Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Larry Weiss

2006-04-04 | SSW
■Larry Weiss / Black & White Suite■

 先日、四谷荒木町の馴染みのバーに入ったところ、先客の中年男性が持参したCDを店内で聴いていました。 ミュージシャンはグレン・キャンベル。 あの雄々しいボーカルが店内に響き渡っていたのです。 そのCDはベストアルバムで、すでに代表曲「恋はフェニックス」は過ぎていまして、ジム・クロウチ、ニルソン、S&G などの名曲のカバーが進んでいきました。 そして最後に収録されていた曲になったとき、「あれ、この曲聴いたことあるな」と思ってクレジットを見たのが、「Rhinestone Cowboy」という曲。 そして、クレジットに書かれていたのが、Larry Weiss の文字。 「あー、そうだったのか!」ということで、今日このアルバムを紹介することになりました。 そんなことが無かったら、しばらく聴くこともなかったと思います。
 前段が長くなりましたが、このグレン・キャンベルのベストには必ず収録されている「Rhinestone Cowboy」の作詞・作曲をした人物が、今日とりあげる Larry Weiss です。
 1974年に発表されたこのアルバムは、彼の唯一の作品。 20th Century といえば、Randy Edelman やPatti Dahlstrom など SSW の名盤を多く残している名門です。 このアルバムもきっとそんな一枚だろうと思って買って以来、実は 10年以上ぶりに聴きました。 今回、その時と大きく印象が異なったかというとそうでもありません。
 A面には、その「Rhinestone Cowboy」で始まります。 こうして改めて聴くと、やはりこの曲がベストトラック。 サウンドもアコギとストリングスが丁寧で美しい仕上がりです。 Jimmie Haskell のアコーディオンが聴ける「Sheldon」、Hugh McCracken の繊細なギターが心地よい「She’s Everything She Doesn’t Want To Be」、ピアノ系 SSW 的な曲調の「Lead On Me」など、この時代を代表するミュージシャンの演奏が楽しめます。 気になるのは、Hugh McCracken のギターはいつになく饒舌なのですが、逆に Leland Sklar のベースがほとんど聴こえないことです。 これは、ミックスの問題なのでしょうか。 何か物足りなさを感じる要因のようにも思えます。
 B面に移ると、ピアノのイントロで「Lay Me Down (Roll Me Out To Sea)」が始まります。 この曲は、曲調・展開ともに、Eagles の Desperado に酷似していて、聴いているほうがビックリしてしまいます。 年代的にはあちらのほうが先なので、影響を受けていないというのはウソになるかも知れません。 ラストの「The World Was Filled With Love」もちょっと期待はずれ。 飛行機の飛ぶ音、ストリングスの急降下、爆弾の音、といった SE 的な効果の後に始まるファンキーなピアノ、というところまでは奇をてらっているだけなのですが、それ以降の展開がいただけません。 もっと愛にあふれたアンセムのような盛り上がりを期待したのですが、さほどのことはなく、しょぼい感じでアルバムが終了します。 B面は 4曲しかないのになあ。
 ということで、僕がこのレコードを買ったときと同じくらいの 500円であれば、聴いてみる価値はあるかもしれませんが、SSW ファンは「マスト・バイ」という内容ではありません。 強いて言えば、Hugh McCracken ファンの方がいたら、いつになくフィーチャーされていると思いますので、オススメします。 僕は CD 化されたとしても、ちょっと躊躇してしまうかも。
 そんな Larry Weiss はいま何をしているのだろうか、と検索してみたら色々出てきました。 そして、本人の公式サイトも発見することができました。 その名も、ズバリ!です。


■Larry Weiss / Black & White Suite■

Side-1
Rhinestone Cowboy
Sheldon
She’s Everything She Doesn’t Want To Be
Sweet Ophelia
Lead On Me

Side-2
Lay Me Down (Roll Me Out To Sea)
Evil Woman
Anytime Babe
The World Was Filled With Love

All Selections Written and Produced by Larry Weiss
Executive Producer : Ray Wetzler

Tom Hensley : piano
Leland Sklar : bass
Rick Marotta : drums , percussion
Hugh McCracken : acoustic & electric guitars , mandolin , harmonica , organ
Jimmie Haskell : accordion , moog
James Hendrix : dobro , acoustic guitar on ‘Lay Me Down’
Jim Keltner : drums on ‘Lay Me Down’
Dean Parks : electric guitar on ‘Lay Me Down’
David Parlato : bass on ‘Lay Me Down’
Larry Weiss : organ on ‘Lay Me Down’

Strings and Horn Arranged and conducted by Jimmie Haskell
Concert Master : Sid Sharp

20th Century Records T-428



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