オークションウォッチ 「地1号受信機改」について(令和3年10月11日)
断捨離中につき入札ご法度の身でありますので、入札に参戦せず下記Yahooオークションの推移を見守り、記録するだけとしました。
近年地1号受信機の出品は殆どありませんが、まずは、入札の経過については以下のとおりです。
地1号受信機改
商品情報
個数:1
開始日時:2021.10.05(火)00:01
終了日時:2021.10.10(日)23:20
自動延長:あり
早期終了:あり
返品:返品不可
入札者評価制限:あり
入札者認証制限:なし
落札者:5*a*a*** / 評価 441
開始価格:1,000 円(税 0 円)
オークションID:m1010019767
入札件数51入札履歴
残り時間 終了
詳細
現在価格46,100円(税 0 円)
出品者情報frr59aさん フォロー
総合評価: 539
良い評価 100%
出品地域:新潟県
商品説明
カテゴリ ホビー、カルチャー アマチュア無線 受信機
状態 傷や汚れあり
貴重な地1号受信機です。オリジナルな状態ではありません、以前に改造されて使われていた物です。
購入当初は受信しておりましたが、現在、最後の写真に有るAF基盤のトランスを流用する為、外した状態です。
代わりのトランスをお付けいたします。受信コイルもお付けいたします。
ご興味が御座いましたら貴重で希少な受信機をレストアされてください。
クレームはお受け出来ませんので十分にお考えいただき、ご入札をお願いいたします。
また、電源に付きましては外部電源です。DC200VとAC6Vが必要です。よろしくお願いいたします。
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:14件)
入札者 / 評価 入札額 個数 最後に手動入札した時間
5*a*a*** / 評価:441 最高額入札者 46,100 円 1 10月 10日 20時 51分
7*6*d*** / 評価:195 46,000 円 1 10月 10日 23時 12分
2*4*4*** / 評価:1029 40,000 円 1 10月 10日 22時 25分
6*9*c*** / 評価:739 26,000 円 1 10月 10日 20時 59分
6*e*6*** / 評価:354 22,500 円 1 10月 10日 14時 28分
9*4*e*** / 評価:806 15,500 円 1 10月 9日 20時 16分
4*7*1*** / 評価:26 14,500 円 1 10月 9日 10時 37分
e*2*a*** / 評価:466 12,500 円 1 10月 7日 23時 34分
6*f*6*** / 評価:905 11,500 円 1 10月 6日 17時 53分
d*0*8*** / 評価:1362 11,000 円 1 10月 5日 22時 00分
1*9*d*** / 評価:307 10,500 円 1 10月 5日 15時 46分
d*c*d*** / 評価:536 5,500 円 1 10月 5日 8時 06分
e*c*a*** / 評価:1401 2,100 円 1 10月 5日 13時 03分
7*e*e*** / 評価:91 1,900 円 1 10月 5日 9時 46分
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:14件)
入札者の順位 すべての入札履歴
商品画像
小さな画像をクリックすると、下に拡大表示されます。
出品された本機の特長は、銘板に製造会社として住友通信工業株式会社(日本電気のこと)とあること、型式として地1号無線機受信機とあること及び筐体及び正面パネルを緑色に着色した背景の3点に関する詳細な検討を行います。
ただし、たとえ真贋判定を行ったとしても、本機の価値が損なわれることは一切ないことを補償することが出来ますのでご安心ください。
出品された正面パネルの写真を拝見すると角型プレートに比較して妙に銘板だけ白くオリジナルではないことが判ります。
旧軍の無線機を入手しても銘板だけ外されて売買されるケースが多く、このように銘板を後世修復される方が作成(悪意の偽造ではありません)することが通例です。
今回の場合個人が楽しむのであれば、この銘板でも構いませんが、遺品整理などで他人が手放したりすると世に出ることから問題が発生するこことなります。
ここにある製造会社として住友通信工業株式会社(日本電気のこと)とありますが、地1号の受信機及びム-65に関する製造会社は安立電気株式会社が独占で製造しており、誤謬といわざるを得ません。
では何故この銘板ができたというと、地2号無線機受信機の多くは住友通信工業株式会社が製造しており、この銘板を加工して銘板を作成したものと断定できます。
しかも、本銘板には不自然なことに1行空白の行がありますが、本来ここには、整流器の名があったものと推定できます。
ようは地2号無線機受信機の整流器(電源部のこと)の銘板から「二」を「一」に書き換え、「整流器」の行の文字を消去したもので銘板を作成したようです。
また、この地2号無線機受信機の銘板を転用したため、初期型の地1号無線機受信機となりましたが、これがまた混乱のもととなりました。
銘板の加工の過程(推定)
地1号の開発の譜系として、地1号無線機受信機→地1号受信機→地1号受信機2型→ム-65となりますが、本機の名板が地1号無線機受信機となったため、地1号の受信機では初期のバージョンと明示されることとなりました。
銘板の変遷
出品の写真の上部の部品の配置を拝見すると本来的には真空管の配置からはム-65の形態にも拘わらず、IFTそのものは地1号受信機のものに類似しています。
出品写真だけではこれ以上の解析が出来ません。
過去のオークション情報を検索すると同じ商品が出品された記録がありました。
旧軍 地一号受信機(ム65型?)線輪5個のタイトルで、出品者:y950413600から2020年1月 19日(日)終了で出品されていました。
なお、商品説明に以下の内容がありました。
旧軍 地一号受信機 中間周波数トランス1号型使用
前任者が内部のAF、検波部を改造していた(詳細不明)、パスコン交換、電解コン追加 AC6.3VとDC200Vを加えると動作する(不安定、接触不良) 筐体に穴等あり、ネジ不足、古い物で欠品、改造箇所は不明です。銘板はコピーです
付属線輪 ①140~250kc ②250~450kc ③450~820kc ④820~1500kc ⑦4700~8500kc⑦線輪は1号型に対応するように改造済
付属品は線輪のみです。
この説明で、銘板のコピーの件とIFTの件の問題は解決です。
ようは、本機はオリジナルのム-65系であるこるがこれで断定できました。
本機のIFTは1号型(中間周波数は65kcで長波帯の受信に使用するもの)のものを装着しており、このため付属線輪⑦4700~8500kcのOSC部を無理やり改造して対応しているようですが、性能的には疑問が残る改造です。
本来はこのようにIFTが欠落した状態の地1号受信機の修復には、戦後の市販のIFT(中間周波数455kc)を利用するのが定石なのですが・・・
地1号無線機受信機の構成
地1号受信機の構成
ム-65受信機の構成
最後に、筐体の緑色の着色の件を検討します。
地1号受信機の陸軍としての着色については、正面パネルは光沢無しの銀色、筐体は陸軍色の茶色に決まっております。
●後世の方がオリジナルのものを緑色に着色した。
可能性は否定できませんが、多くの機器はオリジナル着色と思われます。
●戦後、公官庁へ緑色で納品した。
電電公社や警察庁への納品が記録されていますが、白黒写真のため色判定ができません。
●戦時に陸軍以外の官庁へ納品した。
外務省への納品事例がありますが、緑色ではなく青色で着色され、地1号受信機の名称で納品されています。
この事実から陸軍以外への納品の場合でも、型式の名称変更がないといえるでしょう。
濃緑色では海軍への提供も可能性はないこともないが、海軍は92式特受信機がベストを思って居た為、可能性は大変低いと思われます。
●検討用の参考事例資料
本機は正面パネルと筐体とも緑色です。
銘板にはARRの型式がありますが、型番や製造年月は記載がありません。
安立電気では、戦前から戦後もARR型の名称を使用しており、しかも内部の抵抗器の製造日付などは昭和20年1月などの記載があり明らかに部品自体は戦時生産であることが判りますが、戦後の余剰物資して受信機を生産した可能性もあります。
正面パネルは緑色、筐体は茶色
戦時中に陸軍以外の官庁へ地1号受信機の型式で納品した証拠です。
なお、筐体については、後世の方によりに別の筐体と入替したケースも考えられます。
正面パネルは銀色、筐体は緑色
ただし、正面パネルの銀色はオリジナルではなさそうです。
正面パネルは銀色(経年劣化で金色と見えますが、オリジナルは銀色です)、筐体は緑色
筐体については、後世の方によりに別の筐体と入替したケースも考えられます。
●安立電気が製造したARR型通信型受信機の参考事例
昭和19年10月製造
戦後の昭和30年代製造
◎緑色の着色に関する結論
今までの資料を活用して検討しましたが、なお情報不足のため、残念ながら結論に至ことができませんでした。
参考文献
YahooオークションID m1010019767
広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます