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韜晦小僧のブログ 無線報国

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13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その3(令和3年01月23日)TR-2#2号機の送信部の修復作業

2021年01月23日 14時04分20秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その3(令和3年01月23日)TR-2#2号機の送信部の修復作業

マイク送受切替SWを動作しても、送受切替ができません。
配線を追っていくと、マイクコネクター端子での接続がトリオのマイク接続規格から変更されていました。
前所有者はトリオのマイクではないものでインターフェースが異なっていたので改造したようです。
送信部の真空管は終段の6360を除き未使用品に交換して初期試験を実施しましたが、送信電波は確認できません。
しかたないので、各段の真空管の電圧が規定値であるかの測定をしたところ最終逓倍部の12BY7Aの電圧が規定値から大幅に外れています。
翌日再度電圧測定しようとしたところ、今度は送信時にカチカチと音が発生したのでリレー関係の故障と思っていたら、なんと最終逓倍部の12BY7Aの電極から断続音がするとともにグロー発光する事態となっていました。
12BY7Aの予備在庫がないことからネットで注文するはめになりました。
さらに翌日、本機をみると該当の12BY7Aのゲッターが白濁しています。
真空管を外そうとすると、外被のガラスが割れが生じていました。
長期保存ではありますが未使用品の12BY7Aであることから安心していましたが、メーカーをみると松下さんでした。
こんなひどい真空管の経験は初めてです。
注文した12BY7Aが到着したので、再度電圧測定を行い送信電波試験をしたましたが電波は全く出ません。
前所有者により送信部の真空管12BY7Aの2本と送信管6360が欠落していたことが気にかかっていましたが、どうも同調用のコアーやトリマーを勝手にいじっているようです。
50年前では測定器もデップメーターぐらいしかなく、この辺を触るのはことはご法度のばすですが・・・・
とはいっても、こちらも中国製の安価のデジタルオシロ(測定周波数は明示されておりませんが、100Mhz程度が限界のようです)とデップメーターしかありません。
試しに、各段の発振周波数をオシロで測定すると、
原発振の8Mhz(但し原発振の周波数が大巾に狂っています)と、次段の3逓倍の24MhzまではOKですが、それ以降の逓倍段の72Mhzの測定ができませんでした。
各段のチューニングを実施し、72Mhzまではデジタルオシロで同調を確認し、最後の2逓倍部はデップメーターで144Mhzを確認しましたが、終段の6360が動作していません。
終段の回路には特段問題はありませんが、6360のP、G2の電圧は規定値以上を示してますが、何故か電力増幅していません。
6360は最初から欠落していたので、事前にネットで購入しておりましたが、6360の真空管の不良も考慮して、再度購入するこことしました。

マイクコネクター接続部

送信用VFO部

12BY7Aのグロー状態

12BY7Aのガラス部損傷状態

原発振8Mhz VFO動作(メモリ145Mhzに合わせて、発振周波数8.078Mhzであることから18倍すると145.404Mhzで約0.4Mhzのずれを調整)

6AU6 3逓倍部

12BY7A 3逓倍部

12BY7A 2逓倍部


 
終段6360入力部

終段6360陽極部(全くパワー出ず)

終段の想定される問題個所

終段6360入力部トリマー調整部(最後にこの箇所の調整を行いやっとパワー回復)

終段6360陽極部(ここも大幅にいじられていた)

リレーの接続箇所も問題個所と疑っていた

SWR計で出力「5W」を確認

RF計は動作せず(たぶんダイオードの不良のようだが・・)


やっと送信パワーを確認しましたが、変調部の動作が不良のようです。
まだまた、先は永そうです。

 


電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。    http://minouta17.web.fc2.com/

 


13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その2(令和3年01月07日)TR-2#2号機の送信部の修復作業

2021年01月07日 15時03分36秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その2(令和3年01月07日)TR-2#2号機の送信部の修復作業

見ての通り入手したTR-2#2号機はFM対応のため、かなりの改造が行なわれております。
オリジナルに戻す作業となりますが、今回は受信部は余力があれば修復しますが、まずは送信部の修復を優先とします。
送信部の改造個所は下記の2点のようです。
①AM変調からFM変調の変更のため、リアクタンス管の追加と、その制御のためのリレー回路の接断。
②リアクタンス管の出力をVFOの出力に注入。
修復作業としては、大変軽微のはずですが、入手時に送信部の真空管12BY7Aの2本と送信管6360が欠落していたことが気にかかります。
修復作業では、改造部品とのインターフェース部分だけ記録して、容赦なく部品の撤去を行います。
改造個所をオリジナルに戻すための結線を行って作業終了です。
少し迷ったのがリレー回路の接点が特異であったことぐらいでした。
不足していた真空管を挿入して、試験開始です。
送信試験を実施しましたが、うんともすんとも動作しません。
どうも2個のリレーが動作していないようです。
まだまだ点検・確認が必要のようです。

 


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仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

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13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その1(令和2年12月20日)TR-2#1号機の送信部の確認と改造計画

2020年12月20日 19時57分32秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その1(令和2年12月20日)TR-2#1号機の送信部の確認と改造計画

TR-2#1号機の受信機能については既にほぼ正常であることを確認していますが、送信機能は確認できないままでした。
何故かと云いますと、本機には送信スイッチがなく、専用のハンデーマイクで送受制御しています。
このため、実物の配線からトリオのMC-50と規格があうことを確認してやっと送信試験が可能となりました。
また、本機の正面パネルに「SPOT」なるスイッチがありますが、配線図から類推してやっとキャリプレート機能であることが判明しました。
何故 「SPOT」の呼称にしたのか謎のままとなりました。
送信試験には、通電当初は不安定でしたが(リレーの接触不良等)ランニング経過することにより安定化し、ダミーロードと電球の2種類で確認がとれ、約10Wの出力を確認しました。


 

それでは対象となる電探送信機の回路図から動作を確認します。
回路構成としては、T-311×2による自励発振に、パルス増幅RH-4、T-307、T-307の3段増幅を主発振のグリッド注入によるグッド変調を行っています。
ここで注目なのは、グリッドにはセレン整流器によるブリッジ整流回路の負電圧がかかっており、パルスが注入された時のみ発振するように部品番号「31」放電管が接続されています。
この放電管の機能により、パルスが来た時のみ放電管は充電されグリッドがショート状態となり、グリッドの負電圧が開放されるこことなります。
日本ではグリッド変調ならでの大変優れ回路構成ですが、米軍などはグリッド変調の欠点もあり採用していません。
しかしながら、パルス発振制御では、グリッド電圧制御方式の採用は日米とも共通のようです。
ここで問題となるのが入力の正の同期パルスをT-311のグリッドに同じく正のパルスとするため回路方式です。
真空管で180度位相がずれ、トランス結合でまた180度位相がずれことを考慮しながら最後のT-311のグリッドに同じく正のパルスにする必要があります。
送信機の回路図では最後のT-307ではプレート接地のカソードフォローワ―(この場合のみ同相)でつじつま合わせを行っています。


トランス結合の位相実験
最初に正弦波で実験しましたが、位相180°では判別不明の失敗のため、正パルスで再実験しました。
昔は大量に見られたSD34も今では貴重な骨董品ですね。

TR-2#2号機の電探送信機の改造方針については、これらを考慮して以下の方針としました。
①パルスの変調方式は、TR-2の6AQ5プッシュプルのプレート変調をそのまま活用します。
②送信終段6360のグリッドに放電管を追加し、常時負のカットオフ電圧(放電しなく、かつカットオフとなる電圧)を注入しておきます。
③変調部の終段の6AQ5プッシュプル(プッシュプルてあるので正の取出しは簡単)に一部制御信号として取出し、送信終段6360のグリッドに注入します。


とりあえず、今後はTR-2#2号機の改造部をオリジナルに戻す作業を行います。


参考資料
無線と実験 昭和17年12月号 昭和18年7月号からの抜粋
比島にて押収せる米軍・超短波警戒機の原理と構造
SCR-268送信機
送信部の主要部品は勿論、送信機である。
この送信機は目標に対し、超短波のインパルス波を発射せしむ装置であって、これをループ結合により送信空中線に取り出し、外界に輻射して居る。
送信菅の陽極電圧は、インパルス発生装置及び変調器により発生せしめられた高電圧のインパルス波であるから高電圧の加えられた至短時間のみ送信機が動作し、超短波を発生する如くなって居る。
第6図は送信部の原理を図示したもので、図に於てその動作状態を考えてみよう。
先づ、変調管VMの格子にインパルスの加えられない場合を考えると、その陽極電流は流れず、電源電圧は整流菅VRを通って蓄電器Cを充電するだけであって、送信菅には整流菅の電圧降下に相当する電圧が加えられ、然も陽極に対して負電圧が加えられることになる。
従って、この場合には発振せざることは明らかである。
然るに、変調管の格子に一度インパルス波が加えられた場合を考えると、変調管の内部抵抗は急激に降下し、蓄電器Cに充電された高電圧は、変調管と送信菅とを結ぶ回路にて放電回路を形成することになる。
これがため、送信機には正の高圧が印加せられることになるから、この場合には送信機は瞬間的に動作する。
斯(か)くの如くにして、送信機はインパルスにより制御せられた電波を発生するわけである。
尚、送信菅の陽極電源に相当する蓄電器Cによる高電圧は、動作時に於ては変調管と直列に加えられるから、この変調管VMは、これによる電圧降下を小ならしめんがため、相互コンダクタンスgmの大なる真空管を使用して居る。
即ち第7図の中央の如く、4つの真空管を一緒にしたような構造を有し、これにより、gmを増加せしむると同時に、斯(か)くの如き真空管を数個並列に使用して居る。
整流菅VRは前記の如く変調管にインパルスの印加されない期間、蓄電器Cへ充電電流を供給する作用をなすから、エミッションの大なるものが適当なわけである。
因みに、同図の右端は送信菅である。第8図はインパルス発生装置を、第9図は変調装置のそれぞれの外観を示すものである。

SCR-270/271送信機
送信機はプッシュプル自励方式であって、2個の水冷三極管を用い別に水冷装置を備えて居る。第4図の向かって右は送信機、左は水冷装置である。
インパルス波発生には、電鍵装置によって発生せしめられたインパルス電圧を発振管の格子に加え、これにより送信機を制御して居る。
即ち送信菅の格子バイアスをカットオフとして発振を抑制せしめ、これにインパルス電圧を加えて、衝撃的に超短波を発振せしめるのである。
電鍵装置はインパルス電圧を発生せしめる装置であり、その方法は先ず正弦波発振器によって正弦波を発生し、一旦これを矩形波とし、この矩形波を微分回路に導きインパルス波として、検波増幅し正のインパルス電圧を取り出して居る。
{第5図-(B)}、右は{第5図-(A)}、上は{第4図}


 

 

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13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その3(令和2年12月20日)TR-2#2号機の受信部の修復作業

2020年12月20日 19時50分55秒 | 51電探試作計画

13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その3(令和2年12月20日)TR-2#2号機の受信部の修復作業

とりあえず、TR-2#2号機の電源部の液漏れしている電解コンデンサーを新品と交換します。
また本機には専用の電源コネクターが付属してなかったので、手持ちのジャンク部品の雄雌逆のコネクターで作成しましたが、本体のコネクターに直結しても問題ありません。
ようは感電しないことが肝要です。
受信部の動作を確認するため、デップメーターで発振させオシロで観測します。
立派にRFから第三中間周波数段(455Khz)まで信号は通過していることを確認しました。
今回は、第二中間周波段(10.7Mhz)から検波→低周波1段増幅→出力(表示機へ)と改造予定です。
本機TR-2#2号機は電探送信機とするため、2号機での受信確認はここまでとします。



 

追記
今回の144Mhz台の超短波帯の測定器としては、トリオのデップメーターしか所有していません。
当時の戦時の技術陣も吸収型波長計、発振器程度ものしかありませんから、当時の人と同じ条件で電探試作するこことなりました。

 


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仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

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13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その2(令和2年12月04日)受信機の低周波増幅部の動作内容の検討

2020年12月04日 13時44分44秒 | 51電探試作計画

13号電探受信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その2(令和2年12月04日)受信機の低周波増幅部の動作内容の検討

正極の同期パルス信号の取出し方法を検討します。
まず、指示機の入力インターフェースは、交流信号ではなく正極の直流信号です。
この前提条件は、負極の信号があると目盛管制信号と重畳されてしまうことです。
したがって、13号電探では受信機側で何らかの対応をしていることになります。
Reports of the U.S. Naval Technical Mission to Japan, 1945-1946へ提出された回路図を再度検討します。
ブロックダイヤグラムは高周波段をエーコン管のUN-954、955、以下H管のRH-2を使用した中間周波増幅部5段、検波、低周波増幅部1段のなんの変哲もないシングルスーパーヘテロダイン方式の回路構成と思っていました。
しかし、よくよく低周波増幅部を見ると、カソードバイアス抵抗器がありません。
あるのは、グリッドバイアス抵抗器の100KΩがあるだけです。

 



このような低周波増幅部の回路図の0バイアスでは、入力電圧の正の所だけグリッド電流が流れ、波形の上半分(出力電圧では負の部分)がつぶれるはずです。
試しに、本機のRH-2から12AX7(トリオTR-2は車載用のためヒーター電圧は12Vが採用されている)に変更して検波と低周波増幅段をバラックで再現してみました。
まず、前提として真空管ではグリッドからの入力信号とプレートの出力信号では、位相が180°異なることが基本です。
B点に正弦波を入力したら、確かにC点では波形の上半分(出力電圧では負の部分)がつぶれています。
この機能では、低周波増幅というよりも検波機能に近いものがあります。

試験用のバラックの回路図

B点(正弦波)

C点(低周波増幅段の出力)

次に、検波部を見ると、RH-2の2極管接続して、しかも負極の検波を行っています。
受信する同期パルスの極性は、この検波段の出力で負極として、次の低周波増幅段の出力で位相が180°転換するので受信機の出力としては、正極の同期パルスとなります。
では、上記で説明した低周波増幅段を通すと検波機能で正極しか信号を通さないとしたら低周波増幅段の出力はなにもことになります。
しかし、ここでグリッドバイアス抵抗器の100KΩがパルス信号に同期しグリットバイアス電圧を生起し、負極の信号であっても出力として取り出すことが可能となります。
しかも、パルス信号以外のノイズ類は、キャンセルやリミットできる効果も期待できそうです。
大変優れた回路設計に見受けられます。

A点(オシレータからの矩形波)

B点(矩形波を微分し、ダイオードで負極のみ通過させます)

C点(低周波増幅段の出力)

受信機の改造目標が設定できましたので、今後トリオTR-2(#2号機)を使用して改造にチャレンジします。
ただし、回路図も不鮮明なものしかなく、しかもFM改造機で一部真空管も欠落していますが、先ずはオリジナルの原型機まで修復することから開始します。
その前に、前所有者に敬意を込めてFM改造機の受信部の修復を行います。

最後に
仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書の受信機の関連部分を抜粋します。
第二検波ハ5極管RH-2ノ2極管接続トセルモノニシテ、興ヘタル中間周波勢力ノ半波整流ヲ行イ検波ニ依ル波形ノ歪ヲ少ナラシム。
第二検波器ニ於テ低周波ニ変換サレタル勢力ハ低周波増幅器V11ノ制御格子ニ負ノ極性ヲ以テ与ヘラレ陽極側ヨリ正ノ極性ノ出力トシテ取出サル。
尚、低周波増幅器は格子電圧零ノ点ヲ動作点トシ、翼板(海軍の呼称で、陽極のこと)電流ヲ零ナラシムル格子偏倚電圧以上ノ振幅ヲ有スル入力ニ対シテ出力ヲ常ニ一定値ニ制限ス。

 

電探試作計画http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書  https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

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