先日の講演会「ラヴェルを聴く」についての備忘的に書きます。
当日は、以下のことを実際に電子ピアノで音を出しながらお話しました。
・・・・
ラヴェルの作品について、今回私が気づいたこと。
①属和音(正確には「属七和音」・・ソシレファ)→主和音(ドミソ)という形がほとんど見られない。
②五度(正確には「完全五度」・・たとえば ドソ とか レラ とか ミシ など)がたいへん多い、というより、バスの五度の上に和音が重なる、というハーモニーが基本。
その他
・父親がスイス出身の技師、母親がバスク地方出身で
フランス南西部スペインとの国境の町シブールで生まれたこと(3ヵ月後にパリ移住)
・14歳のときに
パリで開かれた万国博覧会で、ガムランをはじめとする東方の音楽を聴いたこと
などが
ラヴェルの音楽の特徴に重なる。
つまり
ストラヴィンスキーがラヴェルの音楽を評して言った「スイスの時計職人のようだ」という言葉に象徴されるごとく
③職人的完璧さ・・・ラヴェル自身が、精巧な時計や工業的なものに魅力を感じていた・・・父親の影響
次に、「ハバネラ」などに代表される
④スペイン的要素・・・母親はスペイン語も話した
また、パリ万博で聴いた音楽につながる
⑤非ヨーロッパ音楽的要素・・・これは、属七和音→主和音がほとんどない、ということ
さらに
⑥怪奇趣味、魔法など、いわゆる不思議なものに対する興味・・・母親の出身地バスク地方の特殊な文化
・・・などが挙げられるでしょう。
私が、特に面白い、と思ったことは
⑦その作品は、職人的完璧(③のような)さが一方で在る(だから作品数は必ずしも多くない)にもかかわらず、そのハーモニーの低音を支える音が、最もプリミティヴな音程である五度であること。
完全五度の響き、というのは独特のもので
私自身は、原初的ということの他に、宇宙的、とも感じます。
人間は関係ない。
この完全五度(たとえば、ドソ)の原初的、宇宙的な響きのなかに
第3音(ミ、または、♭ミ)が入った時に、はじめて人間の感情を感じる・・・。
・・・
きょうはここまで。
当日は、以下のことを実際に電子ピアノで音を出しながらお話しました。
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ラヴェルの作品について、今回私が気づいたこと。
①属和音(正確には「属七和音」・・ソシレファ)→主和音(ドミソ)という形がほとんど見られない。
②五度(正確には「完全五度」・・たとえば ドソ とか レラ とか ミシ など)がたいへん多い、というより、バスの五度の上に和音が重なる、というハーモニーが基本。
その他
・父親がスイス出身の技師、母親がバスク地方出身で
フランス南西部スペインとの国境の町シブールで生まれたこと(3ヵ月後にパリ移住)
・14歳のときに
パリで開かれた万国博覧会で、ガムランをはじめとする東方の音楽を聴いたこと
などが
ラヴェルの音楽の特徴に重なる。
つまり
ストラヴィンスキーがラヴェルの音楽を評して言った「スイスの時計職人のようだ」という言葉に象徴されるごとく
③職人的完璧さ・・・ラヴェル自身が、精巧な時計や工業的なものに魅力を感じていた・・・父親の影響
次に、「ハバネラ」などに代表される
④スペイン的要素・・・母親はスペイン語も話した
また、パリ万博で聴いた音楽につながる
⑤非ヨーロッパ音楽的要素・・・これは、属七和音→主和音がほとんどない、ということ
さらに
⑥怪奇趣味、魔法など、いわゆる不思議なものに対する興味・・・母親の出身地バスク地方の特殊な文化
・・・などが挙げられるでしょう。
私が、特に面白い、と思ったことは
⑦その作品は、職人的完璧(③のような)さが一方で在る(だから作品数は必ずしも多くない)にもかかわらず、そのハーモニーの低音を支える音が、最もプリミティヴな音程である五度であること。
完全五度の響き、というのは独特のもので
私自身は、原初的ということの他に、宇宙的、とも感じます。
人間は関係ない。
この完全五度(たとえば、ドソ)の原初的、宇宙的な響きのなかに
第3音(ミ、または、♭ミ)が入った時に、はじめて人間の感情を感じる・・・。
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きょうはここまで。