんの要求が過剰と思われる場合があります。
その場合では、訴えられた場合、みなさんの要求は通らないでしょう。


今回のご相談の場合ですと、不具合が直りさえすれば、

あとは使用上に差し支えない問題で、
手直し後の見栄えも、第三者的には、
あまり気にするほどのことではありません。


先方の説明を聞いた上で、双方が合意する内容で
ご自身が決めるしかありません。

また、「業者が、これこれまでしかできないというのは本当か?」
というご質問に対しては、

今回の場合は、やろうと思えば当然可能です。
やり直すことによって、剥がした取り合い部分で
他の新たな部分で見栄えが悪くなってしまうことはあります。

それは、業者にどのように造ったかを聞いて、
及び現場の現状を確認し、やり直す方法を聞いた上でなければ
私でも判断できませんから、電話やメールではお答えできません。

また、手直しする職人さんの腕にもかなり左右されます。

現場へ行って、現状を見た上で説明を受けるとのことですから
上記を参考にして、お決め下さい。


なお、双方の主張が平行線のままの場合は、

消費者センター、建築相談、紛争処理機関などのアドバイスを受けて

あまりお勧めはしませんが、最終的には調停や裁判へ進むしかないでしょう。


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2×4工法の構造体検査は…

2010年02月25日 14時40分18秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲2×4工法の構造体検査


昨日2010年2月24日に、2×4工法の第三者としての構造体検査を行った。

この検査では、外壁合板の釘の間隔や種類、場所や打ち方

内外の金物、根太の間隔や本数、まぐさの大きさなどなどを確認する。

しかし、どの検査会社でも、どの一流ハウスメーカーでも行わないが
重要な構造チェックを忘れている検査内容がある。

これを言い切れるのは、皆さんが知っている日本を代表する
いくつもの一流のハウスメーカーでも、同じ指摘を私が繰り返してきたからだ。


2×4工法には、軸組み工法での柱に該当するのが、
写真にある細長い縦枠、スタッドと呼ばれる部材だ。
木造軸組みでは間柱に相当する程度の部材寸法だ。

厚さが38ミリである。必要な箇所には、これを3本、4本、5本、6本と並べて
上からの荷重を受ける。いわば柱と全く同じ、重要な構造部材となる。


木造軸組みで、柱が足りない、あるいは柱の太さが半分しかなかったら
どうなるだろう。大変な問題となる。

それに相当するのが、2×4工法では、このスタッドだが、
この本数が足りなかったらどうだろう?

明らかに、構造的に問題があると言える。

その問題をほとんどの現場で、一流ハウスメーカーでも指摘されずに
工事が行われていると言えば、みなさんは信じるだろうか?

役所の検査があろうと、性能表示の検査があろうと、
何百枚と写真を撮ってくれる第三者の住宅検査を依頼しようが
大手を含めてかなりの検査会社のチェックリストを知っているが
これをすべてチェックする検査会社を私は知らない。

 
▼構造図と照らし合わせて、スタッフにすべての縦枠、スタッドも確認させます。



おそらくこんなチェックをしているのは、ミタス一級建築士事務所だけで
そういうことが起こっていることさえ知らない、専門家やハウスメーカーが
ほとんどだと断言できる。

「うちは、工場でほとんどパネルを造って検査してくるから大丈夫です。」
と答えが返ってきそうだが、これはなおさら現場を知らない人の回答だ。


「問題は工場で起こっているんじゃない!現場で起こっているんだ!」(笑)

今回の検査でも、1階と2階で34箇所、39本のスタッドの不足を指摘した。

「うちは技術には自信があります。どうぞ、構造検査をして下さい」
と連絡があっての検査の結果がこれ。どこに聞いてもこれと同じ返事ですが。

他にも釘の打ち方の指摘などがあるが、これについては内容を知っている
専門家が増えたので、今回はあえてここにアップすることはしません。


本当に良い品質の住宅を求めるのであれば、
どんなに設計が良くてもそれだけでは実現しない。

設計だけでなく、現場での品質監理や指導を
どこまでこだわって、本気で行うかである。

それを誰が行っているのだろう?

設計施工のハウスメーカーや工務店が行えるはずがない。

施工会社から依頼された第三者の検査機関が
僅かな金額で行えるはずがない。

意匠だけしか頭にない、現場のことを知らない
アトリエ系の設計事務所が行うだろうか?

というのが、私の本日の心の叫び、でした!(^_^)v



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