Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Dust And Ashes

2009-02-11 | Christian Music
■Dust And Ashes / A Different Kind Of Blue■

  Dust And Ashes はJim Moore、Tom Page、Jim Sloan の 3 人によるクリスチャン・ミュージック・グループ。 3 人それぞれが曲を書け、リードボーカルも務めるので、メンバーのソロ活動が前後に行われていた可能性があります。 しかし、このアルバムは特別なフロントマンがいたわけではなく、むしろ 3 人の声の区別がほとんど分からないので、3 人編成のアルバムということを忘れてしまいがちです。 唯一「When You’ve Been Away For a Long Time」だけは、ボーカルが交代して 3 人がリードを取るので、微妙に声が違うことは確認できました。 

  冒頭にも書きましたが、彼らは CCM に分類されますが、サウンドはカントリー・フォークといったところでしょう。 土埃や汗の匂いはしないのですが、中西部のテイストの漂う B 級サウンドといった趣きです。 特にテンポの速めの曲のほとんどは、取るに足らない出来で、スキップしたくなります。 しかし、ミディアムやスロウのなかに、3 人の音楽的な素養がにじむ場面もあり、そうした曲をつまみ食いして楽しむのが、このアルバムとの接し方です。 つまみ食いの対象となるのは「Do You Know My Name」、「Who Were The Children」、「The Beggar」そして「Song For A Carpenter」あたりでしょう。

  とくに、アルバム冒頭の「Do You Know My Name」はTom Pageによる慈愛に満ちたメロディーが美しい佳作。 この調子でアルバムが続くことを期待してしまうと残念な結果になるので、要注意です。 「Who Were The Children」は Jim Sloan による典型的な CCM バラード。 予定調和の世界です。 「The Beggar」と「Song For A Carpenter」はやや地味ですが、ブラザース・フォアのような 3 人のコーラスが聴きどころとなっています。

  全体的にたいした内容ではないこのアルバムですが、なかなか手放せない理由があるのです。 それは、このレコードが 1960 年代後半から 1970 年代にかけて存在したマイナーレーベル Avant Garde Records の作品だからです。 このレーベルは、個性的なフォークやサイケなサウンドで知られているニューヨークのレーベルで、トータルで 50 枚くらいの作品を残して消滅しています。 Avant Garde Records のディスコグラフィーを整理したサイトによると、「A Different Kind Of Blue」は 1972 年の作品でした。 しかも同じ 1972 年に「The Lives We Share」というアルバムが存在していることを知りました。 しかも、このアルバムは Avant Garde Records が発表した最後の作品でもあったのです。 あまり縁起のいい話ではありませんが、Dust And Ashes にとってもラストアルバムだったに違いないでしょう。

  ちなみに、そんな検索を続けているうちに、彼らには 1970 年に「From Both Sides」というファースト・アルバムがあることも発見。 あまり興味もなく、探そうという意欲の持てないクリスチャン・グループですが、彼らが世に残したアルバム 3 枚の全貌が見えてしまいました。 でも探さないぞ。



■Dust And Ashes / A Different Kind Of Blue■

Side-1
Do You Know My Name
Those Who Need A Friend
Travelin’ Down A Dirt Road
18th Hour Of Dyin’
Who Were The Children

Side-2
Charleston
When You’ve Been Away For a Long Time
Don’t You Know The Face
The Beggar
The Beatitudes
Song For A Carpenter

Produced by Clay Pitts

Acoustic guitar : Jim Moore, Tom Page, Jim Sloan (Dust and Ashes)
Bass guitar : John Darnall
Drums : Kenny Malone
Pedal Steel : Weldon Myrick
Dobro, electric guitar, harmonica, viola and drums : John Darnall
Piano : Clay Pitts

Recorded at Woodland Sound Studios, Nashville, Tenn. And Arlue Studios, Jackson, Tenn.
Mixed at Record Plant, New York City

Avant Garde Records AVS 134


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