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トリオ TS-510 + PS-510の定期点検 その2(令和4年09月19日)

2022年09月19日 10時39分44秒 | 07アマチュア無線機

トリオ TS-510 + PS-510の定期点検 その2(令和4年09月19日) 
その2(令和4年09月19日) 受信機の無音対策等の修理作業

動作確認中に突然電源が落ちる事態となり、少し立ち止って考えることとしました。
本機の修復作業は7年前のことですっかり当時の故障状況については忘却していましたので、あらためて過去の自分のブログを読み返すと、今回の無音なる故障事例は当時から発生していることが判明しました。
要は無音に対する故障対応は行っていたと思っていたのですが、実は故障が再現しただけのようです。
このため今回は本気で故障対応するこことしました。
まずは、今回の動作確認で副次的に発生した電源が起動できない件の対応ですが、冷静に考えると単にACラインのどこかに問題が発生しただけですのでライン調査することとしました。
そうすると、電源SW付き音量調整器(500KΩA型)の電源SWが故障していることが判明しました。
この電源SW付き音量調整器(500KΩA型)については、TS-500の修理の時にも壊してしまったことを思い出しましたが、TS-510の電源SW付き音量調整器(500KΩA型)はTS-500のものよりも更に貧弱の部品を採用しており、とてもアマチュアとはいえ通信機に採用する部品規格ではありません。
また、この取付方法がこの電源SW付き音量調整器(500KΩA型)だけが、その他の正面パネルに取付けられている部品と異なり、シャーシとパネルの間にねじ止めされているため、ねじの取り外しと取付に難航しました。

 

①受信時、時々受信不能の状態が発生することへの対応
正攻法の対応として、無音状態の時にSSGにて7Mhzの信号をTS-510に注入して、検波以降のステージの信号をオシロで観測しました。
この結果として、最終段の6BM8の出力トランスまで信号は問題がないことを確認しました。
試しに、無音状態の時に正面パネルのPHONESのJACKにスピーカを接続すると問題なく信号音を聞くことができました。
どうもJACKについては長期間放置していたため接触面に錆が発生し、このため錆の影響により接触不良を起こしてようです。
JACKを交換するのがベストですが、配線図と異なることから、今回は簡易対策としてジャンパー線で対応するだけとしました。

 

②MODEの切替では、LSB、CWはOKだが、USBでは受信不能となることへの対応
本機の機能については、キャリア発振部の問題となるので、回路図で見るとUC1405Jの箇所となるので、回路図とパターン図を参考に掲載します。
中間周波数3395.0Kcに対して、3393.5KcがLSB、3394.3KcがCW、3396.5KcはUSBの搬送波となります。
このため、3396.5KcはUSBが発振していない可能性があるので、この確認が必要です。
今回確認試験すると、LSB、CW、USBの全モードで発振が確認できると同時に受信にも問題がないことが確認されました。
今回の無音対応の動作確認でかなり時間のエージングを行ったことがよかったのか、自然回復となりました。
なお、この水晶子などの故障であれば、水晶を特注する会社も現在ではなく全く対応できない事態となるでしょう。

※参考にTS-510を開発同時に本機の特集を行った電波科学1968年12月号を紹介しますが、この当時アメリカではアポロ7号の発射直前のことのようで、経済力、技術格差など国力においては比較にもならなかったことを今反芻しています。
また、表紙のヒースキットのSB100が掲載されていますが、トリオは本機とハードウェア構成特にコイル切替機構などの類似がみられ、かなり参考というよりか完全に真似を行ったように見受けられます。


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参考文献
電波科学 1968年12月号 日本放送協会

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


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