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韜晦小僧のブログ 無線報国

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13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その8(令和3年02月14日)TR-2#2号機の終段部の改造作業

2021年02月14日 19時55分54秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その8(令和3年02月14日)TR-2#2号機の終段部の改造作業

逓倍部の12BY7Aのカットオフ対策を実施しました。
しかしながら、今度は送信パルスが発生しません。
微弱の残留電波逓倍前の72Mhzがオシロで観測できます。
問題は変調部でのパルスが短すぎ、逓倍部と終段部を同時にドライブすることができなかったようです。
変調部のパルス幅を加変調気味に増加させると、なんとか送信パルスを発生させることができました。
ただし、送信パルスとしてのシャープさがなくなり、パルス幅も大きくなることからこの方式を採用することは断念しました。
総ての改造を基に戻し、不完全な送信パルスですが、当面この不完全なパルスを試験用レーダー用の送信パルスとします。

逓倍部の12BY7Aのカットオフ対策後の波形

当初の変調部のパルス

変調部を加変調気味に増加させた波形

終段のみカットオフ対策した波形

 

 

電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

広島戦時通信技術資料館は下記のアドレスです。    http://minouta17.web.fc2.com/

 


13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その7(令和3年02月13日)TR-2#2号機の終段部の改造作業

2021年02月13日 16時09分12秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その7(令和3年02月13日)TR-2#2号機の終段部の改造作業

送信部の終段6360のグリッドにカットオフ用の-55Vの電圧の電源を用意します。
グリッドリーク抵抗器をアースから外し、ネオン管を通してアースに接続します。
この条件では、ネオン管のためグリッド電圧は-55Vとなりカットオフして終段6360は動作しないはずです。
更に、変調器の終段6AQ5の出力を結合コンデンサー(0.15μF)を介してネオン管に接続します。
この状態で、送信機単体で送信試験を実施します。
本来なら、この条件では終段6360はカットオフされていますから、送信波は出ないはずです。
残念ながら、搬送波(キャリア)が微弱ですが0.3W程度出力されています。
どうも、前段の逓倍部(72Mhz→144Mhz)の12BY7Aが動作しているための影響か、それとも前段の出力を受けて終段6360がC級動作したのでしょうか。
次に、送信機と表示機(同期パルスを送信機に注入)との結合試験をすると、みごとに送信パルスが発射されています。
このことから、ネオン管の動作と表示機からの同期パルスの取り込みの機能については問題がないことを確認しました。
問題は、終段6360のカットオフだけだと漏洩電波のため受信機が反射パルスの受信ができません。
このため、逓倍部の12BY7Aのカットオフ対策を実施する必要がありそうです。
もう少しで、送信機の改造が完了しそうですが、まだまだ難関は続きます。

 


電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

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13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その6(令和3年02月07日)TR-2#2号機の変調部の修復作業

2021年02月07日 15時57分10秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その6(令和3年02月07日)TR-2#2号機の変調部の修復作業

本題の13号電探送信機への改造を行う前に、変調トランスの出力側の波形と出力電圧を確認したところ、負パルスになっていることが判明しました。
本機のレーダー仕様については、受信機、送信機、表示機とも入出力のインターフェースは正パルスと規定されています。
このままでの負パルスでは、受信しても受信波を検波することができません。
安直に、真空管の増幅段を1段省略すれば、波形は反転するともおい、入力点を改造しても、変調トランス出力側は負パルスのままで改善しません。
それでは、もう一段はずして増幅なしの位相反転回路に直結すると、やっと変調トランス出力側は正パルスとなりました。
しかしながら、これでは表示機からの同期パルスを増幅していないので変調トランス側での出力が低すぎ、ネオン管を放電する力はありません。
なんと変調部の配線を追っていたら、12AX7の1/2部のG(グリッド)に前所有者が勝手に、コンデンサー(0.005μF)を接続していたことが判明しました。
これでは接続している陽極電圧降下抵抗器と結合して積分回路を構成し、パルスがなまった波形に変形することになります。
このコンデンサー(0.005μF)を除去することで正パルス(パルス幅40μsec)の出力を確認することができました。
なお、変調トランスの出力側のこの正パルス(Vpp205V)を利用して、ネオン管を放電させ、この間(40μsec)で終段6360が発振することができるはずです。

変調部のブロック図

12AV6にパルス注入

12AX7に1/2部にパルス注入(1段飛ばし)

12AX7に2/2部にパルス注入(2段飛ばし、増幅なしの位相反転部)

コンデンサー(0.005μF)の影響


12AV6にパルス注入(コンデンサー(0.005μFの除去後)の変調トランスの出力

終段6360の出力電波(波形説明できず)

 

 

 

電探試作計画      http://minouta17.web.fc2.com/aradar_prototype.html

仮称3式1号電波探信儀3型取扱説明書     https://drive.google.com/file/d/1F2Dz1-FBhtMl6tSRAvVtdSy9KuU2AXAo/view

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13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その5(令和3年02月05日)TR-2#2号機の送信部の改造作業

2021年02月05日 11時05分02秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その5(令和3年02月05日)TR-2#2号機の送信部の改造作業

改造のポイントは、AM送信機では搬送波(キャリア)が常時送信することになりますが、レーダーではこのままでは送信波の受信ができません。
このため、500Hzの送信パルスが送信するタイミングで送信し、送信パルスがないときは搬送波を停止しておき、この時間帯を送信波の受信タイミングとします。
今回は、まず送信タイミングを制御するため終段6360のグリットをカットオフするためのマイナスのバイアス電圧の電源部を新規追加します。
負電圧の条件は、まず終段6360を確実にカットオフできるとともに、今回採用した110Vのネオン管(放電管として採用)が放電しないことが必要条件となります。
電源部を試作した結果、-53Vとなりましたが、ネオン管を接続しても放電はしておりません。
後は、実機に実装して、終段の6360がカットオフとなることを確認する必要があります。
少し電圧が-60V程度がほしかったのですが、手持ちのトランスの関係でこれで試験を行います。
次に、AM送信部を修復したので、この状態で表示機と送信機の結合試験を行います。
表示機からの送信パルスを送信機の入力して波形観測します。
変調器の終段の6AQ5の波形をみると、かなりパルス波形が崩れています。
これでは、観測距離が半部程度に減少し、実用的なレーダーとしては問題があります。
この原因は、仮称3式1号電場探信儀3型(艦艇用)取扱説明書の衝撃波変調部の記述でもありますが、衝撃波を受けて入力回路に於て幅約10msとし、RH-4及びT-307増幅し変調管T-307の制御格子を励振す。
原回路から判るように、真空管各段の接続はトランス結合となって居ます。
どうもこのトランスがみそのようで、トランスによりパルス整形しながら次段へ接続してパルスの崩れを防止しているようです。
今回は、レーダーの動作確認を主目的としているため、コンデンサー結合のままとします。

全体の改造案

負電源部

試験環境

表示機

変調部の波形

終段の送信波(解読不能)

仮称3式1号電場探信儀3型(艦艇用)取扱説明書の衝撃波変調部




 

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13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その4(令和3年01月31日)TR-2#2号機の変調部の修復作業

2021年01月31日 13時37分15秒 | 51電探試作計画

13号電探送信機(トリオTR-2改造)の作業記録 その4(令和3年01月31日)TR-2#2号機の変調部の修復作業

電源オフしても残留電圧が残っていることから、今度長時間運転にこのままでは堪えれない恐れるがあるので電源系統の電界コンデンサーを交換するこことしました。
残念ながら、交換しても残留電圧は改善しませんでした。
ここから問題の変調部の不具合の調査に入ります。
この変調部はTR-2がトランシーバーであることから受信部の低周波増幅部と送信部の変調部を兼用しています。
この特徴としては、出力トランスと変調トランスを一体化し、出力は8オームと8Kオームの端子を有して居ます。
このため、受信部で受信音声が出れば合格ですが、本機は前所有者(もう廃局されたようですが元JH3IECさんにりAM機をFM機に改造されたようです)の大改造のため検波部を撤去している関係で直接確認できません。
しかたないので、手持ちのトランジスターラジオの音声を低周波増幅部に直接入力すると問題なく動作していることが確認できました。
更に送信時の各真空管の電圧を測定すると、終段の6AQ5のプッシュプルの陽極とG2が送信時のみ電圧がありません。
これはAM機のプレート・スクリーングリッド同時変調からFM機のリアクタンス変調に改造するため、必要条件です。
このためにはリレー回路の改造が必要なのですが、無改造の1号機のリレー回路と改造された2号機のリレー回路を比較しても改造した様子がありません。
どうもメーカーのほうでFM機用に改造しやすいように回路図にはありませんが、冗長した結線がされていたようで、これを切断したようです。
原因は判明したので、逆にジャンパー接続して、早速試験しましたが未だ変調部は動作しません。
ここまでいくと最後は変調トランスのレア―ショートを疑いましたが、変調トランスの出力端子をよくよく見ると接続がショートカットされています。
JH3IECさんの徹底的にAM機能を排除する姿勢に今更ながら感心する次第です。
やっとのことで、変調部が動作しているようですが、確認のため1号機を受信機としてダミー接続で試験電波を発信しましたがあまりに近接のため検波が飽和したようで受信音を確認できません。
いまさら、確認用の144Mhz帯のAM受信機など、どこにもありません。
困っていたら、デップメーターのモニター機能で受信確認を利用できることを思い出し、やっと送信波が正常であることが確認できました。
ただし、このデップメーターのイヤーホーン端子は、中型のものですが手持ちのジャックと規格が合いませんが、どうしたことなのでしょうか。
やっとのことで、元のTR-2の送信部の機能を復元できました。
ここから、本題の13号電探送信機へとの改造を行いますが、まだまだ先は永そうです。
本作業については、1日に30分程度で根気がなくなりますが、困ったものです。

電界コンデンサー交換作業

リレー回路の配線状況

変調トランスの修復作業

デップメーターのモニター作業

送信電波(500Hzの正弦波注入)

 

 

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