なので、少なくとも被担保債権の履行遅滞前の譲渡担保権者による処分は、「所有権-設定者留保権」たる物権の処分の意味しかないと考えるべきであり、設定者は、設定者留保権(使用収益権限、債務完済による所有権の取り戻し)を譲受人に対して主張しうる法的地位があると考えている。したがって、譲渡担保権者が担保物を第三者に売却したとしても、設定者は使用収益権限を失わないし、債務を完済すれば、当該第三者から所有権を取り戻せるのである。
さらに言えば、債務完済による所有権の取り戻しは、将来に向けた取り戻しではなく、遡及的な取り戻しと解したい。したがって、債務完済時には、譲渡担保権者に移転した所有権移転登記(その後の譲受人)に対してその抹消を求めることになる。しかし、その場合でも、いわゆる「復帰的物権変動」として対抗要件処理や94条2項類推処理をしたり、契約解除による民法5451項但書適用をしたりすることには反対で、あくまでも物権的権利として遡及的に所有権を取り戻すことができる権利であり、それを何人に対して主張しうると考えたい。
それにもかかわらず、譲渡担保の設定における登記として所有権移転登記は虚偽表示であり、94条2項が適用されうるというのは、設定者に残されている物権的権利である設定者留保権をないがしろにする解釈でしかない。
私は以上のように考えるのだが、違うのだろうか。
さらに言えば、債務完済による所有権の取り戻しは、将来に向けた取り戻しではなく、遡及的な取り戻しと解したい。したがって、債務完済時には、譲渡担保権者に移転した所有権移転登記(その後の譲受人)に対してその抹消を求めることになる。しかし、その場合でも、いわゆる「復帰的物権変動」として対抗要件処理や94条2項類推処理をしたり、契約解除による民法5451項但書適用をしたりすることには反対で、あくまでも物権的権利として遡及的に所有権を取り戻すことができる権利であり、それを何人に対して主張しうると考えたい。
それにもかかわらず、譲渡担保の設定における登記として所有権移転登記は虚偽表示であり、94条2項が適用されうるというのは、設定者に残されている物権的権利である設定者留保権をないがしろにする解釈でしかない。
私は以上のように考えるのだが、違うのだろうか。