一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

熊本地震から学ぶ

2016年10月06日 10時56分30秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲検証の書籍がいくつか発行されています 


熊本大地震で被害にあわれた皆様に、お見舞い申し上げます。

熊本地震への現地検証に、2週間以上の休みが取れれば
参加できましたが、さすがにそれは無理なので、断念しました。

ニュースでは、様々な報道がなされていましたが、
建築の専門家としての検証結果も出尽くしたようです。
それらを調べて、確信が持てたので取り上げてみます。

 















長期優良住宅や新耐震の住宅まで被害を受けて倒壊しました。
なぜでしょうか?

一般の方にわかりやすく簡単に述べるとすると、

京大の専門家チームが発表したように
建築基準法の1.5倍以上の耐力壁のある木造住宅は、
震度7クラスが連続しても問題なかった、という結論になります。
細かくいえば、もっとありますが。

ミタス一級建築士事務所の勉強会に出られた方は、

長期優良住宅の耐震性能は、通常に建築基準法を満たしていれば
耐力壁の量は確保できるので、凄くもなんともない、普通です、

という理由とカラクリを説明しているので、
何となくお分かりだと思います。

ミタス一級建築士事務所では、以前から1.5倍以上を原則とするだけでなく
偏心率も0.15以下を原則にして設計してきました。

偏心率は、耐力壁の平面的なバランスで
簡易な四分割法の手計算ではなく、
コンピューターを使って、リアルタイムで調整しながら
耐力壁の位置と強さを検討します。

しかし、このふたつは数値で出てくるので検討やチェックは客観的に可能ですが、
大切なのは、このふたつよりも、地震力の伝わり方がどうなるかです。

これは、プラン作成時に検討するアナログ的なものなので、
数値化は難しいです。

地震力が働いたときに、

屋根から2階、2階から1階、1階から基礎、基礎から地盤へと
力をどのように逃がしていくかということと、

また、その過程で接続部分が破断しないようにしなければ
なりません。

直下率とは、似ているところはありますが異なります。

偏心率とは異なり、

耐力壁の上下の位置関係と床面剛性とその配置で

普段は問題なく荷重を受けている柱と梁の接合部分を
大きな地震が起こったときに、
破断から守れるかどうかということをアナログ的に考えます。

これは、耐力壁や筋交いの配置に関係してきます。
すなわちプランの状態から考えておく必要があります。

許容応力度計算をすれば良いのではないかと専門家なら思います。
阪神大震災までは、私もそう信じてきました。

特に木造住宅では、木構造をずっと研究してきた第一人者ともいえる大家が
「木造は、実はわからないことが多過ぎて、構造計算できない。無理にしている。」という
趣旨の本音とその理由を漏らしたのを聞いてから、

確かにそうだと私も納得したので
大地震の場合には、許容応力度構造計算で大丈夫であっても
実際に本当に大丈夫か、信じきれていない部分があります。

阪神高速道路は、もっとも構造計算しやすいモデルのような形状を
していましたし、工事も設計通りに造りやすい形状でしたが、

1本足のかなりの頭でっかちで、
見た目には、大地震が来たら絶対無理だろうという
とっても不安な形をしていました。

結果は、ご存知の通りです。

阪神大震災の以前から、大地震が起こるたびに
新しい想定外や問題、未対応が起こっているからです。

関連して、筋交の掛け方の質問は多いのですが、
基本事項だけでなく、詳細に述べるには、

長文となる説明と専用の図を用意しないといけませんので
かなりの時間と労力を費やすことになり、まだ実現していません。
すみません。


ミタス一級建築士事務所では、さらに制震装置についても
15年以上、ずっと検討してきました。

毎年ある建材展やその他同様の展示会、
メーカーからの面談説明、資料送付含めて、
たくさんの種類を検討しましたが、

欠点や疑問も同時にあり、これなら良いと思うものが無かったので、
お勧めしていませんでした。

東北大震災では、ある有名ハウスメーカーの制震装置は
役に立たなかったということも聞いています。
しかし、これは考えれば、事前にわかることでした。

今回、これなら良いのでは、というものをようやく見つけたので
リフォーム工事で、追加で採用して取り付けました。
制震よりも部材の破断を守ることを期待して、部分的に採用しました。

また、現在、着工したばかりので新築でも制震を期待して
急遽、追加で採用してもらうことにしました。
安くするため、メーカーから直接購入して、支給する形です。

1 耐力壁を1.5倍以上、
2 偏心率を0.15以下
3 地震時の力の流れを考えて耐力壁や筋交い、床面の剛性、位置を
  プラン時から考える
4 地震時に局部的に大きな力、引き抜き力が掛からないようにする
5 採用した制震装置で揺れの減少や接合面の破断を守る

  1~4に加えて、今後は、5 を新たに加えて、より進化させます。

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住宅リフォームの大切な考え方(3)

2016年02月07日 09時00分50秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲ これが、壁を剥がした既存状態のグラスウールです。


前回 の続きです。

過去の建物の断熱材は、グラスウールが多いですね。
リフォームで壁を剥がしたら、

耐震や構造面、雨漏れや腐朽、白蟻などの確認も必要ですが、
無視されがちなのが、このグラスウールの入れ方です。

 

▲現状は、このようにグラスウールが入っていました。
これは、ほとんどの現場でこのように張られています。



▲このように張り直してもらいました。
違いがわかるでしょうか?
これは、お客様に写真を取ってもらいました。



このように正しく張る意味は、断熱効果が著しく変わってしまうことと
壁体内結露の問題があるからです。

最初の写真の張り方では、正しく張った場合の半分程度しか断熱効果がないという
データーもあります。

これよりも、後者の問題ですが、

外壁に通気層のないモルタル仕上げですと
外壁内で結露し、北面などでは長い期間に
外壁内が腐っていく可能性があります。

関東以南であれば、問題が生じても長期間掛かるので、
被害が発覚することは少ないですが、

寒冷地なら、この張り方では、問題が生じます。




▲もう一度、一般例で。

写真の上が、お勧めできない張り方で、
写真の下が正しい張り方です。



ですが、正しいといっても
日本ならではの張り方です。

リフォームは別にして、

ミタス一級建築士事務所の新築では、
断熱材も防湿シートも、より効果のある別の方法で行っています。

住宅勉強会の基本編では、その違いと方法もお知らせしています。



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耐震補強工事中(3)

2015年03月31日 09時20分38秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲2015年3月30日 桜が咲いていました 


東京都内で行っている耐震設計と耐震工事中のリフォーム現場です。

前回、基礎補強工事をブログアップしました。

今回は、筋交いの補強や金物取り付け、防蟻工事などです。

筋交いだけでなく、耐力面材でも、筋交の代わりに補強します。
それらは、次回以降にアップされます。

 

▲浴室部分、全部壊して、柱も土台もやり直しました。



▲筋交いと金物



▲ホールダウン金物と筋交い金物



▲ホールダウン金物と筋交い金物



▲筋交い金物



▲柱、梁、筋交いの補強 柱は無垢ヒノキ材です。



▲防蟻工事



これらの隠れる部分の確認が重要で必要です。
この後は、断熱材、防湿フィルムと進んでいきます。


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耐震リフォーム工事中(2)

2015年03月29日 10時18分55秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲生コン車から、コンクリートを現場へ手作業で運びます。



耐震リフォームで、基礎補強を行う場合の方法ですが、

方法はいくつかあります。

炭素繊維やアラミド繊維を樹脂で固めて補強する方法があり
行ったこともありますが、

今回は、基礎コンクリートを既存基礎の横に新規打設して
補強する方法です。

この場合でも、建物の外部に新しい基礎を打設する方法と
内部に基礎を打設する方法があります。

今回は、後者です。

新しい基礎を打設するなら、
どちらかといえば後者が良いのですが、

そのためには内部の床を解体しないといけませんから、
後者の方が費用が掛かります。

床下に断熱材を入れる、
床暖を新設する、
床を張り替える、

というようように床を壊してリフォームする計画なら、
この方法が可能になります。


 


▲土を指定の深さまで掘ります。


▲砕石や鉄筋を配筋し、既存の基礎コンクリートに
鉄筋をケミカルアンカーを使って差し込みます。


▲ベースの部分をコンクリート打設



▲立ち上がりの部分をコンクリート打設、型枠をはずし



▲埋め戻します



基礎は、必要な部分だけ補強すれば良いのです。

基礎の補強をせずに、建物をより強くして耐震強度を
上げる方法もありますが、窓を壊して壁にするなど

その分、強い壁を余分に増やす必要があります。

耐震補強の設計方法は、同じ家でも何百通りも
考えられます。

その家の状況やリフォーム内容に合わせて、
どれが一番効率的で有効なのかを考えるのは、

現場を確認し、要望や状況を把握したうえで
検討しますが、設計者の腕となります。



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耐震リフォーム工事中(1)

2015年03月24日 15時31分32秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲この写真の意味は? 


2015年に入って、耐震リフォーム工事を都内で行っています。

入居しながらの工事の場合は、耐震リフォームでは外壁を壊します。
ですが、この場合、正しく断熱材を入れることはできません。

古い住宅の場合は、断熱材があってないようなものですから
本当は、内部の壁を壊して断熱材を入れた方が良いですね。

しかし、そのためには、入居しながらというのは難しいです。

部分的に耐震補強という場合は、可能ですが、
かなりの壁を補強するとなると、通常は引っ越してということになります。

例外として1階の耐震補強がほとんどだったので
不便でも住まいながら可能な箇所の工事を行い

1週間だけ旅行にいって頂き、その間に

キッチン部分の壁を耐震補強
床を壊して基礎補強、2階部分の壁を補強した工事例もあります。

ご自身で1階の壁や床、天井を壊し、2階におひとりで住みながら

「このあと、どう耐震補強すれば良いか?」
とご相談にいらしゃった行動派の方の例もあります。

ですが、今回はバリアフリーや断熱材工事も兼ねており、
内部のほとんどを解体しましたので、住めません。

リフォームや耐震補強で
壁や床、天井を壊していくと、必ず想定外のことが起こります。

そのため想定外が起こるということは、想定していますので
大体のことは経験済みです。


それでも、これは考えていなかったな、という箇所がありました。

それは、以下のどれだかわかりますか?


 

▲2階部分の解体後、このあと結局、
天井の野縁という骨組み、床材の合板もやり直しとなりました。



▲1階部分の解体後
基礎が部分的にブロック基礎となっていました。

基礎補強は当初の計画にあり、その部分は基礎補強を行いましたが、

ブロック基礎の部分は、すべて耐震強度がゼロとして再計算し、
それでも、耐震性能が確保できるように、
コンピューターで再度耐震設計を考え直しました。

余裕があるよう過剰に設計していたので成り立ちましたが
ギリギリだと、成り立たないところでした。



▲風呂場を解体すると腐っていることは、よくあります。
必ずといってもいいです。

奥の壁が風呂場です。ここ以外にも、雨漏れで腐っている箇所がありました。
それらは、手直しを行って、雨漏れが今後しないように工事を行いました。



▲ガス管が、筋交いを貫通しています。

エアコンの穴が筋交いに穴を開けていたというのもよくあります。
水道管が筋交いを切ってしまっているというケースもありました。

中には、大工さんが筋交いを切っていた、というケースもありました。



▲既存の断熱材は、こんな感じで入っている場合が多いです。
入れ方も間違っていますし、もう断熱材としての性能はあまりありませんね。


▼これは、あるはずの梁がないのです。


このあるはずの梁がないという箇所が4個所ありました。

これらは、耐震強度が無いものとして計算すると
耐震設計がなりたちません。

結局すべて梁を入れて補強することにしました。



私が予想もしていなかったのは、どれだかわかりましたか?

最後の「梁がない」でした。最初の写真の意味もこれです。

不安定だったり、強度的に持ちそうに無いので
梁を入れ替えたり、補強し直すことは過去にもありましたが

4個所も、あるべき梁が入っていないというのは想像もしていませんでした。

それ以外の項目は、有り得ることですので驚きませんが
正しく工事を行うには、余分に工事費や工事期間が掛かります。

業者によっては、無視して工事を進めて終わらせる
ということもあります。

新築時でもこうなのですから、
自分達に責任のないリフォーム時には、なおさら面倒なことをしない、

または、これ幸いと高額金額を追加請求してくる場合もあります。

こういったケースに遭遇し、
助成金を申請していても、もらうことを断念して工事を進める、
というケースがあります。

理由は、耐震設計をやり直して承認を受けてから
再度工事をスタートすることになり、工事期間が長くなりすぎて断念、

または、助成金以上に費用がかかり、助成金をもらう意味が無い
予算オーバーでそこまでできない、といった理由です。

古い家屋の耐震設計や大規模リフォームは
正しく行うには、期間も工事費も余裕が必要です。

ギリギリで行うと、正しくという部分が
知らない間に犠牲になっていることもあります。
想定外のことは、必ず起こっているからです。

続きは、後日アップします。



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外壁塗装の重要ポイント その1

2014年09月09日 09時09分09秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲外壁塗装は、美しくなりますので完成が楽しみです



新築から10年以上経ってくると、外壁塗装を考えることが多くなります。

注意点は、たくさんありますが、その中でも重要なひとつ、

防水の役割をしているシーリング材について説明しましょう。


既存の外壁塗装の場合、シーリング材は、塗装の前に行って下さい。

一度、既存のシーリング材を剥がすことになっていますが、
現実的には、完全に剥がすことは難しいようです。

シーリング材の劣化度によりますが
完全に劣化していれば、完全に撤去すべきです。

大切なのはシーリング材の上からも塗装して、紫外線の劣化から
シーリング材を守ってあげることです。
これで、耐久性が全く違ってきます。

これを丁寧に、塗装前にしないといけません。

丁寧にしても、忘れがあったり、残しがあったりするので
チェックして手直しをしてもらう必要があります。

新築時には、丁寧に行なわないとすぐにわかるのですが、
再塗装時のシーリング材は、適当でもわかりにくいということもあります。

指摘しなくても細かいところまで完全にできてる、
ということは少ないようです。





▼いずれもシーリング材は不十分です。穴がありますね。 










▼これは、もう少し丁寧にシーリングをして欲しいですね。





▲この換気カバーとの取り合いですが

▼シーリング材が、付いていません。切れています。






▼配管が貫通する部分は重要です。
再度シーリングを全く行っていなかったり、
隙間があったりしますね。やりにくい箇所ですので
こういう場合は、管の保護材の上から行ってもらいます。
それから塗装でシーリング材を保護。











▼これは、シーリングではありませんが
中塗りの塗装が不十分でした。






▼塗装工事は、足場を建てて行うので、どの現場でもしにくいのですが、
ポイント部分は、丁寧に行ってもらいましょう。




シーリングが終われば、塗装に入りますが

足場を解体する前にも塗装の塗り忘れや
不良はないかを確認すると良いでしょう。

足場の上からの近くでなければ、見えない部分や不良があるかもしれませんし
足場を取ってしまうと、高い場所は手直し不可能の場合もあります。

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耐震補強工事の設計や監理、工事

2014年09月07日 20時18分36秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲住まいながらでも、状況によっては
内部からでも耐震補強工事ができます。 



耐震補強工事について、質問を頂きました。


「耐震診断をしたところ、地盤の不良、基礎および建物の強度不足が指摘された物件です。
全体的にかなりガタが来ている住宅で、本来ですと建替えや他へ転居が望ましいような状態です。


耐震についてはたとえ少しであっても改善したい、
住みながらで可能な耐震補強工事を希望しています。

外側から壁を補強する工事が魅力的と考えていますが、
そもそも軟弱地盤、基礎の脆弱性が指摘されている建物ですし、

それでどれだけ改善するのか、また、費用対効果の面でどうなのか、
といった懸念があります。

そのため、耐震設計・監理と施工とはしっかり分けて、
総合的にみてどのような工法が考えられるのか、

また費用対効果はどうなのか。
といったあたりをしっかり検討しながら、進めたいと考えています。


現在手元に、耐震診断書(一般診断)なども揃っております。」




というご質問です。

このようなご要望の方は、実際には多くいらっしゃいますが、

高齢者のため、なかなか動けない人は多いですし、

リフォーム詐欺にあってしまってる人も珍しくないようです。

耐震補強の設計は、新築時の建築基準法での考え方とは

異なります。もちろん、それで手直しができれば良いのですが、

現実的ではないので、少し異なった耐震補強の考え方と
パソコンソフトを使って耐震設計を行います。

それゆえ、正しい知識を持っていない建築士は
一級建築士であろうと二級建築士であろうと、非常に多いです。


基礎を補強せずに、壁を強くして倒壊を免れる考え方もできます。

金物の交換だけでも耐震強度の数値は上がりますし、
変えずに他の方法で数値をあげることも可能です。

耐震強度1.0は無理でも、

0.2から0.5まであげて、2階部分が載ってる1階を強くして
見かけの数値以上に、僅かな金額で安全にすることも行いました。

1.0以上だと500万円以上掛かってしまうのが、
0.8だと半分以下の費用でできたこともありました。

住まいながらだと、外壁側を壊した方が、工事はしやすいですが
費用と期間がかさみます。


内部の補強も、以前と比べると、天井や床を壊さずに、壁を強くして
数値を上げる材料や工法が開発されています。

これですと、1.0以上は無理でも、状況によっては住まいながらでも可能です。


ひとついえることは、耐震補強の方法は、同じ家でも何百通りもあります。
まして、1.0未満でも良いとなると、何千通りでは済まないくらい
考えられます。


それゆえに、どこを工事すれば効果的か、費用を抑えられるかを考えながら
設計すると工事費も全く違ったものになります。

個別の特殊な事情は別として、

耐震診断(一般診断でOK)を見れば、大体どの程度の費用を掛ければ
どの程度の点数になるか、

逆に、予算が決まっている場合には、どの程度の耐震強度の数値にできるかも
逆算できます。

横浜市が多いですが、そういうご相談をたくさん受けていますし

監理も行っていますので、書類をご持参して、アポイントを取られて
ご相談下さい。(相談は、すべて無料です)


 

▲壁を壊して、想定どおりの内部かどうか、
もし、違った場合は、どのように対応するか
補強工事は正しく行われているかどうかを
監理する必要があります。

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リフォーム解体後

2013年10月22日 09時54分06秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲内部をすべて剥がして、補強、補修箇所を確認して指示します



2013年10月21日(月)、

先週から始まったリフォーム解体の剥がしが終わったので

私とスタッフ2名、職人さんに集まってもらい、
確認と指示をしました。

工事内容はスタッフから現場で説明し、

剥がしてみないとわからない部分、
補強、補修すべき箇所とその方法、
工事順序などは、私が指示をします。



住宅リフォームは、これが新築より何倍も難しいのです。

これを行わない、または見てもこの判断が正しくできない、
ということが多いため、とんでもないリフォーム工事になっている
ことは、まだまだ多いと思います。


 

▲スタッフからの工事内容の説明と確認



▲スコップを借りて、
基礎の状況を確認するため
掘ってみました。




▲▼私からの指示







▲お客様がいらっしゃったので、
簡単に状況を説明しました。




▲雨漏れしています。
こういう箇所が6個所ありました。

これも補修が必要ですが、
工事方法を示して、
正しく行われているか確認する
ことが必要です。




▲絶対、やってはいけない場所の基礎のハツリ(穴あけ)

床下換気口の下を設備屋さんが、
基礎の下に穴を開けて配管を
外に出しています。
ここは絶対いけません。
すぐに基礎が折れます。

新築時か、昔リフォームしたときかは不明。
配管を撤去し、基礎の補強をします。





▲設備配管のために、土台も基礎もハツッています。
今でも平気で土台をハツル設備屋さんは多いです。
悪意はありません。それが普通だと思っています。




▲予想をしていましたが、
土台と柱が完全に腐っています。

他にも何箇所かありました。
交換して補強をします。




▲現場で、事前に決めた色サンプルを持参して、
確認しました。


他にも、基礎の親切、基礎の補強とその方法、
一部土台のジャッキアップ、

アンカーボルトの補強や、
既存構造体の金物を現在の新築と同じ考え方で
補強していきます。

そのための金物の種類の指示までして確認します。

毎日、スタッフか私が現場へ行きます。






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耐震補強工事 2日目

2012年06月27日 12時09分35秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲補強方法の確認と打合せ 




昨日、2012年6月26日に耐震改修工事の2日目を
行ないました。


解体後、初日に指示を出しましたが

その後、問題は生じていないか
大工工事が進むにつれ、問題が発覚するケースも多いのです。


すべて順調に行くことが確定するまで

職人さんが勝手に判断をしないように
確認や指示に現場へ行く必要があります。


携帯電話があるとはいえ、細かい部分まで
いちいち電話して相談して来ないのが普通だからです。


また、新築と違い、実際に現状をみながらでないと
ベストな判断ができないのが

リフォーム工事や耐震補強工事なのです。



 

▲新たに補強した方が良い箇所が生じ、
その補強方法を打合わせしています。




▲先駆している補強の確認と、
その後にどう補強するかも
念のため指示しておきます。






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耐震補強工事開始

2012年06月25日 16時51分59秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲解体後、チェックして指示を出します。 



木造住宅の耐震補強工事が、本日からはじまりました。


解体をしてチェックしてみないと、わからない部分が多いので
解体後のチェックは、必修です。


今朝から、9人の職人さんが現場に入り、
スタッフも立会い、家財の移動や解体を
開始しました。


解体が終わって、私も確認に行きました。


 


▲なんと9人が参加…





▲店舗部分の解体が終わり、確認




▲筋交いや壁が雨漏れで腐っていました。




▲予算が掛かるので、どこまで行うか
対応方法を説明して、その場で決めました。




解体すると、想定外のことは起こります。

改築時と思いますが、
必要な筋交いや柱を切ってしまっていることや
あると思った横架材がない…(^^)ゞ


すべて、どのように補強するか
指示を出して、工事可能で正確な補強を

決めます。

材料の追加手配や、木工事が増えますので
日程の調整も必要になります。


リフォーム、特に耐震補強は大変ですが、

そういった指示や判断を的確に職人にしていくことに、

技術者としての楽しさを感じている自分がいます。




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増築時の注意に…

2012年01月17日 20時46分02秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲増築中の現場で…注意すべきひとつに…


現在、増築工事を行っています。

増改築時には、

構造的な問題、すなわち耐震も含めて当然、重要です。

既存の点検や手直しも同時にすれば
割安にすむので、これも大切です。



重要だけど無視されやすいことは、防水処理です。

既存に新しく取り付けるので
防水に関して、充分な設計や指示だけでなく

監理者として現場の確認や点検を
しっかり行わなくてはなりません。



適当に行っていると、通常の雨では漏らなくても
台風のときには漏ってしまう、ということがあります。

本当に通常の雨で漏っていないのか、気付かないだけなのか…
いずれにしろ、建物の耐久性に強く影響します。


雨漏りしたことがないのに
剥がしてみたら、知らない間に腐っていた…
ということは、残念ながら、良くあります。



 


▲▼外壁の防水紙の貫通や破れ補修を完全に行うことは、
当然なのですが、これも意外に不完全なこともあります。
写真のものは、合格です。






▲この入り組んだ場所ですが…




▲これは、問題です。この状態のやり難い後、
次の職人が、どう処理するか不明です。

自分に関係のない余計なことは、したがりません。

新築でも増改築でも、やりにくい場所は
どうしても雑になりますしいい加減になります。
これをしっかりやり直しさせなくてはなりません。





▲具体的に、直接指示をします。




▲これは余談ですが、古い建物の場合、
木で造った部分が外部にあると塗装が剥がれ易く
メンテナンスが大変です。

そこで、今回、ガルバニュウム鋼板で巻いて、
メンテナンスがほぼ不要に
なるように工事しました。

この写真で被せている部分と
そうでない部分が良く分かると思います。

手前の茶色の塗装が剥がれていますが、
奥は紺色のガルバニュウム鋼板を巻いています。



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増築工事中

2011年11月22日 13時45分09秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲ 新築では上棟中ということになりますね


現在、戸建ての増築工事中です。

面倒でもいい加減にできない点は、既存との取り合いの処理です。

構造面と防水面の両方を、事前に考えるだけでなく
工事をしながら考えなければなりません。

構造面というのは、地震時の動きでどうなるかも
考える必要がありますから、

防水も一緒に考えるには、現場でも結構な手間を要します。

この時期ですから、年内完成は当然無理ですが

丁寧に対応すればするほど、遅れがちになるのが、
リフォームや増築です。

ギリギリでは、正しい対応に目をつぶって工事
ということも有り得ます。

余裕をみた工期で、正しい工事を行う必要があります。



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松梁の仕上げ完成

2011年10月12日 16時05分31秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲ 仕上げがほぼ終わりました。
アイランドキッチンが入ると完成します。


2011年9月23日 梁塗装の色 の続きです。


塗装を布でふき取ってもらい、松梁の木地を生かしました。

新しい金物は、黒で塗装してもらいました。
メッキの上からですから、これは
剥げ易いかもしれません。


斜めに入っている火打ち梁は、もともと有ったものですが
見た目がかなり悪かったので、大工さんに四方を
別の木で、ぐるりと囲んでもらいました。


それにも、同じように少し色をつけるため
塗装後、ふき取ってもらいました。

完全な白木とは違い、少し色が付いた感じです。



リフォームでは、勝手にこんなことを
指示してしまうので
時間が余分に掛かってしまいます。


もっとも、構造的な問題や補強の問題、
雨仕舞いの問題や断熱の問題など、

リフォームでは、工事をしながら、その場で判断して
変更していくべきことがたくさんあります。


本当は隠れる部分は無視をして、見なかったことにして
黙って進めるのが、工事をする側の立場では一番です。

監理が入らない場合や、設計施工では
そのようになりがちです。

早く工事を終わらせないと、職人さんが
親方や工務店から叱られるからです。


そのため、リフォームでは工期などは必ず余裕をもって
進めることが大切です。




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梁塗装の色

2011年09月23日 12時16分19秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲ 実際に木材に塗装してもらっています


リフォーム工事においては、以前に建てているので
小屋裏に松梁を使っていることが多いです。

せっかくですから、それを利用し、綺麗にして着色します。

どういう色にするかは、インテリアにもよりますが
実際の松梁を見て、決めます。





 


▲いくつかの色を塗ってもらいます。



▲以前も磨いてもらい、綺麗にしましたが、
塗装前に再度、埃などを除去してもらいます。
塗装屋さんだけでなく、大工さんも手伝ってくれました。



▲実際に、梁に当てて確認します。







今回は、松梁をかなり綺麗に磨いてくれたおかげで
やや薄めの色で、既存の色をできるだけ生かす色にしました。


塗装は、本日、やってくれていますので
またの機会にお見せしましょう。


▼梁の色を、廻りとの兼ね合いも考え
 濃い目に仕上た例が、これです。






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現場OJT

2011年07月15日 15時11分35秒 | 住宅リフォーム・耐震
▲リフォーム現場です


リフォームの現場では、新築とは違った学びがたくさんあります。

リフォームは、本当は新築の何倍もの難しさがあり
知識も経験も、知恵もイマジネーションも必要です。

世間一般では、何も知らない建築士や建築士もどきが
リフォームは簡単とばかりに行っていますが

私には、それが恐いし、非常に残念です。
なぜ残念かは、いずれお知らせします。


本日、現場でスタッフ2名に教えたことは


・解体するとどうのよなことを予想しておかなければ
ならないか?

・想定外のことは、どういうことがあるか?

・それらに対して、どのような対応方法があるか?

・現状をみて、職人は、なぜこんなことをしてしまったのか?

・現状を見させて、一流会社でも監理されていない職人任せの工事が
 いかにひどいものであるか?



こういったことを考察するのは、イマジネーションの力も必要です。

設計も監理も両方、このイマジネーションが必要で
これが、知恵になっていくのです。

これがないといくら知識を詰め込んでも
建築では、ほとんど役に立たちません。


仮に、同じ一級建築士の資格をもっている人でも

同じ現場を同じ時間見ても
何十倍もの考察の差がでるでしょう。


その原因は、目的意識の差、
イマジネーションの差、使命感の差…

残念ながら、本日は2名を連れていきましたが
ふたりとも、まだまだでした…。

もっと考え方を変えて頑張って欲しい…

今後に期待ですね。



 

▲解体後の現場で、教えています。



▲工事途中の状況での説明






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