河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

11/23(土)13時30分 NHK文化センター京都「マズルカ⑫最終回」Op.67、Op.68全曲 

明日(今日)本番 KV454

2008-05-29 01:33:32 | モーツァルト関連
また昨日のつづきですが。
モーツァルトのヴァイオリンソナタ変ロ長調KV454の第2楽章展開部。

異名同音での転調がすごい、と昨日書いたあと
気づいたことあり。

変ロ短調→ロ短調→ハ短調
(♭5つ→♯2つ→♭3つ)。

それぞれ遠い調への転調に目を奪われるけど
主音だけ見れば、♭シ → シ → ド ・・・と
半音階上行型なのですね。

な~るほど・・・。
ほんま、ようできてる・・・嘆息・・・。

・・・
この第2楽章のような
シリアスで大胆でぞっくり来る転調があるかと思えば
第3楽章ロンドの最後の方のユーモア(第243小節~第250小節)など

音楽として本当に本当に魅力的で
よ~くできてる。

明日2番目に弾くプロコフィエフの第一番ヴァイオリンソナタは
或る意味で
モーツァルトのヴァイオリンソナタと究極の反対のような音楽。
(プロコの第2番はそうではないのだけど。)

ともあれ
明日の本番、とてもたのしみです。
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KV454 第2楽章

2008-05-28 00:48:53 | モーツァルト関連
昨日のつづき。

明後日(明日)木曜日本番を控えて
楽譜をアップする時間ないのだけどとりあえず。

第2楽章 Andante 変ホ長調は珍しく繰り返し記号なし。
でも明らかに第49小節からが展開部。

ここからがすごい。

提示部変ロ長調で終わったあと
いきなり変ロ短調(♭5つ!)。

5小節目(第53小節目)から減七和音等の3小節×2が終わったあと
第59小節目から。

59(小節)・・変ロ短調Ⅰの和音(♭シ ♭レ ファ)。

60・・上記に一音(♭ラ)を加えて、Ⅰの7の和音(♭シ ♭レ ファ ♭ラ)。

71・・まず上記の「♭シ ♭レ ファ ♭ラ」を異名同音に読み替える。
   すなわち「#ラ #ド #ミ #ソ」。
     ↓  ↓ ↓  ↓ ↓
   そこから「#ラ #ド  ミ #ファ」(ロ短調の属七和音!!!)。

・・・これ以上楽譜ナシで書くのはたいへんなので、かいつまんで書くと

変ロ短調(♭5つ)からいきなりロ短調(♯二つ!!)に行き
それだけでは終わらず
なんと
そのままハ短調(♭3つ)に転調するのです。

そして変ホ長調に戻ったところが再現部。

ここは本当にすごいところです。


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KV454 と KV482

2008-05-27 00:00:55 | モーツァルト関連
「モーツァルトに会いたい」シリーズを継続しているせいか
そのシリーズ以外でもモーツァルトを弾く機会があるのがうれしい。

18日は、宇治シティフィルの定期演奏会でKV482変ホ長調のコンチェルト、
29日木曜日は、大阪フェニックスホールでの「八幡順ヴァイオリンリサイタル」にて
KV454 変ロ長調のソナタを(他にプロコフィエフのソナタ第1番ヘ短調)。

この2曲は、ほとんど同じ時期の作品。
モーツァルトが、自分自身で作品目録を付け始めた頃で
ヴァイオリンソナタKV454が、1884年4月21日
コンチェルトKV482が、1885年12月16日の日付がある。

両曲ともまったく良くできた作品。

エピソードとして伝わっているのは
どちらの曲も
モーツァルト自身が弾く演奏会のために書かれたのだが
本番までに楽譜が間に合わず
モーツァルトが弾くパート譜はメモ程度だったとか。

ヴァイオリンソナタの方は
幸いその後ピアノパートもちゃんと楽譜に書かれたが
コンチェルトの方はカデンツァが残されていないどころか
第3楽章の何箇所かは、そのメモのまま。

18日本番の前は
その部分をどういうふうに弾こうか
けっこう悩みました。

カデンツァもとっておきの今回特別ヴァージョンでしたが
その話はまた別の機会に。

ヴァイオリンソナタの方は本番を3日後に控えて
練習も佳境に入ってて(?)
いろいろと気づくことあり。

この曲の白眉は
やっぱり第2楽章の転調でしょう。

以前にこの曲を弾いたときもその凄さをもちろん感じましたが
「モツ会い」シリーズで多くの曲を弾いてわかるのは

晩年のモーツァルトは
①多くの調に転調することによってカラーが変わる
②同じメロディ、音型でも音域の違いでカラーが変わる
ということにとても意識的だったということ。

詳細はまた明日。 
 
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カデンツァ完成!日曜本番コンチェルト

2008-05-15 23:45:12 | モーツァルト関連
10日土曜日の本番が終わって
今度はコンチェルト本番が18日日曜日に。

モーツァルトのKV482 変ホ長調(第22番)。

この曲は、モーツァルトの書いたカデンツァが残っていないため
いろいろなピアニストがそれぞれのカデンツァを作っている。

第1楽章と第3楽章の大きなカデンツァの他に
第3楽章ロンドの途中にアンダンティーノのメヌエットが入る(第9番ジュノームとそっくり!)のだが
その「入り」と「出」にも小さなカデンツァが必要。

しかも
モーツァルトがこの曲が書いたとき
よっぽど時間がなかったと見えて
第3楽章フィナーレのピアノソロパートには
メモ程度の音符しか書いてない所がいくつか。

モーツァルトのピアノコンチェルトは
晩年に素晴らしい曲が次から次へと生まれているが、
これは
彼がウィーンに定住してから
自分がソロを弾いてお客様を集める「予約演奏会」のための曲。

だから
オケパートは音符を書かないと弾いてもらえないけど
自分が弾くところは
全部の音を書かなくても大丈夫、というわけ。

250年後のわたしたちは
そのメモをたよりに(和音とか、だいじな音符のみ書いてある)
それをリアライゼーションするのです。

もう10年くらい前だったか
同じモーツァルトの21番ハ長調コンチェルトを弾いたとき
やはりモーツァルトのカデンツァがなかったので
自分で作曲したけど

今回はなにしろ時間がなかったので
(4月4日が母の告別式、19日にメントリ1番などの本番。その後からようやくこのコンチェルトの練習を始めました。実質一ヶ月・・・。)、

オリジナルを作る余裕がなく
リリー・クラウスやスコダ、エドウィン・フィッシャーのものを参考にして・・・

実は!
今回の演奏会のみの特別ヴァージョンのカデンツァを考えました!!

ここでその内容をバラすと
当日の楽しみが半減するので今は書けませんが。

ヒントは、下記のプログラム。

1.モーツァルト作曲 オペラ「後宮からの逃走」序曲
2. 同       ピアノコンチェルト第22番KV482変ロ長調
3.ショスタコヴィッチ作曲 交響曲第5番

 ・宇治シティフィル第52回定期演奏会 指揮・脇坂英夫
 ・2008年5月18日(日) 午後2時開演
 ・文化パルク城陽プラムホール 電話 0774-55-1010
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本番1日前です

2008-05-09 00:00:16 | モーツァルト関連
5月10日(土)午後2時、京都アスニー(千本丸太町西)4階ホールにて
アスニーコンサート「歌の花束」が開催されます。

4月19日にメントリ(メンデルスゾーンのピアノトリオ)などの本番が終わったあと
短歌26首という原稿に苦悶し(角川「短歌」6月号に載ります)、

5月18日本番のコンチェルト(モーツァルトピアノ協奏曲第22番KV482変ホ長調)の練習が入りつつ

明日の演奏会の練習も入り

その合間に指を怪我し

はっきり言って
われながらようやる。

あ、もひとつ
締切過ぎた塔の原稿、まだ書いてへん。
・・・・

明日のコンサート、以下詳細です。

 河野 美砂子(ピアノ)
 田中 奈津美(ソプラノ)
 砂場 拓也(バリトン)

♪ プログラム
 〈オペラアリア〉
・モーツァルト/オペラ「ドン・ジョバンニ」より「カタログの歌」
・ロッシーニ /オペラ「セミラーミデ」より

 〈オペラ二重奏〉
・モーツァルト/オペラ「ドン・ジョバンニ」より
        オペラ「フィガロの結婚」より

 〈イタリア・ドイツ歌曲〉
・シューベルト/「魔王」「菩提樹」
・マスカーニ /「アヴェ・マリア」他

 〈日本歌曲〉
・中田喜直/「夏の思い出」,「木兎」,「悲しくなったときには」
・山田耕筰/「この道」,「中国地方の子守唄」,「からたちの花」その他

問い合わせは、京都アスニー(電話 075-812-7222)まで。

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KV301 vn.ソナタ ト長調に救われる

2008-03-31 02:36:16 | モーツァルト関連
明日というか、もう今日になるけど、東京本番。

母のことがあるので
本番当日東京入りというコワイことをすることになった。

明朝はグリーン車で行くぞ~。

エクスプレス予約の新しいカードが来たので、
ケイタイで予約、その後チケットなしでカードをタッチするのみで乗車できるようになった、というのを
明日はやってみるつもり。

今日は
愛犬ろくの散歩を夜中の12時頃するというようなめちゃくちゃさで
なかなかハードな毎日だけど

こういうとき
明日の本番で最初に弾くのが
モーツァルトの「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 KV301」だったので
本当にすくわれる。

2楽章のみの曲、1779年モーツァルト22歳の時の作品で
ほんとーに上等な曲(特に第1楽章)。

小さいソナタだけど
無駄な音符が一個たりともなく
なんでもないようなパッセージが
いちいち私の「音楽魂」を刺激してくる。

明日弾く他のどの曲よりも
「音楽」として素晴らしい。

明るくて、屈託がなくて
でもどこかに陰影があって……。


きつい毎日に
こういう曲を練習するのって
本当に本当にうれしいというか
清められます。

モーツァルトさん、
こんな曲を書いてくれてありがとう。♪



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5人のチェロ

2007-12-17 23:42:04 | モーツァルト関連
「5人のチェロアンサンブル」の本番
15日土曜アルティ、16日日曜やまなみホールを
2日続けて聞く。
両日とも満員御礼。

本番あとの打ち上げ飲み会にも両日参加。
ちょっとしんどいわ(笑汗)。

上村昇、河野文昭、林裕、藤森亮一、上森祥平の5人のみなさん。

バッハ/ブランデンブルク協奏曲 第6番
オッフェンバッハ/ジャクリーヌの涙
バラキレフ/ロマンス
藤森亮一/組曲
ショスタコーヴィチ/24のプレリュードとフーガ より

というプログラム。

たいへん質の高い演奏で
とっても楽しかった。
それぞれの曲と、その演奏に関して
さまざまな感想をもつ。

飲み会では
チェリストの皆さんにホダされて
いらんことまで言うてしもた(汗)。

以下、冷静な報告。

バッハとショスタコは、編曲ものになるが
さすが、曲のデキがすばらしい。

チェロのみで演奏するバッハは、
聞いている方はほんとに楽しいけれど
実は、弾く方はタイヘンだとか…。
ときどきカタくなりかけるのを
曲の素晴らしさがカバーしてくれた?

ショスタコは、原曲はピアノソロの曲。
2曲のプレリュードとフーガと
1曲のプレリュードが演奏された。

特に最後の
「ニ短調のプレリュードとフーガ」は
圧倒的な音楽のテンションの高さと
その緊張感の連続の長さに
強い印象がのこった。

バッハとショスタコの間の曲、
オッフェンバッハとバラキレフは
それぞれロマンティックな小品。

休憩のあとに今回「初演」された
藤森クンの「組曲」。
いわゆる作曲家が作曲する曲ではないのが
かえって新鮮。

一曲目「プレチュール」(プレリュードのもじり)
二曲目「モシアン」(メシアンのもじり)
三曲目「チューダコダンス」。

ほんとはもっとたくさん作るはずが
時間切れで3曲になったとか。

「プレチュール」は
横に並んでいる5人の中で
真ん中の上村さんが長いバスの音を弾き、
両端の二人づつが
シンメトリカルに細かい音符を交互に弾く、
というステレオ効果的なもの。

5人のチェロ、という現場感覚が生んだ
おもしろい視点の曲だった。
どこか無機的なサイボーグ藤森(笑)の面目躍如。

「モシアン」は
私が最初に聞いた時は
ショスタコの音楽のように聞こえたけど
実はメシアンの「世の終わりのための四重奏曲」に
影響されたものだった。

藤森クンはショスタコのクヮルテットを
たしか多数弾いたはるので
どこかでショスタコっぽくなるのね。

いきなりドラマティックに始まるのが
印象的。
ぶあつい和音や
一定の歩みのリズムなど
すばらしい。

1曲目の
或る意味で無機的な曲に対して
対極にある。

3曲目は軽いもの。
この「チューダコ」で全曲で終わる、という
そのテレが良い。

でもせっかくのあの2曲目を生かすために
その前後に
あともう何曲か、ぜひ欲しい。

…打ち上げでは
5Vc.と1Pf.の6人ともがよく飲むので
ついついクイクイいってしまい、
いっぱいしゃべりました。

演奏会終わったあとに
あーでもないこーでもないって言うの
わたし大好きです。
歌会のあとの飲み会もいっしょですが。

5Vc.のオリジナルの曲はほとんどない
ということを考えつつ
今日ろくの散歩しながら思いついたのだけど

来年の「5人のチェロ」では
ぜひモーツァルトの「4手のためのソナタK.497 ヘ長調」を。

今年の7月に「モーツァルトに会いたい②」で弾いて
ホントに惚れた曲です。


なかなか素晴らしかった2日間でしたー。
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告別式の音楽

2007-04-27 01:56:17 | モーツァルト関連
式が始まるまで、ぼんやりと椅子に座りながら
流れてくる音楽(BGM)を聞くともなく聞いていました。

一昨日のお通夜、昨日の告別式に参列して考えだしたのですが
もし自分だったら、そういう時の音楽は何にするか、ということ。

自分の式を、やってもらうかどうかというモンダイは別にしても
自分が、式を取り仕切る立場にならないとも限りませんよね。

「マタイ受難曲」は、私(今の)には重すぎる気がする……。

バッハのカンタータはどれを取ってもすべていいかもしれない、
でも、人間の声が入るのは、ひょっとしたら生々しすぎるかな……。

昭和天皇崩御前のNHKラジオでは
たしか延々とベートーヴェンの弦楽四重奏を流していたはずですけれど。
後期のベートーヴェンはやっぱり重過ぎ?

告別式にレクイエム、というの
私個人としては、あまりにもピッタリすぎる気がして……。

たとえば、バッハの無伴奏チェロ組曲なら
2番ニ短調プレリュードやサラバンドの深刻さよりも、
6番ニ長調サラバンドの豊かさの方が、私にはしっくり来るのです。

で、結局、想像の上で今のところベストと思われるのは
モーツァルトの弦楽四重奏曲。
これを順番に。

どうかしら?



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音楽と詩の朗読

2007-04-20 22:30:49 | モーツァルト関連
T川S太郎さんの詩の朗読、T川K作さんのジャズピアノ、それに木管アンサンブルという舞台を昨日はみました。

詩の朗読と音楽。
とても魅力的ですが、実際にひとつの舞台にまとめるのってたぶんとてもタイヘンだと思います。

昨日の公演は皆さん経験も豊富で、特に後半は約40分間、組曲のように朗読と音楽が組み合わされる「家族の肖像」で、よく練られた作品でした。

実は私もこの秋以降、「モツ会い」シリーズで似たようなことを考えていて、でも、やり方としては限りなくナンデモアリで、だから却って困るんですよねぇ…。

……などと言いながら、きっちり終演後の打ち上げに厚かましくもカオを出し、その後ジャズピアニスト+オーボエのS司さん+スタッフの方9人に誘われるがままボーリングに。

数年以上ボーリングしたことなかったのですが、なんとわたくし、12人中最高点!(これは密かにヨガのおかげと思っております。)

夜も遅いし(場所は大阪梅田)そろそろ失礼します、てなこと言ったら、ジャズピアニストがおっしゃるに、「勝ち逃げするんか~!!」

……で、カラオケに。

20年くらい前に、ヴァイオリニストW山Kちゃんとそのお父さんと私というメンバーで、東京銀座にて1回。

10年くらい前に、河合隼雄+谷川俊太郎+山田馨各氏+私というメンバーで、これも東京にて1回。

で、昨日が3回目でした。

ふだんおんなじようこと本番でやってるから、どっちかといえばカラオケってあんまり行きたくない感じなんですけど。

行ってみると、これがまた楽しい。
荒井(松任谷)由美の「あの日にかえりたい」を歌いました~。


その後、きっちり忘れ物したまま帰宅。
親切なスタッフの方が、ちゃんとそれ(打ち上げの直前に買った演奏会用ドレス)を保管しておいてくださいました。

昨日お世話になったみなさま、本当にありがとうございました。

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モーツァルトさん、やっぱり!

2007-03-16 23:18:52 | モーツァルト関連
昨日3月15日、大阪での演奏会「クラシックファンのためのコンサート」が無事終わりました。
「チェロとピアノのデュオ」、1時間ほどのミニコンサートでした。

主催者の方から、満席になるのであんまり宣伝しないように、というお話もあって、今回、詳しいことは日記に書きませんでしたが、来年、今度は私のソロでお世話になることになりました(「シェーンベルクを中心に」というテーマになる予定)。

NPO法人として地道な活動を続けていらっしゃること↓、本当に貴重だと思いました。
http://www.classicfan.jp/index0.html
暖かくて熱心なお客さまが印象的でした。

ところで、
昨日のメインは、ショスタコヴィッチの「チェロとピアノのためのソナタ」。

その前に、ベートーヴェン作曲「魔笛」の二重唱による7つの変奏曲WoO46を弾いたのですが、それについて、今日新事実発見!

13日の日記に、この原曲のモーツァルトの「魔笛」のスコアをアップして、この曲の8分の6拍子について、オモテ拍とウラ拍の誤解について書いたのですが、
なんと!!
モーツァルトさんの自筆譜には、小節線が、全部書き直してあったのです。

つまり、現在私達が使っている楽譜(モーツァルトが最終的に書き直したもの)の4拍目は、もともとは1拍目で、今私達が1拍目と読んでいる拍は、4拍目だったんです!!

自筆譜では、もともと書いてあったすべての小節線がぐじゃぐじゃと消されて、その横に新しい小節線が書かれています。

モーツァルト関連の物凄いサイト「モーツァルト研究オンライン」(野口秀夫氏)で見つけました。
http://www.asahi-net.or.jp/~rb5h-ngc/j/k620-7.htm


まだ時間がなくて読みきれてないのですが、私の疑問に対してちゃんと糸口が見つかったこと、なんかうれしいです。

思わず、ありがとう!と言いたくなりました。
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「魔笛」より二重唱「恋を知る男は」スコア

2007-03-13 23:41:41 | モーツァルト関連
昨日の日記に書いた変奏曲の、原曲スコアです。

ベートーヴェン作曲「チェロとピアノのための7つの変奏曲 WoO46 変ホ長調」の、もとになった二重唱、モーツァルトのオペラ「魔笛」より。

昨日書いたのは、「この6拍子曲の拍子のとり方を誤解している場合が多く、4拍目を1拍目に、1拍目を4拍目のように感じてしまう」ということでした。

耳ではそういうふうに聞いてしまう方が自然なのかも。

でも、楽譜どおりに感じて弾くと、音楽全体が、まったく違ったふうになるのにはあらためて驚きます。音楽が、なんというか、大きくなるのです。

ベートーヴェンはこのモーツァルトのオペラをずいぶんよく知っていたらしく、この変奏曲のピアノパートには、同じ「魔笛」の第2幕、有名なパミーナのト短調アリアの、途中のメロディがそのまま伴奏となって出てきたり(調は違いますが)。

あの可愛そうなパミーナ(私には、エディット・マティスが重なります)を思い出しながら弾いてます。
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「魔笛」変奏曲

2007-03-12 20:59:58 | モーツァルト関連
木曜日の本番のため、久しぶりに、ベートーヴェン作曲・『魔笛』の二重唱「恋を知る男は」の主題による変奏曲(チェロとピアノのための)WoO.46 変ホ長調を練習。

この曲、前回、NHKFMラジオの公開録音のときにも気づいたけれど、8分の6拍子の、ウラ拍とオモテ拍の取り方、けっこう誤解している人多いのでは?

8分の6拍子は、大きくいえば2拍子に取るのですが、この曲、「・・シ♭/シ♭ソ ソ/ 
ソ ミ♭ミ♭…」という冒頭、本当は「ソ ミ♭ミ♭」の「ソ」が1拍目。
「シ♭/シ♭ソ ソ」はアウフタクトなのですね。 
これを、最初の「シ♭」だけがアウフタクトと誤解してしまう。

コトバでいえば、「Bei Maennern,welche Liebe…」の「wel」が1拍目です。

かく言うわたくしも、ずっと長く誤解しておりました。

誤解に気づくと、この変奏曲、すべて誤解を解かなくてはなりません。
長年しみこんだ、間違った拍の取り方を修正するのって、けっこう厄介です。
なにしろ身体と頭と耳に沁み込んでますから。

特にフィナーレの8分の6拍子など、気がついた当初はひぇ~という感じでしたね。
逆に、練習が新鮮でもありますが。


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番外編・楽譜無料ダウンロードだって

2006-12-19 23:42:58 | モーツァルト関連
ザルツブルクのモーツァルト財団が、楽譜を無料ダウンロードできるようにしてるとか。

はっきり言ってショックです。新全集買ったばかりですので。

…とは言え、いちいちプリントアウトするのと、全集見ながらチビチビ飲むのとは楽しみのグレードが違いますけど(と言って自らをなぐさめる…)。

全集は全20巻、1巻平均約 1200ページくらいですから、全部ダウンロードするのはそりゃタイヘンと思います。オペラなんかすごい量です。

ソフトカバーの期間限定超特価だったので、全部でたしか7万円でおツリが来ました。

ただ私の場合、それとは別に、ヘンレやウィーン原典版、その他の版の楽譜も買っているので(全集見て弾くわけにいかないのです)、費やしたお金は…。

でも、これまでの経験で基本的に言えることは、お金と時間を費やさないと(要するにエネルギー使わないと)いい演奏はできないみたいなので、これも必要なことだと思うことにしてます。

ちなみにこの数日は、ピアノトリオ(80年代がほとんどです!私はホ長調と変ロ長調は弾いたことありますが)、ならびにヴァイオリンのト短調(!)変奏曲の楽譜眺めては、音出すのを楽しみにしているところです。

このお正月、あるヴァイオリニストとチェリストと私とで、新年会を兼ねて、トリオの初見大会するのです!
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番外編・D.ハーディング+マーラーチェンバーオケ

2006-12-17 22:53:27 | モーツァルト関連
NHK教育TVの、ダニエル・ハーディング指揮マーラーチェンバーオーケストラ演奏会、すばらしい!!

放送では、まずブラームス交響曲2番、続いてモーツァルト交響曲第6番K.43ヘ長調、ピアノ協奏曲第20番K.466ニ短調。

このオケは、かつてクラウディオ・アバドが若者を集めて作った、ピリオド奏法なども積極的に取り入れることで話題になったオケと思うけど、その良さがほんとに魅力的。

メンバーは、見るからにインタナショナル。
オーボエ一番の東洋系女の子と、フルート一番の黒人ハーフっぽい女の子、それに2番フルートのヨーロッパ系男の子が並んで吹いてる、という具合。

ハーディングの指揮というか音楽を聴いてると、素の目で楽譜から読み取った音楽の尽きない魅力を、なんとか生き生きと伝えたい、という気持ちをひしひしと感じる。

ちょっと前の、レガート一杯の、すべてがべと~っとしてる音楽ではない、メリハリのある音楽。
31歳という若さで、これだけ「音楽的」に説得力持つのは、本当にすごい。

まさに私が今弾きたいと思ってる音楽がそうなので、余計共感するのかしら?
彼が感じてる「音楽」(アーティキュレーションやハーモニー感、拍子感、あるいは音域による色彩感、ポリフォニーの感覚など)が、私にはとてもとても良く理解できるし、私もああいう音楽がやりたいとココロから思う。

ブラームスの第1楽章が、あんなに3拍子(私は3拍子の曲は、基本的にダンスのリズムといつも思ってるけど)に聞こえた演奏、生まれて初めて聞いた。

モーツァルトのK.43の交響曲は、11歳の時の作品らしいけど、その「音楽」の魅力は限りない。
ハーディングは、その「音楽」(観念的なものでなく、具体的に)の魅力を本当に良くココロに感じていて、しかもそれをオケのメンバーに伝える技術も持ってる。

私が、「良い演奏」と感じるのは、「その作品自体がどれだけよくできた曲か」ということを感じさせてくれる演奏、ということになる。
演奏者がどれほどすごいか、ということを見せるものは好きじゃない。

ピアノコンチェルトのソリスト(フォークト)に関しては、いろいろ文句あるけどそれは置いといて、オケが面白かった。
あの、有名な聞き慣れているオケ冒頭部分も、楽譜を無心に読んだらもっともっと発見があると気づかされた。
ああそうだった、と思った。

思えば、アーノンクールの教え子の教え子世代(?)、アーノンクールの偉大さははかりしれない。
音楽の世界は確実に変わってきてる。

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番外編・レヴィン氏演奏会・つづき

2006-12-05 00:41:22 | モーツァルト関連
前の日記の続きです。

プログラム前半は、「ソナタ ヘ長調K.533+K.494」「転調するプレリュード K.deest」「プレリュードとフーガ ハ長調K.394」。

ヘ長調ソナタは、不思議なことにあまり演奏会で取り上げられないのですが、今回レヴィン氏は、繰り返し全部アリで、確信に満ちて演奏されました。
(普通、全部繰り返すと「ちょっと長すぎる?」とか思うけど。そこは、日本モーツァルト協会会員さんがお客様なので心配ないのね。)

あらためて、いい曲やった~。
この曲の前後のソナタはけっこうみんなポピュラーなのに、なんでこのソナタに限って人気ないの?

先日の私の演奏会(11月7日「モーツァルトに会いたい」)で気づいたことの一つに、晩年作品のハーモニーの魅力があるけど、まったくその通りの曲。
ぜひぜひ私も弾いてみたい~。

レヴィンさんの演奏は、なんというか、力に満ちているというかエネルギッシュ。

フォルテピアノという楽器は、すべて木でできてる。
つまり、「現代ピアノ」は弦の張りを強くするため、ピンを支える土台に鋼鉄を使ってるのに対し、フォルテピアノのピンを支えるのは木で、弦の張りがそんなに強くない。
つまり、音量はそんなに出ない。
鍵盤(タッチ)も、ものすごく軽くて繊細。
だから、人によっては、フォルテピアノを弾く時にはすごくタッチに気を使うということもある。

でも、レヴィンさんはそんなのまったく関係なく、ただ「音楽」あるのみ、という感じ。
彼は、本当にモーツァルトのほとんど全作品を知ってる(実際に音に出してみた)のでは?と思われるほどの情報量があるので、「タッチ」などと言ってるヒマないのかも。

というより、モーツァルトは、実はオペラ(ドラマ)の作曲家だった、ということを身をもって知っているので(詳しくは明日書きます)、その辺のピアニストがチマチマ弾くモーツァルトを嘘くさく思わはるのかも。

次の「転調するプレリュード」が面白かったけど、これはまた日をあらためて。♪

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